迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

とりも亡きけり佐野の船橋。

2024-04-22 18:33:00 | 浮世見聞記




ラジオ放送の寶生流「船橋」を聴く。

田樂一座の持ち藝を世阿彌が改作した怨執譚で、忍び妻に逢へずに川に嵌められ沈んだ男の悲痛な恨みと叫びが、今回の放送で初めて胸に響いたところに、“謠寶生”の面目躍如と覺ゆ。 

鄙の昔噺には、かうした川や橋にまつわる悲話が多く見られる。

水は命の源であると同時に、その命を呑み込むものでもあることへの畏れが、かうした説話をいくつも生み出したのだらうか。








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