2019年9月撮影
戦争に従軍 ドガ オペラ座のオーケストラ
1870年と71年に『ドガ』は2回の戦争を経験します。
最初は1970年7月に始まった普仏戦争です、この時ドガはこの戦争に従軍しています。
しかし、普仏戦争はフランスの敗北に終わり、71年の2月には今度は国内で、
パリコミューンが勃発します、このため彼は、ノルマンディーに移動しています。
《オペラ座のオーケストラ》1870年 油彩 オルセー美術館所蔵
ちょうどそんな時に『ドガ』が描いた絵です、この絵は友達に預けてその後に、
ノルマンディーに移動してしまったので、加筆ができないまま完成となった作品です。
この作品で、中央に描かれているバスーン奏者は、彼の友達で、
『デジレ・ディオー』です。
この作品でも、コントラバスのヘッドが一番前に描かれています。
『ロートレック』の描いたバレーの舞台に似ている構図です。
さらに面白いことは、解説書によれば、このオーケストラの中には、
彼の友達が何人か紛れ込んでいるそうです。
彼が必死に学んだであろう、オランダの画家たちが描いた、
集団肖像画にもなぞらえます。
舞台の上には、これから彼がたくさんの作品を描くバレリーナの、
チュチュと足が描かれています。
参考「ドガ」アンリ・ロワレット著 創元社刊