見出し画像

時の栞・翡翠工房

かくかくしかじか☆吉田たろう先生のこと


ふと覗いた古本屋さんで、東村アキコさんの漫画
「かくかくしかじか」が全巻揃っていたので、思わず
大人買いしてしまいました。


読破・・・号泣。



むか~し、私は 美術系専門学校に 通っていました。
そこで二人の恩師に出会い、沢山の影響を受けました。

その中の一人は 故 吉田たろう先生です。
20代半ば、百貨店で派遣の仕事をしながら
まだ絵を描いていた頃、「翡翠ちゃん~関西美術文化展に出品せ~へんか?」
と、勧めてくれた たろう先生。

「全紙2枚分くらいで描きや!」と言われ、しかも期限は1カ月でした。
とりあえず、百貨店の仕事は休んで一日中 制作。


長閑な時代でした。


たろう先生が 体を壊されて何年かたった頃、先生のイラスト モムの絵葉書で
手紙が届きました。

「いつも元気な 翡翠ちゃん・・・その元気を貰う 元気がないよ・・・」
そんな書き出しだったかと思います。

これはちょっと、一回お見舞いに行こう。
基本、即断即決即実行な私は 翌日 先生の入院先へお見舞いに行きました。


病室を覗くと 先生は青白い顔でこちらを見ていました。
ちょうどその時、制作中だった 貼り絵を何点か持って行ったので
見てもらいました。

作品に目を落とす先生の顔は、学校で見たときの あの先生の顔でした。

「う~ん よう頑張ってるやんか~」

さっきまで、あんなにしんどそうだったのに、生徒の作品を見ると
こんなに変わるの??
先生の顔を見ながら、そう思いました。


でも、それが 先生と話をした最後でした。


その年の 10月に66歳で お亡くなりになられ、
後の 友達の話では 夏場に暑中見舞いも兼ねて 友人知人や生徒達に
沢山 ハガキを出されたそうです。


あのモムのハガキが来なかったら、きっと行かなかったかもしれない。


たろう先生からの 数々の手紙は今でも 大切にしまってあります。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日記」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事