毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

諸行無常、だから大丈夫

2024-06-05 09:32:38 | 裏庭

命の移ろいを儚く感じるとともに、いや、だから大丈夫だと思う。

鴨長明さんが千年も前に喝破した"行く川の流れは絶えずしてもとの水にあらず"

人も朝に生まれ、夕刻に死に、家も、街並みも、一つとして変わらないものはない。

しかし、この命は連綿と次の命に繋がっている。

変わっていくものの向こうに変わらないものがある。

だから、大丈夫だと思う。

 

草木を見るとすうっと邪気が収まり、

淡々と明日の夜明けを待とうという気になる。ブランニュー・デイを。

 

⤵昨秋、川の傍に咲いていたホシアサガオ

枯れた後の種を持ち帰って、春に裏庭の北の端にパラパラ蒔いたら

たくさん発芽した。

6月に入り、つるが出てきたので支柱を立て、成長を待っている。

川の傍で可憐に咲いていたあの花をこの庭で見ることができるだろうか。

季節とは無関係にあくせく生きてきた私だが、

ここにきて秋を待つ気持ちが膨らんできた。

 

昨年10月に挿し木したローレル、秋に挿し木は無理かなとも思ったが、

5月初めに確認するとちゃんと根が出ていた。⤵

今はこんな感じですくすくと育っている。⤵

もう少し若葉が濃く固くなったら欲しい人にあげようと思う。

⤵母の樹は切ったところから四方に枝を出して庭を一層狭苦しくしているが、

私は決して文句を言わず、葉を千切ってシチューなんかに使わせてもらっている。

他にも花が枯れた後に挿し木したガクアジサイが、3年の時を経て遂に開花した。

咲いたと言ってもなんか弱弱しいけど、

日当たりの良い息子の店に移さなかったら今年も咲かなかったかもしれない。

 

 

⤵2年前、某所で息も絶え絶えだったところを救出してきたドクダミも、

今は着実に根を張っている。

三つ葉、ムラサキツユクサ、笹、レモンバームなどいずれも生命力の強い植物たちに混じり、

花も咲かせ、ドクダミ茶として私の命の糧になってくれているありがたい存在だ。

街に棲んでいても、自然の命をいただき、自然の片隅に居させてもらっている。

 

命は繋がっている。

私の命はそう遠くない未来に尽きるだろう。

でも、大丈夫だ。

命は繋がっている。

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日本のテレビが報道しないアメリカの人々の姿

2024-06-02 20:33:50 | 反戦平和

国家としてのアメリカは世界の独裁者みたいだけど、

アメリカ国民は違う。

さすがプロテストの本場、年季が入っている。

街行く人たちも日本のように素知らぬ振り・我関せずといった雰囲気はなくて、

反対だろうが賛成だろうが自分の意思を身体で表現しているように思われる。

 

フェイスブックのショート動画には

アメリカにおけるガザ支援の動画が数多く挙げられているのでいくつかコピーしてみました。

まだ消されていないことを望みます。

 

☆シカゴの大学卒業生たちが卒業の日に…。⤵

「今日は政治的な日じゃないんだ!」と一人叫んでいるのは先生?

 

☆ニューヨークの高校生たちも…。⤵

いやー、ノリがいいなあ。

そう言えば私がイラク戦争直前(2003年)にシアトルにいたときも、

シアトルのいくつもの高校の生徒たちが大結集し、3000人ぐらいが「イラク戦争反対」を掲げ

キャピタル・ヒル(よくある地名。シアトルにもある)までデモしてたなあ。

その時シアトル市の高校の先生方は午後の「社会活動」として授業認定したという。

日本の公立学校ではこうはいかない。

教師の裁量権がとても狭隘な上、教師たちは勝手に自主規制するからだ。

アメリカに住む人々は政府にプロテストすることを大切にしている。

政治が国民生活に多大な影響を与えるのだから

国民が政治に注文つけたり、モノ言うのは当たり前なんだけど、

今の日本の多くの人たちは黙りこくって、デモもしなけりゃ選挙にも行かない。

だから日本は歯止めがかからずヘンになる。

 

☆ジョー・バイデン支持者の集まりで「前はあなたに投票したのに」「あなたはジェノサイド・ジョーだ」と・・・。

バイデン氏は「座ってください」とか言っているけど、これではトランプに勝てないのでは。

 

☆こちらの抗議の声はバイデン支持者らの「もうあと4年」コールでかき消され・・・。

民主党支持者でも多くの人はイスラエル支援の立場なのだそうだ。

イスラエルに莫大な軍事支援金を送るのは共和党・民主党とも議会で賛同し決議されている。

 

☆最後にキリスト教関係者のストロングスピーチ・・・

M.L.キング牧師やマルコムXの子どもたちが大きくなって

そのうちの一人がスピーチしているように思える。戦う民主主義者たちが健在のアメリカ。

[拙訳:拙過ぎ(;^ω^)]

ユナイテッド・ステイツがイスラエルに何十億ドルもの武器供与資金を送り続けるとき、

私たちは平伏を強要されている(hold your head down)

ガザで約35000人ものパレスチナの人々が殺されるとき、

私たちは平伏を強要されている(hold your head down)

社会的に目覚めなければならないと我々に言う協会が

都合により今回は黙りなさいと態度を変えて私たちに言うとき、

私たちは平伏を強要されている(hold your head down)

平和的に抗議をする人々が襲撃され、まるで動物のような扱いで連れ去られるとき、

私たちは平伏を強要されている(hold your head down)

 

 

 

 

 

 

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映像の力・人間の力-世の中お前だけで何が変わると言う人に対して

2024-05-31 22:11:00 | 民主主義について

デモにも行ったり行かなかったり、

ネットのしょうもないコメントにげんなりして一日しょげ返ったり、

こんな世の中どうとでもなれと投げやりになったり・・・と、

いかにも中途半端な私ですが、

どこかで人間が人間に訴える姿を見ると、また背筋を正して

しっかりせなあかんな、と思いなおします。

そんなことの繰り返しですが、

人間としての自分を捨てるのは

死ぬ間際、意識が混濁し始めたときぐらいでいいんじゃないかと思います。

 

今、身近な友人がホスピスケアの病院に入院していますが、

彼女もそう思って、日々過ごしているのだろうと感じています。

 

下は以前X(旧ツイッター)で観たものですが、

またTRT WORLD(トルコ公共放送)が取り上げているのを今日観ました。

この動画の若者たち一人・ひとりの言葉がどれほど世界の人々を動かしたことでしょう。

私もその一人です。

 

↓「ニューヨーク市の議員に対して若者たちが次々と発言し、引きずり出される様子」

拙訳

あなたがニューヨーク市民の代表だなんてどうして言えますか。この国の70%、ニューヨーカーの45%がガザの停戦を要求し、53%のニューヨーク市民がイスラエルの軍事のための資金援助を望んでいないこのときに。(途中、近くに座っている議員支持者が何度も「止めろ(しゃべるな)!」と怒鳴るが、彼女たちは負けない)アメリカは何十億ドルもの国民の税金を子どもを殺すために送っているんですよ!30,000人が殺されているんですよ!

How can you say that you represent New Yorkers, when 70% of this country demands a ceasefire in Gaza,when 45% of New Yorker demand a ceasefire, when 53% of New Yorkers do not want to send Islaeli funding for military aid anymore.  We are sending (Stop! Stop!) billions of our taxpayer dollars(Stop!!!) to kill children (Stop!!!) 30,000 people have been murdered. (Stop!!!)

ギリブランド議員、あなたはこの前の選挙期間に366,000ドルをイスラエルの運動団体から受け取りましたね。あなたはなぜ外国の政府があなたの利害を買うのを許すのですか。

Senator Gilliband, you received $366,000 from pro-Islael lobboes in this past election cycle.  Why are you allowing your interest to be bought by foreign governments?  

あなたが停戦を決める前に、どれだけの人数のパレスチナの子どもたちが殺されないといけないんですか?あなたの手は血だらけだ。人は生きるに値するんだ!

How many Palestinian children need to be killed before you call for a ceasefire?  You have blood on your hands.  My people deserve to live! 

My people deserve to live!

My people deserve to live!

 

 

 

 

 

 

 

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「産まずして何が女性か」(上川外相発言)批判は切り取りで的外れ?

2024-05-28 10:51:48 | 人権

写真:東京新聞webより

上川陽子外務大臣(静岡一区選出・法務大臣歴3回)が

連日、静岡県知事選挙の自民党候補応援に入り、

5月18日に「今一歩を踏み出していただいたこの方(大村候補)を女性が産まずして何が女性でしょうか」

と驚きの発言をした。当然ネットは大騒ぎで、野党から

「産みたくても産めない女性への配慮に欠ける」などと批判され、翌日に

「女性パワーで未来を変えるというわたくしの真意と違う形で受け止められる可能性があるというご指摘を真摯に受け止め、この度撤回をいたします」

という展開になった。

上川さんは「女性パワーで大村候補を当選させる」というのが発言の真意で、

「子どもを産まなければ女性ではない」と意味したものではないと言いたいようだ。

ネット上の上川発言支持者の主張も、

〈上川氏は「自分も含めた女性たちが自民党の候補を知事にしよう」という趣旨を、「女性」「うむ(産む、生む)」という言葉で表現しているだけだ。切り取り過ぎの的外れな批判に対してひるむ必要は全くない〉というものだ。

そこでおやおやと思うのは上川外相、ネット支持者の双方とも

「女性」=「うむ(産む・生む)」ということを前提にし、

それに何の疑念も違和感も抱いていないことである。

つまり、女性も男性もようやく

多様な生き方が是認されるようになった現代日本社会にあって、未だに、

女性は産んで当たり前の存在だ」というステレオタイプを肯定しているために、

「産まずして何が女性か(産まなかったら女性ではない)」などという言葉が

たじろぎもせず口から出るのだろう。

この価値観は次の‟筋金入り”の人々の発言と全く同じ脈絡にある。

故石原慎太郎(当時都知事)

「❝女性が生殖能力を失っても生きているってのは無駄で罪です❞って

「❝男は8090歳でも生殖能力があるけれど、女は閉経してしまったら子供を生む能力はない。そんな人間が、きんさん・ぎんさんの年まで生きてるってのは、地球にとって非常に悪しき弊害だ❞って…。(引用の形で自説を述べたもの。2001年)

杉田水脈(自民党衆院議員)

「彼ら、彼女ら(LGBT)は子どもを産まない。つまり生産性がない(だから彼ら・彼女らに税金をかけるべきでない)」(2018年)

森喜朗元首相(当時自民党衆院議員)

「子どもを一人も作らない女性が、好き勝手して自由を謳歌して楽しんで年取って…。それを税金で面倒見るのはおかしい」(2003年)

柳沢伯夫元厚労相(自民党)

「女性は産む機械」(2007年)

 

上川陽子さんは静岡雙葉高校というカトリック系女子高校出身でカトリック教徒だそうだ。

カトリックの教義では、「結婚(子づくり)とは、神創造への協力と考えているため、子どもを産むことは神への貢献」なのだそうだ。

国家主義的「産めよ増やせよお国のために」というのが、

上に挙げた石原慎太郎・森喜朗・杉田水脈・柳沢伯夫などの考えだが、

上川さんは宗教的信念に基づき、子を産むことを是としているのかもしれない。

(そうは言っても法相時代に、「殺すな」というカトリックの信念も何のその、

死刑執行を断じたのだから、彼女の宗教的信念というのも

国家のシステムの前には大したものではないようだ)

結局、上川陽子という人は所詮、権威に弱いただの優等生なんだろう。

だから、「神への貢献」などと真面目に考えたその頭で、

ほどなく自民党に巣食う「国家への貢献」病にも適応してしまうのだろう。

 

いずれにしても、今回の「産まずして何が女性か」発言は、

自民党の時代錯誤的価値観を余すところなく露呈しているように私には思える。

しかし、野党が「産みたくても産めない女性への配慮がない」とだけ批判するとしたら、

それはまた同じ穴の狢ではないか。

安心して命を育めない環境に置かれている場合、あるいはそもそも機会がない場合、

「(身体的には)産めるけど産まない女性」がいるのも当たり前だ。

産む、産まないは国家や神様ではなく、個々の女性が自分で決めることである。

・・・・・・・・・・・・

結局、静岡知事選で自民党候補は落選した。

「大村知事」を産まなかった静岡県には女性がいなかったのだろうか(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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少しずつイスラエルの孤立が進んでいる

2024-05-25 12:10:57 | 民主主義について

最近のニュースより

5月18日イスラエル戦時内閣メンバー・ガンツ前国防相が戦闘終結後のガザ統治を巡り、ネタニヤフに6項目の行動計画を提示。「策定しなければ戦時内閣から離脱する」と声明。ネタニヤフは「ハマスでなく首相に最後通告するのか」と反発。ガンツ氏は次期首相の最有力候補。

5月20日国際刑事裁判所(ICC)は、パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘をめぐる戦争犯罪容疑で、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相、ガラント国防相(2名)、イスラム組織ハマスの政治指導者イスマイル・ハニヤ氏、軍事部門トップのモハメド・デイフ氏、ガザ地区における指導者ヤヒヤ・シンワル氏(3名)の逮捕状を請求した。イスラエル、ハマス双方反発。アメリカは「イスラエルとハマスを同等に論ずるのはイスラエルに失礼だ」とイスラエルを擁護し、ネタニヤフ首相は、自身が「大量殺人者」と呼ぶハマスと「民主的なイスラエル」が比較されることを嫌悪感をもって拒否すると述べた。日本はICC加盟国。

5月22日ノルウェー、アイルランド、スペインの3カ国は、パレスチナを国家として承認する方針を発表した。パレスチナについては、国連加盟のうち日本、フランスを含む143カ国が既に国家として承認しているが(5月10日国連総会)、今回の3か国の発表はイギリス・ドイツなど、西欧でパレスチナを正式に国家と認めていない国々への圧力になる。イスラエルはこうした動きを「テロリズムに褒美を与えるもの」「過激主義と不安定をあおる」と非難しスペイン・ノルウェー・アイルランドから大使を呼び戻した。

5月23日イスラエル軍が「イスラエル軍情報局は昨年3月~7月の間4回に渡りネタニヤフ首相に文書でハマス攻撃の可能性を警告していたが政府は無視していた」と発表。首相府はそれを「正反対だ」否定。NGOの質問に軍が答えた。

5月24日国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)は、パレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けるイスラエルに対し、ガザ南部ラファでの軍事作戦の即時停止を命じた。軍事作戦停止命令は初めて。命令には法的拘束力があるが、ICJに強制的な執行手段はない。一方、関係国にはそれに従う義務があり、履行しなければ国際法違反になる。日本はICJ加盟国。

イスラエルの残虐非道をICJ(国際司法裁判所)に二度にわたり訴えた南アフリカ共和国、

イギリスやドイツなど未だパレスチナ国家未承認の国々に圧力をかけるスペイン、アイルランド、ノルウェー、

イスラエル及びイスラエルを支援している欧米の製品をボイコットしているイラン、エジプト、マレーシアなど多くのアラブ・イスラムの国と人々、

最も質(たち)の悪い国アメリカの内側で逮捕、退学、失職を覚悟し「アメリカは犯罪者だ」「恥を知れ」「パレスチナに自由を」と自国を糾弾し続けるアメリカの人々、

パレスチナの苦闘・苦悩・痛みを我が事と思い、共に戦っている中東アラブ諸国、

アジアの人々、中東の人々、アフリカの人々、中南米・北米カナダの人々、ヨーロッパの人々、

世界中の人々が、殺された命に胸をかきむしられ、今殺されるかも知れない命を救いたくてたまらないでいる。

ネタニヤフのイスラエルはこんな世界を相手にしているのだ。

彼の国が着実に政治的経済的孤立を深め、国家として存続できなくなればいいと思う。

それでも、イスラエルの民衆が生きる道は残さなければならないが。

 

さて、日本にいて今できること。

・イスラエル・欧米製品を買わない。 

・日本政府に「ICC・ICJの命令に従い、イスラエルに武器部品を輸出するな。アメリカに追随するな」旨メールを送る。

・近くでパレスチナ支援デモがあったら参加する

・パレスチナ、イスラエルの歴史を学ぶ勉強会を開く。

他に何ができるかな…。

↓黄色はパレスチナ国家承認の国々(139か国当時)。未承認国は欧米と、

カナダ・オーストラリア・日本などの欧米追随国。

 

 

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パレスチナを正式に国家承認したスペイン・アイルランド・ノルウェーの勇気

2024-05-23 20:15:28 | 反戦平和

三国の話し合いをリードしたのはスペインのサンチェス首相だというが、

この三国はどうしてパレスチナを国家として承認するという最大の連帯を示したのか。

ざっくり歴史を振り返ってみた。

世界史上、スペインが強盛を誇ったのは16世紀ごろで(無敵艦隊、レパントの海戦等)、

その後は産業革命を経たイギリス、フランスに押され、

さらにアメリカが門戸開放宣言で帝国主義の植民地争奪戦争に加わって、

スペインは西側帝国主義列強の傍流となった。

19世紀末から1923年までの議会制民主主義の内政をひっくり返したのは、

ムッソリーニにヒントを得たプリモ・デ・リベーラ、フランコ将軍の独裁政権で、

人民は思想の違いを超え、スペイン人民戦線(反ファッショ統一戦線)を形成して戦うも

フランコに敗れ(cf.『誰がために鐘は鳴る』E.ヘミングウェイ)、

戦後、親ナチスだったフランコのスペインは国際連合からファシスト国家と見做された。

1955年、反共国家だというので何とか国連に加盟できたが(米露冷戦の都合で)、

フランコ独裁は彼が死ぬまで(何と1975年まで!)続いた。人民が苦労した国なのだ。

 

アイルランドと言えばケン・ローチ監督の映画「麦の穂を揺らす風」が有名だが、

イギリスの圧政に何世紀もの間虐げられて、この国もメチャ苦労した国だ。

イギリスは「自由と民主主義」を掲げて第一次世界大戦に参戦していたわりに、

自分の足元ではアイルランドに対して陰惨な大弾圧をしていたのだから、

本当に嘘くさい腐臭を放つ国だ。

(イギリス帝国主義がパレスチナ問題に対しても決定的に重大な責任があるのは周知の事)。

さて、1921年英愛条約によってアイルランド自由国(南部だけ)が一応独立国となったが、

北アイルランドは分離され、その後IRAは長らく英国軍と戦争を続けるのみならず、

アイルランド自由国(身内)とも内戦に突入する悲劇的展開になった。

一応の和平が成立したのはなんとあのブレア政権時で、一体それまで何年闘っていたのか、

胸が痛くなるほど長きに渡る苦しい歴史を持つ。

パレスチナ人の苦しみを自分の事のように思う感性はこうした歴史が培ったものに違いない。

 

ノルウェーは古代・中世を通してデンマークやスウェーデンに併合され続け、

1901年にようやく独立したら今度はナチスドイツに国を占領されてやはり苦労した国だ。

戦後は発足と同時に国連に参加した原加盟国で、

北欧で唯一NATOに入る※も外国の軍事基地は置かず

(※ウクライナ戦争のため昨年フィンランド、今年スウェーデンも加盟した)

非核原則を貫いてEUには参加せずという独自の道を歩んでいる。

1993年「オスロ合意」仲介当事国。これによりパレスチナ自治政府が発足した。

1913年普通選挙実施時に女性も参政権を得、女性首相も誕生した。

女性の地位が高い国でもある。

ーーーーーーーーーーーー

こうして見るとこれら三国が、

ど厚かましいジャイアン=アメリカやスネ夫=イギリスとは心根が違う事情がよく分かる。

いずれも人民が踏みつけにされ、塗炭の苦しみを舐めてきた歴史を持つ国々だ。

アメリカやイギリスはいまだに帝国主義の勝ち組で

(自国の国土を侵略・征服されたことがない、というかもっぱら他国を蹂躙してばかり)、

オレ様グセが骨の髄まで沁みついていて、

19世紀~20世紀の「自国さえよければ他国は踏み躙っても問題ない」価値観に浸り切った

超古臭い「帝国主義国家」なのだ(都合のいい時だけ民主主義国家面をする質の悪さ)。

世界が紛争のない平和な状態を持続させるには、高慢・自己中なアメリカ型ではなく、

他国の人々の苦しみ・痛みに共感し行動できる西・愛・諾三国型国家が増えることが必要だ。

 

さて、日本は、どうかというと……

アメリカに「宗主国様、どうぞ私を植民地にしてください」と身を投げ出している日本政府、

こんな国のリーダーに唯々諾々と従っているとしたら、

わたしらじつはホンモノの馬鹿じゃない?それか木偶。

 

スペインマドリードのガザ支援デモ1月20日ロイター

 

 

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白菜値段高騰、キャベツ高騰、生活疲弊、それでも政府は消費税を止めず

2024-05-17 13:48:06 | 街角

 

上の写真は2日前、近所の業務スーパーのもの。

業務スーパーと言えば西日本では格安スーパーの代表に挙げられる食品小売店舗だ。

小規模飲食店を経営している息子はコロナ以降仕出し弁当の製造販売で糊口をしのいでいる。

その息子に写真を送ると、

「何とかメニューを工夫する努力をしてみる」とのこと。

長引く物価高騰で収益は確実に減っている。

これでは弁当箱のサイズを小さくするか、食膳量を少なくするか、

もしくは弁当代を値上げするかしかないと私は思うのだが、

息子は職人のプライドからか、そういうことを良しとしない。

弁当を買ってくれている作業所の人たちは量と品数の多さを何より喜んでくれるのだそうだ。

コロナ勃発でとことん困った店が、何とかやってこれているのは

作業所が仕出し弁当を注文してくれるようになったからで、

息子はそのお得意さんをとても大切に思っている。

ケチな私は心中(このハンバーグ大きすぎるんじゃないの)とかブツクサ言っているが、

まあ、元気になった息子が頑張っている限り、応援するしかない。

こんな時、消費税をなくしてくれたらどれほど現政権の株が上がるだろう。

しかし、あの人らはそんなことしない。庶民など人間だと思っていないのだから。

「政府に頼るな、まず自分たちで自助努力しろ」(菅首相)

「あなた方は貧乏になる自由と権利がある。成功者の邪魔するな」(竹中平蔵)

庶民はなぜこういう立場の政治家を支持するのだろう。意味わからん。

・・・・・・・・・・・・

新婦人の会尼崎支部東園田班有志は5月12日に17回目の「食のおくりもの」を行った。

「政府が十分な対策をしないからみんな困っている。困ったときはお互い様。

コロナ不況が収まるまで続けられたら…という思いで始めた」

と創始者の一人であるNさんは語った。

今、コロナの疫病は一応落ち着いたかに見えるが、

不況はさらに、どんどんエスカレートしている。

お金や物品の寄付で成り立っているこの活動だが、

米を寄付してくれていた農家さんが廃業するなど、

本当にいつまで続けられるか分からない状況だ。

有志の人たちも身体のあちこちが痛む中、それでも淡々と続けている。

コロナワクチン接種直後に亡くなったメンバーもいる。

 

それでも、弁当を受け取った女性が「本当に助かります」と言ってくれたと喜ぶ有志たち。

国民が這うようにして助け合っているからと言って、

政府はいつまでも調子に乗らないでもらいたい。

私は次の選挙で間違っても自民・公明・維新・国民民主・立民には投票しない。

(立民は泉体制がチェンジすれば考えないでもないけどさ)

 

↓贈り物の食品を袋詰めするメンバーたち。すっかり慣れた手つき。

↓頭痛を押して参加したメンバー。ちょっと痛々しい。

 

 

 

 

 

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息をのむ展開…今、世界は

2024-05-11 12:27:49 | 民主主義について

↓オレゴン州立大学5月2日

言葉もなく事態を見ていたこの一週間だった。

・アメリカなど世界の若者たちを中心とした大規模なガザ支援行動。

・西側国家権力による支援行動への大弾圧。

・エジプト・カタールによる停戦仲介案のハマス同意。

・イスラエル政府の仲介案拒否とラファ制圧支配。

・アメリカのイスラエルへの武器供与一旦停止。

・イスラエルだけでも戦闘継続するというネタニヤフ声明。

・・・・・・

日本の報道はアメリカおよび西側諸国の権力者にひたすら歩調を合わせている。

それでも、事実は報道の隙間から溢れ出て私たちの心を揺さぶっていると思ったりもするが、

例えばアメリカのコロンビア大学で多くのの逮捕者を出したガザ連帯行動に対して、

日本のテレビ報道(You Tube)へのコメント欄に書かれた言葉が何ともスゴイ。

(コメント抜粋↓)

・もう直ぐ夏休みが始まるから、嬉しすぎて酔っぱらってるのかな学生さんw

・まとめて退学でいい

・いい気なもんだ学生は

・逮捕された学生をイスラエル移送し、ハマスのレイプ部隊に虐殺されて家族の前で、同じ主張させて如何か、彼らは無知なのか?

・大学の窓ガラスを割ることとパレスチナと何の関係があるんだろう

・まあアメリカは有名大学に行くほど学力ではなくコネとか人間関係の力で入ってくるんで勉強より思想絡みの活動ばかりの人生だろうから直ることは絶対ないと思う

・法秩序を乱す汚物は消毒した方がいい

・そもそもハマスが先にイスラエル人を拉致&虐殺したのだがなぜイスラエルが抗議されなければならないのだ?

・デモという名のテロ行為を正当化する思考回路が怖い

・アクション映画過ぎる…

・人様に迷惑をかけながら、よくも平和で安全な場所から声をあげるもんだ

・どうして他国のことでこんなに熱くなれるのか。他国のことよりも自国の不法移民、非合法麻薬の蔓延の方が切実な問題なんだが。

・・・・・・・・・

これらのコメントのあまりのものの知らなさにゾッとして

わたしの心は一日以上ネガティブ感情に支配された。

そもそも1948年のイスラエル建国は欧米の利害が絡んだ後押しによって実現したが、

その時の国連決議はアラブ、ユダヤ双方の建国だったはずだ。

にもかかわらず、どさくさに紛れてイスラエルのみが建国し、承認され、

アラブ国家は正式に認められないまま現在に至っている。

その後イスラエルは何度かの中東戦争を経て、

パレスチナ入植の拡大という国際法違反の侵略を続けているが、

そのことが国際的に裁かれたことはない。

西側がイスラエルを守っているからだ。

 

西側-欧米に加担した日本の報道の罪は大きい。

だが、想像力、感受性、洞察力、調査力のうち一つでもあれば、

人々はこうまでアホ丸出しの言辞を堂々と晒さないのではないか。

思考しない人間が国中にうようよいる今の日本の痛さよ。

・・・・・・・・・

しかし、コメント欄にこれらへの反論が加わり、

まあ、あれだ、こういうのが民主主義の過程なんだと思い直した。

人生の時間が毎日すり減っている我が身としては

いちいち議論するのは面倒なので各々自分の頭で考えたらいいと思うのだが、

しかし、脳がかろうじて動き、口が言葉を発する限りは

思考し続け、観察し続け、語り続けることを、

この厄介な民主主義というものは

一人一人の人間に(従って私にも)要請しているんだなあ、きっと。

※(昨日5/10国連総会はパレスチナの国連加盟を支持する決議を143か国賛成で採択、

イスラエルはその決議に怒り、国連憲章をシュレッダーにかけた。あたおか)

↓世界各地の大学でのガザ連帯行動↓

 

 

 

 

 

 

 

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"World has failed" civilians in Gaza ー世界はガザ市民を見捨てた

2024-05-02 22:23:28 | 戦争反対

Susan Abulhawaさん

パレスチナ人の著名作家スーザン・アブルハワさんが

2日前アルジャジーラ放送局から発信した内容が胸を打つ。

「私はハンユニスにあるナセル病院の近くにいます。イスラエルが軍隊を引き揚げてから、ここでNGOは(今のところ)2つの巨大な死体遺棄現場を発掘しました。

ここで見出された多くの遺体は医療センターの従事者たちのもので、それらの遺体はなお手術着をまとい、また患者たちは腕に静脈注射のカテーテルをつけていました。多くの人はプラスチックの(血圧測定用?)加圧帯で縛られた状態で至近距離、もしくは遠距離から撃たれたり、生き埋めにされたりしていました。

世界は、この基本的に身を守るすべのない住民たちを見捨てています。

・・・しかし、神様のお陰で学生たちが結集してくれています。ありがとうございます。ここの人々は彼らがどんなに自分たちを愛しているか、どんなに自分たちとともに立ち上がっているかをほとんど知りません。ですから、私はここで出会った人たちみんなにそのことを伝えています。学生のみなさんが今していることを私が伝えたとき、ガザの人たちの表情がいかに変わるか、私は言葉で言い表すことができません。

 ↓下はスーザンさんの動画(英語)

  (20+) 動画 | Facebook  

 

4月30日アメリカの複数の大学の学生・教職員がパレスチナ連帯の抗議行動を行い、多くの逮捕者を出した。コロンビア大学だけで100人以上が逮捕。ベトナム反戦闘争以来の様相を呈してきた。

コロンビア、イェール、NYU…アメリカの大学で次々とパレスチナ連帯の抗議活動。学生や教職員らが逮捕される | ハフポスト WORLD (huffingtonpost.jp)

 

 

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「PERFECT DAYS」(パーフェクト・デイズ)を観た

2024-04-25 15:28:04 | 人間

映画館で役所広司主演の「PERFECT DAYS」を観てきました。

隣の駅前にある映画館は以前と全く変わらない空気が漂い、

それだけでコロナ以降引き籠もっていた私はほっとしたのです。

 

「PERFECT DAYS」は寡黙な映画でした。

だからでしょうか、映画を観た後、実にさまざまな思いが巡りました。

また、主人公の平山(役所広司)が自前の清掃用具を積んだ車で現場に移動する際、

カセットテープでかける曲が

これまた私の人生にとって思い出のページに刻まれたものばかりで、

何一つ身構えることなくこの映画の醸し出す雰囲気に包まれたのです。

まず、♪朝日の当たる家♪(The Animals)、

それから、♪Dock of the Bay♪(Otis Redding)、

さらにLou Reed、Rolling Stones、Patti Smith・・・(思い出すままなので順番は違っているかも)

最後にこれでもかとばかりにNina Simonの♪Feeling Good♪です。

圧巻でした。

 

映画は都内でトイレ掃除に従事する初老の男の日々のルーティンを淡々と映しています。

主人公(平山)は元いいとこのお坊ちゃんだったようですが、何かの事情でドロップアウトし、

ボロアパートに独りで暮らしています。

・毎朝早く、近所の人が外の落ち葉を掃く音で目覚める。

・身支度を整えて、植物に霧を吹き、安アパートのドアを開けて仕事に出る。

・開けたとき、毎日、空を見上げ、風を、空気を感じる。

(この場面、♪It's a new day, It's a new life♪~ニーナ・シモンの歌にぴったり)

・アパート横の自販機で缶コーヒーを買い、車で現場に向かう。

・トイレを丹念にきれいにする。

・神社の境内でサンドイッチと飲み物の昼食を取り、木漏れ日に目を細め、時に写真を撮る。

・仕事の後の風呂屋、一杯呑み屋、休みの日のコインランドリー、行きつけのバー。

・・・・・・

こんな日常が繰り返し、繰り返し、スクリーンに映し出されます。

姪が家出して転がり込んだり、

行きつけのバーのママ(石川さゆり)の元夫(三浦友和)と短い友情の時間を持ったり、

心にさざ波が立ちますが、

また翌日は、身支度を整えて植物に霧を吹き、アパートのドアを開けます。

眩しそうに空を見上げて……。

It's a new day, It's a new life...と歌うニーナ・シモンの深い哀しみに満ちた声が

役所広司の泣き笑いの表情に重なる印象的な最後でした。

 

映画館からの帰り途、

ふと、今年一月に他界した桐島聡さんのことが心に浮かび、

彼のドロップアウトの人生が思われてなりませんでした。

彼の最期の表情も平山と通じるものがあったのではないか、と。

東アジア反日武装戦線の複数グループのうち、「さそり」に属した彼は

韓国産業経済研究所だか、はざま組だかの入り口を壊しただけで

人が傷ついたり死んだりすることはなかったそうです。

無期懲役になり今も服役している

「さそり」の先輩(同志?)への義理立てがあったのか分かりませんが、

48年間アウトサイダーの人生を歩きました。

自首すればとっくに市民社会に復帰できたであろう量刑だったと推察します。

私はこれからも何度も桐島さんのことを思い出すでしょう。

彼の人のせめて彼岸に幸あれと。

 

 

 

 

 

 

 

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【ハマスの関与は「確認できず」 国連、UNRWAの中立性評価】で考えたんだけど

2024-04-23 21:54:41 | 人権

UNRWAの評価報告書について記者会見するフランスのコロナ元外相

=22日、ニューヨークの国連本部(共同)

 【ニューヨーク共同】国連は22日、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の組織的中立性や活動の妥当性に関する評価報告書を公表した。UNRWAの多くの職員がイスラム組織ハマスのメンバーだとするイスラエル側の指摘について「証拠提供がなく」確認できなかったとする一方、「UNRWAには中立性の原則を順守する強固な枠組みがある」と結論づけた。

 報告書は、UNRWAの職員名簿はイスラエル政府に毎年提供しており「2011年以降、イスラエル側から懸念を示されたことはなかった」と強調。採用の際に犯罪歴などを厳格に審査していることも重視した。

© 一般社団法人共同通信社

 

イスラエル、あるいはイスラエル的なものと相対し、克服することが

今、世界に生きる各々の人間に問われていると思うのだが、

能天気に「ハマスがテロるからイスラエルが怒っているんやろ。ハマス悪いわ」

で済ます人もいるのがこの渡世だ。

結局、よく知らないし、知ろうとしないからそうなるのだ。

が、しかし、そういう人たちが多数派を占めると社会は思考停止し、ドロンとしているうちに

安寧・平和なんかどうでもいい輩によってとんでもない方向に引っ張られていく。

 

自分が自分であるために、

人間としての尊厳を捨て去らないために、

雰囲気に流されず、自分で調べ、判断し続けていくしかないと思っている。

岸田首相はアメリカでバイデン大統領と会談し、

事実上、自衛隊が米軍の指揮下に入るしかない「指揮統制の連携強化」なんかをシレッと決めてきた。

脳みそが作動していないのか、

自己の延命しか考えないのか、

いずれにしても岸田首相は真正の売国奴だ。

 

日本社会はどんどん戦争準備ムードが醸成されている。

「戦争が 廊下の奥に 立つてゐた」まであと一歩。

来年幕張メッセで武器見本市が予定されているという。はあ~~~

しかし本契約はまだなので、

千葉県に「その見本市に場所貸すの止めて」という訴えがあり、さっそく署名した。

趣旨賛同の方は下段よりどうぞ。

 ↓     ↓     ↓     ↓

オンライン署名 · 幕張メッセで来年5月に予定される武器見本市DSEI Japanとの貸し出し本契約を結ばないでください - 日本 · Change.org

 

 

 

 

 

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日本に来た中国の教え子たち

2024-04-17 23:48:30 | 中日(日中)交流

慌ただしく過ぎ去る日々に手をこまねくばかりの毎日だが、

この二月、三月にあった中国時代の教え子のことを備忘録として書いておく。

 

2月のある日、WeChatで電話があった。

渡日して東京で働いている山東省時代の教え子Wさんからだった。

私は2015年から翌年の卒業まで大学4年生だった彼のクラスでビジネス日本語を担当したが、

その後、彼が中国の大学院、就職、転職と人生の荒波に漕ぎ出してからも連絡は途絶えなかった。

中日関係もイマイチだし、

教師と教え子の関係も卒業後は次第にフェイドアウトするのだろうと思っていたが、

彼は全くそれに当てはまらない。

そればかりか一昨年3月末、なんと中国での仕事を清算して渡日し、就職までしたではないか。

私は何でわざわざこんな不況に喘ぐ日本に来て就職するのかと思ったが、

聞けば、彼の目標は日本で働くことではなく、日本の大学院での博士課程履修にあった。

会社で働きながらがむしゃらに受験勉強を続けたWさんは去年、残念ながら一度目の受験に失敗した。

その時、もう諦めるのかなと思ったが、どっこい、そんなやわな人物ではなかった。

月に一度の故郷のお母さんからの電話は決まって

「まだ合格しないのか、早く、早く」という催促だった。

「試験は年に一度しかないのに…」と、Wさんは悲しみながらも睡眠時間を削って勉強し、

とうとう、遂に、ファイナリー、今年博士後期課程入試に合格したのだった。

もう4月なので、すでに研究生活がスタートしていることだろう。

このドラマはきっとさらに続く気がするが、幸運を祈るばかりだ。

 

この3月には江西省時代の教え子劉さんが出張で来阪した。

劉さんは私が生まれて初めて中国に渡って働き始めた江西省南昌市の大学で当時3年生だった。

外国人は就労に当たり、市当局の健康診査を受けなければならない。

劉さんはその時に付き添ってくれた日本語が堪能な学生3人のうちの一人だった。

この間再会してその時のことをぺちゃくちゃお喋りした。

尿を採取するとき、可憐な劉さんが

「先生、小便を採ってください」とくそ真面目に言ったこと、

検査が終わって食事の話題になり、

劉さんはニワトリのネックが美味しいと私に勧めようとして

「先生、鶏のうなじはとても美味しいですよ」と言ったこと、

こういう話で劉さんと私は大笑いしてしまうのだが、

たまに「未熟な学習者を笑いものにしやがって」と捉える人もいる。

私はそういう人とは親しくなるすべがない。面倒くさい。

さて、その可憐だった劉さんはもう35歳、見目はほとんど学生の頃と変わらないが、

今は大阪に本社がある会社の広州市の子会社の副総経理だという。

打診されたとき「嫌だとも言えないので引き受けた」と、

淡々と語る彼女は以前と変わらぬ劉さんだった。

また今年の10月、社員旅行で社員十数人を引き連れて来日するという。

ちなみに、私はこの劉さんに故郷の村に連れて行ってもらって、人生またとない体験をさせてもらった。

彼女が進学した広州外語外貿大大学院の寮にむりやり泊めてもらったこともある。

お返しに日本に招いて我が娘の協力のもと、

お祭り金魚すくい体験、流しそうめん体験などをさせてあげたこともある。

我がブログに何度も登場した人だ。

 

教師と学生は、卒業したら思い出にしか登場しないというのが現代日本ではしごく普通だ。

「さよならだけが人生だ」…私もそれに違和感はない。

しかし最近、中国的にはそうではないことがままあると感じている。

少なくとも、私が出会った何人もの学生たちはそうではない。

関係を内に閉じず、直接的、交歓的に継続し、途切れたかに見えてまた続く。

その関係の開放性を楽しむ今日この頃だ。

 

⤴11年前の来日時、アニメでしか知らなかった金魚すくいを満喫する劉さん。

⤴遊んでいるはずが、なぜかいつの間にか的当て屋の番頭みたいなことをしている劉さん。

 

付録:2013年に初めて日本に来た時の劉さんの感想文(今から11年前)

「日本滞在記」
            広州外語外貿大学大学院日本語学科  劉思婷

7月26日、山に囲まれた広州白雲空港から海に囲まれた大阪関西国際空港まで、
三時間半の旅程中、機上で私はいろいろ考えた。
日本語を勉強して五年になるが、日本へ行くのは初めてである。
本やドラマ、テレビ番組などから日本に関するさまざまな知識を得てきた私にとって、
日本国は研究の対象であると同時に、どうしても一度は訪れたい国だった。
今回、ブルーはーと先生のご尽力で、やっと憧れの日本に行くことができた。
先生にもう一度お礼を申し上げたい。
(日本はどんな国であろうか、日本の人々はどんな人たちだろうか。
『菊と刀』に描かれているような日本人なのだろうか)と
、関空に向かう飛行機の上で私の想像は膨らむばかりだった。
大阪関西国際空港に着くと、先生はもう待っていた。
先生とは五ヶ月ぶりの再会で、とても懐かしかった。

[日本の初印象―静かな道路、小さい家]
その後、先生に連れられて、JR大阪駅、阪急梅田駅を経て、先生のお宅についた。
歩きながら、キョロキョロと初めて見る日本の家、店、道路や人たちなどを観察していた。
パチンコ屋以外のところは、みんな静かで、人の声もあまり聞こえない。
道路の幅や家も小さくて、かわいい。中国だったら、何でも大きい。
でないと、人口の多い中国では渋滞になるかも知れない。
初めての日本は、何でも興味津々だった。
最初のうち、よく
「初めて日本に来て、どう思いますか?中国とどう違いますか?」
と聞かれた。
私も一生懸命このことを考えた。
例えば、天気とか人の服装とか、女性の化粧のし方とかだいぶ違っていると答える。
都市の違いは大きい。
中国の都市、例えば、広州では、建物と建物との間に一定の距離があり、大きい木が多い。
大阪では、建物が密集していて、木が少ない。
でも、よく見ると、屋上や家の前に、植木や花鉢がある。
こじんまりとして精緻な感じが溢れている。

[女性専用車両と痴漢]
また、日本のJRや阪急電車に乗ったとき、女性専用車両があったことに驚いた。
これは女性を保護するいい方法だと思う。
実は、私は一人で電車に乗ったとき、わざわざ女性専用車両を避けたことがあった。
最初は「女性専用車両」の意味がわからなくて、
(体の弱い女性とか、特別な人達だけ乗れる車両だろうか)と思ったので、
丈夫な私には普通の車両に乗る方がいいと思ったのだ。
あとで、女性だったら誰でも乗れると知ってから、毎回電車に乗るとき、
女性専用車両に乗りたかったが、残念なことに、専用車両のない電車も多いみたいだ。

JRなどに乗るとき、ドアに「痴漢は犯罪だ」とよく書かれてある。
はじめ、「痴漢」とはどういう人を指すのか、ちょっと概念が曖昧で、わからなかった。
ウィキペディアで調べると、
「痴漢とは、公共の場所で相手に羞恥心を抱かせ、不安にさせる行為を行う者、もしくは行為そのものをいう。日本独特の不法行為であり刑法に抵触する場合は少なく主に迷惑防止条例などで罰する」と書いてある。日本では痴漢は多いのか?では、すりとかは?
中国では、バスや地下鉄によく見られるのは、「请保护好自己的财物,小心小偷」である。
つまり、「すりに注意して、自分の荷物をよく確保してください。」ということだ。
すりが多くて、お金とか盗まれたら大変である。
でも、それは痴漢がいないということではない。
混んでいる電車やバスに乗っているとき、痴漢に触られることも多い。
中国の女性は痴漢に触られたら、そうっと他のところに行くだけで、
大声で叱ったり、警察に言ったりする人がまだ多くない。

 

 

 

 

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心から気持ち良く深呼吸できる季節に「春一番野外コンサート」大阪服部緑地公園で今年も

2024-04-10 11:25:48 | 平和

「春一番コンサート」・・・

青春のワヤクチャ感が脳裏に蘇るこの単語(笑)。

1971年、天王寺野外音楽堂で第一回の春一番野外コンサートが開かれたとき、

18歳の私は北海道から京都に来たてのほやほやで、そんなイベントがあるとは露知らず、

第一、阪急電車や京阪電車がどこにあって、どうやって乗るかすら知らなかったのです。

高校時代、北海道の地の果てで友人たちとフォーク連合なるものをでっち上げ、

高田渡や中川五郎、岡林信康、高石友也などの歌をがなり立てていただけの私ですが、

こんなイベントがあるのを知ったら、右も左も分からない都会であることもお構いなく、

阪急だろうが地下鉄だろうがかき分け、乗り継ぎ、何としても現地に到達していたでしょう。

 

昨年、コロナ禍でしばらくできなかった春一番野音ライブ(服部緑地公園野外音楽堂)が

4年ぶりに開催されたことを、

私に教えずに自分だけ参加していた息子のフェイスブックで知りました。

(イヤ、教える義務はないんだけどさ)

それでも1995年、大阪城野音で開催された「春一番ふたたび」に

高校生の娘・中学生の息子を連れて行ったのはこの私なのであります。

あの時子どもたち二人は、

加川良のかっこよさを褒めたたえ(彼らにとってはもちろん初めて聞く人だった)、

ヒロトとマーシー(あの時はまだブルーハーツは解散していなかった)が

二人で登場したのにたいへん興奮していました。

私と言えば、思いもよらないペギー葉山さんが登場した時、

プロデューサーの福岡風太という人はアンダーグラウンドを本拠地としながらも、

日本の音楽界にしっかり踏ん張って立つやり手なんだなあ、と感銘を受けたものでした。

 

今年も、「春一番ライブ」が服部緑地公園野外音楽堂で開かれるそうです。

自由の風を感じに行ってみようかな。

我が家からだと自転車で行けるかも。

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台湾では国民は人間として扱われる、日本では家畜扱い

2024-04-09 23:46:46 | 人権

今日のX(旧ツイッター)では、多くの人が羽鳥モーニングショーの写真を挙げていた。

台湾の避難所の様子をレポートしたものだ。

台風や地震が毎年のように起きる日本では、体育館に雑魚寝する避難所の様子がお馴染みだ。

今回の能登半島地震でも、下の写真のような避難所が一般的だった。

MBSテレビ(1月8日放映)

これをヨーロッパなどの人々が見ると、まるで難民キャンプだという。

 

⤵関東大震災の時の写真を見たが、避難所の様子は今とほぼ同じだった。

というか障子で仕切ってあるだけ1923年の方がましじゃないですか。

頑張って自分の家から運んだんだろうなあ。

関東大震災の写真(東京都慰霊堂保管)について

 

4月3日の台湾地震の後、台湾政府やボランティアが一体となって

被災者の救助に当たっている様子の写真を羽鳥モーニングショーからお借りした。

⤵まず、2018年花蓮地震のときの避難所の様子。

これは今の日本の避難所と同じだ。

⤵今回、台湾政府は2018年の災害を教訓にして、

プライバシーを守れる箱型個室を発災4日目に設置したという。

 

⤵能登でも2月に入り、多くの避難所には段ボールの仕切りができた。

しかし、大人が立ちあがったら隣が丸見え、プライバシーは全く保証されていない。

この写真の段ボールは同一サイズだが、避難所によっては、高さも幅もバラバラで

設置が難しいところもあったと聞く。

⤵台湾は下のようなサービスも。いいなあ!

⤵温かい料理。しかも種類も色々あるんだって。

 

台湾は過去の災害から学んだ。

日本だって、災害の数では負けていない。

やろうと思えばできるはずなのにしない。

政府は国民のためになんか馬鹿馬鹿しくてやってられないのだ。

メディアも能登の人たちが辛抱我慢しているのを「美談」として語っているが、

被災者が困っているのを政治が放置するのは、人間扱いしていないからだ。

欧米風に言えばハラスメント、人権侵害だ。

経団連の言うことは何でも聞くくせに。

山本太郎さんが国会予算委員会質疑で

「ぜひ災害対策特別省を設置してください」と提案していたが、

委員長は「後日委員会で討議します」と言うばかりだった。

ぐぬぬ、やる気あんのか!

 

1月6日は6党が集って、能登に行かない協定を結んでいるんだから凄すぎる。

しかも、行かないくせにみんな作業服だけちゃんと着て写真に納まっている。

共産党の志位さんまで仲間入りしているんだから、ホント、どうしようもない。

この日は、奇しくも

れいわ新選組の山本太郎が能登入りして状況を聞き(国会議員なら当たり前だ)、

夜、NPOグループの残り物のカレーをいただいたというのでSNSで大非難を浴びた日だ。

維新の音喜多に至っては、自分は新年会だかパーティーだかで浮かれていたくせに

NPOに招かれて被災地に行った山本太郎を名指しで、

「松葉づえで交通渋滞の能登に行っても邪魔になるだけ」

「山本太郎の提言は災害マニュアルに書いてある既知のものばかりで、行ったのは無意味」

と批判したが、そんなこと言ってたら、ジャーナリストやルポ作家は必要ない。

国会議員て、ここまで馬鹿なの?と呆れさせる愚か者の音喜多俊であった。

共産党も、こんな協定に賛成してがっかりだ。

志位さんもやっぱ日本人の悪癖=同調グセから自由ではないのであろうか、と

台湾地震報道から、日本の政治の現状を情けなく思ったのだった。

それにつけても、台湾から学ぶことはいろいろあるなあ。

 

 

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春の裏庭~トカゲの赤ちゃんとか

2024-04-03 23:58:06 | 裏庭

我が裏庭にも春が来た。

一角のレモンバームの葉の上にちょこんとトカゲが乗っていた。

去年見慣れた数匹のよりも色が薄く、尻尾も短い。

赤ちゃんだ。

お母さんたちはどこにいるのだろう。

出てきたら「久しぶりだね、元気?」と挨拶を交わしたい。

雨が降ってじめじめとした地表にはすぐにコケが生える。

  

⤵私はこのゼニゴケの一種が気に入らない。

どこにでも発生する。

石やコンクリートの上にも張り付いて実に見苦しいし、

剝がすのがたいへんなのだ。

という訳で、見つけたらすぐ気を付けて取り除いているが、

神出鬼没に生えてくる非常にしぶとい存在だ。

⤵これ何だっけ?あちこちで芽吹いていたので小鉢に集めた。

だぶんクレソンのようだけど。

⤵多肉植物の葉先で二星テントウムシがちょこまか動いている。

本当にまた、春が来たんだなあ。悲喜コモゴモ……。

 

裏庭をチェックした後、近所の業務スーパーまで買い物に行ったところ、

(何ですか、これ~~!!)と度肝を抜かれた。

白菜半切れが490円!?

先週まで298円だったし、先々週は200円ぐらいだったはず。

右の398円のはちんちくりんだから、安くない。

他の野菜も値上げ基調だけど、まさか、白菜レベルまで高くならないだろうなあ。

野菜は身体の健康に直結するので、毎日食べないといけない。

ハラハラする。

物価はめちゃくちゃ高騰しているが、収入は年金だけだ。

さて、どうしたものか?

どこの馬の骨か、成田何某という愚者が

「高齢者は集団自決・集団切腹したらいい」と述べたらしいが、

自分の生死を他人に、就中、成田のようなクズにとやかく言われる筋合いは全くない。

私の命は私のものだ。

幸い、河川敷にはからし菜、野蒜など食べられる野草がどんどん生育してきたので

自然の恵みをいただいて春は凌げるだろうか。

 

 

 

 

 

 

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