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銀の河 ~ 長浜奈津子のブログ ~

花の詩をあつめて

こんにちは、長浜奈津子です🖋


久しぶりに、ガーデニングのお話と、花の詩のお話です。



<つる薔薇の誘引とお手入れ>

小さな庭をつくって楽しんでいます。

いま、花数はおおくはないのですが、葉が元気だとたくさん咲いているようにみえます。

冬…. 今年は暖冬のようですが、それでもやはり寒さは厳しく、草花をみていると感心するばかり。この冬の時期は、土の中で根に栄養をためて、開花に向けてジッとしています。

金子みすゞの「星とたんぽぽ」… 見えぬけれどもあるんだよ、の世界ですね。


水やりも春夏のように、毎日やる必要はなく、鉢ごとに様子をみてあげています。

とすると… そんなにたくさんすることがないようですが、バラも剪定、誘引、マルチング(根もとに肥料、防寒にもなる)をすませました。花がないのにつまらない、ということはなく、むしろこの季節はそんな作業が楽しかったりします。


フェンスに誘引しているアンジェラが、赤い芽をぽちぽちつけはじめています。地植えでなく半日陰ですが、それでも毎年、健気に可愛らしい花を咲かせてくれます。写真ではうんと大きくみえますが、小指の爪のはんぶんほどの大きさで、ひろがった枝のあちこちに、たくさん芽がでています。




朝日がさしてくると、小さな庭にスーッと光が入りこんできます。__朝のこういう時間が好きです。花たちや庭全体が、不思議な表情を見せてくれるからです。






<花の詩をあつめて>

中原中也、三好達治、茨木のり子、北原白秋、金子みすゞ、草野心平…他

花の詩をあつめて、朗読の台本をつくりました。
これはある生徒さんに読んで頂くためです。

さっそく、その方にお送りしたところ、とても喜んでくださって… なんだか、

この詩集が、いろいろな花を寄せてつくった "花束" のように思えてきました。

嬉しくなったので、
その中から… 五篇の詩をここにおいてみます。

それぞれに感じることは… いわないで、黙ってここにおきます。


=どうぞ声にだして、ゆっくり読んでみてください=



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「チューリップ」 三好達治

蜂の羽音が

チューリップの花に消える

微風の中にひつそりと

客を迎へた赤い部屋




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「六月の雨」 中原中也

またひとしきり 午前の雨が

菖蒲のいろの みどりいろ
眼
うるめる 面長き女たちあらわれて 消えてゆく

たちあらわれて 消えゆけば

うれいに沈み しとしとと

畠の上に 落ちているる

はてしもしれず 落ちている
        
 お太鼓叩いて 笛吹いて
 
 あどけない子が 日曜日
 
 畳の上で 遊びます
      
 お太鼓叩いて 笛吹いて
 
 遊んでいれば 雨が降る
 
 櫺子の外に 雨が降る




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「曼珠沙華」 北原白秋(詩) 山田耕筰(曲)

Gonshan, Gonshan 何処へゆく
赤い お墓の曼珠沙華 曼珠沙華
けふも手折りに来たわいな

Gonshan, Gonshan 何本か
地には七本 血のやうに 血のやうに
丁度 あの児の年の数

Gonshan, Gonshan 気をつけな
ひとつ摘んでも 日は真昼 日は真昼
ひとつあとからまたひらく

Gonshan, Gonshan 何故 泣くろ
何時まで取っても 曼珠沙華 曼珠沙華
恐や 赤しや まだ七つ



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「星とたんぽぽ」 金子みすゞ


青いお空のそこふかく、

海の小石のそのように、

夜がくるまでしずんでる、

昼のお星はめにみえぬ。

見えぬけれどもあるんだよ、

見えぬものでもあるんだよ。
ちってすがれたたんぽぽの、

かわらのすきに、だァまって、
春のくるまでかくれてる、

つよいその根はめにみえぬ。

見えぬけれどもあるんだよ、

見えぬものでもあるんだよ




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「さくら」  茨木のり子

ことしも生きて

さくらを見ています

ひとは生涯に

何回ぐらいさくらをみるのかしら

ものごころつくのが十歳ぐらいなら

どんなに多くても七十回ぐらい

三十回 四十回のひともざら

なんという少なさだろう

もっともっと多く見るような気がするのは

祖先の視覚も

まぎれこみ重なりあい霞だつせいでしょう

あでやかとも妖しとも不気味とも

捉えかねる花のいろ

さくらふぶきの下を ふららと歩けば

一瞬

名僧のごとくにわかるのです

死こそ 常態

生はいとしき蜃気楼と







˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓˙˚˙༓࿇༓



小さなオベリスクにも薔薇を巻いて、春を待っています

最後までお読み頂きましてありがとうございました。






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