1993年公開のドイツ映画です。
1949年に出版されたエーリヒ・ケストナーの児童文学の古典「ふたりのロッテ」(その記事を参照してください)の比較的最近の映画化です。
もともとこの作品は、戦時中に映画の脚本として書かれたということもあって、ケストナー作品の中では最もたびたび映画化されています。
一番最初は出版された翌年の西ドイツ映画ですが、日本でもすぐに当時の人気子役だった美空ひばりの一人二役で映画化されています。
同様に、アメリカの人気子役だったヘイリー・ミルズの一人二役による「罠にかかったパパとママ」という題名のディズニー映画も日本で封切られ、子供のころに見た記憶があります。
さて、この映画では、実際に双子の子役がシャルロッテとルイーズを演じていて、二人の性格の違い(元気いっぱいのシャルロッテとおとなしい優等生のルイーズ)が非常に良く表現されていて、原作の雰囲気をうまく出しています。
また、この映画では、以下の基本コンセプトだけを守って、後は現代の事情に合わせて自由にストーリーを展開したのが、かえって作品の精神を今の子供たちに伝えることに成功していると思います。
<両親が離婚したために離れ離れになっていた双子が、偶然サマーキャンプで再開して意気投合し、二人が入れ代わってそれぞれパパとママの元に戻り、二人の機知と策略によって、両親の関係を修復します>
この映画でも、つねに子どもたちの側に立つケストナーの精神が、見事に継承されています。