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Retro-gaming and so on

Iron & Blood: Warriors of Ravenloft

TSR時代のAD&Dのフランチャイズは良く分かんない。
80年代のSSIとの契約時はまだ良かったが、それでもユーザーが「思てたんと違う」と言うようなゲームが乱発されたりしてた。
一般的な解釈だと、「ダンジョンズ&ドラゴンズ」と言うネームバリューを利用して、ビデオゲームメーカー側が「RPG以外のおかしな」ゲームを作ってたような印象があるのだが、どうやら事実は違うっぽい。ライセンサーのTSR側の方が「やらせてた」と思われる(じゃないとSSI側がまるで疲弊したように「自由にゲームが作れないので」と言う理由で契約解除を言い出す方がヘンだろう)。
いずれにせよ、ファミコンでリリースされていた、例えば「ヒルズファー」とか。圧倒的にクソゲーだと言われてるが、これはSSIがクソゲーを作った、と言うより、ライセンサーのTSRのゴリ押しだったらしい。
AD&Dを作った出版社は、RPGと自体を作り出したエポックメイキングなゲーム屋ではあるが、どうも一般的で全般的な「ゲーム」に対するセンスはさして高くなかった模様である。


ファミコンで発売された時「なんじゃこりゃ?」と言う評になった「ヒーローズオブランス」。
元々、SSIがTSRと契約を結んでからRPG「Pool of Radiance」を開発しはじめたが、結果アクションゲーム「ヒーローズオブランス」の方が先に完成して発売された。このゲームは小説「ドラゴンランス戦記」のキャラを使ったアクション・キャラゲーである。
そして最初は「フォーゴトン・レルム」と言うキャンペーンセッティングはCRPG、「ドラゴンランス」と言うキャンペーンセッティングではアクションゲームを作る方針だった模様。
ちなみに、1988年段階でのアメリカ市場での評価は悪くなかった模様だが、3年後の1991年、ファミコンで出すクオリティとしては・・・正直厳しいゲームだったのである・・・・・・。



そしてファミコンに於いて「ダンジョンズ&ドラゴンズ」と言うネームバリューが「クソゲー」のネームバリューになってしまったのが、知る人ぞ知る、このゲーム、「ヒルズファー」である。
元々、RPG「Pool of Radiance」をプレイした人の為の「キャラクタ強化用オプションディスク」として企画されたゲームなのだが、ファミコンだとこれが2番目に出た為何だか良く分からん事になってしまった。そう、本来なら例えば「ロードス島戦記」に対しての「ロードス島戦記福神漬」がこのゲームの意図だったのである・・・・・・。
いずれにせよ、いきなり始まる騎手モードとか、良く分からんゲーム制作への指示は、そもそもPool of Radianceで作ったキャラを使った「お遊び」だったのだが、いずれにせよ、その辺の洒落も良く分からんゲームで、TSRの指図だとすれば不必要にSSIのゲームへの評価を下げたとさえ言えるのである・・・・・・。

さて、ゲーム機の方はさておき、元々TSRのライセンシーは主にPCゲームメーカーだった。
そういう理由もあって、家庭用ゲーム機ではあまりAD&DとかD&Dなんかの名を冠したゲームは、特にSSIがAD&Dのライセンシーを止めてからは出ていない。
と言うのも、一番大きな理由は、ポニーキャニオンと言う巨大な資本力があるゲームメーカーが、SSIとの契約を止めてしまい、そしてそのうちビデオゲーム事業から撤退したからだ。そうなると、いくら「ダンジョンズ&ドラゴンズ」自体が知られたゲームであろうと、ライセンシーになって家庭用ゲーム機に進出しよう、なんて奇特なメーカーはいなくなってしまうのだ。
特に海外だと、家庭用ゲーム機のマーケット的な主戦場はスポーツゲームとなっていて、マイナー市場、しかもゲームとしては殆ど(高クオリティの)日本のメーカーの独占市場と化してるRPG市場は避けたいわけだ。わざわざそこに参入するメリットは限りなく小さい。
そんなわけで、「ダンジョンズ&ドラゴンズ」はPC用ゲームとしてはさておき、なかなか家庭用ゲーム機上では(あることはあるが)出てこないのである。

と前フリしておいて。
SONYのプレイステーション市場で唯一ダンジョンズ&ドラゴンズの名を冠したのが1996年に発表されたこの作品、Iron & Blood: Warriors of Ravenloftである。何と格闘ゲーム、しかも日本未発売である。
制作会社はアメリカのソフトハウスの老舗、アクレイムである。


まぁな。アーケードでバーチャファイターが出て以降。
プレステでは3D格闘ゲームがアツかった。分かる。このジャンルでTSRも名を上げたかったのだろう。実際このちょっと前、カプコンにもライセンス出してっしな。うん。
んで、アクレイムが来た時ライセンス出して、またちょっかい出したんだろ。「こーゆーゲーム作ってくれよ」と。
結果・・・惨敗である。あのアメリカ市場でさえクソゲーの烙印を押したらしい。ゲーム専門誌で軒並み低評価を食らった模様。


と言うのもさ。格闘ゲームのキャラって何か色々とコンボですげぇ技繰り出すじゃん?そういう風に作られてんだよな。
一方、D&Dのキャラって・・・魔法使いとかならいざ知らず、元々そういう風にマンガ的な格闘技を繰り出すキャラじゃねぇんだよな。RPGで遊んでる時は知らんけど、要するに必殺技とか特にあるでもなく、地味に斬ったり何なりするという・・・・・・。
問題はそういう地味な攻撃のキャラ同士の格闘ゲームは面白いのか、と。そう、このゲーム、コンボらしいコンボがねぇの。だからホント、斬ったはった「だけの」ゲームになってると言うか・・・・・・。日本で出さんで正解だわ・・・・・・。

そもそもよ、やっぱRPGのキャラで格闘ゲームをやります、とか間違ってんだよな。ここにも間違ったメディアミックスがあるのだ。

ちなみに、レイヴンロフトと言うキャンペーンセッティングは吸血鬼ネタのホラー寄りのセッティングである。
TSRはそれをウリにしたかったのかねぇ。
良く分かんねぇや。
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