地理人レポート

展示や新グッズ作りに向けたコラボレポートと、空想地図&地図グッズ紹介をお届けします。

2023年 簡易的振り返り

2023年12月31日 | 振り返りと展望
今年は初めて一人年越しかも?コロナ時代入って以降、本郷自宅での年越しも増えてきましたが、昨年末は住人以外の人とほとんど会わずだったのに比べ、今年は日々色々な人と会う年末で、楽しく過ごしております。年越しは駆け込みゲストハウス予約でどこか行くか、とも思いましたが、(後述しますが)自室が少々快適になりつつあるので、年越しは静かに自室でも良いぞ、という具合です。自室大改造は12月29日に始めたので、直前ながらどうなるか分からぬものです。(BEFOREがひどすぎるので写真は載せません;汗)

それでは年末なので振り返りをば…!


◉ 空想地図(界隈)の広がり

今年6月に5冊目の本、「空想地図帳」(学芸出版社)を出しました。私自身、空想地図作者として取り上げられることが多いものの、若手で優れた作者が出てきて、質も勢いも負けてまう…アウ〜〜となりつつあったので、それなら彼らの地図をいっそ紹介しよう…と、「空想地図キュレーター」を始めてみました。

実はそれだけではなく、昨年の地理系ブックカフェ空想地図開店に始まり、コロナ禍明けの波も重なり、空想地図作者が集まる機会が増えます。大阪の「架空言語・架空地図学会」は開催回数が増え、東京の「空想地図学会」の参加人数も増えています。らの(加藤太一)さんがこの空想地図学会の主催と、ZINE「空想と地図」の編集を始め、キュレーターの動きが私以外から出てきていることは心強いのですが、これ一人でやるの大変じゃない?ということで、私含めて4人の体制(空想と地図の企画室)になりました。その他、国際地図学会で吉田桃子さんが空想地図についての研究(いずれ博士論文に)を発表したりと、空想地図が密室趣味を脱した象徴的な年だったのではないかと思います。

個人的には今年は2件の空想地図制作を手掛けており、1つは来年リリースされるゲーム(ストリームヒーロー)の舞台で、6人の共同制作の巨大地図です。空想地図制作が共同作業になるなんてね〜。中村市より楽しかったですわ。もう1つは(地図制作としてはそう大きくない割には爆発的視聴率で話題になった)VIVANTでした。


◉ ここに来て、海外で滞在&制作&展示の機会を得る

7月末から8月末まで、1ヶ月少々台湾に行っておりました。三文字昌也さんと2021年に渋谷・目黒で開催した「アジア都市透視展」の台湾バージョンアップ版、「亞洲都市透視展」です。台・基隆の港町の芸術祭の1枠で、港の盛り上がりの渦の中におりました。絵になる風景の中で日々を送る、というところだけはドラマっぽいのですが、日々淡々と(日本の)仕事をしつつ、プラスして展示関連の作業を進める…という、少し作業が増えた感じの日々だったので、ワーケーションで言うとケーション要素はそんなになかったのですが、「海外1ヶ月滞在とか、この歳でできるんだ」という発見でした。またどこか行きたいと思いつつ…このテーマで行くなら次は韓国かしら〜(あては全くありません)


◉ 著述作家感が醸し出される

今年「空想地図帳」(学芸出版社)が出た話はさきほどしましたが、昨年は「考えると楽しい地図」(くもん出版)、来年…といってももう1ヶ月半後くらいに、子供の科学サイエンスブックス「世界が広がる!地図を読もう」(誠文堂新光社)が出ます。さらに2冊抱えており、すぐそれに取り掛かるので、そこから発刊は続くはずです。1冊目(2013年)から2冊目(2019年)まで空きましたが、近年著書のペースが上がっており、なんだこれは著述の人になってきてるのか…?という感じです。

それはいいんです。最近道路交通関連の業界誌、専門誌から記事を頼まれることがあり、(そういう話は好きだけど専門的なことは書けないヨ…)と思っていたら、「随想」みたいなコーナーで、コラムやエッセイを(空想地図)作家として自由に…というものです。確たる価値を持つ専門性が身につかぬまま、怪しい文化人風味が醸されているようで…いや、もうそうなったらその傾向が進む前提で、ゆるふわ人生設計していかねばなのだよな、と思う等しています。


◉ 住んで12年、もう少しで40歳だぞ気づいてんのか…?

…気づいてますとも。気づいてはいるんですが、だから何…?という感じだったんですが、最近体のコリというか衰えというか、ようやくここ1、2年で感じ始めました。(ダッシュするとめっちゃ息切れする、とかね)自宅(本郷はなれ、というシェアハウス)に住み始めてはや12年、住み始めは26歳だった人間は38歳になっていました。既に過去最長期間住んでいる家になってるんですよね…マジスカ〜!


◉ 年末にいきなり始めた、自室の大改造

2011年(26歳)から2015年(30歳)頃まではこの部屋もまだ余裕があったんですが、2017年に美術館での展示が始まり(制作品増える)、2018〜2019年に制作グッズ爆増、先述の著述ラッシュも関連して本も紙も増えるわで、自室はスラムになってました。一部電子化したり事務所移したりしましたが改善されず、スラムになってから6、7年は経ってたと思います。

26歳のノリで4畳半生活を続けていたんですが、そういえば同年代や上の年代の人で、一人暮らししてる人は数部屋ある家に住んでたりすることに気づきました。じゃ広い家に引っ越すかー!ってなるかって? いや…現在なかなかの激安家賃で、固定費を上げることに抵抗があるため、どうにかこの部屋に居るままで環境を改善できないか…と、11月に思い始めました。

「面積がないなら高さを上げれば良いじゃない!」香港の都市計画を見習い、(パイン材の安直な)家具や整理用品を爆買いて棚を増やします。端に高層の棚を集中させ、中央に低層の棚を置いて最低限の開放感を保ち、空いた空間にプロジェクター(買いました)を置いて風景の映像でも流せたら遠くに行く気分を安直に味わえるのではないか、といった具合です。4つの棚を12/29に組み立て、床に積み上げられた紙達をとりあえず棚には入れた…という感じなので、整理はこれからです。


◉ 「歳とったんだぞ」の買い替え

そういえば、台湾にいたときに洗濯&乾燥機がなかなか強力で、夏服(の繊維)が壊れたりしましたが、そもそもこれは15年以上前に買ったものでした。そりゃそうやな…と思いつつ、服や持ち物は気づけば5〜10年使ってボロボロになってるものもありました。そう、2年くらいしか経ってない感覚のまま5年くらい経ってるし、5年しか経ってない感覚のまま12年経っているのです。

そこで、リュックやら服やらを買い替えまして、最近身につけているものはほとんどが今年の調達品です。雰囲気は変わってないのでイメチェン感はありませんが、あらゆる紙やコード類をそのままリュックに投入していたのを、ファイルバインダーやスマートな小袋に入れる等、大人としての嗜みを導入してみました。これで荷物内の劣化や、チラ見えする際の雑さが解消されるはずです。そう、「お前もう歳とってんだぞ」を言い聞かせた結果のソレです。


◉ どうなる2024年?

2022年から高校の探究学習の授業を持ち始め(半期)、今年からは通期になり、毎月どんな仕事が来るか分からない不安定の極み、連続単発仕事野郎からは脱しました。いきなり終わる可能性はあるんですが、去年も今年も受講人数最大で、希望者も多いようなので、続きそうではあります。何より私にとってはこの学校はかなり合っているな…と思っており、昨年は「久々にやる気が出た」という、驚きの波でもありました。中学校時代「一番なりたくないのは学校の先生」と言ってた人間がこうなるとは、驚きの始末です。

去年の今頃は、先述の空想地図制作のお仕事2件のメールが来て打ち合わせを始めた頃でした。今もまた、空想地図+αになりそうなお仕事のキックオフ的な打ち合わせを始めたばかり。そして本2冊を進めないといけないんですが、それ以外は全く決まっておらず、どうなるかは分かりません。年単位の非常勤とはいえ年間のお仕事が1つあることや、商業出版の冊数が6(〜8)冊出るということを土台にして、(どうやら専門家ではなく謎作家枠としての需要が大きいようなので)なるべく訳の分からない仕事を受けていくべく、妙な形のアンテナを磨いて2024年を迎えようと思います。



あと、今年の海外渡航は韓国&台湾のみだったので、もう少し遠くに行こうと思います。(そろそろ…ヨーロッパ…とか…行っても良い…ような気がするんですけどネ゙〜)

それでは皆様良いお年を…そして良き2024年を迎えられますよう…!

お化粧・スキンケアの先にある…空想地図?

2023年03月31日 | グッズトーク
こんにちは。
最近遠方での移動中しかツイートできなくなってしまった地理人です。
(なにをつぶやけば良いのやら…というのと、ツイートより前にすべき返信が溜まってたりとですね…)

3月は出張が相次いでおりましたが、その中でも鹿児島・薩摩川内で空想地図ワークショップが行われました。人口10万人くらいの市で、10日前くらいの(そこそこ直前の)告知で、まぁ来るのは5人前後かな〜と思ったら…





金曜夜:大人参加24人
土曜昼:高校生参加11人

という参加人数と盛り上がりで大変驚きました。
都市人口であなどるなかれ、場とキュレーションが大事なのですね…

土曜の高校生編はこちらの記事で紹介されていますので、ご覧くださいませ。


さて、次に空想地図キットが雑誌で紹介されました。
私の空想地図ではなく空想地図キットが紹介されるのは実は珍しいのです。初かもしれない…

しかもしかも、これまでなかった分野の雑誌でして…
エイジングケアやメイクなどの美容情報が載る「ORBIS magazine」です。


な、なぜに…!?
スキンケアに空想地図が良い」とか…?

そういう話ではななかったようです。
「散歩の魅力が広がる最新事情」特集でした。


なるほど〜と一瞬思いましたが、空想地図キットは散歩のツールではないですよ…
よく読んでみると…



脳内散歩」!
なるほど…確かに空想地図を作るのは脳内散歩かもしれません。

そんなORBIS magazineに紹介された空想地図キットはこちらです。


それではまた〜

2023年度末…「超路線図」を書き換えねば…!

2023年03月30日 | グッズトーク
こんにちは。お久しぶりです。地理人です。
近年、年度末は大変バタバタしているのですが、今年は(事業年度と関係なく)たまたま期限が年度末だったという件が数件あり、えらいこっちゃ大変でした。ようやくそっから抜け出しつつあります。

おいおいやらねばな…と思っているのが、超・路線図の更新です。

こちら。いま買うことはオススメしません。なにしろ更新が2019年3月…

この3年でさまざまな変化がありました。

首都圏の鉄道だけでも
・相鉄↔東急・JR直通線開通
・新駅開業(高輪ゲートウェイ・幕張豊砂)
といった変化があります。

ざっと鉄道だけ描き替えてみました。

before (2019.3)


after (2023.3)


「東急新横浜線」表記の置きどころが微妙なんですが、一体どこに置きゃいいんだ…あれ、相鉄線減ってる…?(いずみ野線からの特急が減っているもよう)

before (2019.3)


after (2023.3)


京葉線駅を等間隔で置いていたので、幕張豊砂駅を入れることで他の駅の場所も変わってきて、バス路線の線も移動することになりました。

ところがこの路線図、厄介なのは(自分で作っておいて…)…
鉄道の平日日中の、主要種別ごとの運行頻度を太さで表現しているため、新線、新駅の開通がなくても、ダイヤ改正の影響で描き換えなければならない、ということと、それが鉄道だけでなく沿線間を結ぶ主要バスもある、ということです。

ひぇ〜

もうやりたくないョ〜〜

…と思ってたぶん放置するので、このように投稿することでやらなきゃ感を醸成し、更新につなげたいと思います…(所信表明)

2022地理人の振り返り (4) 能動性を起こす新たなアクション

2022年12月31日 | 振り返りと展望

受動的に似たような依頼が来続けても、アウトプットの新たな展開を生む小技を前投稿で紹介しましたが、ここから先は能動性の開拓です。

能動的な面がある方なら何の問題もなく、ただ動くのみです。
いや、むしろそんな方はすぐ動いているでしょう。

しかし、そうはいかない人間は、能動性が起きない原因をあぶり出しつつ、自分内の能動性の動力になりそうな要素を抽出し、能動的に動く仕組みを作るしか道がなさそうです。

●空想地図が進む熱とブレーキ

いやいや、空想地図って能動性の産物やん…というツッコミも来そうです。ええ、あれは確かに自発的に作りましたけども、空想地図作りが進んだのは中学時代と会社員2年目、所属組織(学校・会社)が最も嫌だった頃、人生の底みたいな時期でした。他にやることがない状況に、現実逃避熱が加わり、一気に進みました…が、ちょっとこれ、今後再現するのは難しいのです。良好な人間関係を切って嫌な仕事をする、なーんてそんな自己犠牲的な展開は求めちゃおりません。

…てなわけで、今はなかなか進みません。もう一つ、遅々として進まない傾向があるものがあります。それは、著書です。空想地図とは違って、依頼が来てから始まる仕事なので、普通の仕事のようですが…どちらも地理人(今和泉)作になり、相手の求めるニーズや結果…から逆算して必要なものをアウトプットする、というわけにもいかず、求められているか、価値があるかは置いといて、自分の中からネタを絞って出し切る…という、わりと地獄のような作業です。



自作事案と、依頼事案に分けてみると、それぞれの作業の進み方は全然違います。依頼事案は、他の仕事、他の作業を並行して進められますし、期限内に終えられます。しかし、自作事案はそうもいきません。

作るものの規模が大きい場合、作業を細かく割って工数・期限を設定し、途中に関係者への会議や期限を設定して進めれば、依頼事案は進みます。…が、自作事案はなかなか進みませんでした。

・全然工数も作業日数も読めない
・関係者がいない
・期限をオーバーしてもさほど問題が起きない

…という事情です。いやいや、それでも(著書の場合)関係者はいるし、問題が全くない訳ではないのですよ。進まない中、どうにか進んだときのことを思い出すと…というか、それは今なのですが…

●自作事案が(珍しく)進む年末年始

何かがひらめいて進められるときで、他に並行する仕事がないとき…でした。しかも、上の表に書いたように、1日目は稼働しない、2日目に稼働し始める(けど遅い)、3日目くらいからようやくエンジンがかかるのです。エンジンがかかってしまえばあとはグイグイ進みますが、問題はその他の作業(やメール・メッセージの返信等)に疎くなります。いやぁ社会不適合感が…ありますよね…(だから自作事案は好きではない…でも作らないと…自分の看板たるものが生めない…)

ちなみに、空想地図帳の原稿の期限を年末に設定し(先延ばししての年末なんですけどね…汗)、ほぼ、終わりました。ほぼ…すんませんまだ残ってます。ただ、12/25昼までは他の作業が並行する期間で着手できず、ここで他の年末タスクを終えます。12/25夜から着手しますが…本格的に進むのは26夜から。そこからノロノロと準備と確認が始まり、27夜からグイッと進みます。28日からは早いんですが、ちょうど年末年始、他の作業を並行しなくて良い期間です。しかも第8波の勢いがあるので両親宅には行かないと決めたため、年越しは自宅。予定ががら空きなのです(12/26から住人以外誰も会ってない)。そんなわけで、集中モードです。

(そして、その集中モードから寄り道して、怒涛の図解振り返りアワーですが、これも文章と作図アウトプットの勢いの流用です…終わってまた年越し前後で、空想地図帳の最後の詰めに戻ります…)

なるべくこの状況を作り出すため、
今後は「1週間以上(理想は10日間)空けるタイミングを作る」ことに努めたいと思います。1〜3月も1、2回は作りたいと思います。

長々と書きましたが、これは空想地図と著書をどう切り抜けるか、という話で、決して新しいアウトプットや展開を考える能動性のお話ではありませんでした。その話はこれから。

●「何かに応募する」という未踏の境地

本も展示も、その他もろもろ、自分から動いたことがない他力本願みがありますが、それ以上に、タイミングも内容もあまりコントロールできず、先述の投稿のように似たものになりやすい、という傾向があります。

そうか、自分で応募する、という手があったのか…と、誰もが気づいてそうなことに気づきました。いや、気づくも何もその枠組みがあることは知っていたんですが、自分にできることではない…と、具体的なアクションを検討したことがありませんでした。

例えば助成金とか…何かのプログラムに応募したり乗ったりするとか…
そういう枠組みを活用しても良さそうです。

なにしろ、作家シフトになってしまった結果、自力で利益を担保できる事業を立てられる方向に行かないので、「事業を起こす」でない限り、このような流れになるかと思います。


前投稿の図と比べると、線が描かれる場所が随分違います。
これについてはどんなものがあるのか、機会も方法も全く疎いので、周囲の皆さんに少しずつ力を借りながら、その可能性を探っていきたいと思います。

助成金のポイントは、その資金力ではなく…
それより、プロジェクトが仕事化することで、期限までにミッションを果たし、報告しなければならないというケツができることで、進まない自作事案を「(進む)依頼事案」化して進められるであろう、ということです。

「依頼事案のほうが進む」のは、共感する人もいるかもしれませんが、そうでない人も多いのかもしれません。なにしろこれまでの著書では、なるべく書いている途中で、内容に関する方向性や形、仕様等をバチバチに決めて縛って進めていきたいのですが、完成形を縛らず、途中介入せず、まず自身の中にあるものを吐き出した方が出るのではないか…と思っているようで、編集者はむしろそれを遠ざけることが多かったのです。

展示は期限がバッチリ決まっていて、最近の展示は関係者を巻き込めているので進むようになりました。共著だとたぶん早く良いものを書き上げますので、次にお声掛けいただく編集者さん、ぜひ共著をご提案下さい…(と思ったんですが、向こう2、3年詰まっているので少々お待ち下さい…)

●過度にやることを絞ってきた代償

10月にやりたいことを100個出してみたんですが、これは短期的、長期的な方向性を見出す材料になりそうです。それぞれ具体的に落とし込もう…と思って、年末に間に合わせようとしてたんですが、間に合いませんでした。これは年度末か、また歳を取るあたりでやりたいと思います。

最後に、今年の気付きです。

とある方が「地理学科卒で、地図会社2社しか受けなかった…1社受かったので今に至るが、どちらも受かってなかったらどうなっていただろう…」と話していたのを聞いて、あれ?と思うことがありました。

地理学科から地理を活かした就職は、研究者や中高教員になることが多く、地図会社は募集人数が少ない・・・という話から、地理系就職を断って、大学3年からそもそも地理学科を抜け出して別大学・別学部に編入しています。
(大学や高校に赴いている今からは想像がつかないんですが、学校に居たくなかったので先生の選択肢はまっさきに削ったら、残りが地図会社…)

さらに、次の大学で、まちづくりのゼミに入り、都市設計コンサルタントでアルバイトをしますが、平成の大合併で自治体の数が減り、仕事がたくさんあるのは数少ない大手くらいで、中小は厳しい…なら、この業界の就職はやめよう…

私の中では当然の選択だったんですが、受かる可能性もわずかながらあったのかも知れないんですよね。ちなみに地図会社もまちづくり関係の会社も、就職活動時、1社も受けてません。1社くらい受けても良かったのかも知れない、と今更思いました。

(しかし変な話で、受けてもいないのに、高校・大学の授業、地図会社、まちづくり系プロジェクトとの関わりが妙にできてしまったので、結果的に就職しなくても良かったんですが)

そう、ここで、可能性が薄いとバッサリと最初から切る、という癖に気づきます。大学1年のときの懸賞的奨学金に応募したのは…他に誰も応募してなかったからだし、競争率の高い門…というか競争がある入口は最初から行かず、競争がほとんどない門にしか行かない傾向があります。

そして…
やることを、他者よりもできそうなことに絞るのも過度な癖だと自覚しました。例えば、地図・地理・デザイン関係、作図等視覚的な整理、公共交通移動、領域を跨いだ人とのコミュニケーション、初対面の交流…等、割とできることに関してはやりますが、それ以外、やっても並かな…くらいのことは、過度にやらないフシがあります。

時間は有限で、つまり私が使える工数も有限。他者よりも要領は悪いので、人並みに人と同じことをやっていたら劣勢になる…優勢に動けることだけを選択してそれに集中すべし、という基本思想が、いつしかできていたようです。

普通運転免許を持っていない(その他資格という資格を持っていない)、ほとんど料理をしない、英語力もほとんどない、その他色々…できたほうが良かったよな…そして苦手でも試みる姿勢は大事だよな…と思う瞬間が多少あった一年でした。まぁ強み集中戦略を取ってきたゆえどうにか生き残ってるのでこれも後悔ではないんですが、この戦略が今後新しく始めることの可能性を狭める気もするので、苦手でも試みる扉を、ひとつくらいは開けようと思いました。

というわけで長々と振り返りましたが、実りある2023年を迎えたい所存です。皆様もよき2023年になりますよう…!

2022地理人の振り返り (3) 受動からのアレンジで新展開を作る

2022年12月31日 | 振り返りと展望

停滞感〜と言い続けても停滞感は停滞感なだけだし、
持ち場いいな〜と思っても、場所があっても動かねばどうにもなりません。

じゃどう動くかやんけ…
しかし…

地理人、とても受動的。これは私が自覚し続けていることです。ただ、私が言いまくっているだけでそうは見えない人もいるようなので、受動的な割にはうまく(この回路を)こねくり回して生きているのかもしれぬな…とは思いました。

●能動/受動、インプット/アウトプットの図で整理しよう

さて、原始的には能動も受動もなく、ただ、さまざまな地図を見ていた末に空想地図を描き始め、各地の都市探訪した結果で空想地図をブラッシュアップしていった…これはシンプルなインプット→アウトプットの構図です。一人で完結しており、この段階では仕事にもならないし、広がりもしません。



会社を辞め(多くの人が知らなかったり忘れてたりするんですが、2009年から2年間会社員をやってるんですよ!)た2011年から4〜5年間ほど定番となっていく流れがこちら。
依頼が来て、準備・作業して、アウトプットする、という流れです。
これは、著書や記事、展示が主ですが、その他も基本的にはこの流れでした。

しかしこの問題は、アウトプットがワンパターンになる、ということです。
当初は新しいアウトプット先が増えていくばかりだったので良かったのですが、2016年以降、同じことを続けてて良いのか…?ということに限界を感じ、流れを変えることを試みます。といっても、受動的なままで。

●来た提案を少しアレンジして返すひとひねり



(はい、だんだんよくわからない道路標識みたいになってきましたね…)

2015年頃までは、アウトプット先やアウトプット方法が増えていたで良かったのですが、似たようなアウトプット先や方法で同じことをすると、ほぼ同じことの再生産になってしまいます。しかしありがたいことに①仕事の依頼が来ると、ここでひとひねり、②「こういうのでも良いですか?」と別の提案をして、受け入れられたら③新しい試行錯誤をして、④新形態をアウトプットします。

一番大きな実例はこちらです。

2016年、「空想地図の描き方」の内容で提案いただきつつも、空想地図以外のアウトプットを試もうと「新たな現代都市地図の読み方」を逆提案し、企画が通過、2019年に刊行。

続いて、この回路がもうひとひねりします。

●来た提案をアレンジしてから他者を巻き込むふたひねり



早い話、小者の自分にできることは限られている訳です。
もうひとひねり加えた新パターンは、依頼が来てから、他者を巻き込む提案をして、他者を巻き込むという流れでした。

具体的にはこちらです。
(しまった、自サイトで紹介記事残さなきゃ…)
2020年に「空想地図の展示」という依頼で来たのですが、地図のみならず、地図を目次として空想都市のあらゆる日常の断片を再現し、視聴覚で感じられる都市を味わっていただく…という内容でした。音楽から音、デザイン、文章、映像とさまざまなプロに参画いただきました。時間的には突貫でした。
(巻き込まれた人:キシリ徹、佐藤香織、タナゴ、寺井暁子、TOK.S、ばつまる、ホンダノホンダナ、Mr. Densha、渡邉絵理、綿谷エリナ)

(しまった、自サイトで紹介記事残さなきゃ…)
こちらも2020年に来たお話ですが、展示の内容は特に指定がなく、自由度が高いものでした。空想地図…と全く関係なくて良いのです。そこで、全くこれまでと異なる、アジア各国、各地域の街の、誰も注目もしない何気ない一面を捉え、架空でその国(地域)らしい街のイラストを描き、その街を形作る傾向や重力をつかむ、という展示でした。これは引き続きやっていきたいと思います。
(巻き込まれた人:三文字昌也)

引き続き、このスタイルは取っていきたいと思います。

ちなみに先日、新しい本の企画提案が来まして、共著に持っていこう…としたのですが失敗しました。しばらく単著沼が続きます。いつか共著を書きたい……

ただ、受動スタートだと、来ないと始まらないし、さすがにアウトプットの異なる提案も、予算が変わるような提案もできません

残るは、能動アクションですが…
能動性が…ない…

さぁどうする?
続いては、能動性を引き出す仕組みを考えます。


2022地理人の振り返り (2) 持場型と浮遊型

2022年12月31日 | 振り返りと展望

さて、前投稿ではあったことのダイジェストを書き連ねましたが、
大事なのはここから。図解です。

●持場型と浮遊型

あなたは持場型?浮遊型?
…という性格診断でもないんですが、場所を持っている人…場所に限らずイベントやプログラム、何かしら発信できるメディアをもっている人や集団を持場型と、何もなく、むしろその他人の持場を行き来する人を浮遊型とします。

持ち場なんて大きな会社が持ってるものでしょ〜個人は浮遊するものよね、と思って生きてきた節もあるのですが、最近、身の回りの身近な人が持ち場を持ち始めており、持ち場って持てるのか…という所感を持っております。所属している会社や学校を自分の持ち場だと思う人もいると思います(いいな〜そう思える学校や会社がある人生←一度もない)。



ワタクシ、浮遊型の極みのですが、空想地図のかほりを周囲の広範囲に飛ばし、さまざまな場にお邪魔し、場の力を借りる等して楽しんでおりました。

自分から誘わない割に、人見知りがないのが地理人。ひょこひょことさまざまな界隈に出て話したり…時に聞き役になったり(意外と多いんですよ)…という具合ですが、この人間関係の築き方を「たんぽぽの綿毛」と形容していました。自力で動力は持たないが、さまざまな方向に浮遊して生き延びる…と。しかし友人に言ったところ「んーー、地理さんは地下茎かな。ふわふわしてない。」とのことでした。



仕事面でもこのように…自分では明確な事業や場所を持たず、明確な事業や場所を持っている方々から呼んでいただいて生きておりました。こうしてよき持ち場を多数見ることになります。

●持ち場を広げる人々具体例

最近だと別視点は、2011年に「東京別視点ガイド」(ブログプラットフォーム)、2018年に「マニアフェスタ」(プログラムやイベントの主催)…と来て、
来年には都内のどこかで新しい拠点を運営するのだとか。持場を一つ一つかためている感があります。木賃文化ネットワークは場所そのものが複数の人や活動が生まれるプラットフォームになっています。2018年創業の流動商店は2019年に持ち場を始め、小さなイベントを主催したり大きなイベントの裏方をしたりしています。先日忘年会に伺ったfor citiesは、コロナ禍頃の始まりだったと思いますが、Podcastで視聴者を増やし、世界各国でプログラムを実施し、レジデンスも始めるようです。うぉー、三拍子揃っとるやないかい…。

特に後者2団体はこの3年で活動を広げており、まっ、眩しい…と思いながら見ておりました。(コロナ禍なんぞ私からしたら「冬眠」だったのですが、と言い訳しようと思ったんですが、コロナ前はバリバリ動いていた訳でもないのよな…)

●浮遊型にとっては不利だったコロナ禍



さて、持ち場を持たずに浮遊していたコロナ前ですが、私はどこの所属でもないので、イベントや何か入れる余地があるときに、するっとあらゆるコミュニティにお邪魔していた、水色の❸の層でした。こうして越境できていた部分はあったのですが、このスタイルはコロナ禍で最も影響を受けます。❶❷が集まるか、❶❷がオンラインでMTGするか、という時代の始まりでした。コロナ禍になって久しくお邪魔できてない浮遊先はたくさんあります。明けて、これからまた余地が戻ると良いですが。

浮遊型でいることのポテンシャルが下がった代わりに、持ち場を持つ人が増えたコロナ禍。持ち場があることは、浮遊しにくくなる足かせになるのでは…と思っていたのですが、持ち場があることで、別の持ち場で覚えてもらい、行き来を増進しやすくなる側面があるな…と感じました。

長らく、持ち場…と並ぶキラーコンテンツ「空想地図」を携えて浮遊していましたが、空想地図は少しずつ広げたり直したりしても、見た目はあまり変わらないまま10年以上経っています。では空想地図以上の強いキラーコンテンツを携えられるかというと怪しい…これが私が長らく自分に対して感じている停滞感です。

コロナ禍明けても、コロナ前と同じ持ちネタで歳取って同じ浮遊は…難しいでしょう。色あせてくってもんです。

●新しいものを作ったほうが良い

2019年に東京都現代美術館で展示してから、ありがたいことに都現美の招待券が届きます。そして毎回行くのです。これが良いチャージになってまして。多数のおもしろいアートに触れる、のもあるんですが、展示はその作家の一生涯を見ているようで、「この人、大学で先生して家族も持ってて忙しいのに作品こんな作って旅してんの…?」と驚きもします。

私、大学で先生してないし、家族も持ってないのに、新作そんなに作ってもいないやん何してんねん…と、いいピリピリ刺激をもらいます。

展示の機会をいただいたときに新作を作ったりはしましたが、そうでないときにも作った方が良いよね…と。それを試行錯誤できる場所(工房的実験空間)があっても良いのではないか、と思う等しています。




…って、アンタ今年オフィスを改装したじゃん、その場所は持ち場では?何かしたら?…というツッコミが来てもおかしくありません。いまのところ空想都市展のプチ展示空間、かつ地理人収集古地図書庫にはなっています。持ち場を活かすには、何か主催したり誘ったり、場所を使う能動的なアクションをせねばなのだが、浮遊しかしてなかったので、(そういう能動的アクションを起こす)持ち場慣れしていない…。

というわけで、2023年はもっと広く「持ち場」について考える一年にしようと思います。


2022地理人の振り返り (1) 今年のダイジェストは高校・本・そして…?

2022年12月30日 | 振り返りと展望
2022年が終わるー!
歳を取るにつれてあっという間感が増すという先人の言葉、その通りでした。あっちゅう間や…
(振り返りがしたい…と思い続けてひと月以上経ちましたが、年末になったので、やります。)

●武蔵野大学高校(探求授業)講師はじまり


本郷に住んで11年、(各種メディアで)空想地図野郎として取材・出演してから9年と、長い年月が経っております。
各所で同じことの繰り返しも増えてきて、成長がないな…と思う等しました。さらにコロナ禍もあり新鮮な刺激も少なめ。停滞感をひしひしと感じていたところに、一筋の光が…

高校の授業です。えっ…!?

大学の授業のゲスト講師として1回の授業でお話やワークショップをする、ということはありました。ありましたと言っても10大学12授業、合計47回(年平均4回)と案外多いんですが、今回は【通算10回】でした。空想地図の話やワークショップを1回して終わり…ではないのです。しかも受講者20~30人…の予想に反して57人。めちゃ多い。

どうする、私経験ないんやで…とプログラムを試行錯誤。空想地図を作り、架空の店舗のロゴを作ってレシートを刷り、架空の商品のパッケージを作る等して計10回。しかも長時間講義すると寝ちゃうので新たなグループワークをいくつも生み出したり、これはなかなか刺激的でした。5~7月、9月は週の半分この授業の準備をしていたと言っても過言ではありません。停滞感を打ち砕くが如く、予想外かつ未経験で刺激的なスタートでした。来年は前期・後期ともに担当します。後述する本とともに、教育文脈が始まる1年でした。

このお話は、2018年に探求学習のプログラム(Learning Creator's Lab)にお邪魔したところ、参加していた先生伝いに、今年いただきました。面識ができてから4年後に話が来る…というのは珍しい話ではなく、知り合うタイミングと私を呼びたい事案が発生するタイミングは大体一緒じゃないのです。数年経っていても覚えてもらっていた…ということが、ありがたいですよね…。そんな人や機会を大事にしようと思いました。ええ。


●著書4冊目が9月に出て、続いて5冊目まもなく出ます


ワタクシ、何かの市場で確かな価値を出すプロになった訳でもなく、事業が軌道に乗ってきた訳でもないまま、30代も後半に。転職市場ではほぼ見込みのない危ない人間になってしまったことは、安定志向の私からすると想定外でした。こうもゆるふわな中、なぜか著書だけが増えていきます。

1冊目が人文系書籍として空想地図の本を、2冊目が同じく人文系で現代の地図読解の本を、3冊目は実用書で方向音痴指南本を、4冊目は…まさかの児童書カテゴリですが、小学校高学年から大人まで読める地図の本です。類書がこれまでいくつも出てるだろうよ…というテーマながら、案外類書が突いていないポイントを今風に(答えのない問い等を踏まえて)説いたと思います。ネットの反応は全然なく、売れているのか……は大きな謎です。

「空想地図帳」
年末の時点で98%くらいは書き終えました。100%書き終えるはずが…年始で残り2%を仕上げます。年度明けくらいには出るのではないかと思います。

さらにその後、1~3冊出るかも知れず、なぜか著書だけが増えていく人生、のようです。


●空想地図作者による空想地図の広がり

先述しました「空想地図帳」は、さまざまな優れた空想地図作者の空想地図を紹介する本です。ええ、もはや私は作者として追い越され…ました。なので、もういっそすごい空想地図紹介するゾ、のスタンスの始まりが、↑この本です。昨年末から今年年始にかけてオンラインで「空想地図塾」を実施しました。全5回、課題が出て、作者は課題に沿って描いて、参加者で講評するというものです。私は講師というより一参加者で、私も課題はやるし、講評してもらう側にもなりました。この内容は新刊「空想地図夜」にも入ります。

加えて駒沢大学駅付近に、地理系ブックカフェ「空想地図」がオープンしました。私が生まれた年に空想地図を描き始めていた空想地図作者の先輩によるオープンです。空想地図作者のみならず「地理系」カフェもなかったので、地理系の人々が集まるカフェとなっています。年末には久々に「空想地図学会」もあり、空想地図作者同士の交流も増えてきました。

ところで…
来年は大型空想地図制作案件が2件ほどあります。2件とも、未だ言えないんですが、作る面積が広く、私一人の手では作れないので、作者の皆さんの手を借りると思います(予算は…取ります)。


●アートめぐりと新しいものづくりへのベクトル

実は3月に同時に2箇所で展示をしておりました。2つとも全く別(気仙沼・尼崎)で、同時だからこそ展示物も全く別です(平面印刷物は同時でもいけるが、そうでないものも増えてきたため)。

また、隅田公園で11月、居間theaterプロデュースで、占い風パフォーマンス「うらないうら道」を実施。謎にパフォーマーデビュー。


展示に関しては今後の予定はまだありません。2017年から平均して年1回ほど来ている…ものの、おっとここで途切れるかもしれません。がしかし、今後ないとも言えません。このまま行くと同じ展示を巡回し続ける…のもまた停滞です。はっ…インプットせねば…!

ということで、今年は密かに各地の芸術祭めぐりをしておりました(石巻、新潟、東京墨田、琵琶湖、瀬戸内)。あまりあれこれ考えるよりもまずは量を見てシンプルに感じる時期にしよう…と思い…とにかく行くことにするので、今後もめぐります。なお、何か新しいものや空間を作る試行錯誤をするのに場所があったほうがおもしろいよな~と思う等しています。この件の分析は続編ブログにて。

図解で迫る今年の振り返り&来年以降の方向性、については続編(次記事)にて。
それでは、良いお年を~。来年もよろしくお願い致します。


中村市街地150年の変化

2022年11月30日 | コラボレポート
さて、先月は、郵便番号地図をはじめさまざまな地図を作ろうとしている話を致しました。
…がしかし、あれから全然進んでいません。ありゃりゃ〜。

現在注力中のものは、学芸出版社から出る新刊「空想地図帳」の準備です。
私としても久々の空想地図本になりますが、今回は私以外のさまざまな空想地図作者の空想地図も紹介します。

9割以上原稿は進みましたが、これから作者さんへの確認等を進める予定です。

本日の本題は、中村市街地の150年を追う、という件です。
空想測量会議第2回第3回を経て、市街地を描き替えるに至りましたが、ここで叶ったのはこの市街地が150年どう推移したか、を追えるようにしたでした。


・主に中村城付近が武家地、街道沿いが町人地がある中規模の城下町だった。



・田立沼を避けて鉄道敷設、中村駅が開業(1886年)。同時に田立沼が埋め立てられる。
・武家地、町人地、寺社地の区分けはなくなり、城主の土地等が官有地となった。
・城址は官公庁や学校の用地となる。


・中村駅付近が市街化する。
・京中電鉄、中村電鉄の旧線が開通。
・市街地が少しずつ拡大、北東部はスラム化し、火災で大きな影響を受ける。
・市街地の外側を大回りする平川の新流路が完成。
・北西部郊外に旧制中学移転、学校新設。


・平川大火を契機に、スラム化した北東部が平川の旧流路を区画整理、県庁と市役所を移転し、新たな中心市街地として開発される。
・市街地を南北に貫通する登州街道の新道ができる。
・中村駅と広善城址を結ぶ中央通りが開通。
・中村駅西口が少しずつ市街化する。
・正平橋南側も区画整理される。


・中村駅周辺の市街地が拡大し、平川駅付近まで市街地がつながる。
・雄貝川駅付近の宅地化も進行する。現在でも狭小の木造家屋が密集残っている。


・全域で軍用地が転用され、学制改革で各種学校が変更、新制中学校が設置される。
・登州街道のバイパスとして平川駅までのルートが開通。
・戦後、東西の幹線道路となる箱島街道新道が整備される。
・大学通り(中村大学東西の道路)の整備も進む。


・1962年、進駐軍跡地の半分は白枝公園として整備、もう半分は広善公園から移転した中央高校と白枝中学校に変わる。
・1969年、平川駅以北の登州街道新道が開通する。
・専売公社工場跡地が親崎団地となる。


・松宮新道が開通する。線路跡地の広大な土地を中村SOLスクエアとして再開発。
・親崎小学校、廃校。
・松倫小学校と荘徳小学校を統廃合、広善小学校となり、荘徳小学校跡地は複合施設「コラボ荘徳」となる。

2021年版の中村市の大判地図は、こうした変化を踏まえたものになります。

ここからは余談。身の回りでは遠方に行く人も増えています。全国各地、交通機関も宿も満席が多い、という話は聞いておりました。
私もようやく、11月下旬に全国旅行支援にあやかり、北へ、西へ、行く等しました。


▲日本海と太平洋の水が分かれる堺田(山形県最上町)
瀬戸内海と日本海の分水界の兵庫県丹波市( https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60453590X10C20A6960E00/ )は気になってたんですが、こんなところにも平地の分水界があったとは。


▲琵琶湖に浮かぶ離島、沖島(滋賀県近江八幡市)
琵琶湖ビエンナーレ最終日追っかけで、初めて湖に浮かぶ離島に上陸しましたが、漁村の営みが島全体に漏れ出す独特な様子で、ビエンナーレ以上に島そのものの印象が強く残りました。

その他、岐阜市では、全国旅行支援のクーポンが岐阜バスで使えたことで、
500円の全線平日日中一日券で、2090円分の移動をして帰って来る等しまして、
その行程についてはツイートしました。

それではまた〜

郵便番号?空港?鉄道と高速道路? 新しいデザイン日本地図を作ってみよう

2022年10月31日 | グッズトーク
こんにちは、こんばんは。
新しいグッズを作らねば…そう思いつつ、少し進めたものがあるのでチラッとお見せします。
先日、意外と売れているグッズとして市外局番地図と超路線図を紹介しました。



空想ではなく、案外、現実の地図でも新しく作れるテーマ、デザインはあるのです。そしてそんなテーマは、まだまだありますよね。

まず、市外局番ができたら、次に似たようなものと言えば…
郵便番号…でしょう。しかしこれはとても課題が多いのです。すんなりと乗り気にはならなかったのですが、重い腰を上げて試作してみました。



あー、こうなっちゃうんですよ〜。
都心近辺、ほぼ見えない…!大量の郵便番号が詰まっています。
23区は戦前の合併前の区ごとに振られているので、1つの区の中に2〜5個の郵便番号が詰まっています。

同じ範囲の市外局番を見てみましょう。



市外局番は都心でも郊外でも田舎でも、市内料金となる単位料金区域(↑同じ色で塗った範囲)は同じくらいの面積です。東京23区のように人口が多いところだと、市外局番が2桁(03)で、続く電話番号は8桁もあるので、1000万人弱が住む23区の人口でもなんとかなります。田舎になればなるほど、市外局番の桁数が増え、人口が少ないのでそれに続く電話番号の桁数は少なくても大丈夫です。

郵便番号は、こういった制約はあまりなく、古くからの大都市都心部は細かく、郊外や田舎になると広く粗くなります。その点、粗密が鮮やかに出るのは良いかもしれませんが、ポスターにしたときに大都市が見えないのは致命的です。どこか空いたところに拡大図を載せると良い…んでしょうかね。

千葉県の299、埼玉県の369、山梨県の401…等、その地域の中心地を取り囲む周縁部をまとめたエリアが広く、市外局番に比べるとこのエリアの区切り方が雑です。市外局番のほうが模様としては美しい気がします

あとは、データ上、市外局番よりも作るのがめんどくさい、という事情も重い腰になっているところです。今回はちょっとハイになって追い上げたものの、なかなかにめんどくさいところです;;;

うーむ。

ではもうちょっと前に仕込んでいたものを紹介しましょう。

●空港アクセスマップ


各空港の発着航空会社と、主要都市へのアクセスマップを、2020年10月に試作してみました。
九州だと、大分県だけど大分空港ではなく福岡空港から行ったほうが楽な日田市とか、いや日田市に限らず福岡空港から行ったほうが早い都市は多いんですが、福岡や宮崎のように空港から中心部が近い都市もあれば、鹿児島や大分のように遠い都市もある…その様子を地図にしてみるとなかなか便利だろう、と思いました。

思ったのに、九州を作ったところで力が尽きました。頑張りたい…。


●主要交通路 開通年マップ



2021年9月、鉄道と高速道路、新幹線の、それぞれの開通年を地図に載せて比べてみたい、と思う衝動が湧きました。鉄道は1870年代から、高速道路と新幹線は1960年代からできてきます。それぞれの年代は違えど、初期にできたか、割と最近できたか、差分を比べてみるとおもしろそうです。主要都市(県庁所在地等)間で、鉄道、新幹線、高速道路が何年にできたかも載せてみました。

九州の場合は新幹線ができたのは最近だが、高速道路は早い段階でできていたことが見えてきますし、福岡〜熊本は早い段階でできて、大分〜宮崎が比較的後でできていることが見えてきます。


四国は高松、徳島周辺からできていったようですが、全体的に後でできていくんですね…。新幹線がない割には高速道路で各県同士が結ばれるのは早いのは印象的です。室戸岬経由はつながるのでしょうか…。

こちらは九州、四国、まではやりました。次は中国・近畿地方か…やるか…。


中途半端に作り散らかして、どれも1〜2割しかできていないのが良くないところです。今年度中にはどれかは完成させて商品化したいと思います。

ではまた!

そろそろ新しいグッズを作ろう、その前に・・・

2022年09月27日 | グッズトーク
みなさま、こんにちは、こんばんは。久々のブログ投稿です。

マルシェルに出品中のグッズですが、2016年に大判空想地図をこっそり印刷しつつ、2018年に点数を増やした後、勢いがつくのが2019年でした。マニアフェスタの開催が爆発的に増え、売れて驚いた結果、新グッズを次々に生み出しました。しかし…!

世界は2020年からコロナ時代に入ります。すぐに終わるかと思いきや、まだまだ抜け出せてはおりません。この時期、逆に空いた時間で活動的になる人、リアルでコミュニケーションしたり外出できなくてもネットコンテンツとネットコミュニケーションで元気になる人は、この時代をモノにしたと言えるでしょう。しかし私は逆でした。半死状態。この2年半、一体何をしたと言うのでしょう(ああ頭が痛い)…。

(一応、今月「考えると楽しい地図」という新刊は出ました。もう1冊仕込み中です。今年出るといいな…いや来年になるな…)

しかしそろそろ長かったコロナ禍から明けるのではないでしょうか。そろそろ海外にも行きたいし、活動的にも…なりたい。そうだ、新しい商品も…きっと…作ったほうがいい…と思いつつあります。

それではまず、どんなグッズがあって、どのくらい売れているのか、見てまいりましょう。

まずはこちら、一番最初にグッズ化した中村市大判空想地図ですが、思った以上に描き直されるので、現在2021年に改訂したVer.3です。

続いて、空想都市住人の落とし物シリーズ…をグッズ化しますが、これはもう売り切れてしまいました。

さて、どのグッズがどのくらい売れていたのでしょうか。



こうして見ると、2019年の売れ行きが良かったのが見えてきます。中でも実店鋪が多かったのですが、これは年2回のマニアフェスタに加え、年3回東急ハンズ(これから東急が抜けてハンズになってしまうそうですが)にマニアフェスタが進出したりもしました。ほぼ毎日店頭に立っていたこともありました。ここで売れたものが大きくなっています。その他東京都現代美術館の展示期間中、ミュージアムショップで売れた分も入っています。

しかし…2020年以降、実店舗の売上は減っていきます。この中で多かったのは、銀座と鹿児島の展示期間中ののミュージアムショップ…以外は多くはありません。そのかわりにネットでの売れ行きが異彩を放っているものがあります。それは…


こちら、市外局番地図です。こちらのブログで書いたのもありますが、デイリーポータルZでご紹介いただいたこともあり、多くの人にお買い求めいただきました。2020年は実店鋪の販売がほとんどなかった分、ネットでの売上が大きくなります。

しかし2021年、2022年と落ち着いてしまいましたね…
そりゃそうかもしれません。新商品が、(密かに更新していた中村市大判空想地図2021年版以外)ないですし…


こちらの超・路線図は、電車やバスの本数が変わるだけで路線図に描かれる線の太さが変わるので、作ってから3年経ったいま、こちらも更新しなければ、というところです。

また、9月23日に東京都世田谷区(駒沢大学駅近く)にオープンした「地理系ブックカフェ空想地図」でも地図系グッズの販売を開始しました。(写真は開店準備中のもの)


次のブログ投稿では、次の新作グッズについて検討したいと思います。
では!