とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「春に散る」(ネタバレ注意)

2023-09-10 16:30:00 | 映画
佐藤浩市と横浜流星のぶつかり合いに感動した。
ボクシングシーンにリアリティは求めていないが、ストイックに鍛え上げることで役者が役と一体化することでの感動がある。
人生100年と言われる時代に、命を削って、生き急ぐ意味は何なのか。

齢をとれば、人生のチャンスはそう多くないことがわかる。
一方で、致命的なダメージでなければ、試練を糧にすることで、再起のチャンスがあることも知っている。

スポーツや芸能は、直接的に人々の暮らしに必要な物資を生み出したりするわけではないが、人々に勇気と感動を与える存在だ。
高い目標に向かって努力する姿が貴いのであって、結果はそれほど重要でなかったりもする。

この作品を観て、「生きる」ことの意味は潜在的なものも含めて、自分のできることをやり切ることなのかなと感じた。

映画的なドラマティックな展開もよいが、失明するリスクを避けて、試合を辞退することも正解だと思うし、最後は自分の決断だ。
それはそれで、別の人生の可能性があったかもしれない。
それでも、大きな覚悟を背負って闘う姿に人は感動するものだし、そこまでしても周りの人々はすぐ忘れるのも現実だ。
もしかすると過去の栄光に囚われて、目の前の現実を直視できないこともあるかもしれない。

佐藤浩市が演じる仁一の台詞で、「年寄りは滅茶苦茶なんだよ」というのが、人生の複雑さを表していたと思う。
理想的な死に方は、こういうことというのも見せてもらった。

点数は、10点(10点満点)。

タイトル:春に散る
製作年:2023年
製作国:日本
配給:ギャガ
監督:瀬々敬久
主演:佐藤浩市、横浜流星
他出演者:橋本環奈、坂東龍汰、松浦慎一郎、尚玄、奥野瑛太、坂井真紀、小澤征悦、片岡鶴太郎、哀川翔、山口智子、窪田正孝
上映時間:133分



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