9月13日まで印刷博物館でGRAPHIC TRIAL 織(おる)という展覧会がおこなわれています。例年の企画ですが、グラフィックデザイナ-とプリンティングディレクターが協力しあって「新しい印刷表現にチャレンジする」ことをねらっています。
展覧会としては小規模で地味に見えるところもありますが、どうして、どうして、じっくり見てまわるとかなり刺激的です。とくに、今回は、大御所永井一正さんの「LIFEー命を織る」がトライアルが生み出すグラフィックデザインの醍醐味をいかんなく伝えてくれいて感動しました。
いままで永井さんの「いきもの」を描いた作品には数多く接してきました。私の部屋にも「サル」がいます。この地球上で人間も動物も植物も共生しているところから動物を主体としたLIFUシリーズで生命を織るをテーマに永年、制作をしてこられたのです。『未来への思いと生命への畏敬の念をシンプルなかたちに託します』というデザイナーとしてのことばにはデザイン哲学があります。
それに比べて、最近、問題を投げかけている東京五輪エンブレムやサントリーのトートパックの件は残念です。東京ADCやTDC,JAGDAなどで受賞を重ねておられますから存じ上げておりますが意外でもありました。当の佐野さんは『アートディレクションとはコミニケーションの設計である』とアートディレクターの在り方を述べておられますが。
年前に開かれた「ヤン・チヒョルト展」のポスターに酷似していたことを審査委員長のN氏はご存知なかったのでしょうか?不思議に思います。