中国や台湾からの花見客が多いというせいもあるのでしょうか今年ほど「お花見」の話題が多い年はなかったように思います。以前は西片のわが家の自慢は浴室から借景で他人様のお屋敷の桜が楽しめたことですが、いつの間にか伐採の憂き目にあってしまいました。
「ついでの花見」なんていう表現が通用するかどうかは知りませんが、今年の春はもっぱら私はそれで済ませました。まず、お彼岸の墓参りで行った王子の飛鳥山は期待したものの早過ぎ、駅周辺の音無川のあたりもまだ、つぼみのピンクだけでした。
四月に入って新宿御苑の近くのレストランで出版パーティがあった日に、わざわざ、三宅坂、靖国神社、千鳥ヶ淵とまわり道して会場へ向かいました。どこも満開、人、人でした。例の宮内庁の開放で、乾門のあたりも人の波でした。到着した御苑周辺もお子様連れやカップルの花見客でいっぱいでした。
我が家の近くでは最高が共同印刷から茗荷谷に抜ける播磨坂の桜並木、ここはスーパーに行く順路でもあるので咲き具合は家庭内情報で毎日、更新できる利点がありました。今年は行けませんでしたが、六義園、小石川植物園、後楽園、東大界隈、いずれも幸せなことに、散歩がてら桜が楽しめる距離にあります。
さて、今年のついでの花見の極上は門前仲町の黒船橋のたもと、深川不動おまいりのついででした。これはもう風と雨を潜り抜けた後の残りの桜でしたが、まだ、船からの花見客もいて、混んでいない分、風情がありました。本当のことをいいますと、この日、近くで食べたアナゴ丼の旨さが「極上」にむすびつけたのかもしれません。いつまでたっても花より団子です。かくしてもうほとんど、葉桜になってしまいました。
今年の花見は千種裏の小料理屋を2、3年前に畳んだおかみさんが山根、川口の両氏と共に桜並木に面した自宅に招いてくれ、飛騨古川のやんちゃ酒でもてなしてくれました。
4月10日の当日、一部は葉桜模様でしたが、手作りの料理は美味しかったです。