活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

印刷とSNSのコンテクストくらべ

2015-09-18 11:58:11 | 活版印刷のふるさと紀行

 国会の紛争、限りない日本国の退潮をあざ笑うように大雨による堤防の決壊で多くの方が被害に遇われたかと思うと今朝は津浪襲来、収穫の秋を目前にしての最近の異常気象には、つい、暗い気持ちをますますエスカレートさせられます。

 昨日は定例の印刷図書館の会がありました。ひどい雨の中を大きめの傘をさして出かけましたら、通りががりに花の終わりの「萩」を見つけました。炎暑につづく長雨、秋の七草のような風情皆無の最近の気象はさみしいものです。

 さみしいといえば、印刷クラブで最初の話題は16日に終わった「IGAS2015(アイガス 国際総合印刷機材展)」が今年はいかにも寂しかったということでした。東京ビックサイトを会場に印刷産業関連の人が連日ゴマンと押しかけた以前の状景をまのあたりにしていた旧印刷人にとっては無念でさえありました。

 そのあと、同じ会場で開幕した「ゲームショー」が盛況なだけに、考えさせられることしきりです。 月並みな見方をすれば、印刷機材はますます進化しているのに、印刷のデジタル化でだれでも簡単に印刷できるようになったこと、印刷事業所や印刷従事者の減少もひとつの理由かもしれませんが、それだけではないはず、その原因探しから、結局は低迷続く印刷産業をもりたてるためにはどうしたらいいかという毎度の大テーマに行きつき、カンカンガクガクの2時間でした。

 その中で個人的にいちばん興味をそそられたのはコンテクストontextと印刷を論じあったことです。コンテクストは文脈とか脈絡とかいう意味だと思っているのですが最近はIT分野でもいろいろな使われ方をしております。

 話は飛びますが、今朝の各紙に文化庁の国語世論調査の結果が出ていました。言葉の意味や手書き文字の字形などが世代間でバラつきが在ること例示されていましたが、要はこれらはコミュニケーションのもとになるものです。、コンテクストといってもよいと思います。

 そこで「印刷」とちかごろ流行りの「SNS」,ラインやフェースブックやツイッターなどとをくらべてコンテクストについて論じたというわけです。さて、結果は。ご想像に任せます。








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紙メディアのレイアウト

2015-09-12 07:07:16 | 活版印刷のふるさと紀行

 またしても自然災害の前に人間の無力さを痛感させられるような光景をさんざんテレビで見な、くてはなりませんでした。9月11日の茨城県常総市の鬼怒川の堤防決壊であり、宮城県大崎市の渋井川がそれに続きました。

 大水の中で孤立してしまった被災者がヘリで救助されるテレビの画面に見入るだけの自分の無力さがつくづく情けない気がします。

 そんな中で不謹慎な誹りを免れませんが、翌12日の朝刊紙面を見て考えさせられたことは紙メディアのレイアウトについてです。どの新聞も決壊を伝える社会面いっぱいにレイアウトした人の緊張と興奮がそのまま伝わってきました。

 私は新聞の場合、どの段階で、どんな担当の人に紙面レイアウトが任されているのか知りませんが、雑誌や書籍の場合、編集者や専門レイアウターがいかにわかりやすく、効果的な記事割り付けをするかに心を砕いてシノギを削っているかは知っています。

 見出しはどのような大きさ、どのようなフォントを使ってどこに置くか、写真や図版はどのように配置するか経験と知恵を絞ってのレイアウトほど、やり甲斐のあるしごとです。その点、インターネットのホームページや電子書籍には、まだ、見にくいレイアウトがあまりにも多い気がいたします。その点、紙メディアのレイアウトには達人芸の人がたくさんいて心強い限りです。

 

大雨が去って久しぶりに晴れた中を歩いてみました。隅田川も濁流でしたし、晴海運河も茶色でした。


 

 

 

 

 

 

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色部義昭さんのWALL展

2015-09-04 11:55:29 | 活版印刷のふるさと紀行

 東京五輪のエンブレムのデザインで俄然グラフィック・デザインに関心が寄せられているさなか、9月3日にギンザ・グラフィック・ギャラリー第349回展が開幕しました。

 案内リーフレットのオモテ面一杯に「中央区銀座七丁目7」のGGG所在地の番地表示プレートが印刷されているのにオヤッと思われた人も多いのではないでしょうか。

 これは今回の展覧会の主人公色部義昭さんのお仕事のほんの一例。それこそ五年後にオリンピックを迎える東京の町名サインはかくあるべきというデザイン提案です。

 9月11日(金)19:00から色部義昭さんご本人が会場でギャラリーツアーを催してくださるそうで、そこで1階の新提案デザインと地階の過去のプロジェクト作品の数々をを見ながら色部さんご自身のデザインに対する考え方やとりくみ姿勢を直接うかがうことが出来るうれしい企画があります。

 展覧会のタイトルはWALLです。ぜひ、色部さんのデザイン理念を象徴するWALLの真髄に触れるべく11日にGGGにいらっしゃることをお奨めします。なお会期は28日(金)までです。




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消えてしまった「夏模様」

2015-09-01 11:29:47 | 活版印刷のふるさと紀行

 8月が終わってしまいました。それにしても、ついこの間までのあの酷暑はどこへ行ってしまったのでしょう。冷蔵庫にしまったままのスイカが凍っておりました。

 ふっと思い出したのは井上陽水の「少年時代」の歌い出しです。そして酔っぱらって、歌詞にある私の心の夏模様について激論したことを思い出しました。

♪夏が過ぎ風あざみ  誰のあこがれにさまよう 青空に残される私の心の夏模様 …

 いずれにしても8月の終わり数日とともに夏模様は見事に消えてしまいました。そして、今日、9月1日、東京は雨、煙ったビル群の上でピカッ、雷鳴さえ轟くのですから理解に苦しむ気象です。

 昨日はわがふるさと、愛知県岡崎のコンビニで立て籠もり、人質をとった事件が報道されていました。事件のあった町名で私には場所が想像できませんが、ああいうノンビリした田舎町でも警官が突入しなくてはならないような兇悪事件が起きるようになってしまったのかとテレビの画面に見入りました。

 最近では寝屋川の男女中学生の殺傷事件、東京、中野の若い女性の変死事件、謎多いJR東日本のケーブルの不審火事件、どれもこれも無気味で理解に苦しみます。同じように、東京五輪のエンブレム問題も安全保障関連法案をめぐる国会の動きもしかりです。ああ。

 

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