活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

21世紀の「琳派」とご対面」

2015-10-06 15:44:43 | 活版印刷のふるさと紀行

 

 



今年2015年が本阿弥光悦が京都洛北に光悦村を開いて400年ということで「琳派」が大モテです。私も教科書で俵屋宗達の「風神雷神図」や印刷史の勉強で「嵯峨本と本阿弥光悦」にはおなじみです。友人の中には京都近代美術館や京都国立博物館に琳派400年遠征を試みようとする人もおりますが、私は昨日、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで10人のグラフィツクデザイナーによる競演と銘打った『21世紀琳派ポスターズ』を見てきました

 顔ぶれは50音順で浅羽克己・奥村ゆきまさ・葛西 薫・勝井三雄・佐藤晃一・永井一正・中條正義・服部一成・原研哉・松永真という豪華さ、欲を言えば田中一光さんがご健在ならば。

 そういえば、展覧会のリーフレットに美術史家で明治学院大学教授の山下祐二さんが書いておられるのを引用させていただくと「16~17世紀の俵屋宗達、17世紀~18世紀の尾形光琳、18~19世紀の酒井抱一。およそ100年ごとに、直接の師弟関係ではなく私淑というかたちで、琳派の系譜は継承されてきました」とあり、田中一光を「20世紀琳派」に挙げてられ、この21世紀琳派ポスターズで10人のデザイナーに琳派からインスパイアされた「21世紀の琳派」を期待されているようでした。

 10人のデザイナーが1作品ずつ、計10作品が1階と地階に5作品ずつ展示されている贅沢な展覧会、とくに茶室のイメージでしょうか、躙り口こそありませんが和室風で低い天井の木組みスペースの中で、まるで襖絵か屏風絵を見るような視覚で大作に向かい合える素敵な空間でした。

 会期は10月27日までです。21世紀のRINPAはめいめいでご鑑賞いただくとして、私がいちばん長逗留したのは中條正義作品の前でした。                                          






















 とにかく10人でひとり1作、1階と地階に5作品ずつ、大作が茶室をイメージしたかのような木組みのスペースに展示されていて、躙り口こそありませんがその空間で21世紀の琳派に向かい合うことが出来る贅沢な展覧会でありました。

 







 

 

 

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