JFK-World 世界の撮影・取材地トピック

Freelance Film Director
TV-CMおよびTVドキュメンタリー番組のディレクター & カメラマン

母の思い出 2007年08月03日

2007年08月03日 | その他
毎年8月になると、亡き母がいつも語っていたひとつの話を
思い出します。
それは、終戦直後の、母の疎開先での出来事・・。
戦争中長野県に疎開していた母は、終戦から間もないその日
小学校の校庭で地元の人たちと終戦後の対策を話し合っていました。
そんな中、アメリカ軍のヘリコプターが突然校庭の上空に飛来してきたそうです。
これは本土攻撃・・とばかり逃げ惑う人々・・、
それを尻目にヘリコプターは校庭の真ん中に着陸、
大きな布の袋を投げ捨てるように残して飛び去りました。
爆弾ではないかとなかなかその袋に近づけない人たち・・。
しかし、やがて何事もないと分かり恐る恐る袋を開けると、
中にはたくさんの食料品が入っていたそうです。
母は、そのとき一生分の涙があふれ出たといいます。
戦争に負けたことが悲しいのではない、
ヘリコプターの姿を見て逃げ惑った自分・・
遠めに見る若いアメリカ軍兵士の姿・・
真っ白な校庭に置かれた布の袋・・
中から出てきた食料品・・
照りつける太陽・・
それらすべての組み合わせが、
堰切ったような涙を生んだのだと母は語っていました。
夏になるといつもその話を聞かされていた私は、
子供の頃からアメリカという国に対して特別な興味を抱いていました。
アメリカを見てみたい・・ずっとそんな思いを持ち続けていました。
そして22歳の時の8月、私は初めてアメリカへ旅立ちました。
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