フレーザー島は、
数十億トンともいわれる膨大な量の砂がスポンジの役割を果たし、
雨水を蓄え豊かな森を育んでいます。
養分のほとんどない砂だけで出来たこの島には、
最初植物は生えていませんでした。
最初に、砂の中のわずかなミネラルで育つ植物が現れました。
この植物が枯れ、腐食と分解が進んで養分が砂に吸収、蓄えられ、
そこに新たな植物が生えるというサイクルが生まれました。
現在のフレーザー島は豊かな緑の島です。
森の中には、あふれ出した雨水がつくるクリークも流れています。
フレーザー島に人が住み着いたのは、
5000年ほど前と考えられています。
オーストラリアの先住民である 『アボリジニ 』 は、
ここを 『K'gar クガリ 』 (アボリジニの言葉で楽園 ) と呼び、
豊かな森の民として暮らしてきました。
ヨーロッパからこの島への入植が始まったのは
19世紀の半ばです。 (主にイギリス人 )
建築資材に適したフレーザー島の木は伐採されました。
伐採はおよそ 70年にわたって続き、
フレーザー島の森が消滅の危機に瀕した時期もあったそうです。
注: スエズ運河の建設にもフレーザー島の木材が使われた
いま、世界遺産 フレーザー島の森は
非常に高いレベルで守られています。
新しい生命がテリトリーを広げようとしています。
現在のマングローブが、やがていつかは森を形成するのでしょう。
かつて伐採した木材を積み出した桟橋の跡 ・・
負の世界遺産 ・・ でしょうか ・・
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