拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

ダッシュするゴジラ~外国人レスラーたち

2024-04-27 07:08:39 | 映画

ゴジラのどこが好きかと聞かれたら、威厳のあるところと答えている。その威厳は、直立二足歩行で、かつ、伊福部昭の重厚な音楽に乗ってゆっくり進むところにある、と思っている。それは、ジャイアント馬場にも通じる。晩年のジャイアント馬場は、そのスローモーな動きがファンを魅了したものである。ところが、ハリウッド製ゴジラの新作「ゴジラ×コング 新たなる帝国」 の予告篇に気になるシーンがある。ゴジラがコングと並んで陸上選手よろしくダッシュしてるのだ。まさにこのポスターの絵である。

これはもしかすると、見てがっかりするパターンかもしれない。「ゴジラ-1.0」の山崎監督が、今作の感想を聞かれて「モスラが素晴らしかった」と言いながら肝心のゴジラについて触れなかったところも気になる。だが、私は、ゴジラとスターウォーズの新作は映画館で見る、と誓った身(誰に誓ったのか?と言えばそれはお天道様である)。見に行ってきた(以下、粗筋は言わないけれど、ディーテイルのネタバレはあり)。たしかにゴジラはコングと一緒に走っていた。腕をふっていたかどうかは定かでないが、ふっていたと思わせるような陸上短距離選手の走りであった(ポスターではふってるっぽい)。ハリウッド製のゴジラはこれだから困る、そこへいくと国産のゴジラは……などと言ってはいけない。東宝作の昭和のゴジラだって、飛び上がってシェーをしたこともある。逆に、ハリウッド製だって前々作の「キング・オブ・モンスターズ」のゴジラは威厳の塊であった。まあ、今作のゴジラは荘厳なゴジラではなかったが、迫力のある映像で、2時間余りを退屈することなく過ごしたのだから行って損はなかったのはたしかである。

ゴジラは走るだけではない。ジャンプする。ジャンプで意表をつかれたのは「スターウォーズ・エピソード2」のヨーダ以来である。あそこでのヨーダは、ドゥークー伯爵とライトセイバーで切り結ぶ際、身長差をカバーするためしきりにジャンプしていた。

他にスターウォーズとかぶるのは、損傷したコングの右腕に補助器具が取り付けられたところ。ルークスカイウォーカーも、そしてその父アナキン・スカイウォーカー(後のダースベイダー)も、損傷した右手は義手である。

戦い終えたゴジラはローマの円形コロシウムで寝込んでしまうが、あんなところで寝られてはローマ市民には相当な迷惑だろう。いつ起きて暴れ出すかもしれないのだから観光客が来るはずはない……それとも怖い物見たさで来るのだろうか。因みに、「シン・ゴジラ」ではゴジラは都心で寝込んでしまったが、あっちは体内が凍ってしまってるからいくぶんは安心である。その後、どうなるんだろう?と思ったが、東宝がその後作った「ゴジラ-1.0」は設定が異なるから、都心で凍ったゴジラの行く末は不明なままである。

怪獣が二頭ずつ二組に分かれて戦うところは、まるでプロレスのタッグマッチである。ゴジラはジャイアント馬場だから、そうするとゴジラとタッグを組むコングは機敏に動き回るところがアントニオ猪木である。対する悪役二体は誰と誰にしようか。記憶に残っている悪役レスラーの筆頭はアブドーラ・ザ・ブッチャー。それと誰かもう一人。因みに、現役時代のブッチャーは相当な巨体だった。曙のように巨体の主は体を壊すことが多いがブッチャーはが83歳でご健在だそうでなによりである。

悪役レスラーでは、「鉄の爪」のフリッツ・フォン・エリックも記憶にある。今、「フリッツ・フォン・エリック」の名前を見て思うのは、ドイツ系であるということと、「フォン」が付いてるから元は貴族の家系である、ということである……と思ったら、この名前はギミックだそうである(ギミック=設定された履歴や出身)。つまり「元貴族」という設定であり、デーモン小暮閣下が悪魔だったり、山田ルイ53世がルイ王朝の末裔であるのと等しい。本名に「フォン」は付いてなかった。たしかなことは、この人のご子息がいずれもプロレスラーになったのだが不幸な人生を送ったこと。「呪われた一族」と言われた時期もあったそうだ(ウィキペディアより)。今、そのことを題材にした映画が上演されているそうで、あさイチの映画紹介コーナーで紹介されていた。因みに、「E.H.エリック」は日本の俳優で、岡田眞澄のお兄さんである。岡田眞澄は、私にとっては「マグマ大使」を呼ぶ笛を吹くマモル少年の父親を演じた人である。

外国人レスラーの話をするんだったらザ・デストロイヤーは欠かせない。この人は、和田アキ子さんの番組に出てたりしてすっかりお茶の間の人気者になってたから、もはやヒール(悪役)のイメージはない。この方は残念ながら5年前に88歳で他界されている。へー、この方、日本国から勲章をもらってるんだ!力道山の時代からずっと日本に来てたくらい日本との関係が長かったからね。日米親善に尽くした功績は多大だったのでしょう。

ベビーフェイスとヒールの区別で言うと、ゴジラは地球を悪い怪獣から守るために戦っているからベビーフェスである。が、その戦闘の際、多くの建物を破壊する。今作では、エジプトのピラミッドが被害を受けた。構成要件的には建造物損壊罪に該当する。この場合、ゴジラに侵害行為をしたのは他の怪獣であってピラミッドではなく、ピラミッドはとばっちりを受けたのであるから正当防衛は成立しないが、緊急避難にあたるからゴジラが建造物損壊罪に問われることはない(そもそも、ゴジラは人ではないから、犯罪主体にはならない)。



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