みけの物語カフェ ブログ版

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1456「宇宙計画」

2024-05-02 17:58:13 | ブログ短編

 とある小国(しょうこく)から、宇宙船(うちゅうせん)を打(う)ち上げるというニュースが飛(と)び込んできた。このニュースで世界中(せかいじゅう)は大騒(おおさわ)ぎになった。今までこの国で宇宙計画(けいかく)が進(すす)められていたなんて誰(だれ)も知らなかったのだ。そこで、マスコミがこの国に殺到(さっとう)した。
 でも、そう簡単(かんたん)には入国(にゅうこく)できない。なぜなら、この国は鎖国(さこく)をしているのだ。唯一(ゆいいつ)、隣国(りんごく)とわずかな交易(こうえき)をしているだけ。このニュースもここら辺(へん)から流(なが)れてきた噂(うわさ)のようだ。果(は)たして、信憑性(しんぴょうせい)があるのかどうか…。隣国で粘(ねば)っていた記者(きしゃ)たちの中からも<がせネタ>だろうと引き揚(あ)げて行く連中(れんちゅう)が出始(ではじ)めた。
 そんな時、別(べつ)の噂が流れ始めた。それは、この小国の国境(こっきょう)近くでUFOが頻繁(ひんぱん)に目撃(もくげき)されているというのだ。しかも、この国が鎖国を始めるかなり前から…。だとすると、その頃(ころ)から宇宙人(うちゅうじん)がこの国にやって来ているのではないか。宇宙船というのも、裏(うら)で宇宙人が協力(きょうりょく)しているはずだ。さらには、この国の国民(こくみん)は他(ほか)の星(ほし)から移住(いじゅう)してきた宇宙人だ、とまで…。これもかなりの眉(まゆ)つばものだ。
 残(のこ)っていた記者たちは何とか入国できないかと手をつくしていた。だが、国境の警備(けいび)が以前(いぜん)より厳(きび)しくなって、完全(かんぜん)に取材拒否(しゅざいきょひ)されてしまった。こうなってしまっては、国境近くで張(は)り込むしかない。小さな国なのでロケットが飛んで行く痕跡(こんせき)が撮影(さつえい)できるかもしれない。記者たちの努力(どりょく)は報(むく)われるのか? ここは気長(きなが)に待つしかなさそうだ。
<つぶやき>宇宙へのあこがれ…。ロマンですよね。でも、地上(ちじょう)の方が…私は好きです。
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