日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

雅子皇后による皇室改革を期待

2019年11月16日 09時24分42秒 | 日々雑感
 今年5月に天皇即位があった。また先月即位を国内外に宣言する即位礼正殿の儀が皇居で行われ、先日即位を祝うパレードの祝賀御列儀が都内で行われた。これで、日本政府による国事行事がすべて終了し、これから皇室行事に移るそうだ。

 さて、各種の儀式の様子を拝見すると、天皇陛下の周りの世話役の馬鹿丁寧さに呆れる。戦前は天皇は神様扱いだったので、このように丁寧にかしずいていたのだろうと思うが、今回の様子を見ると周りは人間天皇を神様に持ち上げようとしていると勘繰りたくなる。

 今回の平成天皇から令和天皇への引継ぎはスムーズに行われたようであるが、将来心配となる問題にぶつかる。皇室典範は「皇位は皇統に属する男系の男子が、これを継承する」としている。つまり父方に天皇の血筋を引く男性のみが天皇になると定めているのだ。

 皇室典範に従えば次の天皇は悠仁さまとなろうが、万が一を考えておく必要もある。皇族の減少と皇位の安定的な継承をめぐっては、小泉内閣のもとで、女性天皇や女系天皇を認めるべきかの検討が有識者会議で行われたようだ。有識者会議ではそれを認める方向にあったようだが、秋篠宮家に悠仁さまが誕生されると、こうした議論は立ち消えとなってしまった。議論することが嫌いな日本国民の特質からか、実際に問題に直面するまで先送りにしたのだ。

 ”我々日本民族の先人は万世一系の男系を守ってきた。守るべきことは断固、命をかけて守らなければならない”、と主張する人は少なからずいる。このような人は、人間天皇を神様天皇としたい人であろうが、自らも何かしらの特権にしがみ付きたい人であろう。

 万世一系の男系システムは側室制度と表裏一体であったことはいがめない。明治天皇は皇后との間に子供が出来ず、皇后以外に認められた側室の女性5人との間に5男10女をもうけたとのことだ。続く大正天皇の時は4人の子供すべてが男の子だったそうで、側室はいなかったとのことだが、女性に対し天皇としての節度を越える振る舞いに及ぶことも一度や二度ではなかったようだ。

 昭和天皇の時は、現天皇と秋篠宮の男子2名が誕生したが、その誕生の裏に数々の都市伝説が生まれた背景も、側室制度の名残であろう。

 秋篠宮家に悠仁親王が誕生して以降、女性宮家の創設や女性天皇など、安定的な皇位継承のための議論はすっかり影を潜めてしまった。今の皇室が男系天皇制を守ろうとしていたら、側室制度も守らなくてはならないだろうが、今の時代に側室制度の復活を声高に誰が主張できようか。

 世界の流れはジェンダーフリーだ。現皇后の雅子さまが、結婚後男子誕生の圧力を受け、精神的に追い込まれた事情は容易に察しが付く。祝賀御列儀のパレードで一見元気な姿を拝見したが、これを契機に元気に活躍されることを願う。

 皇室は政治に関わるべきでないが、政治は皇室を利用しようとしている。即位を契機に皇室と政治の分離、政教分離、男女の格差解消等、外務官僚のキャリアーウーマンとしての経験を皇室の中に生かしていただきたものだ。人間天皇として国民の多くは皇室に親しみを感じており、天皇も必ず支援する筈だ。2019.11.16(犬賀 大好-549)


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