ただ今、第二回目の口頭弁論の「準備書面」を作成中(いい感じで書けています)であるため、
しばらくの間、ブログを書かないことを、お知らせします。
(01)
「一昨日(令和6年3月30日)の記事」でも示した通り、
{xの変域}={a,b,c}
であるとして、
⑪ ∃x∃y(Fx&Fy)
であるならば、
①(Fa&Fa)
②(Fb&Fb)
③(Fc&Fc)
④( Fb&Fc)
⑤(Fa &Fc)
⑥(Fa&Fb )
⑦(Fa&Fb&Fc)
といふ「7通り」が、「真」であることが「可能」である。
従って、
(01)により、
(02)
⑫ ∃x∃y{(Fx&Fy)&(x≠y)}
といふ「論理式」ではなく、
⑪ ∃x∃y{(Fx&Fy)&(x=y)}
といふ「論理式」が「真」であるならば、
①(Fa&Fa)
②(Fb&Fb)
③(Fc&Fc)
といふ「3通りの内の、どれか1つが真」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
⑪ ∃x∃y{(Fx&Fy)&(x=y)}
といふ「論理式」ではなく、
⑫ ∃x∃y{(Fx&Fy)&(x≠y)}
といふ「論理式」が「真」であるならば、
④( Fb&Fc)
⑤(Fa &Fc)
⑥(Fa&Fb )
⑦(Fa&Fb&Fc)
といふ「4通りの内の、どれか1つが真」である。
然るに、
(04)
④( Fb&Fc)
⑤(Fa &Fc)
⑥(Fa&Fb )
⑦(Fa&Fb&Fc)
といふ「4通りの内の、どれか1つが真」である。
といふことは、{a,b,c}の中の、
⑫「2個以上の個体が、Fである。」
といふ、ことである。
従って、
(03)(04)により、
(05)
⑫ ∃x∃y{(Fx&Fy)&(x≠y)}
⑬ ~∃x∃y{(Fx&Fy)&(x≠y)}
といふ「論理式」は、それぞれ、
⑫「2個以上の個体が、Fである。」
⑬「2個以上の個体が、Fである。」といふことはない。
といふ「意味」である。
然るに、
(06)
(ⅲ)
1(1)~∃x∃y{(Fx&Fy)&(x≠y)} A
1(2)∀x~∃y{(Fx&Fy)&(x≠y)} 1量化子の関係
1(3)∀x∀y~{(Fx&Fy)&(x≠y)} 2量化子の関係
1(4) ∀y~{(Fa&Fy)&(a≠y)} 3UE
1(5) ~{(Fa&Fb)&(a≠b)} 4UE
1(6) ~(Fa&Fb)∨(a=b) 5ド・モルガンの法則
1(7) (Fa&Fb)→(a=b) 6含意の定義
1(8) ∀y{(Fa&Fy)→(a=y)} 7UI
1(9) ∀x∀y{(Fx&Fy)→(x=y)} 8UI
(ⅳ)
1(1) ∀x∀y{(Fx&Fy)→(x=y)} A
1(2) ∀y{(Fa&Fy)→(a=y)} 1UE
1(3) (Fa&Fb)→(a=b) 2UE
1(4) ~(Fa&Fb)∨(a=b) 3含意の定義
1(5) ~{(Fa&Fb)&(a≠b)} 4ド・モルガンの法則
1(6) ∀y~{(Fa&Fy)&(a≠y)} 5UI
1(7)∀x∀y~{(Fx&Fy)&(x≠y)} 6UI
1(8)∀x~∃y{(Fx&Fy)&(x≠y)} 7量化子の関係
1(9)~∃x∃y{(Fx&Fy)&(x≠y)} 8量化子の関係
従って、
(05)(06)により、
(07)
⑬ ~∃x∃y{(Fx&Fy)&(x≠y)}
⑭ ∀x∀y{(Fx&Fy)→(x=y)}
に於いて、
⑬=⑭ である。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
⑬ ~∃x∃y{(Fx&Fy)&(x≠y)}
⑭ ∀x∀y{(Fx&Fy)→(x=y)}
といふ「論理式」、すなはち、
⑬「あるxとあるyについて(xがFであって、yもFであって、xとyが「同一」ではない。」といふことはない。
⑭「すべてのxとyについて(xがFであって、yもFであるならば、xとyは、「同一」である)。」
といふ「論理式」は、「両方」とも、
⑬「2個以上の個体が、Fである。」といふことはない。
⑭「2個以上の個体が、Fである。」といふことはない。
といふ「意味」である。
然るに、
(09)
⑭ ∃x(Fx)
といふ「論理式」、すなはち、
⑭「(Fであるx)が存在する。」
といふ「論理式」は、
⑭「1個以上の個体が、Fである。」
といふ「意味」である。
従って、
(08)(09)により、
(10)
⑭ ∃x(Fx)&∀x∀y{(Fx&Fy)→(x=y)}
といふ「論理式」は、
⑭「1個以上の個体が、Fである」が、「2個以上の個体が、Fである」といふことはない。
といふ「意味」である。
然るに、
(11)
(ⅳ)
1 (1)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) A
1 (2)∃xFx 1&E
3 (3) Fa A
1 (4) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 1&E
1 (5) ∀y(Fa&Fy→a=y) 4UE
1 (6) Fa&Fb→a=b 5UE
7(7) Fb A
37(8) Fa&Fb 37&I
137(9) a=b 68MPP
13 (ア) Fb→a=b 79CP
13 (イ) ∀y(Fy→a=y) アUI
13 (ウ) Fa&∀y(Fy→a=y) 3イ&I
13 (エ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} ウEI
1 (オ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} 23エEE
(ⅴ)
1 (1)∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} A
2 (2) Fa&∀y(Fy→a=y) A
2 (3) ∀y(Fy→a=y) 2&E
2 (4) Fb→a=b 3UE
5(5) Fa&Fb A
5(6) Fb 5&E
25(7) a=b 46MPP
2 (8) Fa&Fb→a=b 57CP
2 (9) ∀y(Fa&Fy→a=y) 8UI
2 (ア) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 9UI
2 (イ)Fa 2&E
2 (ウ)∃xFx イEI
2 (エ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) アウ&I
1 (ウ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 12エEE
従って、
(11)により、
(12)
⑭ ∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
⑮ ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
に於いて、
⑭=⑮ である。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
⑭ ∃x(Fx)&∀x∀y{(Fx&Fy)→(x=y)}
⑮ ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
といふ「論理式」、すなはち、
⑭「あるxはFであり、すべてのxとyについて(xがFであって、yもFであるならば、xとyは、「同一」である)。」
⑮「あるxはFであり、すべてのyについて(yがFであるならば、xとyは、「同一」である)。」
といふ「論理式」は、「両方」とも、
⑭「1個以上の個体が、Fである」が、「2個以上の個体が、Fである」といふことはない。
⑮「1個以上の個体が、Fである」が、「2個以上の個体が、Fである」といふことはない。
といふ「意味」である。
然るに、
(14)
⑮「1個以上の個体が、Fである」が、「2個以上の個体が、Fである」といふことはない。
といふことは、
⑮「唯一の個体だけが、Fである。」
といふ「意味」である。
従って、
(13)(14)により、
(15)
⑮ ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
といふ「論理式」、すなはち、
⑮「あるxはFであり、すべてのyについて(yがFであるならば、xとyは、「同一」である)。」
といふ「論理式」は、
⑮「唯一の個体だけが、Fである。」
といふ「意味」である。
従って、
(15)により、
(16)
⑮ ∃x{偶素数x&∀y(偶素数y→x=y=2)}
といふ「論理式」は、
⑮「偶数の素数は、2だけである。」
といふ「意味」である。
然るに、
(15)(16)により、
(17)
「自然数2が、個体である」といふのは「ヲカシイ」ものの、
「述語論理」では、「xやyやz」を「個体変数(individual variable)」と言ふ。
(01)
142 ∃x(Fx)├ ∃x∃y(Fx&Fy)
1 (1) ∃x(Fx) A
2(2) Fa A
2(3) Fa&Fa 22&I
2(4) ∃y(Fa&Fy) 3EI
2(5)∃x∃y(Fx&Fy) 4EI
1 (6)∃x∃y(Fx&Fy) 125EE
(この結果は事実上、強化して相互導出可能にすることができる。)この連式の妥当性から、
ひとつだけの対象がFを持っているならば、∃x∃y(Fx&Fy)ということが帰結する。
言い換えると、相異なる変数「x」と「y」を用いる場合に、そのことから、それに対応する異なった対象が存在する、
ということは、帰結しないのである(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英、1973年、210頁)。
然るに、
(02)
{xの変域}={a,b,c}
であるならば、
(ⅰ) ∃y(Fy)
(ⅱ)(Fa∨Fb∨Fc)
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ)である。
然るに、
(03)
「選言(∨)の真理表」により、
(ⅱ)(Fa∨Fb∨Fc)
といふ「論理式」は、
①(Fa )∨
②( Fb )∨
③( Fc)∨
④(Fa&Fb )∨
⑤(Fa &Fc)∨
⑥( Fb&Fc)∨
⑦(Fa&Fb&Fc)
といふ「論理式」に「等しい」。
従って、
(02)(03)により、
(04)
{xの変域}={a,b,c}
であるならば、
∃y(Fy)は、
といふ「論理式」は、
①(Fa)
② (Fb)
③ (Fc)
④(Fa&Fb )
⑤(Fa &Fc)
⑥( Fb&Fc)
⑦(Fa&Fb&Fc)
といふ「7通りの内の、どれか1つ」である。
然るに、
(05)
「冪等律」により、
①(Fa)
②(Fb)
③(Fc)
といふ「3つの論理式」は、それぞれ、
①(Fa&Fa)
②(Fb&Fb)
③(Fc&Fc)
といふ「3つの論理式」に「等しい」。
従って、
(04)(05)により、
(06)
{xの変域}={a,b,c}
であるならば、
∃y(Fy)は、
といふ「論理式」は、
①(Fa&Fa)
②(Fb&Fb)
③(Fc&Fc)
④( Fb&Fc)
⑤(Fa &Fc)
⑥(Fa&Fb )
⑦(Fa&Fb&Fc)
といふ「7通りの内の、どれか1つ」である。
然るに、
(07)
{xの変域}={a,b,c}
であるならば、
∃x{∃y(Fx&Fy)}=
{(Fx&Fa)∨(Fx&Fb)∨(Fx&Fc)}∨
{(Fx&Fa)∨(Fx&Fb)∨(Fx&Fc)}∨
{(Fx&Fa)∨(Fx&Fb)∨(Fx&Fc)}
であるため、
∃x{∃y(Fx&Fy)}=
{(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨
{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨
{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}
である。
然るに、
(08)
「交換法則」により、
①(Fa&Fb)
②(Fc&Fa)
③(Fa&Fc)
④(Fc&Fa)
⑤(Fb&Fc)
⑥(Fc&Fb)
に於いて、
①=④
②=⑤
③=⑥
従って、
(07)(08)により、
(09)
{xの変域}={a,b,c}
であるならば、
∃x{∃y(Fx&Fy)}=
{(Fa&Fa)∨(Fa&Fb) ∨(Fa&Fc)}∨
{(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨
{(Fc&Fc)}
である。
従って、
(09)により、
(10)
「交換法則・結合法則」により、
∃x{∃y(Fx&Fy)}=
{(Fa&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fc&Fc)}∨{(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)∨(Fb&Fc)}
である。
然るに、
(11)
1 (1){(Fa&Fa)∨(Fb&Fb) ∨(Fc&Fc)}∨{(Fa&Fb)∨(Fa&Fc) ∨(Fb&Fc)} A
2 (2){(Fa&Fa)∨(Fb&Fb) ∨(Fc&Fc)} A
2 (3){(Fa&Fa)∨(Fb&Fb)}∨(Fc&Fc) 2結合法則
4 (4){(Fa&Fa)∨(Fb&Fb)} A
5 (5) (Fa&Fa) A
5 (6) Fa 5&E
5 (7) Fa∨Fb 6∨I
5 (8) Fa∨Fb∨Fc 7∨I
9 (9) (Fb&Fb) A
9 (ア) Fb 9&E
9 (イ) Fa∨Fb ア∨I
9 (ウ) Fa∨Fb∨Fc イ∨I
4 (エ) Fa∨Fb∨Fc 4589ウ∨E
オ (オ) (Fc&Fc) A
オ (カ) Fc オ&E
オ (キ) Fb∨Fc カ∨I
オ (ク) Fa∨Fb∨Fc キ∨I
2 (ケ) Fa∨Fb∨Fc 24エオク∨E
コ (コ) {(Fa&Fb)∨(Fa&Fc) ∨(Fb&Fc)} A
コ (サ) {(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨(Fb&Fc) コ結合法則
シ (シ) {(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)} A
ス (ス) Fa&Fb A
ス (セ) Fa ス&E
ス (ソ) Fa∨Fb セ∨I
ス (タ) Fa∨Fb∨Fc ソ∨I
チ (チ) Fa&Fc A
チ (ツ) Fa チ&E
チ (テ) Fa∨Fb ツ∨I
チ (ト) Fa∨Fb∨Fc テ∨I
シ (ナ) Fa∨Fb∨Fc シスタチト∨E
ニ(ニ) (Fb&Fc) A
ニ(ヌ) Fb ニ&E
ニ(ネ) Fa∨Fb ヌ∨I
ニ(ノ) Fa∨Fb∨Fc ネ∨I
コ (ハ) Fa∨Fb∨Fc コシナニノ∨E
1 (ヒ) Fa∨Fb∨Fc 12ケコハ∨E
従って、
(11)により、
(12)
①{(Fa&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fc&Fc)}∨{(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)∨(Fb&Fc)}
② (Fa∨Fb∨Fc)
に於いて、
①⇒② である。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
{xの変域}={a,b,c}
であるならば、
∃x{∃y(Fx&Fy)}
といふ「論理式」も、
①(Fa&Fa)
②(Fb&Fb)
③(Fc&Fc)
④( Fb&Fc)
⑤(Fa &Fc)
⑥(Fa&Fb )
⑦(Fa&Fb&Fc)
といふ「7通りの内の、どれか1つ」である。
従って、
(06)(13)により、
(14)
{xの変域}={a,b,c}
であるならば、
∃y(Fy)
といふ「論理式」と、
∃x{∃y(Fx&Fy)}
といふ「論理式」は、両方とも、
①(Fa&Fa)
②(Fb&Fb)
③(Fc&Fc)
④( Fb&Fc)
⑤(Fa &Fc)
⑥(Fa&Fb )
⑦(Fa&Fb&Fc)
といふ「7通りの内の、どれか1つ」である。
従って、
(01)(14)により、
(15)
ひとつだけの対象が、性質Fを持っているならば、∃x{∃y(Fx&Fy)}ということが帰結する。
言い換えると、相異なる変数「x」と「y」を用いる場合に、そのことから、それに対応する異なった対象が存在する、
ということは、帰結しないのである(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英、1973年、210頁)。
といふ「説明」は、「正しい」。
(01)
男子=男の子である。
~男子=男の子でない。
女子=女の子である。
~女子=女の子でない。
帽子=帽子をかぶっている。
~帽子=帽子をかぶっていない。
スニ=スニ―カーを履いている。
~スニ=スニーカーを履いていない。
とする。
従って、
(01)により、
(02)
(α) ∀x(~帽子x→女子x)
(β)~∃x( スニx&男子x)
(1) ∀x( 男子x→帽子x)
(2)~∃x( 帽子x&女子x)
(3)~∃x( 帽子x&スニx)
といふ「述語論理式」は、
(α)帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です
(β)スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
(1)男の子はみんな帽子をかぶっている。
(2)帽子をかぶっている女の子はいない。
(3)帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは一人もいない。
といふ「日本語」に「等しい」。
然るに、
(03)
(Γ)∀x(男子x⇔~女子x)
(〃)男の子であるならば、女の子ではなく、女の子でないならば、男の子である。
を「公理」とする。
然るに、
(04)
(α)
1 (1)∀x(~帽子x→女子x) A
1 (2) ~帽子a→女子a 1UE
(3)∀x(男子x⇔~女子x) 公理
(4) 男子a⇔~女子a UE
(5) 男子a→~女子a 4&E(Df.⇔)
6(6) 男子a A
6(7) ~女子a 56MPP
16(8) ~~帽子a 17MPP
16(9) 帽子a 8DN
1 (ア) 男子a→帽子a 69CP
1 (イ) ∀x(男子x→帽子x) アUI
(〃)
1 (1)∀x(男子x→ 帽子x) A
1 (2) 男子a→ 帽子a 1UE
(3)∀x(男子x⇔~女子x) 公理
(4) 男子a⇔~女子a UE
(5) ~女子a→男子a 4&E(Df.⇔)
6(6) ~帽子a A
16(7) ~男子a 26MTT
16(8) ~~女子a 57MTT
16(9) 女子a 8DN
1 (ア) ~帽子a→女子a 69CP
1 (イ)∀x(~帽子x→女子x) アUI
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
(α) ∀x(~帽子x→女子x)
(β)~∃x( スニx&男子x)
(1) ∀x( 男子x→帽子x)
(2)~∃x( 帽子x&女子x)
(3)~∃x( 帽子x&スニx)
といふ「述語論理式」は、
(α) ∀x( 男子x→帽子x)
(β)~∃x( スニx&男子x)
(1) ∀x( 男子x→帽子x)
(2)~∃x( 帽子x&女子x)
(3)~∃x( 帽子x&スニx)
といふ「述語論理式」に「等しい」。
然るに、
(06)
(β)
1 (1)~∃x(スニx& 男子x) A
1 (2)∀x~(スニx& 男子x) 1量化子の関係
1 (3) ~(スニa& 男子a) 2UE
1 (4) ~スニa∨~男子a 3ド・モルガンの法則
1 (5) スニa→~男子a 4含意の定義
(6) ∀x(男子x⇔~女子x) 公理
(7) 男子a⇔~女子a 6UE
(8) ~女子a→男子a 7&E(Df.⇔)
9 (9) ~男子a A
9 (ア) ~~女子a 89MTT
9 (イ) 女子a アDN
(ウ) ~男子a→女子a 9イCP
エ(エ) スニa A
1 エ(オ) ~男子a 5エMPP
1 エ(カ) 女子a ウオMPP
1 (キ) スニa→ 女子a エカCP
1 (ク) ∀x(スニx→ 女子x) キUI
(〃)
1 (1) ∀x(スニx→ 女子x) A
1 (2) スニa→ 女子a 1UE
(3) ∀x(男子x⇔~女子x) 公理
(4) 男子a⇔~女子a 3UE
(5) 男子a→~女子a 4&E(Df.⇔)
6 (6) 女子a A
6 (7) ~~女子a 6DN
6 (8) ~男子a 57MTT
(9) 女子a→~男子a 68MPP
ア(ア) スニa A
1 ア(イ) 女子a 2アMPP
1 ア(ウ) ~男子a 9イMPP
1 (エ) スニa→~男子a アウCP
1 (オ) ~スニa∨~男子a エ含意の定義
1 (カ) ~(スニa& 男子a) オ、ド・モルガンの法則
1 (キ)∀x~(スニx& 男子x) カUI
従って、
(05)(06)により、
(07)
(α) ∀x(~帽子x→女子x)
(β)~∃x( スニx&男子x)
(1) ∀x( 男子x→帽子x)
(2)~∃x( 帽子x&女子x)
(3)~∃x( 帽子x& スニx)
といふ「述語論理式」は、
(α) ∀x( 男子x→帽子x)
(β) ∀x( スニx→女子x)
(1) ∀x( 男子x→帽子x)
(2)~∃x( 帽子x&女子x)
(3)~∃x( 帽子x&スニx)
といふ「述語論理式」に「等しい」。
然るに、
(08)
(2)
1 (1)~∃x(帽子x& 女子x) A
1 (2)∀x~(帽子x& 女子x) 1量化子の関係
1 (3) ~(帽子a& 女子a) 2UE
1 (4) ~帽子a∨~女子a 3ド・モルガンの法則
1 (5) 帽子a→~女子a 4含意の定義
(6) ∀x(女子x⇔~男子x) 公理
(7) 女子a⇔~男子a 6UE
(8) ~男子a→女子a 7&E(Df.⇔)
9 (9) ~女子a A
9 (ア) ~~男子a 89MTT
9 (イ) 男子a アDN
(ウ) ~女子a→男子a 9イCP
エ(エ) 帽子a A
1 エ(オ) ~女子a 5エMPP
1 エ(カ) 男子a ウオMPP
1 (キ) 帽子a→ 男子a エカCP
1 (ク) ∀x(帽子x→ 男子x) キUI
(〃)
1 (1) ∀x(帽子x→ 男子x) A
1 (2) 帽子a→ 男子a 1UE
(3) ∀x(女子x⇔~男子x) 公理
(4) 女子a⇔~男子a 3UE
(5) 女子a→~男子a 4&E(Df.⇔)
6 (6) 男子a A
6 (7) ~~男子a 6DN
6 (8) ~女子a 57MTT
(9) 男子a→~女子a 68MPP
ア(ア) 帽子a A
1 ア(イ) 男子a 2アMPP
1 ア(ウ) ~女子a 9イMPP
1 (エ) 帽子a→~女子a アウCP
1 (オ) ~帽子a∨~女子a エ含意の定義
1 (カ) ~(帽子a& 女子a) オ、ド・モルガンの法則
1 (キ)∀x~(帽子x& 女子x) カUI
1 (ク)~∃x(帽子x& 女子x) キ量化子の関係
従って、
(07)(08)により、
(09)
(α) ∀x(男子x→帽子x)
(β) ∀x(スニx→女子x)
(1) ∀x(男子x→帽子x)
(2)~∃x(帽子x&女子x)
(3)~∃x(帽子x&スニx)
といふ「論理式」は、
(α) ∀x(男子x→帽子x)
(β) ∀x(スニx→女子x)
(1) ∀x(男子x→帽子x)
(2) ∀x(帽子x→男子x)
(3)~∃x(帽子x&スニx)
といふ「述語論理式」に「等しい」。
従って、
(05)~(09)により、
(10)
(α) ∀x(~帽子x→女子x)
(β)~∃x( スニx&男子x)
(1) ∀x( 男子x→帽子x)
(2)~∃x( 帽子x&女子x)
(3)~∃x( 帽子x&スニx)
といふ「述語論理式」は、
(α) ∀x(男子x→帽子x)
(β) ∀x(スニx→女子x)
(1) ∀x(男子x→帽子x)
(2) ∀x(帽子x→男子x)
(3)~∃x(帽子x&スニx)
といふ「述語論理式」に「等しい」。
従って、
(10)により、
(11)
(α) ∀x(男子x→帽子x)
(1) ∀x(男子x→帽子x)
(2) ∀x(帽子x→男子x)
に於いて、
(2)は(α)の「逆」であり、
(2)は(1)の「逆」であるが、「逆は、必ずしも、真ではない」。
従って、
(11)により、
(12)
(α)⇔(1)であるが、
(α)→(2)ではない。
然るに、
(13)
1 (1)∀x(男子x→帽子x) A
2 (2)∀x(スニx→女子x) A
3 (3)∃x(帽子x&スニx) A
1 (4) 男子a→帽子a 1UE
2 (5) スニa→女子a 2UE
6(6) 帽子a&スニa A
6(7) 帽子a 6&E
6(8) スニa 6&E
2 6(9) 女子a 57MPP
2 6(ア) 帽子a&女子a 79&I
2 6(イ)∃x(帽子x&女子x) アEI
23 (ウ)∃x(帽子x&女子x) 36イEE
従って、
(01)(02)(10)(13)により、
(14)
(α)∀x(男子x→帽子x)
(β)∀x(スニx→女子x)
(3)∃x(帽子x&女子x)
といふ「命題」、すなはち、
(α)男の子は、みんな帽子をかぶっています。
(β)スニーカーを履いている子どもは、みんな女の子です。
(γ)帽子をかぶっている女の子もいます。
といふ「命題」は「矛盾」しない。
e.g.
太郎と次郎は、二人とも、野球帽をかぶっているが、スニーカーではなく、スパイクを履いている。
花子は帽子をかぶって、スニーカーを履いているが、桃子は、帽子をかぶらずに、スニーカーを履いている。
従って、
(13)(14)により、
(15)
(α) ∀x(男子x→帽子x)
(β) ∀x(スニx→女子x)
であるからと言って、必ずしも、
(3)~∃x(帽子x&女子x)
(〃)帽子をかぶっている女の子はいません。
といふことには、ならない。
従って、
(02)(10)(11)(15)により、
(16)
(α) ∀x(~帽子x→女子x)
(β)~∃x( スニx&男子x)
(1) ∀x( 男子x→帽子x)
(2)~∃x( 帽子x&女子x)
(3)~∃x( 帽子x&スニx)
といふ「述語論理式」は、
(α)帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です
(β)スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
(1)男の子はみんな帽子をかぶっている。
(2)帽子をかぶっている女の子はいない。
(3)帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは一人もいない。
といふ「日本語」に「等しく」、
(α)帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です
(β)スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
といふ「命題」が「真(〇)」であるならば、
(1)男の子はみんな帽子をかぶっている。
だけが、必ず、「真(〇)」である。
従って、
(16)により、
(17)
問題 次の報告から確実に正しいと言えることには〇を、そうでないないものには✕を、左側の空欄に記入して下さい。
公園に子どもたちが集まっています。
男の子も女の子もいます。
(α)帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です。そして、
(β)スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
(1)男の子はみんな帽子をかぶっている。
(2)帽子をかぶっている女の子はいない。
(3)帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは一人もいない。
正しいのは(1)のみです。
(AI vs. 教科書が読めない子供たち、新井紀子、2018年、182・183頁)。
といふ、ことになる。
(01)
問題 次の報告から確実に正しいと言えることには〇を、そうでないないものには✕を、左側の空欄に記入して下さい。
公園に子どもたちが集まっています。
男の子も女の子もいます。
(α)帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です。そして、
(β)スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
(1)男の子はみんな帽子をかぶっている。
(2)帽子をかぶっている女の子はいない。
(3)帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは一人もいない。
(AI vs. 教科書が読めない子供たち、新井紀子、2018年、182頁)。
正しいのは(1)のみです。
― 中略 ―
この問題の正解率は64.5%でした。入試で問われるスキルは何一つ問うていないのに、
国立Sクラスでは85%が正当した一方、私大B、Cクラスでは正当率が5割を切りました。
では、多くの高校生が憧れる私大Sクラスではどうだったか。国立Sクラスに比べて20ポイントも低い66.8%に留まりました。
どこの大学に入学できるかは、学習量でも知識でも運でもない、論理的な読解と推論の力ではないのか、6000枚の答案をみているうちに、私は確信するようになりました。
(AI vs. 教科書が読めない子供たち、新井紀子、2018年、182頁)。
然るに、
(02)
(α)帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です。そして、
(β)スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
(1)男の子はみんな帽子をかぶっている。
(2)帽子をかぶっている女の子はいない。
(3)帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは一人もいない。
という「日本語」は、それぞれ、
(α)すべてのxについて(xが帽子をかぶっていないならば、xは女子である)。
(β)(スニーカーを履いているxであって、そのうえ、男子であるx)は存在しない。
(1)すべてのxについて(xが男子ならば、xは帽子をかぶっている)。
(2)(帽子をかぶっているxであって、そのうえ、女子であるx)は存在しない。
(3)(帽子をかぶっていて、その上、スニーカーを履いているx)は存在しない。
という「意味」である。
然るに、
(03)
(α)すべてのxについて(xが帽子をかぶっていないならば、xは女子である)。
(β)(スニーカーを履いているxであって、そのうえ、男子であるx)は存在しない。
(1)すべてのxについて(xが男子ならば、xは帽子をかぶっている)。
(2)(帽子をかぶっているxであって、そのうえ、女子であるx)は存在しない。
(3)(帽子をかぶっていて、その上、スニーカーを履いているx)は存在しない。
という「日本語」は、
(α) ∀x(~帽子x→女子x)。
(β)~∃x(スニx& 男子x)。
(1) ∀x(男子x→ 帽子x)。
(2)~∃x(帽子x& 女子x)。
(3)~∃x(帽子x& スニx)。
という「述語論理式」に「相当」する。
従って、
(02)(03)により、
(04)
(α)帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です。
(β)スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
(1)男の子はみんな帽子をかぶっている。
(2)帽子をかぶっている女の子はいない。
(3)帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは一人もいない。
という「日本語」は、それぞれ、
(α) ∀x(~帽子x→女子x)。
(β)~∃x(スニx& 男子x)。
(1) ∀x(男子x→ 帽子x)。
(2)~∃x(帽子x& 女子x)。
(3)~∃x(帽子x& スニx)。
という「述語論理式」に「相当」する。
然るに、
(05)
(Γ) ∀x(男子x⇔~女子x)
(〃)∀x{(男子x→~女子x)&(~女子x→男子x)}
(〃)男子ならば、そのときに限って、女子ではない。
という「命題」を、「公理」とする。
然るに、
(06)
「結論」を先に言うと、
(α)帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です。
(1)男の子はみんな帽子をかぶっている。
(2)帽子をかぶっている女の子はいない。
(3)帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは一人もいない。
に於いて、
(α)と(1)は「対偶」であり、
(1)と(2)は「 逆 」であり、
(1)と(3)も「 逆 」であり、そのため、
(1)〇
(2)✕
(3)✕
然るに、
(07)
(α)
1 (1)∀x(~帽子x→女子x) A
1 (2) ~帽子a→女子a 1UE
(3)∀x(男子x⇔~女子x) 公理
(4) 男子a⇔~女子a UE
(5) 男子a→~女子a 4&E(Df.⇔)
6(6) 男子a A
6(7) ~女子a 56MPP
16(8) ~~帽子a 17MPP
16(9) 帽子a 8DN
1 (ア) 男子a→帽子a 69CP
1 (イ) ∀x(男子x→帽子x) アUI
(1)
1 (1)∀x(男子x→ 帽子x) A
1 (2) 男子a→ 帽子a 1UE
(3)∀x(男子x⇔~女子x) 公理
(4) 男子a⇔~女子a UE
(5) ~女子a→男子a 4&E(Df.⇔)
6(6) ~帽子a A
16(7) ~男子a 26MTT
16(8) ~~女子a 57MTT
16(9) 女子a 8DN
1 (ア) ~帽子a→女子a 69CP
1 (イ)∀x(~帽子x→女子x) アUI
従って、
(04)(07)により、
(08)
(α)∀x(~帽子x→女子x)
(1)∀x(男子x→ 帽子x)
に於いて、すなわち、
(α)帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です(男の子ではない)。
(1)男の子(女の子でない子ども)はみんな帽子をかぶっている。
に於いて、
(α)と(1)は「対偶」であり、それ故、
(α)と(1)は「等しい」。
然るに、
(09)
(2)
1 (1)~∃x(帽子x&女子x) A
1 (2)∀x~(帽子x&女子x) 1量化子の関係
1 (3) ~(帽子a&女子a) 1UE
1 (4) ~帽子a∨~女子a 3ド・モルガンの法則
1 (5) 帽子a→~女子a 4含意の定義
(6)∀x(男子x⇔~女子x) 公理
(7) 男子a⇔~女子a 6UE
(8) ~女子a→男子a 7&E(Df.⇔)
9(9) 帽子a A
19(ア) ~女子a 59MPP
19(イ) 男子a 8アMPP
1 (ウ) 帽子a→ 男子a 9イCP
1 (エ)∀x(帽子x→ 男子x) ウUI
(Ⅱ)
1 (1)∀x(帽子x→ 男子x) A
1 (2) 帽子a→ 男子a 1UE
(3)∀x(男子x⇔~女子x) 公理
(4) 男子a⇔~女子a 3UE
(5) 男子a→~女子a 4&E(Df.⇔)
6(6) 帽子a A
16(7) 男子a 26MPP
16(8) ~女子a 57MPP
1 (9) 帽子a→~女子a 68CP
1 (ア) ~帽子a∨~女子a 9含意の定義
1 (イ) ~(帽子a&女子a) ア、ド・モルガンの法則
1 (ウ)∀x~(帽子x&女子x) イUI
1 (エ)~∃x(帽子x&女子x) ウ量化子の関係
従って、
(09)により、
(10)
(2)~∃x(帽子x&女子x)
(Ⅱ) ∀x(帽子x→男子x)
に於いて、
(2)=(Ⅱ) である。
従って、
(11)
(2)~∃x(帽子x&女子x)
(Ⅱ) ∀x(帽子x→男子x)
(1) ∀x(男子x→帽子x)
に於いて、
(2)=(Ⅱ)であって、
(Ⅱ)は(1)の「逆」であるが、「逆は必ずしも、〇(真)ではない」。
従って、
(04)(11)により、
(12)
(1)男の子はみんな帽子をかぶっている。
(2)帽子をかぶっている女の子はいない。
に於いて、 (2)は(1)の「逆」であるが、「逆は必ずしも、〇(真)ではない」。
然るに、
(13)
(β)スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
1 (1)~∃x(スニx&男子x) A
1 (2)∀x~(スニx&男子x) 1量化子の関係
1 (3) ~(スニa&男子a) 1UE
1 (4) ~スニa∨~男子a 3ド・モルガンの法則
1 (5) スニa→~男子a 4含意の定義
(6)∀x(男子x⇔~女子x) 公理
(7) 男子a⇔~女子a 6UE
(8) ~男子a→ 女子a 7&E(Df.⇔)
9(9) スニa A
19(ア) ~男子a 59MPP
19(イ) 女子a 8アMPP
1 (ウ) スニa→ 女子a 9イCP
1 (エ)∀x(スニx→ 女子x) ウUI
(B)スニーカーを履いている子は、みんな女子です。
1 (1)∀x(スニx→ 女子x) A
1 (2) スニa→ 女子a 1UI
(3)∀x(男子x⇔~女子x) 公理
(4) 男子a⇔~女子a 3UE
(5) 男子a→~女子a 4&E(Df.⇔)
6 (6) 女子a A
6 (7) ~~女子a 6DN
6 (8) ~男子a 57MTT
(9) 女子a→~男子a 68CP
ア(ア) スニa A
1 ア(イ) 女子a 2アMPP
1 ア(ウ) ~男子a 9イMPP
1 (エ) スニa→~男子a アウCP
1 (オ) ~スニa∨~男子a エ含意の定義
1 (カ) ~(スニa&男子a) オ、ド・モルガンの法則
1 (キ)∀x~(スニx&男子x) カUI
1 (ク)~∃x(スニx&男子x) キ、量化子の関係
従って、
(13)により、
(14)
(β)~∃x(スニx&男子x)
(B) ∀x(スニx→女子x)
に於いて、すなわち、
(β)スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
(B)スニーカーを履いている子は、みんな女子です。
に於いて、
(β)=(B)である。
然るに、
(15)
(B)スニーカーを履いている子は、みんな女子です。
というのであれば、
(3)帽子をかぶっていて、しかも「スニーカーを履いている子ども」は一人もいない。
ということは、
(3)帽子をかぶっていて、しかも「女の子である子ども」は一人もいない。
ということに、「他ならない」。
然るに、
(16)
一々、「計算」はしないものの、
(3)帽子をかぶっていて、しかも「女の子である子ども」は一人もいない。
ということは、
(Ⅱ)帽子をかぶっている子はみんな男の子です。
(〃)∀x(帽子x→男子x)
ということに、「他ならない」。
従って、
(12)~(16)により、
(17)
(1)男の子はみんな帽子をかぶっている。
(2)帽子をかぶっている女の子はいない。
に於いて、 (2)は(1)の「逆」であるが、「逆は必ずしも、〇(真)ではない」。
というだけでなく、
(1)男の子はみんな帽子をかぶっている。
(3)帽子をかぶっていて、しかも「スニーカーを履いている子ども」は一人もいない。
(3)は(1)の「逆」であるが、「逆は必ずしも、〇(真)ではない」。
従って、
(04)(05)(06)(17)により、
(18)
もう一度、確認すると、
(α)帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です。
(β)スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
(Γ)男子ならば、そのときに限って、女子ではない。
(1)男の子はみんな帽子をかぶっている。
(2)帽子をかぶっている女の子はいない。
(3)帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは一人もいない。
という「日本語」は、それぞれ、
(α) ∀x(~帽子x→女子x)。
(β)~∃x(スニx& 男子x)。
(Γ) ∀x(男子x⇔~女子x)。
(1) ∀x(男子x→ 帽子x)。
(2)~∃x(帽子x& 女子x)。
(3)~∃x(帽子x& スニx)。
という「述語論理式」に「相当」し、それ故、
(α)帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です。
(1)男の子はみんな帽子をかぶっている。
(2)帽子をかぶっている女の子はいない。
(3)帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは一人もいない。
に於いて、
(α)と(1)は「対偶」であり、
(1)と(2)は「 逆 」であり、
(1)と(3)も「 逆 」であり、そのため、
(1)〇
(2)✕
(3)✕
である。
(01)(18)により、
(19)
問題 次の報告から確実に正しいと言えることには〇を、そうでないないものには✕を、左側の空欄に記入して下さい。
公園に子どもたちが集まっています。
男の子も女の子もいます。
(α)帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です。そして、
(β)スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
(1)男の子はみんな帽子をかぶっている。
(2)帽子をかぶっている女の子はいない。
(3)帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは一人もいない。
(AI vs. 教科書が読めない子供たち、新井紀子、2018年、182頁)。
正しいのは(1)のみです。
といふ「問題」は、「述語論理」によって、「解答」可能である。
然るに、
(20)
(述語)論理式にはこれまで述べたように、厳密な(形式的な)意味論が与えられるから、自然言語文も、翻訳を介して意味論に法っとった解釈が与えられ、したがって、間接的であるが、自然言語に意味論が与えられることになる(長尾真・淵一博、論理と意味、1983年、167頁)。
(21)
さて、統計的な手法が登場する以前、自然言語処理の技術を使う自動翻訳や質疑応答の分野では、研究者たちはAIに文法などの言葉のルールを覚えさせ、論理的、演繹的な手法で精度を上げようとしました。けれど、その手法は何度試みても失敗を繰り返しました(AI vs. 教科書が読めない子供たち、新井紀子、2018年、124頁)。
従って、
(19)(20)(21)により、
(22)
問題 次の報告から確実に正しいと言えることには〇を、そうでないないものには✕を、左側の空欄に記入して下さい。
公園に子どもたちが集まっています。
というような「問題」を、「生成AI」は、「(述語)論理式」を用いて、「解答」することは、出来ない。
(01)
問題 次の報告から確実に正しいと言えることには〇を、そうでないないものには✕を、左側の空欄に記入して下さい。
公園に子どもたちが集まっています。
男の子も女の子もいます。
帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です。そして、
スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
(1)男の子はみんな帽子をかぶっている。
(2)帽子をかぶっている女の子はいない。
(3)帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは一人もいない。
正しいのは(1)のみです。
(AI vs. 教科書が読めない子供たち、新井紀子、2018年、182頁)。
従って、
(01)により、
(02)
「教科書が読めない子供たち」によると、
(ⅰ)帽子をかぶっていないならば、女子である。従って、
(ⅱ)男子であるならば、帽子をかぶっている。
という『推論』は、「妥当」である。
然るに、
(03)
1 (1) ∀x(~帽子x→女子x) A
2 (2) ∀x(女子x→~男子x) A
3 (3) ~∀x(男子x→帽子x) A
1 (4) ~帽子a→女子a 1UE
2 (5) 女子a→~男子a 2UE
3 (6) ∃x~(男子x→帽子x) 3量化子の関係
7(7) ~(男子a→帽子a) A
7(8) ~(~男子a∨帽子a) 7含意の定義
7(9) 男子a&~帽子a 8ド・モルガンの法則
7(ア) ~帽子a 9&E
1 7(イ) 女子a 4アMPP
12 7(ウ) ~男子a 5イMPP
12 7(エ) 男子a 9&E
12 7(オ) 男子a&~男子a イウ&I
1 7(カ)~∀x(女子x→~男子x) 2オRAA
1 3 (キ)~∀x(女子x→~男子x) 37カEE
123 (ク)~∀x(女子x→~男子x)&
∀x(女子x→~男子x) 2キ&I
12 (ケ)~~∀x(男子x→帽子x) 3クRAA
12 (コ) ∀x(男子x→帽子x) ケDN
従って、
(03)により、
(04)
(ⅰ)∀x(~帽子x→女子x)。然るに、
(ⅱ)∀x(女子x→~男子x)。従って、
(ⅲ) ∀x(男子x→帽子x)。
という『推論』、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて(xが帽子をかぶっていないならば、xは女子である)。然るに、
(ⅱ)すべてのxについて(xが女子であるならば、xは男子ではない)。従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが男子であるならば、xは帽子をかぶっている)。
という『推論』、すなはち、
(ⅰ)帽子をかぶっていないならば、女子である。然るに、
(ⅱ)女子であるならば、男子ではない。従って、
(ⅲ)男子であるならば、帽子をかぶっている。
という『推論』は、「妥当」である。
従って、
(04)により、
(05)
「述語論理」からすれば、
(ⅰ)帽子をかぶっていないならば、女子である。然るに、
(ⅱ)女子であるならば、男子ではない。従って、
(ⅲ)男子であるならば、帽子をかぶっている。
という『推論』は、「妥当」であるが、
(ⅰ)帽子をかぶっていないならば、女子である。従って、
(ⅲ)男子であるならば、帽子をかぶっている。
という『推論』は、「妥当」ではない。
従って、
(02)(05)により、
(06)
「述語論理」からすれば、
「AI vs. 教科書が読めない子供たち、新井紀子、2018年」による、
(ⅰ)帽子をかぶっていないならば、女子である。従って、
(ⅱ)男子であるならば、帽子をかぶっている。
という『推論』は、
(ⅱ)女子であるならば、男子ではない。
という「前提」が、「省略」されているため、「妥当」ではない。
従って、
(06)により、
(07)
「AI」に対して、
「述語論理」による『推論』をさせる場合は、
「AI」に対して、
「人間の5歳児には常識である」所の、
(ⅱ)女子であるならば、男子ではない。
という「常識」を、「予め、教えなければ、ならない」。
従って、
(07)により、
(08)
「生成AI」が、
「人間の5歳児なみに、賢くなる」ためには、
「生成AI」は、
「人間の5歳児なみの、常識を、獲得しなければ、ならない」。
然るに、
(09)
「人間の5歳児は、知らないことが多い」としても、
「人間の5歳児には、様々な、実体験が有り」、その一方で、
「人間の5歳児の知識としては、例えば、ウィキペディアから得たものは、ほとんど無い。」
従って、
(09)により、
(10)
「生成AI」が、
「人間の5歳児と同じように、賢くなること」は、「不可能」である。
(01)
問題 次の報告から確実に正しいと言えることには〇を、そうでないないものには✕を、左側の空欄に記入して下さい。
公園に子どもたちが集まっています。
男の子も女の子もいます。
帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です。そして、
スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
(1)男の子はみんな帽子をかぶっている。
(2)帽子をかぶっている女の子はいない。
(3)帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは一人もいない。
― 中略 ―
この問題の正解率は64.5%でした。入試で問われるスキルは何一つ問うていないのに、
国立Sクラスでは85%が正当した一方、私大B、Cクラスでは正当率が5割を切りました。
では、多くの高校生が憧れる私大Sクラスではどうだったか。国立Sクラスに比べて20ポイントも低い66.8%に留まりました。
どこの大学に入学できるかは、学習量でも知識でも運でもない、論理的な読解と推論の力ではないのか、6000枚の答案をみているうちに、私は確信するようになりました。
(AI vs. 教科書が読めない子供たち、新井紀子、2018年、182頁)。
然るに、
(01)により、
(02)
(ⅰ)帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です。
(ⅱ)スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
(1)男の子はみんな帽子をかぶっている。
(2)帽子をかぶっている女の子はいない。
(3)帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは一人もいない。
然るに、
(03)
男子={(一郎)、(次郎)、(三郎)}
女子={ 花子 、 桃子、 (梅子)}
に於いて、
帽子をかぶっている ={(一郎)、(次郎)、(三郎)、(梅子)}
帽子をかぶっていない={ 花子、 桃子}
とする。
従って、
(03)により、
(04)
(ⅰ)帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子(花子、桃子)です。
(1)男の子(一郎、次郎、三郎)はみんな帽子をかぶっている。
といふ「命題」は、「真(〇)」である。
然るに、
(03)により、
(05)
帽子をかぶっている={(一郎)、(次郎)、(三郎)、(梅子)}
であるため、
帽子をかぶっている≒{(梅子)}
であって、それ故、
(2)帽子をかぶっている女の子はいない。
(〃)梅子は女の子ではない。
といふ「命題」は、「偽(✕)」である。
然るに、
(01)により、
(06)
(ⅱ)スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
といふことは、
帽子をかぶっている={(一郎)、(次郎)、(三郎)、(梅子)}
といふ「4人」の内の{(一郎)、(次郎)、(三郎) }といふ「3人」は、「スニーカーを履いていない」。
といふことである。
然るに、
(07)
帽子をかぶっている={(一郎)、(次郎)、(三郎)、(梅子)}
といふ「4人」の内の{(一郎)、(次郎)、(三郎) }といふ「3人」は、「スニーカーを履いていない」。
といふことは、
帽子をかぶっている≒{(梅子)}
に関しては、「スニーカーを履いているかも、知れない」。
といふことである。
然るに、
(03)(07)により、
(08)
帽子をかぶっている≒{(梅子)}
に関しては、「スニーカーを履いているかも、知れない」。
といふことは、
(3)帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは一人もいない。
といふのではなく、
(3)帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子ども(梅子)がいる。
かも知れない。
といふ、ことである。
従って、
(08)により、
(09)
(3)帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは一人もいない。
といふ「命題」は、「偽(✕)」である。
従って、
(01)~(09)により、
(10)
(ⅰ)帽子をかぶっていない子どもは、みんな女の子です。
(ⅱ)スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
といふ「命題」が「真(〇)」であるならば、
(1)男の子はみんな帽子をかぶっている。
(2)帽子をかぶっている女の子はいない。
(3)帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは一人もいない。
に於いて、
(1)だけが、「真(〇)」であるが、「新井紀子」先生の「解答」も、
(1)だけが、「真(〇)」である。
然るに、
(11)
この問題は、
(ⅰ)
1 (1)~∃x(女子x& 男子x) A
2 (2) 女子a& 男子a A
2 (3) ∃x(女子x& 男子x) 2EI
12 (4)~∃x(女子x& 男子x)&
∃x(女子x& 男子x) 13&I
1 (5) ~(女子a& 男子a) 24RAA
6 (6) 女子a A
7(7) 男子a A
67(8) 女子a& 男子a 67&I
1 67(9) ~(女子a& 男子a)&
(女子a& 男子a) 58&I
1 6 (ア) ~男子a 7RAA
1 (イ) 女子a→~男子a 6アCP
1 (ウ ∀x(女子x→~男子x) イUI
(ⅱ)
1 (1) ∀x(女子x→~男子x) A
2 (2) ∃x(女子x& 男子x) A
1 (3) 女子a→~男子a 1UE
3 (4) 女子a&男子a A
3 (5) 女子a 4&E
1 3 (6) ~男子a 35MPP
3 (7) 男子a 4&E
1 3 (8) ~男a&男子a 67&I
3 (9)~∀x(女子x→~男子x) 18RAA
2 (ア)~∀x(女子x→~男子x) 239EE
12 (イ)~∀x(女子x→~男子x)&
∀x(女子x→~男子x) 1ア&I
1 (ウ)~∃x(女子x& 男子x) 2イRAA
という「計算」に拘っていると、「頭がぐちゃぐちゃになる」ものの、
男子={(一郎)、(次郎)、(三郎)}
女子={ 花子 、 桃子、 (梅子)}
という風に、「書いて」みると、「極めて、簡単に、答えが出る」。
従って、
(12)
「生成AI君」に対しても、「このような解法」を、勧めたい。
(01)
「マイクロソフトのAI」に「質問(兎は象ですか?)」をしたところ、「AI」は「パニック」を起こしたのか??
然るに、
(02)
さて、統計的な手法が登場する以前、自然言語処理の技術を使う自動翻訳や質疑応答の分野では、研究者たちはAIに文法などの言葉のルールを憶えさせ、論理的、演繹的な手法で精度を上げようとしました(AI vs. 教科書が読めない子供たち、新井紀子、2018年、124頁)。
然るに、
(03)
Prologの文は「述語論理」にならって節(Clause)と呼ぶことが多いのでここでも節と呼ぶことににします。一つの節は、一つの述語が、どういう場合に真になるかを記述しています。もっとも単純な例として、
father(mary,henry).
という節は、fatherという述語がmary,henryという引数に対して成立するということを表しています(淵一博 監修、第五世代コンピューター入門、1987年、11頁)。
然るに、
(04)
第五世代コンピュータ(だいごせだいコンピュータ)計画とは、1982年から1992年にかけて日本の通商産業省(現経済産業省)所管の新世代コンピュータ技術開発機構(ICOT)が進めた国家プロジェクトで、いわゆる人工知能コンピュータの開発を目的に総額540億円の国家予算が投入された(ウィキペディア)。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
「(統計的な手法が登場する以前の、)第五世代コンピュータ計画」の「時代」には、
1 (1) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2) ∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)} A
3 (3) ∃x(象x&兎x) A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃z(耳za&~鼻za&長z) 2UE
6 (6) 象a&兎a A
6 (7) 象a 6&E
6 (8) 兎a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 47MPP
1 6 (ア) ∀z(~鼻za→~長z) 9&E
1 6 (イ) ~鼻ba→~長b アUE
2 6 (ウ) ∃z(耳za&~鼻za&長z) 58MPP
エ (エ) 耳ba&~鼻ba&長b A
エ (オ) ~鼻ba エ&E
エ (カ) 長b エ&E
1 6エ (キ) ~長b イオMPP
1 6エ (ク) 長b&~長b カキ&I
12 6 (ケ) 長b&~長b ウエクEE
123 (コ) 長b&~長b 36ケEE
12 (サ)~∃x(象x& 兎x) 3コRAA
シ (シ) ~(象a→~兎a) A
シ (ス) ~(~象a∨~兎a) シ含意の定義
シ (セ) 象a& 兎a ス、ド・モルガンの法則
シ (ソ) ∃x(象x& 兎x) セEI
12 シ (タ)~∃x(象x& 兎x)&∃x(象x& 兎x) サソ&I
12 (チ) ~~(象a→~兎a) シタRAA
12 (ツ) (象a→~兎a) チDN
テ(テ) 兎a A
テ(ト) ~~兎a テDN
12 テ(ナ) ~象a ツトMTT
12 (ニ) 兎a→~象a テナCP
12 (ヌ) ∀x(兎x→~象x) ニUI
といふ「述語計算」を用ひて、「コンピューター」に対して、
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(演繹)」をさせようとしてゐた。
然るに、
(05)により、
(06)
2(2) ∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)} A
から、 「~鼻zx(耳は鼻でない)」を「除いた」場合は、
12(ヌ) ∀x(兎x→~象x) ニUI
12(〃) 兎は象ではない。 ニUI
といふ「結論」を得ることは、出来ない。
従って、
(05)(06)により、
(07)
(ⅱ)兎の耳は鼻ではない。
といふ「条件」が示されてはゐない。
といふ「理由」により、
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎は耳が長い。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(演繹)」は、「述語論理」としては、「間違ひ」である。
然るに、
(08)
(ⅱ)兎の耳は鼻ではない。
(〃)王様の耳はロバの耳である。
(〃)パンの耳は食べられる。
といふことは、「(一々、断らなくとも)、常識」である。
従って、
(08)~(08)により、
(09)
「人間」にではなく、
「第五世代コンピュータ」に対して、次に、
(ⅰ)ロバは耳が長い。然るに、
(ⅱ)王様は耳が短い。従って、
(ⅲ)王様はロバではない。
といふ「推論(演繹)」を行わせようとするならば、
(ⅱ)(童話の中では)王様の耳は長いこともあるが、
(〃)(童話の中でも)パンの耳は、王様の耳ではない。
といふこと、「その他」を、予め、「記述」をしておく「必要」が有る。
従って、
(02)(07)(08)(09)により、
(10)
「述語論理」を用ひて、
「第五世代コンピュータ」に対して、
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎は耳が長い。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(演繹)」を行はせようとすると、
「文法などの言葉のルール」の他に、「大量の常識」を、
「第五世代コンピュータ」に対して、「教へなければ、ならない」。
然るに、
(11)
国語はどう考えても正攻法でなんとかできるとは思えません。そこで国語チームが試みたのは、センター国語試験で最も配点の大きい傍線部分の問題に対し、文字の重複などごく表面的なことから選択肢を選ぶという「荒業」でした。単純に言うと、傍線のついている部分とその前の段落の文を取って来て、「『あ』という文字が何回、『山』という文字が何回」と同じ文字の数を数えて、選択肢のほうも同様に数えて、いちばん重複の多い選択肢を選ぶという方法を採用したのです。文の意味どころか、単語の意味も調べません(AI vs. 教科書が読めない子供たち、 新井紀子、2018年、124頁)。
然るに、
(12)
「グーグルのAI」に「質問(兎は象ですか?)」をしたところ、 然るに、
(13)
論理式にはこれまで述べたように、厳密な(形式的な)意味論が与えられるから、自然言語文も、翻訳を介して意味論に法っとった解釈が与えられ、したがって、間接的であるが、自然言語に意味論が与えられることになる(長尾真・淵一博、論理と意味、1983年、167頁)。
然るに、
(14)
他方、アメリカの企業は日本の失敗を学びました。論理的な手法で自動翻訳などのAIを開発することに見切りをつけ、統計的手法に梶を切り、グーグル翻訳やワトソンなどで成果を上げたのです(AI vs. 教科書が読めない子供たち、新井紀子、2018年、90頁)。
然るに、
(15)
さて、統計的な手法が登場する以前、自然言語処理の技術を使う自動翻訳や質疑応答の分野では、研究者たちはAIに文法などの言葉のルールを覚えさせ、論理的、演繹的な手法で精度を上げようとしました。けれど、その手法は何度試みても失敗を繰り返しました(AI vs. 教科書が読めない子供たち、新井紀子、2018年、124頁)。
従って、
(02)(12)~(15)により、
(16)
①「論理」と「意味」による「AI技術」と、
②「統計的な手法」による、「AI技術」とが有って、
① では、「難しかった」、または、「成功」しなかった所の、
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎は耳が長い。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論」は、
② では、「容易」である。
といふ、ことになる。
然るに、
(17)
言ふ迄も無く、「我々(人間)」は、「論理と意味」だけを用ひて、「推論(演繹)」をする。
従って、
(18)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎は耳が長い。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(演繹)」する際に、「我々(人間)」は、「統計的な手法」など、「用ひない」。
従って、
(19)
「AI」は、「我々(人間)のやうに、考へはしない」し、と言ふよりも、固より、 「AI」は、「何も考えてはいない!!」
然るに、
(20)
最近は、その努力を怠っているものの、私は、以前から、曾祖父のやうに、「漢文か書ける」ようになりたかったものの、その一方で、「AIが発達すれば、人間が書かなくとも、AIが漢文を書くようになる」のではと、思ってゐた。
然るに、
(21)
「漢文」には、「ネイティブ・ライター」はゐない上に、「(「東大合格を目指すAI」にとって)さらに過酷な状況にあるのは古文や漢文です(AI vs. 教科書が読めない子供たち、新井紀子、2018年、84頁)」といふこともあって、「もう一度、漢文の勉強を、趣味にしよう」と、思ってゐるが、このところ、「私も、いくらか、忙しい」。
(01)
― 次に示す通り、例へば、―
① P∨ Q
② ¬P∧¬Q
③ P∨ Q∨ R
④ ¬(¬P∧¬Q∧¬R)
⑤ ¬P∧ Q∨¬R
⑥ ¬( P∨¬Q∧ R)
に於いて、
①=② である。
③=④ である。
⑤=⑥ である。
(02)
(ⅰ)
1 (1) P∨ Q A
2 (2) ¬P∧¬Q A
3 (3) P A
2 (4) ¬P 2∧E
23 (5) P∧¬P 34∧I
3 (6)¬(¬P∧¬Q) 25RAA
7(7) Q A
2 (8) ¬Q 2∧E
2 7(9) Q∧¬Q 78∧I
7(ア)¬(¬P∧¬Q) 29RAA
1 (イ)¬(¬P∧¬Q) 1367ア∨E
(ⅱ)
1 (1)¬(¬P∧¬Q) A
2 (2) ¬(P∨ Q) A
3 (3) P A
3 (4) P∨ Q 3∨I
23 (5) ¬(P∨ Q)∧
(P∨ Q) 24∧I
2 (6) ¬P 35RAA
7(7) Q A
7(8) P∨ Q 7∨I
2 7(9) ¬(P∨ Q)∧
(P∨ Q) 28∧I
2 (ア) ¬Q 79RAA
2 (イ) ¬P∧¬Q 6ア∧I
12 (ウ)¬(¬P∧¬Q)∧
(¬P∧¬Q) 1イ∧I
1 (エ)¬¬(P∨ Q) 2ウRAA
1 (オ) P∨ Q エDN
従って、
(02)により、
(03)
① P∨ Q
② ¬(¬P∧¬Q)
により、
①=② である(命題変数が2つである場合の、ド・モルガンの法則)。
(04)
(ⅲ)
1 (1) P∨ Q∨ R A
2 (2) ¬P∧¬Q∧¬R A
1 (3) (P∨ Q)∨R 1結合法則
4 (4) (P∨ Q) A
5 (5) P A
2 (6) ¬P 2∧E
2 5 (7) P∧¬P 56∧I
5 (8)¬(¬P∧¬Q∧¬R) 27RAA
9 (9) Q A
2 (ア) ¬Q 2∧E
2 9 (イ) Q∧¬Q 9ア∧I
9 (ウ)¬(¬P∧¬Q∧¬R) 29RAA
4 (エ)¬(¬P∧¬Q∧¬R) 4589ウ∨E
オ(オ) R A
2 (カ) ¬R 2∧E
2 オ(キ) R∧¬R オカ∧I
オ(ク)¬(¬P∧¬Q∧¬R) 2キRAA
1 (ケ)¬(¬P∧¬Q∧¬R) 34エオク∨E
12 (コ)¬(¬P∧¬Q∧¬R)∧
(¬P∧¬Q∧¬R) 2ケ∧I
1 (サ)¬(¬P∧¬Q∧¬R) 2コRAA
(ⅳ)
1 (1) ¬(¬P∧¬Q∧¬R) A
2 (2) ¬( P∨ Q∨ R) A
3 (3) P A
3 (4) P∨ Q 3∨I
3 (5) P∨ Q∨ R 34∨I
23 (6) ¬( P∨ Q∨ R)∧
( P∨ Q∨ R) 25∧I
2 (7) ¬P 36RAA
8 (8) Q A
8 (9) P∨ Q 8∨I
8 (ア) P∨ Q∨ R 9∨I
2 8 (イ) ¬( P∨ Q∨ R)∧
( P∨ Q∨ R) 2ア∧I
2 (ウ) ¬Q 8イ∧I
2 (エ) ¬P∧¬Q 7ウ∧I
オ(オ) R A
オ(カ) Q∨ R オ∨I
オ(キ) P∨ Q∨ R ∨I
2 オ(ク) ¬( P∨ Q∨ R)∧
( P∨ Q∨ R) 2キ∧I
2 (ケ) ¬R オクRAA
2 (コ) ¬P∧¬Q∧¬R エケ∧I
12 (サ) ¬(¬P∧¬Q∧¬R)∧
(¬P∧¬Q∧¬R) 1コ∧I
1 (シ)¬¬( P∨ Q∨ R) 2サRAA
1 (ス) ( P∨ Q∨ R) シDN
従って、
(04)により、
(05)
③ P∨ Q∨ R
④ ¬(¬P∧¬Q∧¬R)
に於いて、
③=④ である(命題変数が3つである場合の、ド・モルガンの法則)。
然るに、
(06)
(ⅴ)
1 (1) ¬P∧ Q ∨¬R A
2 (2) P∨¬Q ∧ R A
1 (3) (¬P∧ Q)∨¬R 1結合法則
2 (4) ( P∨¬Q)∧ R 2結合法則
5 (5) (¬P∧ Q) A
2 (6) ( P∨¬Q) 4∧E
5 (7) ¬P 5∧E
8 (8) P A
58 (9) ¬P∧P 78∧I
8 (ア)¬(¬P∧ Q) 59RAA
5 (イ) Q 5∧E
ウ (ウ) ¬Q A
5 ウ (エ) Q∧¬Q イウ∧I
ウ (オ)¬(¬P∧ Q) 5エRAA
2 (カ)¬(¬P∧ Q) 28アウオ∨E
キ (キ) ¬R A
2 (ク) R 4∧E
2 キ (ケ) ¬R∧R キク∧I
2 (コ) ¬¬R キケDN
2 (サ) R コDN
2 (シ)¬(¬P∧ Q)∧ R カサ∧I
ス (ス) (¬P∧ Q) A(3の選言項左)
2 (セ)¬(¬P∧ Q) シ∧E
2 ス (ソ) (¬P∧ Q)∧
¬(¬P∧ Q) スセ∧I
ス (タ) ¬(P∨¬Q ∧ R) 2ソRAA
チ(チ) ¬R A(3の選言項右)
2 (ツ) R シ∧E
2 チ(テ) ¬R∧R チツ∧I
チ(ト) ¬(P∨¬Q ∧ R) 2テRAA
1 (ナ) ¬(P∨¬Q ∧ R) 3スタチト∨E
12 (ニ) ¬(P∨¬Q ∧ R)∧
(P∨¬Q ∧ R) 2ナ∧I
1 (ヌ) ¬(P∨¬Q ∧ R) 2ニRAA
(ⅵ)
1 (1) ¬(P∨¬Q ∧ R) A
1 (2) ¬((P∨¬Q)∧ R) 1結合法則
3 (3) ¬(¬P∧ Q ∨¬R) A
3 (4)¬((¬P∧ Q)∨¬R) 3結合法則
5 (5) (¬P∧ Q) A
5 (6) (¬P∧ Q)∨¬R 5∨I
35 (7)¬((¬P∧ Q)∨¬R)∧
((¬P∧ Q)∨¬R) 46∧I
3 (8) ¬(¬P∧ Q) 57RAA
9 (9) ¬(P∨¬Q) A
ア (ア) P A
ア (イ) P∨¬Q ア∨I
9ア (ウ) ¬(P∨¬Q)∧
(P∨¬Q) 9イ∧I
9 (エ) ¬P アウRAA
オ (オ) ¬Q A
オ (カ) P∨¬Q オ∨I
9 オ (キ) ¬(P∨¬Q)∧
(P∨¬Q) 9カ∧I
9 (ク) ¬¬Q オキRAA
9 (ケ) Q クDN
9 (コ) ¬P∧ Q エケ∧I
3 9 (サ) ¬(¬P∧ Q)∧
(¬P∧ Q) 8コ∧I
3 (シ) ¬¬(P∨¬Q) 9サRAA
3 (ス) (P∨¬Q) シDN
セ (セ) ¬R A
セ (ソ) (¬P∧ Q)∨¬R セ∨I
3 セ (タ)¬((¬P∧ Q)∨¬R)∧
((¬P∧ Q)∨¬R 3ソ∧I
3 (チ) ¬¬R セタRAA
3 (ツ) R チDN
3 (テ) (P∨¬Q)∧ R スツ∧I
13 (ト) ¬(P∨¬Q ∧ R) 1テ∧I
1 (ナ)¬¬(¬P∧ Q ∨¬R) 3トRAA
1 (ニ) (¬P∧ Q ∨¬R) ナDN
従って、
(06)により、
(07)
⑤ ¬P∧ Q∨¬R
⑥ ¬( P∨¬Q∧ R)
に於いて、
⑤=⑥ である(命題変数が3つで、∨と∧が混在する場合のド・モルガンの法則)。
然るに、
(07)により、
(08)
特に、(ⅵ)の「計算」は、途中で、自分でも「何をやってゐるのか」分からなくなるくらひ、「メチャクチャ、めんどくさい」。
然るに、
(09)
(ⅵ)の「計算」も、「ド・モルガンの法則」を用ひて良いのであれば、
(ⅵ)
1 (1) ¬(P∨¬Q ∧ R) A
1 (2)¬((P∨¬Q)∧ R) 1結合法則
1 (3) ¬(P∨¬Q)∨¬R 2(2項によるド・モルガンの法則)
4 (4) ¬(P∨¬Q) A
4 (5) ¬P∧ Q 4(2項によるド・モルガンの法則)
4 (6) ¬P∧ Q∨ ¬R 5∨I
7 (7) ¬R A
7 (8) ¬P∧ Q∨ ¬R 7∨I
1 (9) ¬P∧ Q∨ ¬R 34678∨E
といふ具合に、「メチャクチャ、簡単である」。
(10)
― お知らせ ―
しばらく(1週間、あるいは、2週間、あるいは、3週間ほど?)、ブログを、休みます。
(01)
①{象の鼻、兎の鼻、馬の鼻}
②{象の耳、兎の耳、馬の耳}
③{象の耳、兎の耳、馬の耳}
であるならば、
① 鼻に関しては、象の鼻は長く、象以外(兎と馬)の鼻は長くはない。
② 耳に関しては、兎の耳は長く、兎以外(象と馬)の耳は長くはない。
③ 顏に関しては、馬の顔は長く、馬以外(象と兎)の顔は長くはない。
といふ「命題」は「真」である。
然るに、
(02)
① 鼻に関しては、象の鼻は長く、象以外(兎と馬)の鼻は長くはない。
② 耳に関しては、兎の耳は長く、兎以外(象と馬)の耳は長くはない。
③ 顏に関しては、馬の顔は長く、馬以外(象と兎)の顔は長くはない。
といふことは、要するに、
① 鼻は象が長い。
② 耳は兎が長い。
③ 顔は馬が長い。
といふ、ことである。
従って、
(01)(02)により、
(03)
「番号」を付け替へるとして、
① 鼻は象が長い。
② 鼻に関しては、象の鼻は長く、象以外(兎と馬)の鼻は長くはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
①{象の鼻、兎の鼻、馬の鼻}
②{象の耳、兎の耳、馬の耳}
③{象の耳、兎の耳、馬の耳}
といふ「3つの集合」ではなく、
①{象の鼻、兎の鼻、馬の鼻}
といふ「1つの集合」だけに「注目」するならば、
① 象の鼻が長い。
② 象の鼻は長く、象以外(兎と馬)の鼻は長くはない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
①{象、兎、馬}
といふ「集合」の、
①{象の鼻、兎の鼻、馬の鼻}
といふ「部分集合」に「注目」すれば、
① 象の鼻が長い。
といふことになり、
①{象、兎、馬}
といふ「集合」の、
①{象の鼻、兎の鼻、馬の鼻}
②{象の耳、兎の耳、馬の耳}
③{象の耳、兎の耳、馬の耳}
といふ「部分集合」に「注目」すれば、
② 鼻は象が長い。
といふことになる。
従って、
(06)
① 象の鼻が長い。
② 鼻は象が長い。
といふ「日本語」は、「命題」としては、両方とも、
③ 象の鼻は長く、象の鼻以外(兎の鼻、馬の鼻)は長くない。
といふ「意味」になる。
然るに、
(07)
① ∀y∃x{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。
② ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x}。
といふ「述語論理」の「読み方(意味)」は、
① すべてのyとあるxについて{(xが象であって、yがxの鼻である)ならば、yは長く、(xが象でなくて、yがxの鼻である)ならば、yは長くない}。
② すべてのxとあるyについて{(xがyの鼻であって、yが象である)ならば、xは長く、(yが象でなくて、xがyの鼻である)ならば、xは長くない}。
となるものの、この場合は、「語順が異なる」だけで、「真理値」からすれば、
①=② である。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① 象の鼻が長い。
② 鼻は象が長い。
といふ「日本語」は、それぞれ、
① ∀y∃x{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。
② ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x}。
といふ「述語論理式」に、「対応」する。
然るに、
(09)
1 (1)∀y∃x{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y} A
1 (2) ∃x{(象x&鼻bx)→長b&(~象x&鼻bx)→~長b} 1UE
3 (3) (象a&鼻ba)→長b&(~象a&鼻ba)→~長b A)
3 (4) (~象a&鼻ba)→~長b 3&E
5 (5) ∀x{(兎x→~象x)&∃y(鼻yx)} A
5 (6) (兎a→~象a)&∃y(鼻ya) 5UE
5 (7) 兎a→~象a 6&E
5 (8) ∃y(鼻ya) 6&E
9 (9) 鼻ba A
ア (ア) 兎a A
5 ア (イ) ~象a 7アMPP
59ア (ウ) ~象a&鼻ba 9イ&I
359ア (エ) ~長b 4ウMPP
359ア (オ) 鼻ba&~長b 9エ&I
359ア (カ) ∃y(鼻ya&~長b) オEI
35 ア (キ) ∃y(鼻ya&~長b) 89カEE
35 (ク) 兎a→∃y(鼻ya&~長b) アキCP
1 5 (ケ) 兎a→∃y(鼻ya&~長b) 23クEE
コ (コ) ∃x{兎x&∀y(鼻yx→ 長y)} A
サ (サ) 兎a&∀y(鼻ya→ 長y) A
サ (シ) 兎a サ&E
サ (ス) ∀y(鼻ya→ 長y) サ&E
サ (セ) 鼻ba→ 長b スUE
1 5 サ (ソ) ∃y(鼻ya&~長b) ケシMPP
タ(タ) 鼻ba&~長b A
タ(チ) 鼻ba タ&E
タ(ツ) ~長b タ&E
サタ(テ) 長b セチMPP
サタ(ト) ~長b&長b ツテ&I
1 5 サ (ナ) ~長b&長b ソタトEE
1 5 コ (ニ) ~長b&長b コサナEE
1 5 (ヌ) ~∃x{兎x&∀y(鼻yx→長y)} コニRAA
従って、
(09)により、
(10)
(ⅰ)∀y∃x{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。然るに、
(ⅱ) ∀x{(兎x→~象x)&∃y(鼻yx)}。従って、
(ⅲ) ~∃x{ 兎x&∀y(鼻yx→長y)}。
といふ『推論』、すなはち、
(ⅰ)すべてのyとあるxについて{(xが象であって、yがxの鼻である)ならば、yは長く、(xが象でなくて、yがxの鼻である)ならば、yは長くない}。然るに、
(ⅱ) すべてのxについて{(xが兎であるならば、xは象ではなく)、あるyは(xの鼻である)}。従って、
(ⅲ) あるxが{ 兎であって、すべてのyについて、(yがxの鼻ならば、yは長い)}といふことはない。
といふ『推論』、すなはち、
(ⅰ)象の鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎は象ではないが、兎には鼻がある。従って、
(ⅲ)兎の鼻が長い、といふことはない。
といふ『推論』は、「妥当」である。
従って、
(07)~(10)により、
(11)
(ⅰ)鼻は象が長い。然るに、
(ⅱ)兎は象ではないが、兎には鼻がある。従って、
(ⅲ)兎の鼻が長い、といふことはない。
といふ『推論』も、「妥当」である。
(01)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎は耳は長い。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ『推論』は、「妥当」である。
然るに、
(02)
(ⅰ)象といふ動物のパーツ(部分)の中では、鼻は長く、 鼻以外は長くない。 然るに、
(ⅱ)兎といふ動物のパーツ(部分)の中では、耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)象が、兎であると「仮定」すると「矛盾」する。従って、
(〃)兎は象ではない。
といふ『推論(背理法)』は、「妥当」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
(ⅰ)象といふ動物のパーツ(部分)の中では、鼻は長く、 鼻以外は長くない。 然るに、
(ⅱ)兎といふ動物のパーツ(部分)の中では、耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)象が、兎であると「仮定」すると「矛盾」する。従って、
(〃)兎は象ではない。
といふ「推論(背理法)」が「妥当」であるが故に、
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎は耳は長い。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ『推論』は、「妥当」である。
然るに、
(04)
1 (1) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2) ∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)} A
3 (3) ∃x(象x&兎x) A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃z(耳za&~鼻za&長z) 2UE
6 (6) 象a&兎a A
6 (7) 象a 6&E
6 (8) 兎a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 47MPP
1 6 (ア) ∀z(~鼻za→~長z) 9&E
1 6 (イ) ~鼻ba→~長b アUE
2 6 (ウ) ∃z(耳za&~鼻za&長z) 58MPP
エ (エ) 耳ba&~鼻ba&長b A
エ (オ) ~鼻ba エ&E
エ (カ) 長b エ&E
1 6エ (キ) ~長b イオMPP
1 6エ (ク) 長b&~長b カキ&I
12 6 (ケ) 長b&~長b ウエクEE
123 (コ) 長b&~長b 36ケEE
12 (サ)~∃x(象x& 兎x) 3コRAA
シ (シ) ~(象a→~兎a) A
シ (ス) ~(~象a∨~兎a) シ含意の定義
シ (セ) 象a& 兎a ス、ド・モルガンの法則
シ (ソ) ∃x(象x& 兎x) セEI
12 シ (タ)~∃x(象x& 兎x)&∃x(象x& 兎x) サソ&I
12 (チ) ~~(象a→~兎a) シタRAA
12 (ツ) (象a→~兎a) チDN
テ(テ) 兎a A
テ(ト) ~~兎a テDN
12 テ(ナ) ~象a ツトMTT
12 (ニ) 兎a→~象a テナCP
12 (ヌ) ∀x(兎x→~象x) ニUI
従って、
(04)により、
(05)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ『推論』、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻ではないならば、zは長くない)}。然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるzは(xの鼻ではないが、zは長い)}。従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎であるならば、xは象ではない)。
といふ『推論』、すなはち、
(ⅰ)象といふ動物のパーツ(部分)の中では、鼻は長く、 鼻以外は長くない。 然るに、
(ⅱ)兎といふ動物のパーツ(部分)の中では、耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)象が、兎であると「仮定」すると「矛盾」する。従って、
(ⅳ)兎は象ではない。
といふ『推論』は「妥当」である。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎は耳は長い。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ『推論』が、「妥当」であるならば、
(ⅰ)象といふ動物のパーツ(部分)の中では、鼻は長く、 鼻以外は長くない。 然るに、
(ⅱ)兎といふ動物のパーツ(部分)の中では、耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)象が、兎であると「仮定」すると「矛盾」する。従って、
(〃)兎は象ではない。
といふ『推論』は、「妥当」であり、
(ⅰ)象といふ動物のパーツ(部分)の中では、鼻は長く、 鼻以外は長くない。 然るに、
(ⅱ)兎といふ動物のパーツ(部分)の中では、耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)象が、兎であると「仮定」すると「矛盾」する。従って、
(〃)兎は象ではない。
といふ『推論』が、「妥当」であるならば、
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ『推論』は、「妥当」である。
従って、
(01)(06)により、
(07)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎は耳は長い。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ『推論』は、
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ『推論』に「他ならない」。
従って、
(07)により、
(08)
① 象は鼻が長い。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於いて、
①=② である。
従って、
(08)により、
(09)
② 象は鼻が長い動物である。
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&動物x}。
③ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻ではないならば、zは長くなく)、その上、xは動物である}。
に於いて、
②=③ である。
従って、
(09)により、
(10)
③ 象は動物である。
④ ∀x{象x→動物x}。
④ すべてのxについて{xが象であるなら、xは動物である}。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
「番号」を付け直すとして、
① 象は動物である。
② 象は鼻が長い。
③ 象は鼻が長い動物である。
といふ「日本語」は、それぞれ、
① ∀x{象x→動物x}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)&動物x}。
といふ「述語論理式」に「対応」する。
然るに、
(11)により、
(12)
① 象は動物である。
② 象は鼻が長い。
③ 象は鼻が長い動物である。
といふ「日本語」に於ける、
① 象は
② 象は
③ 象は
といふ「主語(主辞)」は、3つとも、「述語論理的」には、
① ∀x{象x→
② ∀x{象x→
③ ∀x{象x→
であって、「区別」は無い。
従って、
(13)
① 象は動物である。
に於ける、
① 象は が「主語」であるならば、
① 象は動物である。
② 象は鼻が長い。
③ 象は鼻が長い動物である。
といふ「日本語」に於ける、
① 象は
② 象は
③ 象は
は、3つとも、「主語(主辞)」である。
然るに、
(14)
「象は鼻が長い」はどれが主辞がわからないから、このままでは非論理的な構造の文である、と言う人がもしあった(沢田『入門』二九ペ)とすれば、その人は旧『論理学』を知らない人であろう、これはこのままで、
象は 鼻が長い。
主辞 賓辞
とはっきりしている。速水式に簡単明リョウである。意味も、主辞賓辞の関係も小学生にもわかるはずの文である。これに文句をつけたり、それを取り次いだりするのは、人々が西洋文法に巻かれていることを語る以外の何物でもない。このまま定理扱いしてもよろしい。そしてこの定理の逆は真でないとして、鼻の長いもの例に、鞍馬山の天狗だの、池の尾の禅珍内供だのを上げるのも一興だろう。それでおしまいである(三上章、日本語の論理、1963年、13・14頁)。
従って、
(13)(14)により、
(15)
三上章 による、
象は 鼻が長い。
主辞 賓辞
とはっきりしている。 といふ「意見」は、「述語論理的」には、「正しい」。
然るに、
(16)
といふ「タイトル」が示してゐる通り、に、三上章先生は、固より、「(日本語に於ける)主語」といふモノを、認めない。
(01)
① (P&Q)→ P
② (P&Q)→~P
といふ「論理式」、すなはち、
① PであってQであるならば、Pである。
② PであってQであるならば、Pでない。
といふ「命題」に於いて、
① は、明らかに「真(トートロジー)」であるが、
② は、明らかに「偽(矛盾)」である(??)。
然るに、
(02)
① (P&Q)→P
に対する「否定」を「計算」すると、
(ⅰ)
1(1) ~{(P&Q)→ P} A
1(2)~{~(P&Q)∨ P} 1含意の定義
1(3) (P&Q)&~P 2ド・モルガンの法則
1(4) P&Q 3&E
1(5) P 4&E
1(6) Q 4&E
1(7) ~P 3&E
1(8) P&~P 57&I
1(9) (P&~P)&Q 68&I
(〃)
1(1) (P&~P)&Q A
1(2) P&~P 1&E
1(3) P 2&E
1(4) ~P 2&E
1(5) Q 1&E
1(6) P&Q 35&I
1(7) (P&Q)&~P 46&I
1(8)~{~(P&Q)∨ P} 7ド・モルガンの法則
1(9) ~{(P&Q)→ P} 8含意の定義
従って、
(02)により、
(03)
① (P&Q)→P
に対する「否定」を「計算」すると、
①(P&~P)&Q
であるものの、
①(P&~P)&Q
であれば、
①(矛盾)&Q
であって、
①(矛盾)&Q
は、「偽」である。
然るに、
(04)
② (P&Q)→~P
に対する「否定」を「計算」すると、
(ⅱ)
1(1) ~{(P&Q)→~P} A
1(2)~{~(P&Q)∨~P} 1含意の定義
1(3) (P&Q)& P 2ド・モルガンの法則
1(4) P&Q 3&E
(ⅲ)
1(1) P&Q A
1(2) P 1&E
1(3) (P&Q)& P 12&I
1(4)~{~(P&Q)∨~P} 3ド・モルガンの法則
1(5) ~{(P&Q)→~P} 4含意の定義
従って、
(04)により、
(05)
② (P&Q)→~P
に対する「否定」を「計算」すると、
③ P&Q
であるものの、
③ P&Q
は、それ自体は、「真」でも、「偽」でもない。
然るに、
(04)により、
(06)
いづれにせよ、
② ~{(P&Q)→~P}
③ P&Q
に於いて、
②=③ である。
従って、
(06)により、
(07)
② ~~{(P&Q)→~P}
③ ~(P&Q)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(07)により、
(08)
「二重否定律(DN)」により、
② (P&Q)→~P
③ ~(P&Q)
然るに、
(09)
(ⅲ)
1 (1)~(P&Q) A
2 (2) P A
3(3) Q A
23(4) P&Q 23&I
123(5)~(P&Q)&
(P&Q) 13&I
12 (6) ~Q 35RAA
1 (7) P→~Q 26CP
(ⅳ)
1 (1) P→~Q A
2 (2) P& Q A
2 (3) P 2&E
12 (4) ~Q 13MPP
2 (5) Q 2&E
12 (6) ~Q&Q 45&I
1 (7)~(P&Q) 26RAA
従って、
(09)により、
(10)
③ ~(P&Q)
④ P→~Q
に於いて、
③=④ である。
従って、
(08)(09)(10)により、
(11)
② (P&Q)→~P
③ ~(P&Q)
④ P→~Q
に於いて、
②=③=④ である。
然るに、
(12)
(ⅱ)
1 (1) (P&Q)→~P A
1 (2)~(P&Q)∨~P A
3 (3)~(P&Q) A
3 (4)~P∨~Q ド・モルガンの法則
3 (5)~P∨~Q∨ ~P 4∨I
6(6) ~P A
6(7) ~P∨~Q∨~P 7∨I
1 (8)~P∨~Q∨ ~P 13567∨E
1 (9)~P∨~P∨ ~Q 8交換法則
1 (ア)~P∨~Q 9冪等律
1 (イ) P→~Q ア含意の定義
(ⅲ)
1 (1) P→~Q A
1 (2) ~P∨~Q 1含意の定義
1 (3) ~P∨~P∨ ~Q 2冪等律。
1 (4) ~P∨~Q∨ ~P 3交換法則
1 (5)(~P∨~Q)∨~P 4結合法則
6 (6)(~P∨~Q) A
6 (7)~(P&Q) 6ド・モルガンの法則
6 (8)~(P&Q)∨ ~P 7∨I
9(9) ~P A
9(ア)~(P&Q)∨ ~P 9∨I
1 (イ) (P&Q)→ ~P ア含意の定義
従って、
(12)により、
(13)
②(P&Q)→~P
③ P→~Q
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(14)
(ⅱ)
1 (1) (P&Q)→~P A
2 (2) P A
2 (3) ~~P 2DN
12 (4)~(P&Q) 13MTT
12 (5)~P∨~Q 4ド・モルガンの法則
12 (6) P→~Q 5含意の定義
1 (7) P→(P→~Q) 26CP
8(8) P A
1 8(9) P→~Q 78MPP
1 8(ア) ~Q 89MPP
1 (イ) P→~Q 8アCP
(ⅲ)
1 (1) P→~Q A
2 (2) P& Q A
2 (3) P 2&E
12 (4) ~Q 13MPP
2 (5) Q 2&E
12 (6) ~Q&Q 45&I
1 (7)~(P&Q) 26RAA
1 (8)~(P&Q)∨~P 7∨I
1 (9) (P&Q)→~P 8含意の定義
従って、
(14)により、
(15)
②(P&Q)→~P
③ P→~Q
に於いて、
②=③ は「対偶」である。
従って、
(12)(15)により、
(16)
(ⅱ)
1 (1) (P&Q)→~P A
1 (2)~(P&Q)∨~P A
3 (3)~(P&Q) A
3 (4)~P∨~Q ド・モルガンの法則
3 (5)~P∨~Q∨ ~P 4∨I
6(6) ~P A
6(7) ~P∨~Q∨~P 7∨I
1 (8)~P∨~Q∨ ~P 13567∨E
1 (9)~P∨~P∨ ~Q 8交換法則
1 (ア)~P∨~Q 9冪等律
1 (イ) P→~Q ア含意の定義
(ⅲ)
1 (1) P→~Q A
1 (2) ~P∨~Q 1含意の定義
1 (3) ~P∨~P∨ ~Q 2冪等律。
1 (4) ~P∨~Q∨ ~P 3交換法則
1 (5)(~P∨~Q)∨~P 4結合法則
6 (6)(~P∨~Q) A
6 (7)~(P&Q) 6ド・モルガンの法則
6 (8)~(P&Q)∨ ~P 7∨I
9(9) ~P A
9(ア)~(P&Q)∨ ~P 9∨I
1 (イ) (P&Q)→ ~P ア含意の定義
といふ「計算」は、結局は、「対偶の計算」であった。
といふことになる。
従って、
(11)~(16)により、
(17)
いづれにせよ、
②(P&Q)→~P
③ P→~Q
に於いて、すなはち、
② PであってQであるならば、Pでない。
③ Pであるならば、Qでない。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(17)により、
(18)
③ Pであるならば、Qでない。
といふ「命題」は、言ふまでもなく、「矛盾」ではない。
従って、
(01)(18)により、
(19)
① (P&Q)→ P
② (P&Q)→~P
といふ「論理式」、すなはち、
① PであってQであるならば、Pである。
② PであってQであるならば、Pでない。
といふ「命題」に於いて、
① は、明らかに「真(トートロジー)」であるが、
② は、決して、「偽(矛盾)」ではない(!!)。
(01)
1(1) P& Q& R A
1(2) R 1&E
1(3) Q∨R 2∨I
1(4)~(P&Q)∨Q∨R 3∨I
1(5) P&Q→ Q∨R 4含意の定義
(ⅱ)
1(1) P& Q&~R A
1(2) Q 1&E
1(3) Q∨R 2∨I
1(4)~(P&Q)∨Q∨R 3∨I
1(5) P&Q→ Q∨R 4含意の定義
(ⅲ
1(1) P&~Q& R A
1(2) R 1&E
1(3) Q∨R 2∨I
1(4)~(P&Q)∨Q∨R 3∨I
1(5) P&Q→ Q∨R 4含意の定義
(ⅳ
1 (1) P&~Q&~R A
1 (2) ~Q 1&E
2(3) P& Q A
2(4) Q 3&E
12(5) ~Q&Q 34&I
1 (6)~(P&Q) 25RAA
1 (7)~(P&Q)∨Q 6∨I
1 (8)~(P&Q)∨Q∨R 7∨I
1 (9) P&Q→ Q∨R 8含意の定義
(ⅴ
1(1) ~P& Q& R A
1(2) R 1&E
1(3) Q∨R 2∨I
1(4)~(P&Q)∨Q∨R 3∨I
1(5) P&Q→ Q∨R 4含意の定義
(ⅵ
1(1) ~P& Q&~R A
1(2) Q 1&E
1(3) Q∨R 2∨I
1(4)~(P&Q)∨Q∨R 3∨I
1(5) P&Q→ Q∨R 4含意の定義
(ⅶ
1(1) ~P&~Q& R A
1(2) R 1&E
1(3) Q∨R 2∨I
1(4)~(P&Q)∨Q∨R 3∨I
1(5) P&Q→ Q∨R 4含意の定義
(ⅷ
1 (1) ~P&~Q& R A
1 (2) ~Q 1&E
2(3) P& Q A
2(4) Q 3&E
12(5) ~Q&Q 34&I
1 (6)~(P&Q) 25RAA
1 (7)~(P&Q)∨Q 6∨I
1 (8)~(P&Q)∨Q∨R 7∨I
1 (9) P&Q→ Q∨R 8含意の定義
従って、
(01)により、
(02)
① P& Q& R├ P&Q→Q∨R
② P& Q&~R├ P&Q→Q∨R
③ P&~Q& R├ P&Q→Q∨R
④ P&~Q&~R├ P&Q→Q∨R
⑤ ~P& Q& R├ P&Q→Q∨R
⑥ ~P& Q&~R├ P&Q→Q∨R
⑦ ~P&~Q& R├ P&Q→Q∨R
⑧ ~P&~Q&~R├ P&Q→Q∨R
従って、
(01)(02)により、
(03)
① P&Q→Q∨R
といふ「論理式」、すなはち、
① PであってQであるならば、Qであるか、または、Rである。
といふ「命題」は、
① 命題変数(P、Q、R)の「真偽」に関はらず、「恒に真」である。
従って、
(03)により、
(04)
① P&Q→Q∨R
といふ「論理式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(05)
① P& Q& R
② P& Q&~R
③ P&~Q& R
④ P&~Q&~R
⑤ ~P& Q& R
⑥ ~P& Q&~R
⑦ ~P&~Q& R
⑧ ~P&~Q&~R
に於ける、例へば、
⑥ を「否定」すると、
⑥ ~( P& Q&~R)は、「ド・モルガンの法則」により、
⑥ (~P∨~Q∨ R)に、「等しい」。
然るに、
(06)
(ⅱ)
1(1)~P∨ ~Q∨R A
1(2)~P∨(~Q∨R) 1結合法則
1(3) P→(~Q∨R) 2含意の定義
(〃)
1(1) P→(~Q∨R) A
1(2)~P∨(~Q∨R) 1含意の定義
1(3)~P∨ ~Q∨R 2結合法則
従って、
(05)(06)により、
(07)
① P& Q& R
② P& Q&~R
③ P&~Q& R
④ P&~Q&~R
⑤ ~P& Q& R
⑥ ~P& Q&~R
⑦ ~P&~Q& R
⑧ ~P&~Q&~R
に於ける、例へば、
⑥ を「否定」すると、
⑥ ~(~P& Q&~R)は、「ド・モルガンの法則」により、
⑥ ( P∨~Q∨ R)に、「等しく」、
⑥ ( P∨~Q∨ R)は、「含意の定義」により、
⑥ ~P→(~Q∨R)に、「等しい」。
従って、
(07)により、
(08)
① P& Q& R
② P& Q&~R
③ P&~Q& R
④ P&~Q&~R
⑤ ~P& Q& R
⑥ ~P& Q&~R
⑦ ~P&~Q& R
⑧ ~P&~Q&~R
に於ける、
⑥ を「否定」すると、
⑥ ~P→(~Q∨R)
であるため、「否定」をする前の、
⑥ 自体は、 「二重否定」により、
⑥ ~(~P→(~Q∨R))
でなければ、ならない。
従って、
(02)(08)により、
(09)
この場合は、
① P& Q& R├ P&Q→Q∨R
② P& Q&~R├ P&Q→Q∨R
③ P&~Q& R├ P&Q→Q∨R
④ P&~Q&~R├ P&Q→Q∨R
⑤ ~P& Q& R├ P&Q→Q∨R
⑥ ~P& Q&~R├ P&Q→Q∨R
⑦ ~P&~Q& R├ P&Q→Q∨R
⑧ ~P&~Q&~R├ P&Q→Q∨R
のやうに、
① P& Q& R├ P→(~Q∨R)
② P& Q&~R├ P→(~Q∨R)
③ P&~Q& R├ P→(~Q∨R)
④ P&~Q&~R├ P→(~Q∨R)
⑤ ~P& Q& R├ P→(~Q∨R)
⑥ ~P& Q&~R├ P→(~Q∨R)
⑦ ~P&~Q& R├ P→(~Q∨R)
⑧ ~P&~Q&~R├ P→(~Q∨R)
といふ風には、ならずに、
① P& Q& R├ P→(~Q∨R)
② P& Q&~R├ P→(~Q∨R)
③ P&~Q& R├ P→(~Q∨R)
④ P&~Q&~R├ P→(~Q∨R)
⑤ ~P& Q& R├ P→(~Q∨R)
⑥ ~P& Q&~R├ ~(P→(~Q∨R))
⑦ ~P&~Q& R├ P→(~Q∨R)
⑧ ~P&~Q&~R├ P→(~Q∨R)
といふ風に、なるに「違ひない」。
然るに、
(10)
(ⅰ)
1(1) P& Q& R A
1(2) R 1&E
1(3) ~Q∨R 2∨I
1(4)~~P∨~Q∨R 3∨I
1(5) ~P→~Q∨R 4含意の定義
(ⅱ)
1(1) P& Q&~R A
1(2) P 1&E
1(3)~~P 2DN
1(4)~~P∨Q 3∨I
1(5)~~P∨Q∨R 4∨I
1(6) ~P→Q∨R 5∨I
(ⅲ)
1(1) P&~Q& R A
1(2) R 1&E
1(3) ~Q∨R 2∨I
1(4)~~P∨~Q∨R 3∨I
1(5) ~P→~Q∨R 4含意の定義
(ⅳ)
1(1) P&~Q&~R A
1(2) P 1&E
1(3)~~P 2DN
1(4)~~P∨Q 3∨I
1(5)~~P∨Q∨R 4∨I
1(6) ~P→Q∨R 5∨I
(ⅴ)
1(1) ~P& Q& R A
1(2) R 1&E
1(3) ~Q∨R 2∨I
1(4)~~P∨~Q∨R 3∨I
1(5) ~P→~Q∨R 4含意の定義
(ⅵ)
1 (1) ~P& Q&~R A
2 (2) ~P→~Q∨ R A
1 (3) ~P 1&E
12 (4) ~Q∨ R 23MPP
5 (5) ~Q A
1 (6) Q 1&E
1 5 (7) ~Q&Q 56&I
5 (8)~(~P& Q&~R) 17RAA
9(9) R A
1 (ア) ~R 1&E
1 9(イ) R&~R 9ア&I
9(ウ)~(~P& Q&~R) 1イRAA
12 (エ)~(~P& Q&~R) 4589ウ∨E
12 (オ) (~P& Q&~R)&
~(~P& Q&~R) 1エ&I
1 (カ)~(~P→~Q∨ R) 2オRAA
(ⅶ)
1(1) ~P&~Q& R A
1(2) R 1&E
1(3) ~Q∨R 2∨I
1(4)~~P∨~Q∨R 3∨I
1(5) ~P→~Q∨R 4含意の定義
(ⅷ)
1(1) ~P&~Q&~R A
1(2) ~Q 1&E
1(3) ~Q∨R 2∨I
1(4)~~P∨~Q∨R 3∨I
1(5) ~P→~Q∨R 4含意の定義
従って、
(09)(10)により、
(11)
果たして、
① P& Q& R├ P→(~Q∨R)
② P& Q&~R├ P→(~Q∨R)
③ P&~Q& R├ P→(~Q∨R)
④ P&~Q&~R├ P→(~Q∨R)
⑤ ~P& Q& R├ P→(~Q∨R)
⑥ ~P& Q&~R├ ~(P→(~Q∨R))
⑦ ~P&~Q& R├ P→(~Q∨R)
⑧ ~P&~Q&~R├ P→(~Q∨R)
である。
然るに、
(12)
(ⅵ)
1 (1) ~P& Q&~R A
2 (2) ~P→~Q∨ R A
1 (3) ~P 1&E
12 (4) ~Q∨ R 23MPP
5 (5) ~Q A
1 (6) Q 1&E
1 5 (7) ~Q&Q 67&I
5 (8)~(~P& Q&~R) 17RAA
9(9) R A
1 (ア) ~R 1&E
1 9(イ) R&~R 9ア&I
9(ウ)~(~P& Q&~R) 1イRAA
12 (エ)~(~P& Q&~R) 4589ウ∨I
12 (オ) (~P& Q&~R)&
~(~P& Q&~R) 1エ&I
1 (カ)~(~P→~Q∨ R) 2オRAA
(〃)
1 (1)~(~P→~Q∨ R) A
1 (2)~( P∨~Q∨ R) 1含意の定義
3 (3) P A
3 (4) P∨~Q 3∨I
3 (5) P∨~Q∨ R 4∨I
13 (6)~( P∨~Q∨ R)&
( P∨~Q∨ R) 25&I
1 (7) ~P 56RAA
8 (8) ~Q A
8 (9) P∨~Q 8∨I
8 (ア) P∨~Q∨ R 9∨I
1 8 (イ)~( P∨~Q∨ R)&
( P∨~Q∨ R) 2ア&I
1 (ウ) ~~Q 8RAA
1 (エ) Q ウDN
オ(オ) R A
オ(カ) ~Q∨ R オ∨I
オ(キ) P∨~Q∨ R ∨I
1 オ(ク)~( P∨~Q∨ R)&
( P∨~Q∨ R) 2キ&I
1 (ケ) ~R オクRAA
1 (コ) ~P& Q 7エ&I
1 (サ) ~P& Q&~R ケコ&I
従って、
(12)により、
(13)
⑥ ~P&Q&~R ├ ~(~P→~Q∨R)
であるだけではなく、
⑥ ~P&Q&~R ┤├ ~(~P→~Q∨R)
である。
従って、
(11)(13)により、
(14)
① P& Q& R├ P→(~Q∨R)
② P& Q&~R├ P→(~Q∨R)
③ P&~Q& R├ P→(~Q∨R)
④ P&~Q&~R├ P→(~Q∨R)
⑤ ~P& Q& R├ P→(~Q∨R)
⑦ ~P&~Q& R├ P→(~Q∨R)
⑧ ~P&~Q&~R├ P→(~Q∨R)
である一方で、
⑥ ~P& Q&~R ┤├ ~(P→(~Q∨R))
であるため、
⑥ ~P→(~Q∨R)
といふ「論理式」、
⑥ Pでないならば、Qでないか、または、Rである。
といふ「命題」は、
⑥ 命題変数(P、Q、R)の「真偽」に関はらず、「恒に真」である。
といふことには、ならない。
従って、
(03)(14)により、
(15)
① PであってQであるならば、Qであるか、または、Rである。
⑥ Pでないならば、Qでないか、または、Rである。
に於いて、
① は、「恒真式(トートロジー)」であって、
⑥ は、「恒真式(トートロジー)」ではない。
(01)
たとえ名辞が三つに限られていても、ヴェン図形では処理できない推論がある。
たとえば、以下の推論を考えよう。
もしある論理学の問題がやさしければ、すべての受講者は単位がもらえる。
しかし、ある受講者は単位がもらえない。
∴ 論理学の問題はどれもやさしくない。
第一の前提では、特称肯定命題と全称肯定命題が「→」で結ばれている。
結合子については、われわれの推論の方法をすでに習得している。
結合子で結ばれた命題については、ヴェン図で処理できるだろう。
しかし、この二つ混ざった命題については、われわれはどう処理してよいのかまだわからないのである。
われわれは本格的な述語論理へすすまなければならない。
(昭和堂入門選書25、論理学基礎、1994年、114頁)
然るに、
(02)
「昭和堂入門選書25、論理学基礎」には、
もしある論理学の問題がやさしければ、すべての受講者は単位がもらえる。
しかし、ある受講者は単位がもらえない。
∴ 論理学の問題はどれもやさしくない。
に対する、「述語論理」よる「証明(解答)」が、示されてゐない。
加へて、
(03)
第一の前提では、特称肯定命題と全称肯定命題が「→」で結ばれている。
とすると、私には、「証明(解答)」が書けない。
従って、
(04)
もしある論理学の問題がやさしければ、すべての受講者は単位がもらえる。
といふ「第一の前提」に関しては、
特称肯定命題と全称肯定命題が「→」で結ばれている。
とはせずに、
全称肯定命題と全称肯定命題が「→」で結ばれている。
としたいものの、その場合、「証明(解答)」は、次(05)の通りとなる。
すなはち、
(05)
論理=論理学の問題である。
容易=易しい。
学生=受講者である。
単位=論理学の単位がもらえる。
であるとして、
1 (1) ∀x{論理x&容易x→∀y(学生y→単位yx)} A
2 (2) ∃y(学生y&~単位ya) A
1 (3) 論理a&容易a→∀y(学生y→単位ya) 1UE
4 (4) 学生b&~単位ba A
5(5) 論理a&容易a A
1 5(6) ∀y(学生y→単位ya) 35MPP
1 5(7) 学生b→単位ba 6UE
4 (8) 学生b 4&E
1 45(9) 単位ba 78MPP
1 45(ア) ~単位ba 4&E
1 45(イ) ~単位ba&単位ba 9ア&I
1 4 (ウ) ~(論理a&容易a) 5イRAA
1 4 (エ) ~論理a∨~容易a ウ、ド・モルガンの法則
1 4 (オ) 論理a→~容易a エ含意の定義
1 4 (カ) ∀x(論理x→~容易x) オUI
12 (キ) ∀x(論理x→~容易x) 24カEE
といふ風に、書くことが出来る(はずである?)。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
もし論理学の問題がやさしければ、すべての学生は単位がもらえる。
しかし、ある学生は単位がもらえない。
∴ 論理学の問題はどれもやさしくない。
といふ「推論」は、正しい(はずである?)。
(01)
他方、ヴェン図は、三段論法の枠にはまらない推論にも使える。
たとえば、次の推論を考えてみよう。
哲学者はみなエゴイストであるか嘘つきである。
すべての哲学者は嘘つきであるとは限らない。
∴ あるエゴイストは嘘つきではない。
(昭和堂入門選書25、論理学基礎、1994年、112頁)
然るに、
(02)
① 哲学者はみなエゴイストであるか嘘つきである。
② 嘘つきでない哲学者はエゴイストである。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
① すべての哲学者は嘘つきであるとは限らない。
② 嘘つきでない哲学者がゐる。
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① 哲学者はみなエゴイストであるか嘘つきである。
② すべての哲学者は嘘つきであるとは限らない。
といふことは、
① 嘘つきでない哲学者はエゴイストである。
② 嘘つきでない哲学者がゐる。
といふことに、「他ならない」。
然るに、
(05)
① 嘘つきでない哲学者はエゴイストである。
② 嘘つきでない哲学者がゐる。
といふことは、
③ 嘘つきでない哲学者がゐるが、嘘つきでない哲学者はエゴイストである。
といふことである。
然るに、
(06)
③ 嘘つきでない哲学者がゐるが、嘘つきでない哲学者はエゴイストである。
といふことは、
③ 嘘つきでない哲学者がゐて、その哲学者はエゴイストである。
といふことである。
然るに、
(07)
③ 嘘つきでない者がゐて、その者はエゴイストである。
といふのであれば、
② あるエゴイストは嘘つきではない。
といふ、ことになる。
従って、
(01)~(07)により、
(08)
「日本語」で考へる限り、たしかに、
哲学者はみなエゴイストであるか嘘つきである。
すべての哲学者は嘘つきであるとは限らない。
∴ あるエゴイストは嘘つきではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(09)
1 (1) ∀x(哲学者x→ エゴイストx∨嘘つきx) A
2 (2)~∀x(哲学者x→ 嘘つきx) A
1 (3) 哲学者a→ エゴイストa∨嘘つきa 1UE
2 (4)∃x~(哲学者x→ 嘘つきx) 2量化子の関係
5(5) ~(哲学者a→ 嘘つきa) A
5(6) ~(~哲学者a∨ 嘘つきa) 5含意の定義
5(7) 哲学者a&~嘘つきa 6ド・モルガンの法則
5(8) 哲学者a 7&E
5(9) ~嘘つきa 7&E
1 5(ア) エゴイストa∨嘘つきa 38MPP
1 5(イ) 嘘つきa∨エゴイストa ア交換法則
1 5(ウ) ~~嘘つきa∨エゴイストa イDN
1 5(エ) ~嘘つきa→エゴイストa ウ含意の定義
1 5(オ) エゴイストa 9エMPP
1 5(カ) エゴイストa&~嘘つきa 9オ&I
1 5(キ) ∃x(エゴイストx&~嘘つきx) カEI
12 (ク) ∃x(エゴイストx&~嘘つきx) 45キEE
従って、
(09)により、
(10)
(ⅰ) ∀x(哲学者x→ エゴイストx∨嘘つきx)。然るに、
(ⅱ)~∀x(哲学者x→ 嘘つきx)。 従って、
(ⅲ) ∃x(エゴイストx&~嘘つきx)。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて(xが哲学者であるならば、xはエゴイストであるか、または、xは嘘つきである)。然るに、
(ⅱ)すべてのxについて(xが哲学者であるならば、xは嘘つきである)といふわけではない。従って、
(ⅲ) あるxについて(xはエゴイストであるが、xは嘘つきではない)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(08)(09)(10)により、
(11)
哲学者はみなエゴイストであるか嘘つきである。
すべての哲学者は嘘つきであるとは限らない。
∴ あるエゴイストは嘘つきではない。
といふ「推論」は、「日本語」で考へても、「述語論理」で「計算」しても、「妥当」である。
然るに、
(12)
法律家、つまり弁護士とか裁判官とか検事などは、
自分たちが論理を得意とすると思っているようです。
(横浜の弁護士のブログ)
従って、
(11)(12)により、
(13)
「弁護士とか裁判官とか検事」などは、
原告はみなエゴイストであるか嘘つきである。
すべての原告は嘘つきであるとは限らない。
∴ あるエゴイストは嘘つきではない。
といふ「推論」に接した際に、「この推論は妥当」である。
といふことを、「直ちに判定」出来ることが「期待」される。
然るに、
(14)
でも、他分野の学問にそれなりに触れた人にとっては、
法律家が論理を理解しているようには思えないと思います。
むしろ、法律学というのは極めて非論理的なものという印象を抱くのではないでしょうか。
然るに、
(15)
短答式試験の試験科目は、民法、憲法、刑法の計3科目です。
論文式試験の試験科目は、憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、選択科目の系8科目です。
といふ風に、「司法試験の試験科目」に「論理学」は無い。
従って、
(13)(14)(15)により、
(16)
大変、「由々しきこと」ではあるものの、恐らくは、ある裁判官は、
原告はみなエゴイストであるか嘘つきである。
すべての原告は嘘つきであるとは限らない。
∴ あるエゴイストは嘘つきではない。
といふ「推論」に接した際に、「この推論は妥当」である。
といふことを、「直ちに判定」出来るとは、限らない(!?)。