とくおかレディースクリニック~ブログ~

日々、徒然なるままに、書き込んで参ります。
どうか宜しくお付き合い下さい。

4月のラボ便り

2024年04月16日 | ラボ便り
4月のラボ便り

皆様、こんにちは。

春の日差しが心地よく、過ごしやすい気候となってきましたが、
体調には気を付けてお過ごし下さい。

今回のラボ便りでは、
培養室内で使用している機器についてご説明させていただきます。

培養室では、
精子調整、体外受精や顕微授精、卵の培養や凍結・融解などを実施しております。

それらは多くの機器によって行われており、
全てにおいてとても重要な役割を担っています。
その中の一部をご紹介させて頂きます。

①生物顕微鏡
主に精子を観察、検査する際に用います。
マクラーカウンティングチャンバーという精液検査を行う為の専用の器具に精液を一滴乗せ、
生物顕微鏡で観察しながら精液検査を行います。

②倒立顕微鏡
主に卵の観察や顕微授精、アシステッドハッチングを行う際に用います。
生物顕微鏡よりも高倍率のレンズが付いており、より細かい部分まで観察することが可能です。
(例えば、生物顕微鏡では精子全体までしか観察出来ませんが、
倒立顕微鏡では、精子の頭部にある空胞まで観察が出来ます。)
倒立顕微鏡にはマイクロマニュピレーターと呼ばれる機械が付いており、
それにより顕微授精(卵子への精子注入)やアシステッドハッチング(孵化補助)などの微細な操作を行います。

③実体顕微鏡
主に胚移植や採卵時の検卵、凍結や融解を行う際に用います。
低倍率ですが立体的に観察することができるので、
観察をしながら卵の移動などの操作を行うことが出来ます。

④インキュベーター(培養器)
インキュベーターは卵を培養するための機械です。
インキュベーター内は、
常に温度・酸素濃度・二酸化炭素濃度が子宮内の環境と同じになるよう制御されています。
当院では加湿型とドライ型の2種類のインキュベーターを使用しており、
用途によって使い分けています。

⑤凍結タンク
凍結した卵子や精子、受精卵を保存しています。
凍結タンクの中は液体窒素で満たされており、 -196℃に保たれています。
液体窒素中で保存されている卵子や精子、受精卵は、質が悪くなることはなく、
半永久的に保存することが可能です。

⑥ クリーンベンチ
ゴミや埃、浮遊微生物などの混入を防ぐため、
一定の洗浄度レベルになるように管理された囲いのついた作業台です。
クリーンベンチの中で卵や精子を扱い、清潔に保つよう徹底しております。

皆様の大切な受精卵、卵子、精子を、心を込めて取り扱いさせて頂いております。
どうぞ安心してお通い下さいね。



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