「傾国のラヴァーズ」

ボディーガードの翔真は訳有の美青年社長・聖名(せな)の警護をすることに…(閲覧者様の性別不問) 更新情報はX🐦にて

◆小説「傾国のラヴァーズ」76・聖名との夜

2023-10-31 23:09:00 | 傾国のラヴァーズその61~70
 心臓がドクドクいっているのは自分でもわかったが、本当にどうしたものか…

 沈黙に耐えられず俺の方から、

「…聖名…」

「…うん…」

 聖名の方も かなり緊張しているようで、俺は逆に安心した。
 そして、

(プラトニックなタイプなのかな? )

なんて思った。

 すると、聖名が頬にキス…

 なぜ唇にしてくれないんだろう…なんてそんなことを少し思ったりして…
 すると、

「ごめん 緊張しちゃって…」
 そう言ってしがみついてきた。

(もしかして本当は聖名も男は初めてで困っているんだろうか…)

 そこから先は 何事もなく…でも緊張はしているし、それで疲れているしで眠れず…


 聖名も眠れはしないらしく、俺もその気配のため眠れなかった。

 それでも少しは眠ったようで、 次の朝目覚めるといつもより少し遅い時間だった。



■小説「傾国のラヴァーズ」75・聖名とドキドキ

2023-10-26 06:52:00 | 傾国のラヴァーズその61~70
 俺が着替え終わるとすぐに聖名は部屋に飛び込んできた。

 そして後ろから しがみついてきて 俺の肩に頬をのせた。

「本当に 翔馬のベッドに泊まって行っていい? 本当に何もしないから」

 はしゃぐ聖名に、 俺はありがたさを感じた
 俺はうまい言葉も出てきはしない

「あ…うん 泊まっていってよ」

 何しろ 俺はどうしていいのかわからないから。

 まあ 少しは聖名何かして欲しい気もしてきていたのだが。


 ベッドでは聖名を壁側に寝かせた。

 もう 聖名の方も緊張した表情で うつむいている

 俺もずっと心臓がドキドキしっぱなしだ

 でも聖名は無言…

 俺も無言…

 これは俺の方から 何かすべきなんだろうか。
 

 でも俺は普通の男女の恋愛 ドラマや映画みたいなものしか見たことがない。
 やっぱり男同士ってあんなこととかするんだろうか

 ただ聞いたことはあるが、男同士ってあんなこととかするんだろうか。

 いや何より好きと言ってきたのは 聖名だったのだが。

 そして、俺もそれを受け止めたのだが。



●小説「傾国のラヴァーズ」74・聖名からのキス

2023-10-18 21:58:00 | 傾国のラヴァーズその61~70
 俺が落ちるのも目前だったが、どうしてその時俺は他の人の存在を尋ねなかったのだろう。

 ドキドキしていた俺は、疑いもしなかったということなのだろう。

 聖名には芝居がかったところなんて微塵もなかった。

 俺を丸め込むための演技とは思えなかった。

「聖名…」

 俺が名前を呼んだことで 聖名の中の恐れは少しなくなったらしい。
その様子を見て俺はまたセナを抱きしめてしまった。

「あ、翔真…」
 聖名の声は嬉しそうだった。
 
 そして…聖名の顔が近づいてくると、俺は頬に柔らかいものを感じて びっくりした。


 聖名からのキス…

 
 俺は驚きのあまり、 聖名をまた優しく抱きしめることしかできなかった。

 2人で無言のまま しばらく 抱き合っていた。

 経験のない俺には、どうすることもできない。

 俺が密かに困っていると、聖名はそっと 俺から体を離し、照れながら元気に、

「翔真、 着替え手伝うよ」
と俺の手を引っ張ったがすぐに顔を赤らめて目をそらし、

「今夜は翔真の 部屋に泊まってもいい? 」

「えっ? ああ…ベッド も広いし…」

言ってから俺も顔が赤らむのを感じたが、聖名も慌てて 、

「いや それが目当てであのベッドを買ったわけではないよ」

恥ずかしくて 、俺は自分の部屋に飛び込んで聖名を追い出した。



★「傾国のラヴァーズ」73・すがりつく聖名

2023-10-17 22:52:00 | 傾国のラヴァーズその61~70
 そこで聖名は彼らしくもなくため息をつくと、

「…オレは、大好きな人と暮らすのが夢だった。こんなオレだから一生できないと思っていた。だからこうして翔真と暮らせて嬉しかった。翔真に名前で呼ばれて本当に嬉しかった。さっきから翔真って呼べて嬉しい 」
 
 聖名は笑みを作ろうとして失敗している。

「何でもいいから翔真、ここにいてほしい。今まで通りでいい。何もしなくていいから」
 
 何にもって…
「翔真…」
 そう言って、またすがりついてくる聖名が愛おしかった。

 俺が落ちるのも目前だった…が…


◆小説「傾国のラヴァーズ」72・聖名の叫び

2023-10-16 22:42:00 | 傾国のラヴァーズその71~80
 恋愛経験のない俺は、どぎまぎするばかりだった。
「聖名、俺のことを好きになってくれてありがとう。俺、納得して仕事をやめられる気がする」

 すると聖名は不満げな表情になり、

「何も終わってないだろ! 仕事も、オレとのことも! 綺麗事ばっかり並べて! 何だよ、勝手にオレの前に現れて、仕事上とはいっても、凄く優しくしてくれて…」