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ペーパースマハー

舞台 パラサイト

韓国映画「パラサイト 半地下の家族」を原作に、話の内容を日本に置換えた舞台を新宿の歌舞伎町で見た。

大ヒットした映画版をどうやって芝居として成立させるのか?
興味は尽きないところであったが、そんな難題も簡単にクリアしてしまった、演出及び脚色の素晴らしさが際立っていた舞台だった。

底辺社会で生きている家族。それを父親の古田新太、母親を江口のりこ、娘を伊藤沙莉。
成金にしか見えないセレブな夫婦を真木よう子と山内圭哉。その家政婦にキムラ緑子。
このミラクルとしか言いようのないクセ強な配役陣が、それぞれ地味に役にハマり過ぎていて、他に考えられないほど質の高い舞台空間を作り上げていたと思う。

また、主人公の宮沢氷魚が一人、場違いなくらいのキラキラ感を出していて救われる。
宮沢氷魚の醸す清潔感や少年性が、何処か重く成りがちな物語の雰囲気を、所々で薄めてくれる消臭剤的な存在となっていたのではないか?

しかし普通に考えて、古田新太と江口のりこの間に宮沢氷魚は生まれるか?
その辺の明暗、清濁の見せ方が唯一映画版との違いであろう。

映画をすでに見ていたモノとして改めて舞台の構成や展開を見ると、驚嘆の一言に尽きる。
何処を使ってどの場面を必要としないのか?
ここではぐうの音も出ないほどの、大胆な解釈が行われていた。

話の中で重要な鍵を握っていた、伊藤沙莉が絵の手ほどきをする少年の使い方、そして後半に出てくる原作には無かった事。
それらの味付けが元を知っていてもいなくても、何ら遜色のない舞台版「パラサイト」となっていたのには、本当に貶しようのないくらい上手く出来ていると思った。

韓国から神戸とした事は、果たして如何だったのか。
映画では珍奇にも映った物語が、舞台では新喜劇のようなエッセンスが満載で、想像を超えていた。
久々に芝居を見て大笑いをした。
余は満足じゃ。
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