四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その133)

2024年05月22日 05時53分58秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その133) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「薔薇 デンティベス」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が沢山
  ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。返歌は源氏
  物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や
  自然・地名からヒントをもらい詠みます。今週は源氏物語巻名歌から
  2首、紫式部集より1首の計3首提出します。
註)源氏物語巻名歌・18常夏(とこなつ)
  歌の背景
  光源氏三十六歳。夕顔の面影がある玉鬘への思いがつのる源氏は、
  玉鬘の父である内大臣に、夕顔の遺児である玉鬘を対面させることを
  検討する。
〇撫子の とこなつかしき 色を見ば もとの垣根を 人や尋ねむ    光源氏
〇山賤(やまがつ)の垣ほに生ひし撫子の もとの根ざしを誰れか尋ねむ 玉鬘
(返歌)
☆撫子に 光源氏の 誠実は 隠しきれない 妄想が出て
☆謙遜は 若々しくて 優しくも ひとしお募る 苦しい思い
註)紫式部集・18
〇あひみむと思ふ心は松浦(まつら)なる 鏡の神や空に見るらむ   
(返歌)
☆肥前国 遠く離れた 松浦は 広がる海辺 美しき景色
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 一首目、「撫子」は別に「常夏」の異名を持ちますが、これは撫子が
 秋の七草にも数えられるように、夏を越え秋にかけて花を咲かせる
 ことに由来しています。この歌は「撫子はいつ見ても心ひかれる色ー
 美しいあなたにお会いになったら、その人(内大臣)はきっと母上の
 行方をお尋ねになるでしょう」と意訳できます。
 ここで撫子は「玉鬘」を指し、源氏はこの女性を養女としていましたが、
 玉鬘にぞっこんでよからぬ心を起こしていることが、歌にも滲んでいます。
 したがって、作者の返歌は「妄想が出て」との光源氏の思惑を指摘し、
 的確な返歌となっていると考えます。
 三首目の歌、「あなたに逢いたいと思う私(紫式部)の心は、あなたが
 住む肥前の松浦の鏡の神が空から見てくださっていることでしょう」と
 意訳できます。作者の返歌は松浦の雄大の景色を讃えて、友の住む
 海辺の景色を思い浮かべる良い歌と感じます。
 なお一歩進めて「あなたに今でも会いたいと鏡の神に届けたい」との
 想いを込めて返歌してみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★松浦なる鏡の神に伝えたし あいみむ思い今も秘めると

【詞書】スポーツの世界の光と影を、三首詠みました。
☆華やぎし日は過ぎされど 葉桜の ひかり駆け抜く引退ランナー
☆熱狂の四万人へ勝どきの 拳突き上げポクサー立てり
☆快音を響かせ投手打たれけり 五月の土に膝崩折れて
                         みっちっちさん
【解説】
 詞書にありましたように、スポーツの世界にある「光と影」を詩情を
 湛えつつ印象深く詠んで頂きました。
 二首目は、2024年5月6日に東京ドームで行われた井上尚弥とルイス・
 ネリのプロボクシング4団体統一世界スーパーバンタム級タイトル
 マッチの試合を詠ったものと推察します。この試合結果は、6回
 1分22秒で井上尚弥のTKO勝利となりました。このとき、井上尚弥は
 拳をき上げ、熱狂する四万人の観客とともに勝どきを挙げましたね。
 まさに、その瞬間を詠った歌は臨場感とともに熱狂を熱く表現して
 います。ちなみに、井上尚弥はこの試合で日本人初となる4団体統一
 王者として防衛に成功しました。
 三首目の歌、投手と打者の一騎打ちの結果、ホームランを打たれた
 投手がピッチャーマウンドの土に膝を落とす光景が詠まれています。
 まさに「光と影」、選手にとっての「天国と地獄」が同時に展開
 されるスポーツの醍醐味であり、厳しさでもありますね。このような
 テーマにも表現力を磨くため、私達も挑戦していきたいものです。

【詞書】6月の始めに孫と遊園地を約束したことを詠ませて頂きました。
☆迎え梅雨 孫と約束遊園地 おてんと様に快晴祈願
【詞書】子供の日を過ぎても鯉のぼりが飾られていることを詠ませて
  頂きました。
☆男の子婚期が遅れないものか 5月10日に見る鯉のぼり
【詞書】富雄丸山古墳について詠ませて頂きました。
☆鏡に剣 国宝級の出土品 富雄古墳の被葬者誰ぞ
                         西BOOさん 
【解説】
 一首目の歌は季節の移り変わりと、人間の深い想いを巧みに結びつけて
 おり、強い共感を誘います。
 上の句の「孫と約束遊園地」のフレーズには、孫との絆、孫への愛情、
 さらに孫とともに過ごす楽しい時間への期待感が込められています。
 下の句の「おてんと様に快晴祈願」は、天候に対する願いを表現し、
 迎え梅雨にもかかわらず、遊園地での約束を果たすために晴天を祈る、
 その一心から、孫へのさらなる愛情が感じられる歌となっています。
 三首目、古代史へのロマンをかき立てられる出土品ですが、作者の
 研究に繋がる分野でもありますね。解析の経緯を興味をもって見守り
 たいと思います。

     「ジャーマンアイリス」

【詞書】木陰に露草が咲き始めました。いっぱい蕾をつけて咲き
  続けますが、一日花の儚さを詠みました。
☆露草は一夜さごとの夢を見て すぼめば色もうたかたのごと  
【詞書】知らない街を歩いてみるのも 思わぬ発見があります。
☆この場所は地図にない里のんびりと 五月の風に吹かれて歩く
【詞書】琵琶湖に遊んだとき、水鳥が二羽仲良く並んで行く様子、
  水脈の美しさを詠みました。
☆頬に受く風も和みて鳰の海 番の水鳥 水脈長く引く
                         夕庵さん
【解説】
 一首目の歌は、露草が一晩ごとに夢を見ているという、自然の
 生命力と神秘性を表現し、夢から覚めるとき、あの瑠璃色の花は
 既に萎れているという様を詠んでいます。ひと日花の儚さへの
 哀歓を込めた味わい深い歌と感じます。
 なお、「一夜さごとの」における「さ」は、いくつかの解釈が
 ありますが、ここでは「さへ(さえ)」の詰まったものと解釈
 し「一晩ごとに」の意味としました。
 二首目の歌、現在、人気の観光地はいずれもインバウンドの
 オーバーツーリズムが種々問題となっていますが、誰にも知られ
 てない街のたたずまいに思わぬ発見があります…。そんな様子を
 詩情をこめて詠って頂きました。「五月の風に吹かれて歩く」の
 下の句の軽やかさがいいですね。

【詞書】夕庵さんの「ピリピリ痛む舌先の~」に触発されて詠み
  ました。 
☆手術後の たいへんだったね 返答は 極楽でした 孫に世話され
                         時の関守さん
【解説】 
 手術後、入院が続く中、お孫さんに諸々お世話になり、その交流を
 通して感じられ、見直した諸々の事。それらを「極楽でした」と
 詠えることは、お孫さんの看護がいかに心の籠ったものだったかを
 物語っていますね。
 そのような家族に囲まれている幸せが、しみじみと感じられる歌に
 なっています。また、私達の世代の多くの方の共感を呼ぶ歌でも
 あると感じます。

【詞書】YouTube短歌:マイ ネーム ビューディフル・ネームを
  聴いて
☆私はXXXX-YYYY-ZZZZ(ナンバー)ではありません
  伯母が付けてくれました
         すてきな名
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 マイナンバーカードを初めて使ったのは、2016年、
 ネットで購入した商品を、郵便局不在郵便窓口で受け取った時。
 身分の証明を求められ、見せると、郵便局員も見たことがなく、
 「これは何ですか?」と聞かれたので、「これは、ここの2階で、
 貴方方が交付に大変尽力されたカードですよ」と言うと、感慨深く
 見ておりました。
 その後、ネット認証にトライし、挫折し、引っ越しの際の住民登録に
 利用しました。その後は、あまり利用していません。
 どんな頑丈なシステムも破られ無い事は無いと思っており、最近、
 偽造詐欺事件も発生しましたので。ナンバーで、自分自身の証明
 される事に違和感を感じていました。その方が便利だとは分かって
 おりますけど。
 大した名前ではないが、祖父、父、伯母が、こう言う人に育って
 欲しいと願って付けたそうです。その後、その期待は裏切って
 生きてきたと思っています。
 ゴダイゴのビューディフル・ネームは、1979年の『国際児童年』
 協賛歌として、NHKで放送していました。
 下記URLに、曲を貼付しておりますので、お聴き戴ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/6d0b3303d86f80a33616a9a8a5546a89
                         自閑さん
【解説】
 ご紹介頂いたゴダイゴの「ビューディフル・ネーム」のYouTubeを
 改めて視聴させて頂きました。その中で次の歌詞が響いてきました。
   ♪名前、それは燃える生命
    一つの地球に一人ずつ ひとつ
    どの子にも一つの生命が光っている
 それぞれの名前は「燃える生命」象徴であり、唯一無二の存在なのだと
 高らかに歌っていると感じました。
 詠まれた歌は、個人のアイデンティティと名前の由来についての深い
 想いを表現していると感じます。ナンバーとしての識別ではなく、
 愛情を込めて伯母様が付けた「すてきな名」を大切にする心情が
 伝わってきます。自由律の形式を取り入れることで、伝統的な短歌の
 枠を超えた自由な表現が可能になり、歌の主題に新たな意味を付け
 加えることを可能としています。
 また、この歌は名前が単なるラベルではなく、家族の歴史を踏まえた
 人間関係や愛情の象徴であることを思い出させます。伯母様から
 与えられた名前には、家族の絆や歴史が込められており、それを
 大切にすることで、自分自身を尊重し、肯定することができるのだ
 とのメッセージが澄明に響いてきます。
 この歌は、作者が決してご家族の「期待は裏切って」いないことを
 証明しています。

     「アマリリス」

【詞書】5月15日未明にネットのニュースで見ました。“浪速の
  モーツァルト”ことキダ・タローさんが亡くなられました。
  数多くのCMソングやテレビ番組のテーマ曲(聞く機会はほぼ
  無いんですが、市歌や町歌、校歌も多いらしいです。四条畷市歌は、
  昔「探偵!ナイトスクープ」で「今度作りますねん」みたいに
  言われたので知ってましたが。…その際“探偵”のタレントたちに
  めちゃめちゃイジられてました…w)最近ではももいろクローバーZ
  にも曲書かれたとか…。関西テレビの「ちゃちゃいれマンデー」
  (火曜の放送ですが)で、よく「関西人なら知ってて当然!」な“知識”
  として♪有馬兵衛の向陽閣へ♪や♪と~れとれぴ~ちぴちかに
  料理♪とかがよくネタ的に使われてました。子供の頃から耳に
  馴染んだメロディの数々はきっとこの先も何かの拍子に口ずさむ
  でしょう。悲しいと言うより寂しいという気がします。
  キダ先生、お疲れさまでした。楽しいメロディ有難うございました。
  ご冥福をお祈りします。
  PS.いまだにスーパーで「出前一丁」を買おうする時は
    ♪あ~らよっ♪って言うてまうんですよね…。
☆数々の心楽しきメロディを
        遺し“浪速のモーツァルト”逝く
【詞書】20日、カンヌ国際映画祭(フランス)で、スタジオジブリに
  「長年の映画界への貢献を讃える」と「名誉パルムドール」が授与
  され、宮崎駿監督の息子さんの吾朗氏が出席して、トロフィーを
  受け取られました。1984年の「風の谷のナウシカ」以降、発表された
  数々の(「ナウシカ」の頃は“スタジオジブリ”ではありません
  でしたが)ジブリ作品は日本のみならず海外にも多くのファンを
  得て、長く愛されるものもたくさんあります。授与は、子供の頃から
  宮崎駿氏や高畑勲氏の作品に親しんだ私達日本のファンにも、
  とても喜ばしいことです。「団体」では初とのこと。過去作品に、
  近年の作品に関わられた全てのスタジオジブリの関係者の皆様、
  本当におめでとうございます!!
☆日本から世界へ熱風(ジブリ)吹き抜けて
           “名誉パルムドール”に輝く
【詞書】大きい物の洗濯や植木、庭の手入れは本格的な梅雨入りの
  前にやらんとなあ…ということです。梅雨もないといけないん
  ですが、あまり激しい雨が続いたりするのは…。「線状降水帯」の
  名前が一般的にテレビとかで言われる前の2012年お盆頃に降り
  続いた大雨でバイト先がえらいことになりましたから、大雨も
  続くのはかなわんよなあ…、今年はあまり酷い大雨の被害が
  なかったらいいなあ…と思いもしたりします。
☆なるべくは“晴れ”を有効利用せな
          沖縄・奄美は梅雨入りだそうな
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回も、「浪速のモーツァルト」「名誉パルムドール」「梅雨入り」
 等、今日的テーマを深堀りし、興味深く詠んで頂きました。
 一首目、キダ・タローさんの「浪花のモーツァルト」との愛称は
 『探偵!ナイトスクープ』で共演していた桂ざこばさんが命名したと
 言われていますね。詠われているように彼は「心楽しきメロディ」を
 遺し多くの人々に慕われ、日本のポップカルチャーにおいて重要な
 役割を果たした作曲家であったと考えます。なお、関西地方を中心に
 活動し、地元の文化振興にも貢献していたことで知られています。
 改めて、心からご冥福をお祈りします。
 二首目、現在ここ横須賀美術館でも「鈴木敏夫とジブリ展」が6月18日
 まで開催されていますが、詠われているように「世界へ熱風(ジブリ)
 吹き抜けて」いますね。海外の方の姿も見られ、ジブリへの熱風が
 感じられます。改めて、スタジオジブリ関係者の皆様の長い歳月に
 わたる映画界、さらには文化への貢献を讃えたいと思います。
 三首目、詠われているように沖縄・奄美は梅雨入りしましたが、
 今年の梅雨が「線状降水帯」を伴わないよう祈るばかりですね。
 世界的に異常気象が出現していますが、地球温暖化対策を遠回りでも
 真面目に取組んでいかねばと考えます。

☆夏日からいきなり冬日となる皐月 さらに極まる異常気象は
                         ポエット・M
【解説】
 今年の5月、17日には赤井川、阿寒湖畔、旭川の一部地域で積雪が
 観測され、一方石川県加賀市・加賀中津原で33.8℃、福島県伊達市
 梁川で33.7℃と、真冬日と、真夏日が同一月に観測されるという
 気温の乱高下が発生しました。
 異常気象が当たり前となって久しいのですが、気象のあまりの変化に
 身体がついていけない事態となっています。
 ウクライナ、さらにガザの惨状に注視しつつ、停戦に向けて英知を
 傾けるとともに、地球温暖化という事態の対策にも世界の英知を
 結集することが今求められていると考えます。そんな想いを込めて
 現下の異常気象の実態を詠ってみました。詩情には欠けますが…。


     「ハマナス 白色」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(40)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
21.「短歌の章」 永平寺(1)

   永平寺七百年をへだてる
           道元の遺偈一山を圧す
            
   七堂伽藍寂莫のうちに暮れ行きて
           永平寺いま老杉に没す

   修行僧のひとみに会へばすがやかに
              かかるとき世にかかる人あり
 
【短歌入門・質問・紹介・提案コーナ ー】
 チョウキチさんからのコメントです。
   声はせで 身をのみ焦がす 蛍こそ 
           言ふよりまさる 思ひなるらめ 玉鬘
 自身のことを詠んだのだとするとかなり強烈ですね。一般論を
 述べたのなら、ちょっと興ざめかもしれません。
 解説有難うございました。

 ポエット・Mの返答
 「水曜サロン」へコメント頂きありがとうございます。
 源氏物語に描かれた平安時代の女性たちは皆、自らの想いを巧みに
 表現していて驚かされます。もっとも紫式部によるフィクション
 ですが、歌とストーリーが一体となって、それぞれの方のより深い
 想いも表現されていますね。
 このような物語が現代に著わされたら、面白いですね。


【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字以内にまとめて
    頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その133)ネット歌会

2024年05月22日 05時32分34秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その133)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「ジャーマンアイリス」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆迎え梅雨 孫と約束遊園地 おてんと様に快晴祈願
                         西BOOさん
★幼き日の記憶は長く残るもの いざ遊べやと幼に還り
                         夕庵さん
★年いくと去年のことが昨日のごと アインシュタインのいたずらか
                         西BOOさん

☆男の子婚期が遅れないものか 5月10日に見る鯉のぼり
                         西BOOさん
★男女とも結婚願望薄くなり 日本の人口減りゆくばかり
                         夕庵さん
★子育ての国の支援は乏しくて 老後の不安を煽るばかり
                         西BOOさん
★子育ても老後のことも不透明 国の力の試されるとき  
                         夕庵さん
★人口は減少している訳であり 何故に議員の数が減らぬか
                         西BOOさん

☆この場所は地図にない里 のんびりと五月の風に吹かれて歩く
                         夕庵さん
★その里は長寿村とぞ呼ぶ人も のんびりと時流れゆきけり
                         みっちっちさん
★行く野辺にコガネソウ咲き 黄金(おうごん)に色づく頃は長者の村に
                         夕庵さん
★葉桜の野辺より深き山ゆけば ガラシャ夫人の隠棲の地へ
                         みっちっちさん
★哀しみの胸に十字を切る人の 祈りの言葉は低く流れて 
                         夕庵さん
★細川の家紋の桔梗 風に揺れ 天につながる青よ哀しき
                         みっちっちさん
★わが紋は浮線桐とう女紋 娘・女孫(まご)へと引き継がれゆく
                         夕庵さん
★娘へと引き継ぎたきは お雛様 狭きマンション要らぬと言はれ
                         みっちっちさん
★ドアひとつひとりの時間を楽しみぬ娘(こ)のマンションにしばらく過ごす
                         夕庵さん
★高層の娘(こ)のマンションの景観を ひと日眺むる五月の休暇
                         みっちっちさん
★毎日が休暇といえど諸々のすることありて 家事限りなし
                         夕庵さん

☆快音を響かせ投手打たれたり 5月の土に膝崩折れて
                         みっちっちさん
★ホームイン スタンドのわれにVサイン その子早くもパパになりたり
                         夕庵さん
★卓球戦 友の笑顔のVサイン 我も続くぞ団体優勝
                         みっちっちさん
★楽しみの団体旅行も近頃は 途中下車のふらり旅へと
                         夕庵さん
★宇治川の流れは速く バス窓に 夢の浮橋 想ひは深く
                         みっちっちさん
★翻弄の浮舟あわれ 宇治川に 身を投ずるも出家する道 
                         夕庵さん
★浮舟の苦悩哀しき物語 恋の結末宇治に偲ばむ
                         みっちっちさん
★今の世は恋のさや当て人殺め 恋することも難しくあり
                         夕庵さん
★いにしへの恋の話は塁々と 人の本質 芸術となり
                         みっちっちさん
★恋という定義もすでに崩れ去り 性を超えるも恋は恋かと 
                         夕庵さん
★恋といふ定義はいかに 初恋の君の笑顔を思ひ浮かばむ
                         みっちっちさん
★いかな人も笑顔こそよしその一瞬 きらりと光る歯の美しさ
                         夕庵さん

☆白藤は風さそうかに揺れいるも かすめて舞うは白鷺一羽
                         ポエット・M
★桜枯れ次に山藤現るる 山を覆う紫色(ししょく)の花房
                         西BOOさん
★里山を濃い紫に染めいるは コロナ越えたる山藤の群れ
                         ポエット・M

☆白藤は 風さそうかに揺れいるも かすめて舞うは白鷺一羽 
                         ポエット・M
★藤房は密かに揺れて風を呼ぶ きみに靡ける心地にも似て
                         夕庵さん
★揺れいるも心許さぬ君ゆえに 想い届けと藤を見上げる
                         ポエット・M
★山藤は大樹にまつわりからみつき 恋情果たして花を咲かせむ
                         夕庵さん
★恋情を 果たして咲くや山藤の 香り仄かに 森に漂い 
                         ポエット・M
★白百合の香りほのかに漂うを あなたに贈らむ花束にして
                         夕庵さん
★ほのかにも香り漂う白百合に 無垢なる君のこころねを知る
                         ポエット・M
★つぶら瞳の無垢なる犬の涙目に つられ切なし訳もないのに
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「薔薇 ファニーフェイス」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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「団地総会」議長を

2024年05月20日 11時22分26秒 | ボランティア

 かつて、このブログで、私の住む団地の3年にわたる大型修繕も竣工し「大型修繕計画・実行委員会」とい諮問機関の責任者を解放された旨を記させて頂きました。
 長い歳月にわたって大型修繕に備えて積み立ててきた「修繕積立金」の大半を使って挑む、外壁剥離・塗装をはじめ、二重サッシへの全面取り換え等を含む、団地始まって以来の大工事でしたが、予定通りの日程と予算内で完了したことを合わせて報告させて頂きました。

     「薔薇 プリンセスサヤコ」

 これらの業務報告と、決算報告、さらに今後の事業計画と予算報告を審議する団地総会が管理組合主催で昨日開催されました。
自治会での役員の関連もあり、この総会の議長を務めさせて頂きました。
 オリンピック後、さらに円安が続き、資材、人件費のかなりの高騰の中で、当初の契約金額を吊り上げることなく、当初予算を守ってくれた工事会社の誠実な対応もあり、総会はそれほどの紛糾もなく終えることができました。この裏には工事会社との誠実かつ、激しい折衝もあった旨漏れ伺っています。

     「咲き競う 芍薬」

何よりも人身事故もなく工事が住民の皆さんの要望や、提案に寄り添いつつ粘り強く実施された事実への共感があったことが、改めて浮き彫りになりました。個人賠償保険等の締結についての厳しい議論はあったものの、大筋は工事の推進を担った管理組合の取り組みへの、賛同と感謝の意見が多く占められていました。

 昨年度の総会の紛糾状況を目の当たりにしていましたので、かなりの覚悟をもって議長の役割に臨みましたが、時間の若干の延長はあったたものの、何とか想定した時間内に完了しました。また、提案された議事も決算報告、予算計画も含めて全て賛成多数で可決され、議長の役割を終えることができました。今回の議事は出席者の過半数の賛成で採決可能でしたが、委任状を含めて何れも75%超の賛成で可決できました。

     「ジャーマンアイリス 白色」

 大工事を担った管理組合の理事の皆さんをはじめ、出席者の当事者意識と、建設的な意見等々への感謝を込めて挨拶させて頂き議長団を解きました。
 昼食を兼ねたささやかな慰労会が、管理組合主催で行われました。この席で、自主管理を継続して来た管理組合の理事の皆さんの御苦労とご尽力の跡を改めて伺うことができました。ボランティアの域をはるかに越える各位の働きに頭の下がる思いでした。

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その132)

2024年05月15日 06時49分30秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その132) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「薔薇 プリンセスアイコ」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が沢山
  ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。返歌は源氏物語
  の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や自然・
  地名からヒントをもらい詠みます。今週は源氏物語巻名歌から2首、
  紫式部集より1首の計3首提出しますのでご指導よろしくお願いします。
註)源氏物語巻名歌・17蛍(ほたる)
  歌の背景
  光源氏三十六歳。光源氏の態度に思い乱れている玉鬘には、前から文を
  通わせてきている方が何人かいる。その一人の兵部卿宮が尋ねてきた時に、
  源氏は部屋に蛍を放ち、そのわずかな光のもと、玉鬘の気配を感じる
  兵部卿宮は思いを詠む。
〇鳴く声も 聞こえぬ虫の 思ひだに 人の消つには 消ゆるものかは 兵部卿宮
〇声はせで 身をのみ焦がす 蛍こそ 言ふよりまさる 思ひなるらめ 玉鬘
(返歌)
☆闇の中 浮かび上がる 玉鬘 美しさこそ 虜になるも
☆玉鬘 切り返す気持ち 冷たくて 心中の思い はるか切実
註)紫式部集・17
〇難波潟(なにわがた)むれたる鳥のもろともに 立ち居るものと思はましかば
(返歌)
☆難波潟 見渡す景色 雄大で 鶴の編隊 淡路の島に
                         浅間山明鏡止水さん 
【解説】
 一首目、兵部卿宮の歌は、
 「鳴く声も聞こえぬ虫、その虫の灯す火、そのわずかなはかない思いすら、
 人が消すのに任せて儚く消えるものだろうか、そんなはずはない。あなたの
 ことをこんなに思っております私の心をお察しなすって下さいますか」と、
 詠っていますね。それに対して、玉鬘は
 「声を立てることもない、そのかわり身ばかりを炎として燃え
  立たせて焦がす虫こそ、言葉で言うよりはまさっている思いの
  ほどでございましょうよ」
 と、返歌しています。
 したがって、作者の詠まれた二首の返歌は、それぞれの想いを俯瞰し、
 受止めた適切な歌と感じます。
 二首目の玉鬘への返歌を、少し変化球を交えて詠んでみましたが・・・。
【ご参考】
 ★身を焦がし闇を照らせるほうたるは 君へ一途な魂(たま)を秘めもつ
 三首目の、紫式部集の歌は、「難波潟に群れている鳥たちのように、いつも
 一緒にすごせるものだと思えればよかったのに」と意訳できます。
 仲良く遊ぶ鳥たちの群れを見て、仲良しの友と離れてうらやましくなって
 詠んだ歌と解釈できます。作者の返歌は友への想いから離れて、難波潟を
 行く鶴の編隊の雄大の景色を読んでいます。このような返歌もまたありと
 考えます。

【詞書】春の京都を詠ませて頂きました。
☆斎王代 葵祭の御禊(みそぎ)の儀 五年ぶりに下鴨神社で
【詞書】国旗について詠ませて頂きました。
☆亡き父が購入しつつも掲げない 国旗を我もじっと眺むる
【詞書】自分のゴールデンウィークを詠ませて頂きました。
☆連休はウィキペディ編集ばかりにて 総編集が1100迫る
よろしくお願い致します。
                         西BOOさん
【解説】
 今回は、「御禊の儀」「国旗」「ウィキペディ編集」についてそれぞれ、
 季節感を織り込み味わい深く詠って頂きました。
 一首目、京都三大祭りの一つ「葵祭」の開かれるのを前に、ヒロインの
 斎王代が身を清める「御禊の儀」が、京都市左京区の下鴨神社で行われ
 ました。コロナ禍を経て待ちに待った多くの方の想いが「五年ぶりに」の
 句に凝縮し表現されています。なお、上賀茂神社と下鴨神社の例祭で、
 御禊の儀は1年交代で催されていますね。
 二首目は、祭日が続く今年のゴールデンウィークに、御父上が購入された
 国旗を揚げないで眺める作者の想いが、淡々と表現されています。最近は
 祭日にも国旗を掲揚しない家庭が大半ですが、それぞれの方の想いもあり、
 世の趨勢との感もあります。
 三首目は、前週に続いての「ウィキペディ編集」ですが作者のような方の
 ご尽力により「ウィキペディ」の正確性が保たれていると改めて感謝
 したいと思います。生成AIと言えども、これらの正確なデータの積み
 重ねがない限り、その正確性は担保されないと考えます。
 1,100件に迫る編集には、その使命感も含めて頭が下がります。


     「薔薇 桜かすみ」

【詞書】爽やかな立夏、新緑の季節になりました。三首を出詠いたします。
☆新緑のなか幼子の手の平に 生命線のまつすぐに伸ぶ
☆ルビー色なるラディッシュを ぱりぱりと噛む音さやか夏立つ朝(あした)
☆新緑の蕎麦処あり 大盛りの蕎麦を啜りて夏めく小風
                         みっちっちさん
【解説】
 正に新緑の季節にふさわしい爽やかな歌三首。味わいながら楽しく鑑賞
 させて頂きました。
 一首目の歌は、自然の中での新しい生命の始まりと成長を美しく表現
 しています。「新緑のなか」は、春の息吹と新しい命の象徴ですし
 「生命線のまっすぐに伸ぶ」は、その子の未来が明るく、運命的にも
 恵まれた道を歩んで行けることを暗示する表現となっています。
 また、この歌は、命の奇跡と、それが持つ無限の可能性を称賛し、
 簡潔ながらも希望に繋がるイメージを呼び起こす力を持っています。
 二首目の「ぱりぱりと噛む」の表現が新鮮で、「夏立つ朝」と響き
 あいハーモニーをなしています。

【詞書】原因のわからない舌先の痛みに受診したときのことです。
  何事もなかったことへの安心から、少し自虐的に詠んでみました。
☆ピリピリと痛む舌先これからは 世辞は言うまい嘘もつくまい
☆若き女医 舌をつかんで裏返し 「心配無用と」素っ気なきこと
☆いつも聞く「加齢ですね」という医師の意外に短い指を見ており
                         夕庵さん
【解説】
 一首目の歌は、直截な感覚と率直な感情が印象的に詠まれています。
 舌先がピリピリと痛むという具体的な感覚は、言葉による痛みや後悔
 をも暗示しているかのようです。「世辞は言うまい嘘もつくまい」と
 いう決意は、誠実さと正直さの大切さを改めて強調されています。
 また、この歌は、言葉の力とそれに伴う責任を深く理解されている
 作者ならではのものと感じられます。
 三首目の歌は、私達世代が体調の不調を医師に訴えた際に、少なからず
 直面する違和感のある場面を鋭く切り取っています。「短い指を」の
 句に冴えた観察眼も滲み、アイロニーも込めて詠った優れた詠歌と
 感じます。

【詞書】YouTube短歌:絶滅の道
☆ワタシハドウシタラ生キノコレマスカ?
  答の無い問を
               くりかえしくりかえし
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 ふと、パリは燃えているかを聴き直して、我々人類は、アノマロカリス
 (古生代)、三葉虫(古生代)、アンモナイト(古生代中生代)の様に、
 大繁栄の後、絶滅に向かっているのでは?と思いました。
 どうしたら?と言っても、人の欲望の先にある結論しか無いだろうと。
 パリは燃えているかの、連作になってしまいましたが。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/6312092d7258535fe3be7dd2c47e3018
                         自閑さん
【解説】
 決然とした力強い曲調の底に深い悲しみさえ感じる曲「パリは燃えているか」。
 その曲が静かに問いかけてくる、「愚かだけれども素晴らしい」という、
 人類のもつ二面性を端的に表現した作曲者の加古隆の想いに対して、自らの
 生きる意味や目的を重ねた、作者の深い思索の跡がこの歌には表現されて
 います。
 繰り返される「答の無い問い」は、人生の不確かさや永遠の探求を象徴
 しており、私達にも「欲望の抑制」を含めた自己反省を促す力を持って
 いると考えます。
 なお、「生キノコレマスカ?」という表現は、自然の一部としての人間の
 存在や、生命のサイクルに対する希望的な問いかけとも取れます。
 全体として、この歌は哲学的な問いをもちながらも、その繊細な想いも
 伝わってくる優れた自由律の詠歌です。
 また、作者に「パリは燃えているか」の曲をここまで深く味わい詠って
 頂き、作曲者 加古隆は感動するものと感じます。


     「ジャーマンアイリス」

【詞書】5/10に「太陽フレア」の大発生で人工衛星やGPSに影響が出るとか
  いう話で…。緯度の低い地域でも見られていました。真っ赤なオーロラの
  空は昔は「赤気」と呼ばれて恐れられたそうです。奈良とか飛鳥時代あたり
  に見た人達はさぞ「凶兆だ!」とか思った事でしょうね。日本各地のSNSや
  海外の映像でまず見られない地域に住む人も見られるのは有難いです。
☆オーロラを昔の人は恐れてた
      現在(いま)人々は喜びて見ゆ
【詞書】いや…、大丈夫とは思うんですが…。
  今回の各地の低緯度オーロラは、ISSからはどう見えたかな~?って思い
  ました。たまに、ISSから見える地球の映像や画像を見ますが、前に
  オーロラの映像を見たので、今回どうやったんやろうな…。いっぺん
  調べたけど映像とか無かったんですよね。そろそろ上がってない
  かなあ…。もっぺん見てみます…。
☆ISS空横切るを見送りて
    “フレア”の影響小さきを祈る
【詞書】5月12日の東京第2レース、ウェットシーズン(“梅雨”?!)に
  騎乗の武豊騎手はJRA通算4500勝に到達しました。👏20名ぐらいの
  騎手仲間の祝福を受け、インタビューでこの現役レジェンドは、
  「次の一勝が目標です」と語ったそうです。幾度かの大怪我も乗り
  越えて30数年のキャリアを数えて前人未到の記録を実現した
  武豊騎手に惜しみない拍手を贈りたいです!5000勝とかいう話も
  出てますが、まずはお元気でいい騎乗をしてください。と思います。
  (武さんは12日の東京メイン11RのG1ヴィクトリアマイルは、先日
  亡くなった藤岡康太騎手が去年G1マイルチャンピオンシップで
  勝ったナミュールという馬に騎乗しましたが、残念ながら8着に
  終わりました。ただ、1着の馬が15頭中14番人気だったので三連単は
  90万超え、五つのレースの1着馬を当てるWIN5は4億4千万超でした。
  …でも史上4位の額とか…ひええ!)
☆武騎手は4500の勝ち星を
     重ねて次の一勝に挑む
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回も「太陽フレア」「ISS」「武豊騎手」と、今日的なホットな
 テーマを詠んで頂き、興味深く鑑賞させて頂きました。
 一首目、約11年周期の爆発「太陽フレア」は、磁気を帯びた風が地球に
 届き、磁場が乱れたことによる現象ですが、GPSや無線、電力など様々な
 分野への影響が心配されていますね。この現象が解明されていなかった
 飛鳥時代等は、詠われているようにオーロラさえ「凶兆だ!」と恐れ
 られたことと思います。これらを比較し、経緯を上手くまとめた、
 共感の得られる良い歌と思います。
 二首目、太陽フレアがISSやその乗員、さらには地上の通信システムに
 影響を及ぼさないようにとの祈る歌になっていますね。太陽フレアが
 起こった時などには、大量の太陽放射線が放出されますので、宇宙船内
 の船壁の厚い場所に待避する等の処置が取れるようになっているようです。
 いずれにしても、太陽フレアは宇宙飛行士の健康管理上の大きな課題の
 一つになりますので、これを凌ぎつつ、ミッションを果たされるよう
 祈りたいものですね。
 三首目の歌、武豊騎手はJRA通算4500勝に到達し、さらに「次の一勝が
 目標です」と言い切る心意気が凄いですね。レジェンドのその凄さを
 詠いきった作者の心意気も讃えたいと思います。

☆白藤は 風さそうかに揺れいるも かすめて舞うは白鷺一羽
                         ポエット・M
【解説】
 横須賀しょうぶ園は、花しょうぶと共に藤の苑としても有名ですが、
 過日訪れた時は、黒龍等の紫色の藤は既に旬を過ぎ散り時を迎えて
 いました。しかし、白藤は丁度旬の時期故か見事にその花房を風に
 揺らし、咲き誇っていました。
 そんな藤棚をかすめるようにダイサギが、白い翼を広げ舞う姿を
 見せてくれました。この苑の脇にある水辺を住処とする青鷺には
 幾たびか会いましたが、白鷺は初めてでした。
 白藤が風にそよぐ様子と、それにかすめるように舞う白鷺の姿の
 静と動のコントラスト。そんな情景を何とか詠んでみましたが、
 今回も平板な表現になり詠力の無さを、今さらに感じてしまいました。


     「白藤」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(39)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
20.「短歌の章」 桜島山(3)

   火の山の山すそ中に碑を残し
           きびしきひとよを芙美子は生きぬ
            
   「花の命は短くて 苦しきことのみ多かりき」
           林芙美子は真実(まこと)に生きぬ

   火の山はひねもす火山灰(よな)を降らしめて
              まどかなる月もおぼろとなりぬ

 
【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は該当事項がありません。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字以内にまとめて
    頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その132)ネット歌会

2024年05月15日 06時48分13秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その132)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「薔薇 ピース」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆いつも聞く「加齢ですね」という医師の 意外に短い指を見ており
                         夕庵さん
★医師も人 嫌がることもある様で 「来なくていいよ」と言われることも
                         西BOOさん
★あるまじき言葉は吐けぬ医師なるを 寄り添うことの優しさが欲し
                         夕庵さん

☆ピリピリと痛む舌先 これからは世辞は言うまい 嘘もつくまい
                         夕庵さん
★おもねらぬ生き方が好き 世辞言はず 本当を言ふ こころを込めて
                         みっちっちさん
★思いやる心があればおのずから 激しき言葉になることもあれ
                         夕庵さん
★卓球のコーチの言葉は激しけど 吾(あ)を思ひての激しさに感謝
                         みっちっちさん

☆若き女医 舌をつかんで裏返し「心配無用」と素っ気なきこと
                         夕庵さん
★小さきが大を素つ気なく 裏返す 柔よく剛を制すなどとも
                         みっちっちさん

☆新緑のなか幼子の手の平に 生命線のまっすぐに伸ぶ
                         みっちっちさん
★さみどりの麦の穂のごと少年の 成長祈る立夏の朝(あした)
                         夕庵さん
★緑立つ父の遺愛の五葉松 いまは他人の庭に立てるや
                         みっちっちさん
★わたくしの遺品なるもの あるやなし 歌の一首も儚きものよ
                         夕庵さん

     「薔薇 マダム・サチ」

☆新緑の蕎麦処あり 大盛りの蕎麦を啜りて夏めく小風
                         みっちっちさん
★新蕎麦の幟の立つのを待ちかねる 贔屓の娘は絣の筒っぽ
                         夕庵さん
★濃紺の大島紬を着し考(ちち)の写真はいつも我が書架の上
                         みっちっちさん
★若き日の父の写真をお守りと 娘はいまも離さずに持ち
                         夕庵さん

☆果てもなく桐の花散る夕闇に 遠海鳴りの ひびきかそけく
                         ポエット・M
★大和国山口神社の境内へ 大山祇神が現る
                         西BOOさん
★天神と崇められたる祇神(ツミノカミ)龍の降臨 今に伝えて
                         ポエット・M

☆果てもなく桐の花散る夕闇に 遠海鳴りの ひびきかそけく
                         ポエット・M
★旅の宿 打ち明け話の静寂に 遠く近くに海鳴り聞こゆ
                         夕庵さん
★北の宿 遠海鳴りをともに聴き 火照る目元を改めて見る
                         ポエット・M
★越えられぬ海の深さよ 今はただ 海鳴り憎きと目を伏せて聞く
                         夕庵さん
★荒ぶ海鎮める術も無きままに 想い届けと波間に祈る
                         ポエット・M
★祈れども所詮叶わぬ定めなり 涙壺を満たす波寄せくれば
                         夕庵さん
★涙壺満たす涙の枯れるとも 祈り日々に兆す光明
                         ポエット・M
★ひとすじの光を胸に抱きしめて わが行く道を照らす祈りは
                         夕庵さん
★一遇を照らす光に遠くとも 為すべきを成す自負も密かに
                         ポエット・M
★プライドをポシェットいっぱい詰め込んで 人かきわけてあの女(ひと)が来る
                         夕庵さん
★自負あれど深く密かに秘めるもの 未だ未熟の おのれ恥じいる
                         ポエット・M
★人格はおのずから滲み出るものと 思えば寡黙も長所となるや
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「薔薇 アベイ・ドゥ・クリュニー

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

 

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内視鏡検査へ

2024年05月12日 14時45分58秒 | 日々の歩み

 現役の時代、私は健保組合の計らいもあり、毎年人間ドックを受診し身体のチェック及び、治療等をタイムリーに行ってきました。しかし、リタイヤ後は自治体の検診プラスアルファ―等は定期的に行ってきましたが、検査項目から心もとなさも感じてきました。
 忙しさに忙殺される中で身体の不調等にも目を瞑ってきましたが、友人や、周辺の方々の近況を聞くにつけ、身体に若干の違和感もあり改めて細君とも話し合い、共々10年ぶりに大腸内視鏡検査を受けることにしました。先に細君が受診し、続いて二日後に私も受診しました。


     「ジャーマンアイリス 白紫」

 ここの病院は以前にも二度ほど受診し、その都度ポリープが見つかり、検診の際に切除して頂いた経緯があります。今回も違和感を訴え検診と、必要で有ればポリープの切除も依頼して検診に臨みました。この病院は軽く麻酔を使っての検診となりますので、辛い思いをすることなく検診から、ポリープ切除迄完了します。
 今回、細君も、私も5mmほどのポリープが見つかり、検診の際に切除して頂きました。10年もの間検診することなかったため心配していましたが、その程度の結果に終わりホッとしたところでした。

     「薔薇 湘南ファンタジー」

 経験された方はお分かりでしょうが、大腸内視鏡検査はその前段の準備も中々辛いものがありますが、結果として二人とも大過なく改めて安心したところです。友人たちの術後の辛さを伺っていた中で、この程度で済んで申し訳ない思いもしましたが、細君共々胸をなでおろして、その後しばらくは安静にして過ごしています。

     「ジャーマンアイリス 白」

 細君は、他の病院ですが、医師の診断結果から来週急遽胃カメラ検査も決まりました。これは検査結果に関わりなく手術ではなく、化学療法で対処可能と事前に医師から、私も伺っています。いずれにしても大事に至らないことを祈るのみです。
 細君は大病を患い、大きな手術を幾たびか経験していますが、何とか凌いで現在は、水泳等の好きなスポーツにも興じ、健康に過ごしています。それに引き換え、身体に一度もメスを入れたことの無い私は、健康管理に鈍感になっており、その都度注意されてしまっています。出来得れば二人とも、元気に過ごせるのが一番ですが、そのための検診も必要であれば身体チェックの一環として、嫌がらず臨んでいきたいと思っています。

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その131)

2024年05月08日 05時54分42秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その131) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「薔薇 ゴールドバニー」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が沢山
  ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。
  返歌は源氏物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った
  言葉・単語や自然・地名からヒントをもらい詠みます。今週は
  源氏物語巻名歌から2首提出します。
註)源氏物語巻名歌・16胡蝶(こてふ)
   歌の背景
   光源氏三十六歳。光源氏の一番大事にしている紫の上と、光源氏の
   力添えによって、帝の信頼厚い女性となった秋好中宮が住まう
   六条院で、それぞれの好みを背景に春と秋の優劣を競い合う。
〇花園の 胡蝶をさへや下草に 秋待つ虫は うとく見るらむ 紫の上
 昨日は音に泣きぬべくこそは 
〇胡蝶にも誘はれなまし心ありて 八重山吹を隔てざりせば  秋好中宮
「返歌」
☆秋好む 中宮様も 花園に 山吹の籬 胡蝶舞出る
☆鶯の 声うららかに 華やかで 胡蝶に届け 春らんまんも
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 一首目は、春を愛する「紫の上」が、秋を愛する「秋好中宮」に贈った
 歌ですが、「花園の、この美しい蝶までも、草陰の松虫のように秋を待つ
 あなたは、お気に召さないものとご覧になっていることでしょうか」

 意訳できますね。

 二首目は、その歌への秋好中宮からの返歌で、「胡蝶にも誘い出されて
 つい参上してしまったことでしょう。訳あって(八重山のように幾重にも)
 八重山吹で隔てられることが無かったなら…」と意訳できます。
 これらを踏まえると、作者の詠まれた一首目の返歌は、山吹の垣根から
 胡蝶が舞出る花園は素敵ですよ、と適切な返しになっていると考えます。
 二首目の返歌を、胡蝶に誘われてきてしまいましたが、隔てる山吹の
 垣根が私には辛くせつのうございます・・・と詠ってみました。
【ご参考】
 ★隔てたる八重山吹の耀きに 胡蝶舞えども なぜに切なき

【詞書】車の中から、藤の花が見えたことを詠ませて頂きました。
☆病院へ行く車にて山藤の群がる花が左右前後に
【詞書】花水木を詠ませて頂きました。
☆図書館へ本を返しに大通り 街路を飾る白花水木
【詞書】wikipediaの編集で詠ませて頂きました。
☆ウィキペディの編集850超 今や自己の限界感ず
                         西BOOさん
【解説】
 一首目の歌、今の季節、山藤の群生が新緑に映え、素敵な景観を
 作っていますね。「左右前後に」の結句の表現が新鮮で歌を
 引き締めていると考えます。さりげなく詠みながら情景が
 くっきりと立ち上がってくる表現は、作者の力量故と感じます。
 二首目も、花水木の並木の情景をスッキリとした表現で詠い、
 その現場へ私達を誘ってくれる力を秘めた歌と考えます。
 「白花水木」との体言止めが効いています。
 三首目は、「ウィキペディの編集」を850件にわたって行った
 との事でしょうか。ライフワークとされている「磐座・石仏信仰」
 に関わる記述でしょうが、その探索と研究には頭が下がります。
 体調に留意され継続されることを祈っております。

【詞書】春風の短歌三首、出詠いたします
☆振り向けば 君 春風の 恋のなか 吾(あ)を呼ぶ声のほはり優しき
☆春風に白スカートのすそひらり 君待つ店へ歩の速まりぬ
☆春風の丘に登れば 一枚の 綺羅とも見ゆる須磨のさざなみ
                         みっちっちさん
【解説】
 一首目の歌は、春の訪れと恋の甘美さを巧みに結びつけて表現されて
 いますね。「振り向けば 君 春風の 恋のなか」という一節は、春風が
 吹く中で振り返るとそこには愛する人の姿がある、という情景を
 爽やかに浮かび上がらせています。
 また、下の句では、「吾を呼ぶ声」がどれほど優しく感じられるかを
 表現しており、この歌を読む私達の心に温かな感情を呼び起こして
 くれます。
 全体として、浮き立つ春の美しさと恋愛感情が見事に謳いあげられ、
 繊細さと情緒とがハーモニーとなって感じられる素敵な歌と考えます。
 三首目の「綺羅とも見ゆる須磨のさざなみ」の下の句の表現が見事です。
 須磨の海を見つめる源氏物語「明石の君」を髣髴とさせます。

     「陽だまりに咲く スズラン」

【詞書】早くも5月に入りました。季節の歌3首です。
☆鉢植えのゆれるスズラン胸に抱く まるであなたは少女のように
☆筆と紙もちて美男の家持像 堅香子のうた今に伝えて
☆新聞を兜に折りて着せやれば 園児は直に武者の面持ち
                         夕庵さん
【解説】
 一首目の歌は、優しさと静けさを感じさせる美しいイメージを描いて
 います。スズランの花が微かな風に揺れる繊細な動きを思い起こさせ、
 それを抱く仕草に愛情や慈しみを連想させます。
 「まるであなたは少女のように」の下の句は、鉢を抱く方の純粋で無垢な
 少女のようなイメージを呼び起こし、穏やかな感情を呼び覚ませてくれます。
 また、スズランは春の訪れを告げる花ですが、新しい始まりや希望の象徴
 ともされています。スズランの花言葉を踏まえると、何か新しいスタートを
 切ろうとする作者の心情を、暗に表示しているとも感じます。

 二首目の歌、筆と紙を持った家持像を詠っていますが、堅香子を詠んだ歌は
 万葉集にはたった一首しか登場しませんね。大伴家持が詠んだ歌
  もののふの八十娘子らが汲みまがふ寺井の上の堅香子の花
 は、堅香子の花の比喩としても見事です。なお、もののふは八十(やそ)を
 導く枕詞です。
 三首目は、新聞で折った兜を着ける園児の表情が、キリリと変わる一瞬を
 見事にとらえています。

【詞書】YouTube短歌:暑い日の夜 ノクターン
☆寝苦しい夏の日は君のことばかり。。。
       とりあえず眠ろう明日も早い
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 連日の夏日どころか真夏日が続いています。連休中に、外に出た方々、
 お疲れ様でした。Gさんには、何処にも行く用がないので、職場と家に
 いました。こたつはまだ片付けていない。
 ショパンの夜想曲第1番 変ロ長調 Op.9-1は、1832年に作曲した初期の
 作品で、ベルリオーズの元婚約者の妻マリーに献呈されたので、恋心の
 不安定さを感じて、そのイメージから作りました。変ロ短調、ラルゲット、
 4分の6拍子、複合三部形式とあるが、意味不明です。ラルゲットは、
 ゆったりとのラルゴより早くとか。
 新古今和歌集の恋歌を勉強しながらなので、恋歌風に。
 下記URLにノクターンを貼り付けておりますので、お聴き戴ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/56a3aa637f58a8236f830bf31d13a75e
                         自閑さん
【解説】
 ショパンの「夜想曲第1番 変ロ短調 作品9-1」は、優雅な曲想で彼の出世作
 となりましたね。また、ノクターンの語源はラテン語で夜をさすNoxから
 派生し、修道院などで行われる晩祷のことを示すようですが、夜の黙想、
 瞑想などの意味に転化したと言われています。
 ご案内頂きましたユーチューブの曲を視聴させて頂きましたが、夜想曲に
 ふさわしい美しい旋律と、曲の持つ深淵さを改めて感じ聞き惚れました。
 ありがとうございました。
 詠歌は、五月の真夏日の日々と、「ノクターン」の曲想を踏まえ、
 「寝苦しい夏の日」を詠っていますが、君への深い感情とリアルな日常生活の
 描写が見事に組み合わさっています。寝苦しいという身体的な不快さと心理的
 な憧れが同時に存在する状況を巧みに表現しています。
 また、「とりあえず眠ろう明日も早い」という部分では、現実の生活の要求
 (早起き)と向き合う必要性が示されて、理想と現実の間で揺れ動く心情を
 リアルに描き出しています。
 さらに、自由律短歌としての形式を活かし、自由な表現とリズムで感情を
 巧みに表現している点も学びたいところです。

     「薔薇 ザ・プリンス」

【詞書】私は、1足早くでしたが4月、松山の道後へ行ってきました。
  12月以来でしたが、桜が満開❗そして道後の花?でしょうか
  『椿の花』
がビックリする程ビッシリ咲き、散り始めていました〜。
  正岡子規の句も至る所で読む事が出来ました🎵
☆愛犬と 椿花散る 道後路を
       ゆるり散策 湯の香も匂う
☆俳句読む 人も集まる 道後の湯
         椿の花に 心かよわす
                         クロママさん
【解説】
 4月に松山の道後温泉に入って来られたとのこと。季節も良く満開の椿と、
 その落花の様をご覧頂いたことと思います。
 一首目の歌、愛犬クロちゃんと椿の花の散る道を、楽しそうに散策する
 作者の幸せそうな姿が歌からも浮かんできます。「湯の香も匂う」の
 結句は「香」と「匂う」の意味の重なりが気になりますので、下の句を
 「湯の香つつまれ ゆるりと散歩」ではいかがでしょう。
 二首目の歌を少し添削させて頂きましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★俳人のあまた集える道後湯に 笑むがに椿 咲き満ちて散る
 なお、おっしゃる様に、正岡子規は愛媛県松山市の出身で、松山の
 道後温泉や松山城などと深い関わりがあり松山城で多くの名句を
 残していますね。御存知と思いますが、その中でも代表句と称される
 作品に「松山や 秋より高き 天主閣」があります。


     「薔薇 エレンウィルモット」

【詞書】'94年5月1日にF1のレース中の事故で、アイルトン・セナ選手が
  亡くなって今年で30年になりました。今でも、「さあF1見よっ」と
  点けたテレビの画面で悲痛な表情のアナウンサーと、その感情を
  押し殺したような…でも沈んだ声と、後に中継を交えたテレビ
  画面に流れた「セナ選手が死亡」のテロップを見た瞬間の
  「うわあ、嘘やろ…!」という思いは忘れられません。あれから30年、
  5/2(木)の朝日新聞夕刊1面に、セナ氏の死後に彼のお姉さんが
  立ち上げた、ブラジルの貧しい子供達に、教育や食糧の支援を
  与えるための財団が今も活動を継続しているという事と、
  セナ氏の墓前には30年間、墓参の人が来ない日は無いという話が
  載っていました。母国での子供達の教育や貧困の問題を憂いていた
  セナ氏はきっとその事は喜んでいるだろうけど、環境の悪化
  (今現在でもブラジルでは大規模な洪水が…)や世界的な紛争や
  分断などにより、多くの子供達が危機的状況にあることを憂いて
  いるかも知れない…。ふと、そんな気がしました…。
☆音速の彼方で世界を見守りて
   混沌の“現在(いま)”を彼(セナ)は憂うか
【詞書】朝日新聞阪神支局襲撃事件から今年で37年…。「言論の自由」
  を掲げた憲法21条が、非道な暴力によって侵された日です。ペンを
  持つ記者達を銃によって無言で命を奪い、深く傷つけた暴力を
  絶対に許してはいけない。毎年この日が来るたびに、記者さんでも
  作家さんでもない、超一般人、超一庶民ではありますが、そう思う
  私です。(少し後にやはり朝日新聞のどこかの局だったと思いますが、
  「何か」があった時にそれを伝えた際の「ニュースステーション」の
  朝日新聞の解説員の小林氏の怖い表情が忘れられません。
  「ああ、この人は仲間を殺されているからな…」とその心情を思うと、
  その気持ちを受け止めるかのように小林氏の顔を食い入るように
  見た記憶があります)…30数年後の日本の“報道の自由度”の
  低さを憂う…。
☆忘れるな21条侵された
    ’87・5・3(ハチナナ・ゴ・サン)憲法記念日
【詞書】GW(ゴールデンウィーク)も終わり京都は6日の晩から雨でした。
  30度になろうかという暑い日もあったのに6、7日と随分涼しく
  「“5月”らしいっちゃらしいけど…」みたいに何か調子が狂う
  感有りです。明日はもっと下がるとか…。「まだ夏やないで~。
  油断したらあかんで~、気ぃつけや~」みたいな事を言われている
  感じです。(誰に?)
☆青葉雨
  連休の熱冷ましをり 明けて7日は気温も下がりて
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回も、「アイルトン・セナ選手」「朝日新聞阪神支局襲撃事件」「青葉雨」
 と、未だ社会的関心の高いホットなテーマについて
詠って頂きました。
 一首目、「音速の貴公子」と称されたアイルトン・セナは、1988年から
 3度にわたってF1世界選手権のドライバーズチャンピオンに
輝いた
 名ドライバーでしたね。しかし、1994年5月1日、イタリアの
イモラ・
 サーキットで行われた1994年サンマリノグランプリに出場
した際、
 決勝レースで首位を走行中にコンクリートバリアに高速で
衝突する事故を
 起こし、残念ながら亡くなりました。その後彼の
遺志を継ぎ、姉上が
 立ち上げた財団が今も活動を継続している
という事に頭が下がります。
 この作者の歌も彼の墓前へ捧げたいと思います。

 二首目の歌、おっしゃる様に「超一般人、超一庶民」の私達が詠い、
 声をあげることに意味があるのだと思います。改めて「’87・5・3」を
 心に刻み、暴力によって言論を封殺するいかなる試みにも私達一人一人が
 自らの問題として、対峙していくことが必要と感じます。

 ちなみに、2023年の報道の自由度ランキングでは、日本は68位(180中)に
 ランクされ、これは前年から3つ順位を上げた結果です。
 三首目、「青葉雨 連休の熱冷ましをり」の表現は、調べも整い良い歌
 ですね。5月4日は、5月にして全国23の地点で真夏日となったとの
こと
 ですが、異常気象も「ここに極まる」感が致します。

 お互いに体調管理には気を付けて日々を凌いで参りましょう。

☆果ても無く桐の花散る夕闇に 遠海鳴りの ひびきかそけく
                         ポエット・M
【解説】
 三浦半島の里山の一角に小さな農園があり、その片隅に桐の群生が
 あります。大半の桐の花は既に散ってしまいましたが、遅咲きの木が
 丁度散り時を迎えていました。濃い紫の花はその存在感を示しつつ
 ゆったりと散っていました。夕闇が迫る中、それを眺める方もいない中で
 静かに散るその花。海が比較的近い故でしょうか、海鳴りが静寂の底に
 響いていました。
 そんな情景を何とか詠んでみましたが、十分に表現できないもどかしさを
 感じています。薄闇という微妙な光の中に散る濃い紫の花の雅さを、
 ひと際感じました。しかし、その情景を詠いきる技を、未だ持ちえて
 いない己の力量の限界を、今さらに感じてしまいました。


     「薔薇 ハイネス雅」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(38)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
19.「短歌の章」 桜島山(2)

   山鳴りを心静かに聴きにけり  
           今日のひと日をつつしまむとす
            
   桜島静かに燃えて山ひびく
           心洗われて降り来にけり

   暮れなずむ桜島山煙たち
           人住む街に灯はともりたり
 
【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は文字数制限との兼ね合いで、割愛させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字程度にまとめて
    頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その131)ネット歌会

2024年05月08日 05時33分21秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その131)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「薔薇 はまみらい」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆病院へ 行く車にて山藤の 群がる花が 左右前後に
                         西BOOさん
★待合に藤の匂いの流れきて 病の不安もすこしやわらぐ
                         夕庵さん
★病院の待合室の窓開き 春となりて風心地良き
                         西BOOさん
★病院の予約取るのもnetのみ 秒針睨みenterを押す
                         夕庵さん
★毎月のかかりつけ医の受付は 一番なれど一時間待ち
                         西BOOさん
★今日の日は病院行きと決めたなら 予定は入れず覚悟して待つ 
                         夕庵さん

☆図書館へ 本を返しに 大通り 街路を飾る 白花水木
                         西BOOさん 
★山道を曲がり曲がりて花ミズキ ぽっかり浮かび道案内す
                         夕庵さん
★船山を登ると思い進めるも 道が途切れ はや引き返す
                         西BOOさん
★意の途中 思い叶わず限界と 決断すれば道は拓ける
                         夕庵さん
★ご近所で山で遭難若くして 以来山は恐怖の対象
                         西BOOさん
★荘厳な山には神の御座(おわ)します空気は澄みて瀧の音する
                         夕庵さん

☆振り向けば 君 春風の 恋のなか 吾(あ)を呼ぶ声の ほはり優しき
                         みっちっちさん
★振り向けばいつも君のいた教室の 小さな恋のチョークの匂い
                         夕庵さん
★教室の斜め前なる君の背を 見つめるのみの初恋なりき
                         みっちっちさん
★人生の悲哀を語る人の背に やしく触やる春の日差しは 
                         夕庵さん
★闘病の妣(はは)の背撫でて 今何を すべきか涙で 自問せし夜
                         みっちっちさん
★闘病の辛さを口に出さぬ人 家族の支えが生きる目標
                         夕庵さん
★懸命に生きたる考妣(ふぼ)へ なほ深く 涙で枕濡らす夜もあり
                         みっちっちさん 
★安眠の枕は座布団二つ折り 高からずして固すぎもなく
                         夕庵さん
★バス停に座布団ふたつ 新しき手作りカバー掛けらるる春
                         みっちっちさん
★高齢者の足なるバス代値上げされ 外出さえもままならぬかや
                         夕庵さん
★宇治市への観光バスの 楽しみは 大河ドラマの紫式部
                         みっちっちさん
★宇治の街 平等院の参道は お茶煎る店に茶団子並ぶ 
                         夕庵さん

     「薔薇 ラブミーテンダー」

☆春風に白スカートのすそひらり 君待つ店へ歩の速まりぬ
                         みっちっちさん
★女児服も大人のファッションそのままに 
            チュールのスカートつまんでおすまし
                         夕庵さん
★スカートをゆうらり君と 手を取りて マイムマイムを躍りしときめき
                         みっちっちさん
★能登の街いまだに水が出ぬと聞く マイムマイムで応援しよう
                         夕庵さん
★水源を掘りし歌なり 能登の地に豊かなる水望む歌とも
                         みっちっちさん
★再開と聞く能登の塩田に 海水撒きて 塩味まろし
                         夕庵さん
★復興の教訓を得て 日本の 次はいづこや 地震(なゐ)に備へむ
                         みっちっちさん
★日本は海の恩恵受けつつも 受難に耐えて海に感謝す 
                         夕庵さん
★京都にて出逢ひ生き抜く 喜びを 二倍にしたる君に感謝す
                         みっちっちさん
★黄昏に恋しくなりぬ大阪も 兄妹元気を頼もしく思(も)う 
                         夕庵さん
★弟は元気に登山楽しみて 髭面の写メ ラインで送り来(く)
                         みっちっちさん
★御朱印帳 並べ健脚自慢する 八十路を越えし弟なれば
                         夕庵さん

☆春風の丘に登れば 一枚の 綺羅とも見ゆる須磨のさざなみ
                         みっちっちさん
★打ち寄せる波は岩をも貫きて 丸い洞穴いくつも作る 
                         夕庵さん
★打ち寄せる波に歓声あげながら 裸足で賭けしあの夏の恋
                         みっちっちさん
★城崎の 足湯に浸り外国の 人に自慢の日本の文化
                         夕庵さん

☆久方に晴れたる丘に罌粟の花 ほろほろ揺れて空かけのぼる
                         ポエット・M
★道端に白い綿毛のタンポポが 年をとっても「フーッ」と吹きたる
                         西BOOさん
★タンポポの 白い綿毛は風にのり いのち新たに 彼の地でも萌え
                         ポエット・M

☆道端に白い綿毛のタンポポが 年をとっても「フーッ」と吹きたる
                         西BOOさん
★タンポポは綿毛となりても寄り添いて 共に散らしぬ 風の意のまま
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「薔薇 チャールストン」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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薔薇の公園へ

2024年05月05日 10時29分16秒 | お出かけ

 最長10連休と言われた今年のゴールデンウイークも今日を含めて2日を残すのみとなりました。昨日4日は、5月にして全国23の地点で真夏日となり、東京都心でも27.8度を観測し夏日となりました。
 5月5日の今日は「子どもの日」ですね。五月晴れの空の下、久しぶりに子供たちの歓声が聞こえてきます。また、街路には萌えだした新芽と共に新緑が光をはねています。

     「薔薇 ピース」

 連休前半に息子たち二家族が我が家に揃い、久しぶりに我が家が満杯状態になりました。その合間を縫って、ヴェルニー公園へ細君共々薔薇を見に行って参りました。
連休後半には、その公園で「春のローズフェスタ2024」が開催され、混雑が予測されますので、混雑を避けて前半の晴れの日を選んで出かけました。

     「ヴェルニー公園 景観 一部」

 ヴェルニー公園は、このブログでも幾たびか触れましたが、今回は薔薇の写真と共に公園の名前の由来となったヴェルニーについて、少し触れたいと思います。

 フランソワ・レオンス・ヴェルニー(1837~1908)はフランス人の造船技師で、海軍増強を目指した徳川幕府の要請により、横須賀製鉄所(造船所)建設の責任者として1865年に来日しました。明治維新後も引き続きその建設と運営の任にあたり、観音埼灯台や走水の水道の建設、レンガの製造のほか、製鉄所内に技術学校を設けて日本人技術者の養成に努めるなど、造船以外の分野でも広く活躍した後、1876年に帰国しました。

      「ヴェルニーと小栗上野介忠順の胸像のある広場」

 このヴェルニーの支援の下に、横須賀製鉄所(造船所)建設を推進しましたのが、小栗上野介忠順(1827~1868)でした。彼は、勘定奉行、江戸町奉行、外国奉行を歴任しましたが、軍政の改革、フランス語学校の設立など日本の近代化に大きく貢献しました。その後、大政奉還後に徹底抗戦を主張したために役職を解かれ領地の上野国権田村(群馬県倉渕村)に隠遁していましたが、官軍により捕縛され斬首されました。

     「薔薇 ホワイトクリスマス」

 この経緯には徳川埋蔵金説等を含めて未だ謎が多く、明確な背景は明らかにされないまま今日に至っております。いずれにしましても、先見の明を持ち、日本の近代化に邁進した政治家というより、優れた財政家であり、テクノクラートを抹殺した歴史の闇は深いと考えます。なお、司馬遼太郎は小栗上野介忠順を「明治国家の父の一人」と記しています。

     「薔薇 プリンセスアイコ」

 ヴェルニー公園は、ヴェルニーと小栗上野介忠順の胸像、広場を中心にフランス式花壇や噴水、洋風あずまやなどが設けられ、今の季節フランスの品種を中心とした約130品種・約1,300株の薔薇が彩りを添えています。皐月の空の下、色とりどりの薔薇が咲き競い、花の命の艶やかさをいかんなく発揮しているさまに出会うことができました。

     「薔薇と米軍の基地と艦船」

 海沿いにはボードウォークがあり、潮風の中で散歩を楽しめますし、横須賀本港を一望でき、係留されている艦船を見ることができます。公園から見て、右手に米海軍基地、左手に海上自衛隊地方総監部が望めますが、「ピース」との名をもつ薔薇と、戦艦、潜水艦の並び立つ公園の景観には未だなじめないものを感じてしまいます。

 公園の汐入側の入り口近くに、正岡子規の文学碑が立っており
  ☆横須賀や 只帆檣の 冬木立
 と、書かれています。
 明治21年(1888年)8月、正岡子規は夏季休暇を利用して、友人と汽船で浦賀に着き、横須賀・鎌倉で過ごしています。碑の句は、横須賀港内に連なる、はんしょう帆檣(ほばしら)の印象を詠んだもので、句集「寒山落木」に収録されています。

     「正岡子規の文学碑」

 今の季節、美しく咲き競う薔薇の花を眺めつつゆったりと公園を散策するのもいいものと感じました。

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その130)

2024年05月01日 05時28分27秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その130) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き競う 西洋シャクナゲ」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が沢山
  ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。返歌は
  源氏物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・
  単語や自然・地名からヒントをもらい詠みます。今週は源氏物語
  巻名歌から2首、紫式部集より1首の計3首提出します。
註)源氏物語巻名歌・15初音(初音)
  歌の背景
  光源氏三十六歳。明石の御方は、なかなか対面もできないわが子
  である姫君へ歌を贈る。
〇年月を 松にひかれて 経る人に 今日鴬の 初音聞かせよ
〇ひき別れ 年は経れども 鶯の 巣立ちし松の 根を忘れめや
「返歌」
☆母君の 五葉の松の 作り物 お便り届き 華やぐ御殿
☆嬉しさに 思い乱れる 明石の君 美しさこそ 黒髪映えて
註)紫式部集・15
〇北へ行く雁(かり)のつばさに ことづてよ
               雲のうはがき かきたえずして  
「返歌」
☆お互いに 手紙の上書き そのままで 誓った約束 文通だけは
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 今回は「源氏物語」から二首、「紫式部集」から一首を詠んで頂きました。
 いずれも深く学び、読み込んだ後が覗われ私にも学びとなります。

 一首目、明石の君が長い間、会えない娘にあてた歌は「長い年月、あなたに
 ひかれて過ごして参りました。新年の今日、鴬の
初音-初便りをお聞かせ
 くださいまし」と意訳できますね。

 二首目は、その歌への返歌として「お母様とお別れして年はたちましたが
 鶯(私)は巣立ったもとの松の根(母上)を
忘れるでしょうか、いえ決して
 お母さまを忘れていません」
と娘からの返歌となっていますね。
 その娘から届けられた手紙の返事を読んだ明石の君は、嬉しさのあまり興奮を
 抑えられず、訪ねてきた光源氏と新春第一日目の夜を
ともに明かしてしまい
 ますね。その様が作者の詠まれた二首目の
「嬉しさに 思い乱れる…」に
 表現されています。
「想いに踏み込み」少し添削させていただきましたが…。
【ご参考】
 ★嬉しさに 乱れる想い 明石の君 黒髪ぬめり 妖し艶なす
 三首目の紫式部の歌は、「北に向かう雁のつばさにお手紙を託してください。
 雲の上のように離れてしまいますが、手紙を書き続けて
くださいね」と
 意訳できますが、今まで通り手紙を下さいねとの
歌ですね。作者の返歌は
 快い返事となっています。
「雁のつばさにことづてよ」という表現は、
 漢の故事を精通して
いた紫式部の、豊かな教養ゆえの心憎い歌となっています。

【詞書】黄砂の酷い日を詠ませて頂きました。
☆新緑の卯月となれど 空くすむ 遥か彼方の砂嵐にて
【詞書】特選神名牒の船山神社に饒速日命が記されているのを見て
  詠ませて頂きました。
  特選神名牒 ⇒ https://dl.ndl.go.jp/pid/971155/1/64
☆明治期の神名牒に饒速日 名が記される 船山巨石
【詞書】ナンテンが元気になったことを詠ませて頂きました。
☆枯れかけたナンテン新た 芽吹くなり おてんと様と肥料に感謝
                         西BOOさん
【解説】
 一首目の歌は、新緑の美しさと、遠くの砂嵐に伴う黄砂の対比が印象深く
 描がかれていますね。
 新緑の季節には、自然の美しさが際立ちますが、その匂い立つ美しさも
 黄砂でくすんでしまい、空ばかりか新緑さえも霞んで
しまう、そんな残念な
 情景が、誇張なく淡々と表現されています。

 そのさりげなさがかえって心残りと、残念さとを際立たせる歌になっています。
 二首目は、作者の研究されている「船山神社」にまつわる饒速日命(ニギハヤヒ)
 についての歌ですね。「特選神名牒」は
「延喜式神名帳」の注釈書であるとのこと。

 『日本書紀』と『古事記』には、神武天皇と饒速日命の出会いが描かれています
 が、神話と船山巨石との関りには、歴史ロマンを
感じます。

 三首目、枯れかけたナンテンを蘇らせたのは、作者の丹精の賜物ですね。
 「おてんと様と肥料に感謝」の下の句に、作者の
謙虚さと誠実さを感じます。

【詞書】春の動物の仔を三首、出詠いたします。
  出産の後、頑張って立とうとする仔馬、ぴょんと飛ぶ仔猫の可愛さ、
  動物園の麒麟の餌台は高いなという発見。お仔馬、
仔猫は春の季語ですが、
  麒麟の子は季語ではありません。

☆羊水に濡れそぼつまま 弱々し 四肢震はせて仔馬立つ朝
☆動くものじつと見つめて飛び付けば ふはりと仔猫 毛玉のごとく
☆春天に餌台高く むしやむしやと さつきちやん てふ麒麟の子食(は)む
                         みっちっちさん
【解説】
 季語について教えて頂きありがとうございます。俳句では季語が必須と
 なりますが、一句、17音の中で季語が占める位置は大きく、主役であり
 俳句の出来映えを決定づけていますね。短歌では季語は意識しませんが、
 そのもつイメージの大きさを活用する手法はありと思います。
 「仔馬」「仔猫」「麒麟の子」それぞれの春景色を印象深く詠んで頂きました。
 特に二首目の歌は、仔猫が毛玉のようにふわりと跳ねる様子が、愛らしさと
 軽やかさを感じさせます。

 また、作者のもつ繊細な観察眼で、日常の小さな事象や、その瞬間にも心を
 寄せていることが伺えます。これら好奇心や遊び心は、
詩人の資質として
 とっても大切なものと感じます。

 三首目は、新たな発見をそのまま歌に詠みきる力量を改めて感じさせて
 頂きました。

【詞書】艶やかだった桜にかわり、季節の移ろいを感じます。
☆面伏せて藤の挿頭(かざし)の巫女の姿(かげ)
                 紫染まる木漏れ日のなか
☆春の雨やさしく花を散らしゆき芽吹きの序奏を奏でる季節
☆引き出しに忍ばす便りはふうわりと春の匂いをまといて眠る
                         夕庵さん 
【解説】
 三首の歌、いずれも移ろう季節を情趣深く詠んでいますね。
 一首目の歌からは、奈良万葉植物園の「藤」からの木漏れ日を浴びる、
 巫女さんの楚々とした姿が思い浮かびます。
 調べも整っており「むらさき染まる木漏れ日のなか」の下の句が、美しさと
 ともに神聖な雰囲気を醸し出しています。なお、藤の挿頭を
髪にさすのは
 長寿を願う意味合いがあるとのこと。多くの意味合いを
込めながらすっきりと
 詠まれている所に、作者の詠み手としての
力量を感じ、学ばせて頂きました。
 二首目の歌、「春の雨」は生命の再生と成長を促す存在として詠われ、
 散ること、それは芽生えの序奏であると、自然のサイクルを情感を込めて
 印象深く詠われていると感じます。

 三首目からは「春の匂い」をまとう物語が、楽しく想像されます。


     「咲き競う 花水木」

【詞書】YouTube短歌:同じあやまち パリは燃えているか2     
☆われわれはどこにむかっているのだろうか?
   おなじ過ちをくりかえしつつ
☆我ハヒト科ヒト目
   滅ビノミチヲタダあゆむダケナノカ?

【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 YouTubeを観ていると、以前観た曲などがリストアップされます。
 同じ曲、同じ演奏会でも、聴く側の感覚によって 違って聴こえます。
 加古隆さんのパリは燃えているかは、水曜サロン122回に、愚かな
 記録として愚詠を投稿いたしましたが、今回は、終末的イメージが
 湧きました。
 4月だと言うのに、夏日を記録して温暖化を実感し、ウクライナ・
 ロシア、イスラエル・パレスチナ・イラン情勢は混沌としてきた事が
 原因かもしれません。
 一首目は、1字だけ漢字を、二首目は、漢字カタカナであゆむだけ
 ひらがなを。こう言う技法を嫌う方も居られるが、自分の感覚を読者に
 伝えたい、それが短歌だと思うので、御容赦願います。
 2回目ですが、下記URLにパリは燃えているかを貼付しますので、
 御覧戴ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/c68f2d9d7547ce97a4add340fdc43a1c
                         自閑さん
【解説】
 今回、二首の歌で問われている内容は重いですね。
 人類の歴史は、神になり得ない人間の過ちと、それを乗り越えるべく
 行われた人類の壮大な挑戦と、その繰り返しかも知れません。人命を
 含めて膨大な損失に学びつつ、血の滲むような努力を傾けて一歩一歩
 改革し、今日に至っていると信じたいのですが…。
 ただ、ご指摘のようにウクライナ・ロシアを始め地球温暖化一つ
 とっても、過去に学ぶことなく「おなじ過ちをくりかえしつつ」歩んで
 いるかに見えてしまいます。 
 その結果、二首目に詠われているように「滅ビノミチヲタダあゆむ」
 ことになってしまっていると考えます。
 そうならないためには、何を成すべきかが私達一人一人にも問われて
 いるとの意味が、結句の「ダケナノカ?」の「?」に込められていると
 解釈しました。
 映画「パリは燃えているか」の主題の一つは、当時、世界文化と芸術の象徴
 とも
言えるパリと、その市民の命を、例えヒットラーの命であっても、灰燼に
 してはならないという敵味方を超えた命がけの「良心・理性」の勝利と
 解釈しています。
 この背景には、ファシズムに対抗する統一戦線の力と、取り組みもあり
 ましたが、今の時代改めて、この事実と教訓に学んで行かねばと、二首の歌
 から想いを新たにしました。
 作者の歌には、短歌表現の工夫の跡も含めて諸々学ばせて頂きました。

【詞書】4月24日にネット記事で見ました。
  「月面一人ぼっち」で居る、探査機のSLIMさんですが、-170℃の「月の夜」
  を生き延びて、3月末に続き3回目の「越夜」に成功したそうです
  (約3週間ぶり)。再起動により送られて来た画像は、太陽光が真上から
  差し込んでいるため、今回の月面の画像は全体的に明るいんだとか。
  着陸から3ヶ月以上経ってますが、多少不具合を起こしている機械は
  あるそうですが、しっかり再々起動した逞しさに変わらず「頑張れー!」て
  エールを送りたいです。最近、曇りや雨がちな空が多くて、月が見え
  にくい日もあります…。大河ドラマ「光る君へ」には月を見上げるシーンが
  よくありますが、私は月を見上げて「SLIMさーん!頑張りや~」と心の内に
  つぶやいています。
☆ながながし夜を越えSLIMは通信を
     三たび繋げてたくましきかな
【詞書】4月25日、買い物帰りに「咲き残りの椿があったら撮ろう」とうちの
  近所の公園(うちの外へ出たら見えるぐらい近くです)に寄って、いくつか
  スマホで撮って「こんなもんかなー。ぼちぼち帰ろか」と、停めてある
  自転車の方へ歩きかけたその時、地面に落ちていた視界に入ったのが、
  “落ち葉で作られたハート”♡!!「え゙?!」って感じで足が止まり、まじまじ
  と見てみると、主にその公園にいっぱい植わっているクスノキの落ち葉
  (枯れた葉を手でくしゃっとして香りを嗅ぐのは私の趣味です。
  メンソレータム系の香りがします。余談まで)で上手にハートが作られて
  いました。女性なのか男性なのか、カップルなのか何なのか、どこの誰が
  作ったのかは判りませんでしたが、なんか面白いなあと思ってスマホで
  撮りました。ちょっと気分が楽しくなった午後でした。
☆公園に落ち葉でハートができていた
         いずこの方の作かは知らねど
【詞書】4月30日(月)朝日新聞の京都面で、平等院の中にあるミュージアムむ
  「鳳翔館」で、藤原頼通の没後950年を記念した特別展が開かれている、
  という記事を見て、ふと「人々が笑顔で花々を見て、阿弥陀さんを見物する。
  こういう世界もある意味、現世に於いては浄土みたいなもんやないかなあ…」
  と思いまして…。(心の洗濯…浄化もされたりして…)実に平和な風景で、
  あの世の浄土を思って1053年に阿弥陀如来像を安置した鳳凰堂を建てた
  頼通公が見たら、楽しげな様子を喜ぶかなあ…と。同じ記事に今回の展示の
  目玉として、頼通さんの「新古今和歌集」に選ばれた和歌を江戸時代の僧、
  松花堂昭乗が和紙に書いた「和歌切(うたぎれ)」が初公開されているんだ
  そうです。「光る君へ」で“藤原家”への注目度も高くなっていることだし、
  “頼通公園”(平等院近くの小さい公園)はしょっちゅう通るし、ちょっと
  見に行ってみようかなー…。なんて思いました。(学生さんも多い時期やし、
  めっちゃ混んでるでしょうが)。
☆人々の笑顔の先に阿弥陀仏
       頼通公は浄土夢みて
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回も、「探査機のSLIM」をはじめ、「落ち葉のハート」「鳳凰堂」と
 ホットなテーマで三首詠んで頂きました。
 一首目の歌、「探査機のSLIM」は-170℃の「月の夜」を、3たび「越夜」し
 ミッションを果たしつつありますね。そのSLIMを我が子のように心配し
 エールを送り続ける作者のような存在は、SLIMにとっても頼もしい応援団
 ですね。SLIMから38万kmを越え「頼もしきかな…」との返歌も届きそうです。
 二首目の歌、「落ち葉のハート」を描いて、公園に来る方にプレゼント
 するなんて粋なことをする方ですね。こんな方が増えると世の中は
 もう少し平和になるのですが…。こんなさり気ないプレゼントをする方の
 心の花園の素敵さを垣間見る想いです。
 三首目の歌、頼通公は父道長から若くして後一条天皇の摂政を譲られ、
 その後見を受け、父の死後は朝政の第一人者として後朱雀天皇、
 後冷泉天皇の治世にて、関白を50年の長きに亘って務めましたね。
 また、父道長と共に藤原氏の全盛時代を築き、栄華の象徴とも言える
 平等院鳳凰堂を造営しました方でもあります。
 詞書にもありますように「人々が笑顔で花々を見て、阿弥陀さんを見物する」
 これこそ「現世に於いては浄土」とも言えます。世知辛い世の中ですが
 せめて阿弥陀様のご尊顔を拝したいと思います。

☆久方に晴れたる丘に罌粟の花 ほろほろ揺れて空かけのぼる
                         ポエット・M
【解説】
 この歌は、ペリーの上陸地として有名な久里浜の、谷戸一面に咲く100万本
 とも言われている、罌粟(けし)の花が風に揺れている様を詠んだものです。
 罌粟の花は風に揺れながら赤、黄色、白色、薄紅と鮮やかな色彩を放って
 います。その花々は揺れながら、まるで空に向かって飛び立とうとする
 かのような、軽やかな風情を感じさせてくれます。
 その一瞬の飛翔にも似た姿を、歌に留めようとして詠んでみました。
 また、桜とともに、その花の存在がことさら、季節の移ろいや時の流れを
 感じさせる罌粟の花を改めて感じています。与謝野晶子が「君もコクリコ…」
 と詠んだ想いを改めて感じています。

     「谷戸一面に咲く 罌粟(けし)の花」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(37)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。に
     
18.「短歌の章」 桜島山(1)

   陽は輝れど空おぼおぼとけぶらへり   
           火の山の煙目交ひに立つ
            
   山つつじ咲く火の山はひねもすを
           ひびきもやまず山鳴りぞする

   火の山に登れば大きあめつちに
           人はかそけき命なりけり

  
【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】先週に引き続き掲載致します。
 fumiel-shimaさんからのコメントです。
 「皆さんの気持に少しでも近づけるよう・・・」
 皆さんお一人お一人が描かれたイメージに少しでも近づけるように…と、
 何度も繰り返し読ませていただきました。
 過ぎし日の…あるいは今やはるか遠い日のあの思い出…皆さんのいつまでも
 心に残るような大切な気持とその光景が朧気ながら春風に乗って私にも
 緩やかに伝わってくるようです。
 そして皆さんそれぞれが持つ大きなものへの想像力と目の前の小さな事象
 への細やかな神経、気配り…それらが映像となって私の胸の中でも膨らんで
 いくようです。皆さんがものを見た瞬間に言葉が浮かぶその時の様子と
 表情を想像するだけで感動します。

ポエット・Mの返答コメント
 いつも「水曜サロ」ンへ、励ましと温かな、お心の篭もったコメントを
 頂き私はもとより、各々のメンバーも励まされております。改めて、
 御礼申し上げます。
 「短歌を詠む者は現実の表現者であり、半歩先の預言者であれ」と、かつて、
 私の短歌の師より教えられたことがあります。
 fumiel-shimaさんもおっしゃる様に、目の前で起こっている事象に真っ向
 から対応し、その洞察と表現を行い、さらに詩人としての感性を磨き
 半歩先を予見し、時には警鐘を鳴らすべく詠えと…解釈して参りました。
 未だ、成し得ていない自分を反省している所ですが、心したい教えと
 思っています。
 fumiel-shimaさんのコメントをエールとして受け止めさせて頂き、これからも
 「水曜サロン」を見守って頂ければ幸いです。
 
     「咲き競う 藤の花」

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字程度にまとめて
    頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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