7月30日、フライ級ダブル世界タイトルマッチが、東京の国立代々木第一体育館で行われた。WBC王者・内藤大助/日本王者・清水智信、WBA王者・坂田健史/同級3位・久高寛之の二戦である。
どちらも見応えのある好試合で、チャンピオンがタイトルを防衛したが、WBCの方が圧倒的にスリリングだった。
挑戦者の清水は、九回までの戦況から、十回に勝利を確信したに違いない。試合後、「勝てると思って、一瞬油断した」(7月31日付『北海道新聞』第20面〈スポーツ〉、写真を転写)と後悔の涙を流した。狙い澄ました起死回生の左フック。内藤の気迫もさりながら、これほど見事に相手の顔面を捉えた強烈なフックは、久しく見ていない。相手を格下と見た内藤の油断と、善戦から生じた清水の一瞬の油断が織りなした逆転劇だった。
坂田のストレートも切れがよかったが、ストレートに関しては、6月12日に行われたWBCバンタム級タイトルマッチでの長谷川の方が見栄えがよい。
長谷川は、クリスチャン・ファッシオ(ウルグアイ)を相手に、2回中盤、左ストレート一発でダウンを奪い、試合を決めた。相手の顔面に突き刺さるように伸びた左腕、のけぞるファッシオ。これこそストレートの見本といってよいだろう。
試合後、敗者は、「これまでの練習量を思えば、今はとても悲しい。2ラウンドで終わるとは。長谷川の左パンチは強くなかったが、的確だった」(6月13日付『読売新聞』第21面〈スポーツ〉、写真を転写)と嘆いたが、実力不足は否めない。
■ 坂田の写真は、上掲『北海道新聞』から転写 ■
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