5月16日に開かれた<エゾシカ保護管理検討委員会>で、道が最新のエゾシカ食害データ(5月17日付『北海道新聞』第1面)を示した。道の集計によると、「エゾシカによる2006年度の道内の農林業被害額が、前年度より一割増え、五年ぶりに三十億円を突破した」(同新聞)という。
ハンターの減少や高齢化、数年来の少雪傾向によって個体数が増加しているのが原因と思われるが、確かに、狩猟期間中にキノコ採りに山に入っても、ハンターの姿を見かけることがめっきり減った。
被害額増加のほとんどが道東の牧草の食害だそうだが、牧場のシカ防護柵が老朽化で全く用をなしていない箇所を多く見かける。山の斜面にシカ道が多数生じ、大量の糞がシカ道にも牧草地にも残されているから、個体数が増加していることは明らかである。
十数年前は、ハンターの数も多く、山中の至るところに解体後の残滓が放置されていた。ヒグマがそれを狙って出没し、糞に大量のシカの毛が含まれていたものである。
平成10年前後にハンターがよくエゾシカを解体した場所を訪れてみたところ、名残の頭骨がいくつか落ち葉に埋もれかかっていた。落ち葉を取り除けて撮影。
<牧場のエゾシカの写真は、清田昌英氏のHP「峠を越えて」から転載>
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