タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ 柏木小学校の校舎 ≫

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 平成20年3月で閉校となる柏木小学校の校舎に、北海道教育大学附属釧路小学校が移転を希望している問題について、8月11日投稿の≪手前勝手な校舎移転問題≫で、私は、第一に、大学として正式決定してもいないのに、PTA役員が市長に移転受け入れを要望したこと、第二に、会長の「柏木小周辺は、春採湖の豊かな自然や市立博物館など、子どもたちを学ばせるには最高の環境」という、思慮の欠けた発言を批判した。
 市長が、「大学から正式な話がないので、回答できない」と述べたのは当然である。その後、副学長(釧路校担当)は大学の教育研究評議会で説明を行ったそうだが、大学本部は正式決定をせず、釧路市の検討状況をみる、ということになった。副学長(釧路校担当)と附属学校長が市役所を訪れて手渡した、移転受け入れ要望文書に対して、市長は、「他の跡利用法とともに検討する。市としては桜が岡、柏木両地域の住民感情を気にしている」(8月21日付『北海道新聞』第26面〈釧路〉)と答えている。これも当然といえば当然だろう。
 興味深いのは、副学長(釧路校担当)の、「これで跡利用の検討の俎上に載ったわけで、われわれにとって一歩前進」という発言と、8月26日付で就任したばかりの、新副学長(釧路校担当)の、「釧路市が『他の跡地利用案とともに検討する』との意向を表明されているので、その結果を待ちたいと思います」(9月7日付『北海道新聞』第27面〈釧路・根室〉)という発言との、意味合いの違いである。
 相手方の応答の真意を忖度できない、手前勝手な浅慮と、決定権を有する市に対する良識ある配慮との間には、雲泥の差がある。組織の上に立つ者は、このような些細な発言で、管理運営者としての力量が問われるのである。

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