タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ 野村證券元社員ら告発 ≫

Photo 5月31日付『読売新聞』第38面〈社会〉では、野村證券のインサイダー取引事件について、30日、証券取引等監視委員会が中国人元社員、及びその知人兄弟二人、合わせて三名を、金融商品取引法違反の疑いで東京地検に告発したことを報じている。
 事件が最初に報じられたのは、4月22日で、同日付『読売新聞』第1面に、<野村社員インサイダー容疑><監視委、きょうにも強制捜査><M&A担当の中国人><知人と共謀 利益5000万円>という見出しが並んでいる。
P1030376_2  同日付『北海道新聞』夕刊・第1面は、「内部情報に接し、市場で重要な役割を果たす証券会社の社員が、インサイダー取引のような原始的な罪を犯すことは言語道断だ」と、渡辺金融担当相の厳しい批判を載せているが、政治家の先生方は大丈夫か?
 野村證券は、平成15年にもインサイダー取引事件を起こしていて、社員の「高いモラル」もヘチマもあったものではない。情報の真っただ中にいて、まさに「濡れ手にアワ」の株取引きではないか。
 ビジネスの国際化が進み、外国人社員の重要性が増している事情は理解できるが、問題の中国人社員が所属していた企業情報部は、社の中核部署で、他の部署より一段と強い機密保持義務が課せられている(4月23日付『読売新聞』第2面〈総合〉)、という。個人の資質と同時に、社内の情報管理体制に欠陥があったのだろう。
 俗に「中国四千年の歴史」というが、漢民族は四書五経を持つ礼節の民ではなかったか。悠久の文化的伝統を背負って、あぶく銭を得る小賢しい悪知恵を働かす人間とは、そも如何なる業(ごう)を持ってこの世に生まれしか、哀れなるかな。私は証券業界などに蠢くものたちを、堅気の人間とは見ていない。博徒と同類である。
 ■ 野村證券本社の写真は、フリー百科事典『ウィキペディア』から転載、インサイダー取引事件一覧は、4月24日付『読売新聞』第3面〈総合〉から転写 ■

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「政治経済」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事