タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪北教大釧路校書道研究室の卒業書作展(07年度)≫

P1020488_2 三月七日午前、最上階でブログ記事<街の風景>シリーズの写真を撮るため、釧路市生涯学習センター(まなぼっと)を訪れたところ、一階市民展示ホールで、北海道教育大学釧路校書道研究室の平成19年度卒業生が、卒業書作展を開催していた。
 卒業生は四名で、それぞれ、四年間の創作活動の総まとめとしてふさわしい力作が展示され、古典臨書・創作・近代詩文、いずれも見応えがあった。
 この卒業書作展では、西澤智子さんの隷書の古典臨書が気に入り、許可を得て撮影した。文字の意味するところは別もので、力みのない、気品のあるまろやかな作品を前にして、しばし足をとどめた。作品に添えられた西澤さんの謙虚な制作の意図も、気負いがなくてよろしい。意図が作品によく表れていると思う。
P1020490_2 私は、書道に関しては全くの素人だが、手書きでも活字でも、文字の書体には拘りがある。パソコンに明朝体やゴシック体の他に、魏碑体・龍門石碑体・新宋体・隷書体・教科書体といったフォントをインストールして、時々に応じて使い分けている。デジタルフォントには不満が多いが、現状では諦めるしかない。
P1000278_3 最も好きなフォントは宋朝体(写真下段は、吉川英治『三國志』第十巻〈六興出版部〉)の目次から転写)だが、残念ながら、代用フォントとしてダイナラブ社の新宋体しか手に入らないので、私的な文書には必ずこれを使用している。代用品とはいえ、出来上がった文書には鋭利な緊張感があり、爽快な雰囲気が漂う。隷書体も好きだが、これは趣味的な用途に限定している。新宋体とは全く異なる、悠揚迫らぬ趣はまた格別である。

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