タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ 中国産品安全性問題 ≫

P1020436 平成19年3月に、中国産の原料を含む商品でイヌやネコの死が相次いだ米国では、その後も、各種の中国産品で安全性に関する問題が多発し、対中国不信が高まっている。
 しかし、自主回収騒ぎで安全性が懸念される中にあって、アングロ・サクソン民族の社会には、輸入会社の幹部が記者会見を行って、市民に頭を垂れて<お詫び>をする習慣はない。詫びるということは、輸入会社の瑕疵を認める行為だからである。P1020437
 それに対して日本民族は、誤ることを是とする社会的慣習の中で生きている。法人であれ個人であれ、ひとたび事が起こると、取りあえず詫びるのが常である。上の写真は、中国産冷凍ギョーザで中毒が起き、会見終了後に頭を下げる、輸入元JTの取締役である。
 米国政府が、不信を募らせながらも、「閣僚による作業部会を設置し、中国製品の安全性をめぐる初の米中協議を北京で開くなど、対策強化を急ぐ背景には」、もはや中国の部品や製品がなくては成り立たない米国産業の現状に危機感を抱いているからである(平成19年8月5日付『讀賣新聞』第3面〈総合〉参照。左の中国産品表は同紙から転写)。
 米国内には、米国人の生活の安全を脅かす自由貿易を抑制する動きもあり、貿易赤字の膨張という観点からも、中国に対する風当たりは強い。安全性の問題によって、中国が最も忌避する保護貿易主義が強まる可能性がないとはいえない。
 どの国も、一国だけ孤立しては存在し得ないのだから、成熟した協調関係の構築に努めなくてはなるまい。特に、中国には、公正な情報公開と冷静な対応を期待したい。
  <JTの写真は、1月31日付『讀賣新聞』第38面〈社会〉から転写>

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