透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

松本市島立の火の見櫓

2021-07-13 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)松本市島立 3脚86型(3本の脚、平面が8角形の屋根、同6角形の見張り台) 撮影日2021.07.11


 正面から見ると正方形、横から見る正三角形、上から見ると円。これどんな立体? こんな問題が「頭の体操」という昔々のクイズ本に載っていたが、火の見櫓も見る方向によって周辺環境の印象はずいぶん変わる。上の2枚の写真が好例。2枚目の写真には、バックにビジネスホテルが写っているので、よくこんな市街地に残っていたものだ、という印象を抱くと思う。1枚目の写真は郊外の住宅街のような印象で、火の見櫓が立っていることに意外な感じはしない。


3角形と8角形を中心を一致させて重ねると分かるが、3角形の櫓と8角形の屋根は、3本の柱と屋根との取り合いが同じにならないので、あまり多くない組合せ。

見張り台のつくり方はごく一般的だが、床面を支える部分は横架材の中央に垂直部材(束材)を立てている。この部分に交叉ブレースを設置したものは時々見かけるが(写真①)、このように束だけというのは珍しいと思う。

梯子を見張り台の床面から突き出しているが、こうすると移乗しやすくなるので好ましい。


脚部の構成に注目。3構面のうち、正面だけアーチ形の部材を用いているが、残りの2面はずいぶん低い位置に横架材を設置し、短い脚をつくっている。このような変則的なつくりは珍しい。製作時、意図的にこのような構成にしたのだろうか。成行でこうなった、ということでもないだろうから、やはりはじめからこのようにつくるつもりだったのだろう。


アーチの頂部の横架材に付けた分割したリング式ターンバックルにブレースを取り付けている。これも珍しく、他に見たことがない。



先日見た松本市高宮北の火の見櫓 床下、櫓上部に交差ブレースを入れている。


 



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