私的図書館

本好き人の365日

田植えの季節です

2006-04-30 17:55:00 | 本と日常
今年のゴールデンウィークは7連休*(音符)*

といって特別予定も立てていないので、のんびりしようかな☆

今日は久しぶりにタクシーに乗ったのですが、やっぱり自分が運転している時と違って景色も新鮮。

見慣れた道ですら、「あんな所に採石場が」とか「キレイなチューリップが咲いてるな」とか、新しい発見がありました。

岐阜では田植えの準備がにぎやかです。
この連休中に植えてしまう家が多いので、トラクターや軽トラをよく見かけます。

うちはもう何年も前に、種もみから発芽させるのをやめてしまって、農協から苗を買うようになったのでラクチンラクチン♪

もともと小さな兼業農家なので、田植えも一日で終わります。

昔はビニールハウスを作って、砂を運んでは苗床を作り、気温を気にしながら毎日水をやらなくちゃいけなかったので大変でした。

田植えが終わってから一番やりたくないのは、苗の入っていた苗箱を洗うっていう仕事。

農作業全体が機械化されてきたとはいえ、草取りとこれだけは未だに手作業です。

ま、これくらいの苦労はしなくちゃね。

美味しいご飯を食べるためですから☆




『終末のフール』

2006-04-30 16:38:00 | 本と日常
伊坂幸太郎さんの『終末のフール』を読みました♪

―あと3年で地球に小惑星が衝突する―

という設定で語られる短編集☆

「小惑星の衝突」なんてインパクトのあるお題だったので、SF好きの私としては、『アルマゲドン』とか『地球最後の日』を連想してしまったのですが、それは失敗。

その辺の細かいところはあまり気にしないで、「3年後に死ぬことがわかっている人間たちのドラマ」として読んでみるのがオススメです☆

でも、ホントはこれもおかしな話で、3年後ってわけじゃないけれど、人間は誰でもそのうち必ず死んでしまうわけで、だから実はこのお話は、すべての読者に当てはまるお話だといえなくもないんです。

ただ、物語の登場人物と違うのは、読者の多くが、自分がいつかは死んでしまうということをあまり自覚していないということ。

作者はその辺のメッセージ(皮肉?)も込めてこの本を書いたんじゃないかと、感じたんですけど、深読みだったかな?

あと3年しか生きられないとしたら、あなたはどうしますか?

人間らしい、いや、あなたらしい最後とは、どんな最後ですか?

あと3年で世界が滅びるというのに、妻から妊娠を告げられる優柔不断な男。

両親に自殺されてしまったけれど、自分は「死なない」と目標を立てて、恋人を見つけようと決心する女の子。

世界が混乱する中、暴漢に襲われ亡くなった妻の後を追おうと、首を吊ろうとする会社経営者。

今まで通り黙々とトレーニングに励む格闘家。

マンションの屋上に、小惑星が衝突して大洪水になった時、一番最後までその様子を眺めていようと高い櫓(やぐら)せっせと作っているおじいちゃん。

私がドキッとしたのは、黙々とトレーニングを続ける格闘家のセリフですね。

あなたの生き方はあと何年生きるつもりの生き方なんですか? とかなんとか、そんな意味のセリフが出てきて、「そうだよなぁ~」と自分に置き換えて考えてしまいました。

この作者って自分と同世代で、作品の中に自分も読んだことのある本がよく登場するので、すごく親近感を持っています。

本物の「死神」の出てくる『死神の精度』って作品も面白かったし♪

自分があと3年で死んでしまうとしたら、何をして過ごすだろう?

多分、好きなことしかしないだろうから…ゴロゴロしてるかなぁ~

あ、それじゃあ、今と同じか(笑)





  もし世界の終りが明日だとしても

  私は今日林檎の種子をまくだろう。

              ―ゲオルグ・ゲオルギウ―