電車の中で隣に座った女の子たちが遠距離恋愛について話していました。
「実は彼氏が〇〇に住んでて…」
「え~、遠距離じゃん。どうして?」
…いや、どうしてって、そこに家があるからだろ。
「どうして?」と思わず訊いちゃった女の子、その後すぐ「どうしてっていうのは変だけど大丈夫なの?」と相手のことを心配していましたが、本音では彼氏が遠距離に住んでいることがよっぽどありえないことだったんですかね?
ま、確かに遠距離って大変そう。
だけど「ありえない」ってほどじゃないなぁ。
何となく、遠距離恋愛=「乗り越えられる障害」と「絶対無理」という二人の女の子の価値観の違いを垣間見たようで面白かったです。
ただね、声が大きいよあんたたち…
電車の中で読んでいたのは、2004年「日本ファンタジーノベル大賞」の優秀賞でデビューした越谷オサムさんの2008年の作品。
『陽だまりの彼女』 (新潮文庫)
十年ぶりに再会した幼なじみは、かわいくて仕事もできる社会人になっていた!
イジメられっ子だった彼女の変身ぶりに驚きながらも、思い出すのは中学時代のちょっと辛くてせつない思い出。
プツンと切られた糸みたいになっていた二人の時間が再び動き出す…
断言しましょう!
この小説はSFです!!
もうさまざまな意見反論を覚悟の上で私はこう言い切ります。
この小説はSFだと!
最初はベタベタの極甘恋愛小説かと思いました。
公園でキスだとか、ハダカにエプロンだとか、バカップル丸出し(苦笑)
それでも彼女の性格がとってもいいので、あぁ、恋愛ってこういうところあるよね~、と読み進めることができます。
同級生からのイジメ。飛び交うウワサ。校内で孤立してしまっていた二人。
里親に育てられたという環境。
彼女につきまとう過去の影と秘密。
二人が出会ったのは、果たして偶然だったのか?
最後まで読んで、「陽だまりの彼女」というタイトルに納得しました。
まさかこんなラストがこんな、のほほ~んとした小説に待っていようとは!!
日差しのあたる畳に寝そべり、友人を呼んでは酔いつぶれ、鼻歌を歌いながら朝食を作る♪
♪僕たちが結婚したらきっと幸せになれるはずさ
♪素敵じゃないか
(作詞 トニー・アッシャー 作曲 ブライアン・ウィルソン 邦訳 越谷オサム)
SF小説です!
恋愛小説でミステリーでアクションでサスペンスで怪談でもありますが、SF小説です!!
電車の中で読んでいて、ニヤニヤ笑いが止まりませんでした。
マスクをしていたけどバレてなかったかな?
あー、面白かった♪
いい読書ができました☆