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本好き人の365日

伊坂幸太郎 『バイバイ、ブラックバード』

2013-05-03 23:56:56 | 日本人作家

実写映画化が話題の角野栄子さんの『魔女の宅急便』が、版元を変えて角川書店で文庫化されましたね。

 

角川書店
発売日:2013-04-25

 

 

 

 

 

 

パラパラっと読みましたが、文庫版特典というか、あとがきも解説もなくて、ちょっとガッカリしました。
これだと単行本で買った人は買わないって!
なぜそれがわからない角川文庫!
そしてなぜわからないハリポタ文庫化、静山社!!

 

同じくこの3月に文庫化された、伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード』(双葉文庫)を読みました。

 

 

 

 

 

 

 

タイトルが楽曲のタイトルに由来するのは伊坂作品の定番。
軽妙な文体と飛び出た感性による比喩の数々♪
私はドカベンの不知火も、レオタードを着た美人三姉妹も知ってますよ!

しかし、主人公が五股をかけてて、その5人に別れを告げに行くって(苦笑)

いや、確かにそういう話っていえばそういう話なんだけれど、それだけで終わっていないのが伊坂幸太郎!

とっても面白いお話になっています。

この作品のそもそもの始まりは、太宰治の未完の小説『グッド・バイ』の続編か完結編を書かないか、という企画だったそうです。

ちなみに太宰治の『グッド・バイ』は、過去の愛人たちと別れるため、絶世の美人を自分の奥さんに仕立て上げ、「こんなにキレイな奥さんにはかなわないわ」と愛人たちに思わせて手を切るというお話(苦笑)

しかもこの絶世の美人、実は大食いで怪力、声もガラガラ声で普段は男か女かわからない、部屋もゴチャゴチャという、超がさつ女なのですが、化粧をして趣味のいい着物を着てだまっていると、誰もが振り向く超美人に変身するという設定なんです(笑)

「グッド・バイ」に登場する「絶世の美人」も強力なキャラですが、「バイバイ、ブラックバード」では、この「絶世の美人」が「グッド・バイ」に輪をかけたかなり強烈なキャラに変わっています!

主人公が会いに行く5人の彼女もそれぞれ事情を抱えていて・・・・・・

笑ったり、泣いたり、しんみりしたり、クスッと笑ったり。

すべてがすべてスッキリ解決するわけじゃないし、(あれって結局どうなったの?)と思わせる、いわゆる「読者の想像力にまかせる」ところもあって、でもそんな放っぽり方も伊坂作品らしくて、まるで音楽を聴き終わって、その余韻にひたっているような読書感でした。

あー、面かった♪