誰もいそがない村

子どもの頃、NHK「みんなの歌」が大好きでした。
テレビでもラジオでもいつも聴いていました。

幼稚園の頃にヤマハ音楽教室に通い、
ピアノやオルガン・リトミックなどたくさんの音楽に触れ、
小学校に通う頃にお習字の先生のお隣にある
西村ピアノ教室に通い始めました。

黒いピアノを買ってもらい、買い物ついでに寄った本屋さんで
「みんなの歌」の楽譜を最初に買ってもらったのはいつのことでしょう。
表紙の切り絵がとてもきれいで、中学校の美術の宿題は
そっくり真似をしたアイヌ（北海道のネイティブ住民）の
（ポリティカルコレクトネスに従うとなんと呼んでいるのでしょう？）
おじさんが描いてある作品をそっくり模写して提出しました。:-)


確か、岸田今日子さんが作ったか歌った表題の
「誰もいそがない村」は今でも心に残る歌のひとつです。

この丸木橋を渡ると　誰もいそがない村がある....

の歌詞で始まるゆっくり流れる音楽。



昨日旅をした「阿育王寺」発祥の地、
嘉渓村（ジャーシートォン）はまさに「誰もいそがない村」で、
線路をずーっと歩いて、草むらを抜けると
みかん畑、豆の木、鶏が泥道歩き、そこではたい肥が作られ...
青年がオート３輪の荷台でおしゃべりをし、
その横を自転車の荷台にたくさんの草や木を積んだ小父さんが通り抜け...

きれいに立ち並ぶ色の整った3階建ての住宅の中の
整った公園では子どもたちが言い合いをしながら遊び...
わたしが外国人だなんて誰も気づかない。

屋根付のバス停はあるけれど、バスが来るのは３時間後。
たどり着いた学生「楽」さんの叔母さん宅は
掃除の行き届いたちょっと古い２階建てでした。

気がついたらおでこを虫に刺されていましたが、
おいしいハニーディーメロンをご馳走になり、
叔母さんの運転する電動自転車で、
バスの乗り換え場所の大通りまで送っていただき、
帰途に着いた幸せな冒険旅行でした。

この丸木橋を渡ると　誰もいそがない村があーるー
.......　仔牛の角にとまるくも
そのまんま　そのまんま　影法師になる村の話

西の....東の....毎日毎日　喧嘩するって
ほんとですか　ほんとですか　本当ですか？

この丸木橋を渡ると　誰もいそがない　村がある....


阿育王寺の発祥地・大殿横にある樹齢４００年の楠は
今も嘉渓村を見守り、線路下の川では
子どもたちが水に入って戯れていました。

小母さん、中国語では「アーイー」
　　　　　嘉渓村の方言では「アシン」と呼ばれます。

アシンの皆様、台風の備えでお忙しいでしょうね。
今日はご家族で嵐を見ながら、
何も心配せずに過ごす夜を迎えられるといいですね。

再見
（ツアイツエン）：発音が悪くていつも笑われますが、
今日もベイルンは静かな風が流れています。

K老師