金沢市の古刹 天徳院で私の所属する日本リアリズム写真集団(JRP)かなざわ支部の写真展が5月31日から始まり期間は一週間、最終日は6月6日(木)です。ぜひご来場下さい。
私の出展写真はこの天徳院の庭にある古井戸に設置された手押しポンプの写真「水無月の回廊」ともう一点「園庭の桜」です。
会場には30代から70代までの会員・会友ら11人の個性豊かな作品24点が並んでいて、これまで来場していただいた方たちからもおおむね高評価をされているようで、座布団に座っての写真論議も盛り上がっています。
会場となっている「天徳院」は加賀藩の三代藩主である前田利常が正室「珠姫」の菩提寺として4万坪という広大な敷地に創建した曹洞宗の名刹です。それだけに豪壮な姿を見せる山門をはじめ見所の多い寺なので写真展においでいただいたついでに古刹の風情も楽しんでいただければと思っています。
この写真展の主催団体「日本リアリズム写真集団」は日本におけるリアリズム写真の提唱者としてだけでなく、写真史の中でも巨大な足跡を残す写真家「土門拳」とその仲間達がリアリズム写真を提唱しその実践を進めるプロ、アマの区別なく参加できる写真団体として1963年に設立した写真集団で、そのかなざわ支部も25年の歴史を持つ団体です。
天皇制時代には戦争推進のための道具として、国民の思想動因の手段として使われてきた写真の歴史があります。そしてそのことは自由な表現を許されなかったという芸術にとって二度とあってはならない歴史でもあります。いま安倍政権は憲法の改悪でそんな時代への逆行を狙っています。今回の展示された写真の数々は美しい風景であったり、心和む日常の記録であったり、行政の硬直した施策がもたらす結果への告発であったりするさまざまなものがありますが、そんなバラエティに富んだそれぞれの想いの表現が規制される時代が再び来ることの無いように発言し続けることも大切なことだと思っています。