(ブログ初出:2018年6月23日付)
本日6月23日は沖縄慰霊の日です。
琉球新報 2023年6月23日社説
戦後78年「慰霊の日」 沖縄は「戦場」を拒否する
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1733780.html
貴い生命を奪う殺りくが続く。
抑止力向上を名目とした軍備増強が急速に進む。
平和に逆行する動きの中で私たちはこの日を迎えた。
きょうは敗戦から78年の「慰霊の日」である。
昨年来、平和はもろく、その回復は極めて困難であることを思い知らされてきた。
平和を脅かす戦争準備に強い危機感を抱いてきた。
それでも私たちは平和構築の不断の歩みを断念するわけにはいかない。
沖縄の島々が再び戦場となることを県民は明確に拒否する。
そのためにも沖縄戦の実相を見つめ直す日としたい。
沖縄に住んでいる私たちは今、国際社会の分断と脅威論の広がりを目の当たりにしている。
沖縄にとっては、いずれも平和構築の障害であり、克服しなければならない。
ロシアによるウクライナ侵攻は無辜(むこ)の民に犠牲を強いるとともに国際社会に深刻な分断をもたらした。
侵攻から1年で、双方の軍民の死者数は当局者らの公表分だけで計約2万7千人を数えた。
停戦の糸口は見えないままだ。
先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)は国際社会の分断を融和へと導く場とすべきであった。
しかし、ロシアへの制裁強化を確認し、
包囲網を固めたことで分断はより深まったように見える。
ロシアに影響力を持つ中国との連携や、
戦闘を続ける両国に対し中立を保つ「グローバルサウス」の国々との対話を踏まえた停戦の働き掛けが必要だ。
停戦を促す国際的枠組みづくりが急がれる。
先進国の取り組みを求めたい。
ロシアのウクライナ侵攻は「台湾有事」という脅威論につながった。
それらを背景とした防衛の「南西シフト」によって宮古、石垣、与那国の軍備増強が急激に進んだ。
北朝鮮によるミサイル発射や衛星打ち上げも脅威論の横行に拍車をかけている。
3島への地対空誘導弾パトリオット(PAC3)配備は2カ月近くになる。
これらの軍備増強は他国との緊張を高めるものでしかなく、
地域住民の平安な暮らしに寄与するものではない。
他国の標的となることへの危惧を住民は抱いている。
何よりも「軍隊は住民を守らない」という沖縄戦の教訓に照らしても、
現在の軍備増強の動きは否定されるべきものだ。
「慰霊の日」に当たって沖縄が政府に求めることは、
台湾有事や中国、北朝鮮の脅威をあおることではなく、
緊張緩和に向けた外交努力である。
防衛費増額の財源を確保する特別措置法は成立したが国民は防衛費増に否定的だ。
政府は国民世論を直視し、軍備増強政策を改めるべきだ。
きょうの全戦没者追悼式では玉城デニー知事が発表する平和宣言と合わせ、
岸田文雄首相があいさつを述べる。
沖縄の島々が再び戦禍に巻き込まれることがあってはならない。
県民の思いに沿うメッセージを求めたい。
Webサイト「LITERA」 20018年6月23日付記事より
沖縄出身のりゅうちぇるが「慰霊の日」に向け語っていた、戦争、米軍基地への強い思い
http://lite-ra.com/2018/06/post-4084.html
-----------------------------------------------------------------------------------------------------
そして、忘れてはいけない、素晴らしい詩を紹介します。
相良倫子さんの朗読された「平和の詩 “生きる”」です。
「生きる」
沖縄県浦添市立港川中学校 3年 相良倫子
私は、生きている。
マントルの熱を伝える大地を踏みしめ、
心地よい湿気を孕んだ風を全身に受け、
草の匂いを鼻孔に感じ、
遠くから聞こえてくる潮騒に耳を傾けて。
私は今、生きている。
私の生きるこの島は、
何と美しい島だろう。
青く輝く海、
岩に打ち寄せしぶきを上げて光る波、
山羊の嘶き、
小川のせせらぎ、
畑に続く小道、
萌え出づる山の緑、
優しい三線の響き、
照りつける太陽の光。
私はなんと美しい島に、
生まれ育ったのだろう。
ありったけの私の感覚器で、感受性で、
島を感じる。心がじわりと熱くなる。
私はこの瞬間を、生きている。
この瞬間の素晴らしさが
この瞬間の愛おしさが
今と言う安らぎとなり
私の中に広がりゆく。
たまらなく込み上げるこの気持ちを
どう表現しよう。
大切な今よ
かけがえのない今よ
私の生きる、この今よ。
七十三年前、
私の愛する島が、死の島と化したあの日。
小鳥のさえずりは、恐怖の悲鳴と変わった。
優しく響く三線は、爆撃の轟に消えた。
青く広がる大空は、鉄の雨に見えなくなった。
草の匂いは死臭で濁り、
光り輝いていた海の水面は、
戦艦で埋め尽くされた。
火炎放射器から吹き出す炎、幼子の泣き声、
燃えつくされた民家、火薬の匂い。
着弾に揺れる大地。血に染まった海。
魑魅魍魎の如く、姿を変えた人々。
阿鼻叫喚の壮絶な戦の記憶。
みんな、生きていたのだ。
私と何も変わらない、
懸命に生きる命だったのだ。
彼らの人生を、それぞれの未来を。
疑うことなく、思い描いていたんだ。
家族がいて、仲間がいて、恋人がいた。
仕事があった。生きがいがあった。
日々の小さな幸せを喜んだ。手をとり合って生きてきた、私と同じ、人間だった。
それなのに。
壊されて、奪われた。
生きた時代が違う。ただ、それだけで。
無辜の命を。あたり前に生きていた、あの日々を。
摩文仁の丘。眼下に広がる穏やかな海。
悲しくて、忘れることのできない、この島の全て。
私は手を強く握り、誓う。
奪われた命に想いを馳せて、
心から、誓う。
私が生きている限り、
こんなにもたくさんの命を犠牲にした戦争を、絶対に許さないことを。
もう二度と過去を未来にしないこと。
全ての人間が、国境を越え、人種を越え、宗教を越え、あらゆる利害を越えて、平和である世界を目指すこと。
生きる事、命を大切にできることを、
誰からも侵されない世界を創ること。
平和を創造する努力を、厭わないことを。
あなたも、感じるだろう。
この島の美しさを。
あなたも、知っているだろう。
この島の悲しみを。
そして、あなたも、
私と同じこの瞬間(とき)を
一緒に生きているのだ。
今を一緒に、生きているのだ。
だから、きっとわかるはずなんだ。
戦争の無意味さを。本当の平和を。
頭じゃなくて、その心で。
戦力という愚かな力を持つことで、
得られる平和など、本当は無いことを。
平和とは、あたり前に生きること。
その命を精一杯輝かせて生きることだということを。
私は、今を生きている。
みんなと一緒に。
そして、これからも生きていく。
一日一日を大切に。
平和を想って。平和を祈って。
なぜなら、未来は、
この瞬間の延長線上にあるからだ。
つまり、未来は、今なんだ。
大好きな、私の島。
誇り高き、みんなの島。
そして、この島に生きる、すべての命。
私と共に今を生きる、私の友。私の家族。
これからも、共に生きてゆこう。
この青に囲まれた美しい故郷から。
真の平和を発進しよう。
一人一人が立ち上がって、
みんなで未来を歩んでいこう。
摩文仁の丘の風に吹かれ、
私の命が鳴っている。
過去と現在、未来の共鳴。
鎮魂歌よ届け。悲しみの過去に。
命よ響け。生きゆく未来に。
私は今を、生きていく。
文面は毎日新聞サイト「沖縄慰霊の日」特集より転載しました。
https://mainichi.jp/articles/20180623/k00/00e/040/310000c
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------
すべての人の心に花を FLOWERS FOR YOUR HEART 1980 / 喜納昌吉&チャンプルーズ Shoukichi Kina & Champloose
作詞・作曲:喜納昌吉
編曲:チト河内、久保田麻琴
喜納友子:Vocal
Ry Cooder:Acoustic Guitar,Flat Mandolin,Slide Guitar
チト河内:Drums
久保田麻琴:Acoustic Guitar,Electric Piano,Background Vocal
Macky Ferry:Electric Bass,Background Vocal
(1980、オリジナルアルバム『Blood Line』に収録)
このオリジナルバージョンは、ホント泣けます……
自分にとって、この歌は森山良子さんの「さとうきび畑」(1969)と表裏一体です。
歌詞:「Uta-Net」
https://www.uta-net.com/song/249175/
------------------------------------------------------------------------------
2018年6月23日付訪問者数:175名様
2023年6月24日付訪問者数:149名様
お付き合いいただき、ありがとうございました。
本日6月23日は沖縄慰霊の日です。
琉球新報 2023年6月23日社説
戦後78年「慰霊の日」 沖縄は「戦場」を拒否する
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1733780.html
貴い生命を奪う殺りくが続く。
抑止力向上を名目とした軍備増強が急速に進む。
平和に逆行する動きの中で私たちはこの日を迎えた。
きょうは敗戦から78年の「慰霊の日」である。
昨年来、平和はもろく、その回復は極めて困難であることを思い知らされてきた。
平和を脅かす戦争準備に強い危機感を抱いてきた。
それでも私たちは平和構築の不断の歩みを断念するわけにはいかない。
沖縄の島々が再び戦場となることを県民は明確に拒否する。
そのためにも沖縄戦の実相を見つめ直す日としたい。
沖縄に住んでいる私たちは今、国際社会の分断と脅威論の広がりを目の当たりにしている。
沖縄にとっては、いずれも平和構築の障害であり、克服しなければならない。
ロシアによるウクライナ侵攻は無辜(むこ)の民に犠牲を強いるとともに国際社会に深刻な分断をもたらした。
侵攻から1年で、双方の軍民の死者数は当局者らの公表分だけで計約2万7千人を数えた。
停戦の糸口は見えないままだ。
先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)は国際社会の分断を融和へと導く場とすべきであった。
しかし、ロシアへの制裁強化を確認し、
包囲網を固めたことで分断はより深まったように見える。
ロシアに影響力を持つ中国との連携や、
戦闘を続ける両国に対し中立を保つ「グローバルサウス」の国々との対話を踏まえた停戦の働き掛けが必要だ。
停戦を促す国際的枠組みづくりが急がれる。
先進国の取り組みを求めたい。
ロシアのウクライナ侵攻は「台湾有事」という脅威論につながった。
それらを背景とした防衛の「南西シフト」によって宮古、石垣、与那国の軍備増強が急激に進んだ。
北朝鮮によるミサイル発射や衛星打ち上げも脅威論の横行に拍車をかけている。
3島への地対空誘導弾パトリオット(PAC3)配備は2カ月近くになる。
これらの軍備増強は他国との緊張を高めるものでしかなく、
地域住民の平安な暮らしに寄与するものではない。
他国の標的となることへの危惧を住民は抱いている。
何よりも「軍隊は住民を守らない」という沖縄戦の教訓に照らしても、
現在の軍備増強の動きは否定されるべきものだ。
「慰霊の日」に当たって沖縄が政府に求めることは、
台湾有事や中国、北朝鮮の脅威をあおることではなく、
緊張緩和に向けた外交努力である。
防衛費増額の財源を確保する特別措置法は成立したが国民は防衛費増に否定的だ。
政府は国民世論を直視し、軍備増強政策を改めるべきだ。
きょうの全戦没者追悼式では玉城デニー知事が発表する平和宣言と合わせ、
岸田文雄首相があいさつを述べる。
沖縄の島々が再び戦禍に巻き込まれることがあってはならない。
県民の思いに沿うメッセージを求めたい。
Webサイト「LITERA」 20018年6月23日付記事より
沖縄出身のりゅうちぇるが「慰霊の日」に向け語っていた、戦争、米軍基地への強い思い
http://lite-ra.com/2018/06/post-4084.html
-----------------------------------------------------------------------------------------------------
そして、忘れてはいけない、素晴らしい詩を紹介します。
相良倫子さんの朗読された「平和の詩 “生きる”」です。
「生きる」
沖縄県浦添市立港川中学校 3年 相良倫子
私は、生きている。
マントルの熱を伝える大地を踏みしめ、
心地よい湿気を孕んだ風を全身に受け、
草の匂いを鼻孔に感じ、
遠くから聞こえてくる潮騒に耳を傾けて。
私は今、生きている。
私の生きるこの島は、
何と美しい島だろう。
青く輝く海、
岩に打ち寄せしぶきを上げて光る波、
山羊の嘶き、
小川のせせらぎ、
畑に続く小道、
萌え出づる山の緑、
優しい三線の響き、
照りつける太陽の光。
私はなんと美しい島に、
生まれ育ったのだろう。
ありったけの私の感覚器で、感受性で、
島を感じる。心がじわりと熱くなる。
私はこの瞬間を、生きている。
この瞬間の素晴らしさが
この瞬間の愛おしさが
今と言う安らぎとなり
私の中に広がりゆく。
たまらなく込み上げるこの気持ちを
どう表現しよう。
大切な今よ
かけがえのない今よ
私の生きる、この今よ。
七十三年前、
私の愛する島が、死の島と化したあの日。
小鳥のさえずりは、恐怖の悲鳴と変わった。
優しく響く三線は、爆撃の轟に消えた。
青く広がる大空は、鉄の雨に見えなくなった。
草の匂いは死臭で濁り、
光り輝いていた海の水面は、
戦艦で埋め尽くされた。
火炎放射器から吹き出す炎、幼子の泣き声、
燃えつくされた民家、火薬の匂い。
着弾に揺れる大地。血に染まった海。
魑魅魍魎の如く、姿を変えた人々。
阿鼻叫喚の壮絶な戦の記憶。
みんな、生きていたのだ。
私と何も変わらない、
懸命に生きる命だったのだ。
彼らの人生を、それぞれの未来を。
疑うことなく、思い描いていたんだ。
家族がいて、仲間がいて、恋人がいた。
仕事があった。生きがいがあった。
日々の小さな幸せを喜んだ。手をとり合って生きてきた、私と同じ、人間だった。
それなのに。
壊されて、奪われた。
生きた時代が違う。ただ、それだけで。
無辜の命を。あたり前に生きていた、あの日々を。
摩文仁の丘。眼下に広がる穏やかな海。
悲しくて、忘れることのできない、この島の全て。
私は手を強く握り、誓う。
奪われた命に想いを馳せて、
心から、誓う。
私が生きている限り、
こんなにもたくさんの命を犠牲にした戦争を、絶対に許さないことを。
もう二度と過去を未来にしないこと。
全ての人間が、国境を越え、人種を越え、宗教を越え、あらゆる利害を越えて、平和である世界を目指すこと。
生きる事、命を大切にできることを、
誰からも侵されない世界を創ること。
平和を創造する努力を、厭わないことを。
あなたも、感じるだろう。
この島の美しさを。
あなたも、知っているだろう。
この島の悲しみを。
そして、あなたも、
私と同じこの瞬間(とき)を
一緒に生きているのだ。
今を一緒に、生きているのだ。
だから、きっとわかるはずなんだ。
戦争の無意味さを。本当の平和を。
頭じゃなくて、その心で。
戦力という愚かな力を持つことで、
得られる平和など、本当は無いことを。
平和とは、あたり前に生きること。
その命を精一杯輝かせて生きることだということを。
私は、今を生きている。
みんなと一緒に。
そして、これからも生きていく。
一日一日を大切に。
平和を想って。平和を祈って。
なぜなら、未来は、
この瞬間の延長線上にあるからだ。
つまり、未来は、今なんだ。
大好きな、私の島。
誇り高き、みんなの島。
そして、この島に生きる、すべての命。
私と共に今を生きる、私の友。私の家族。
これからも、共に生きてゆこう。
この青に囲まれた美しい故郷から。
真の平和を発進しよう。
一人一人が立ち上がって、
みんなで未来を歩んでいこう。
摩文仁の丘の風に吹かれ、
私の命が鳴っている。
過去と現在、未来の共鳴。
鎮魂歌よ届け。悲しみの過去に。
命よ響け。生きゆく未来に。
私は今を、生きていく。
文面は毎日新聞サイト「沖縄慰霊の日」特集より転載しました。
https://mainichi.jp/articles/20180623/k00/00e/040/310000c
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------
すべての人の心に花を FLOWERS FOR YOUR HEART 1980 / 喜納昌吉&チャンプルーズ Shoukichi Kina & Champloose
作詞・作曲:喜納昌吉
編曲:チト河内、久保田麻琴
喜納友子:Vocal
Ry Cooder:Acoustic Guitar,Flat Mandolin,Slide Guitar
チト河内:Drums
久保田麻琴:Acoustic Guitar,Electric Piano,Background Vocal
Macky Ferry:Electric Bass,Background Vocal
(1980、オリジナルアルバム『Blood Line』に収録)
このオリジナルバージョンは、ホント泣けます……
自分にとって、この歌は森山良子さんの「さとうきび畑」(1969)と表裏一体です。
歌詞:「Uta-Net」
https://www.uta-net.com/song/249175/
------------------------------------------------------------------------------
2018年6月23日付訪問者数:175名様
2023年6月24日付訪問者数:149名様
お付き合いいただき、ありがとうございました。