ぶきっちょハンドメイド 改 セキララ造影CT

ほぼ毎週、主に大人の童話を書いています。それは私にとってストリップよりストリップ。そして造影剤の排出にも似ています。

Rの物語ー心構えー

2019-12-13 07:00:00 | 大人の童話
ガッタン、ゴトトンと、時折大きく弾みながら走っていた馬車から、舗装された道を軽快に飛ばす音が聞こえて来るようになった。
元船乗りを養女として連れ帰ることは、先に手紙で知らせてあったし、『変わり種が多い船員達にこぞって教え込まれた』豊かな教養も申し分ない。後は。
「そろそろ屋敷に着く」
向かいに座るルージュサンに、子爵は声を掛けた。
「今日から、屋敷と店がお前の船だ。陸の暮らしは船の暮らしと全く違う。馴染めぬことも多いだろう。けれども私はお前の父だ。大いに甘え、頼って欲しい」
ルージュサンは、僅かに目を見開き、微笑んだ。
「よろしくお願い致します」
子爵は苦笑した。
「少しずつでいい。他人行儀は止めていくように。まずは『はい。父上』位でどうだ?」
ルージュサンは戸惑いながら声にした。
「はい。ちチウエ」
ぎこちなかった。そのまま耳まで赤くして固まる。
子爵は大声で笑った。
そして膝立ちでルージュサンに近づき、抱きしめた。
「取り繕ってないお前を初めて見た。仕事以外はそれでいい。そのままでいいんだ。お前はお前のまま、のびのび過ごせ」
子爵にバンバンと背中を叩かれ、ルージュサンがむせた。
慌てて腕を外した子爵に、今度はルージュサンが声をたてて笑い、つられて子爵も又、笑った。

馬車が玄関前に着き、子爵に続いてルージュサンは降りた。
扉の前ずらりと並んだ、使用人達が壮観だ。
好奇、疑念、拒絶、値踏み。
礼儀正しい微笑みの隙間から、様々な気配が漂って来る。
ー今までとは全てが違う。それでも今日からここが私の船。私が選んだ私の居場所。だから私は私のままでいい。私のやり方で進んでいくー
ルージュサンは鼻から背中に、大きく息を吸い込んだ。
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手袋は、見習い当時の馭者の憧れでした。
一人前になってからも、手袋は彼にとって馭者のシンボル。
馬番から馭者に意識を切り替える、アイテムでもあります。
ベテランになった今でも、手袋だけは自分で縫っています。

自作の手袋







ジャストサイズに作れます。
既製品では合いにくい方に、おすすめです。
私は手が大きいし、ニット地の端切れを有効活用出来たので、ラッキーでした。

材料
ニット地 約60cm×60cm (基本部分)
ニット地 約60cm×20cm (指の間部分)
糸 基本部分と同色

道具
裁縫道具一式
ミシン一式
型をとる紙
鉛筆


1ー4本指を揃え、親指を手のひらの方に畳んで、型をとる。
2ー親指に紙を当て、付け根の膨らみに沿って、上下山型のように、親指の型をとる。
3ー1を人差し指側のラインが中心の線対称にし、2との縫い合わせ部分をくりぬく。
4ー3の中指の太さの8割の太さで、人差し指+中指、中指+薬指、薬指+小指、の長さ+2cmの長さで、夫々の指の間の布を裁つ。
5ー2の周囲に5㎜の縫い代を付ける。
6ー3の手首部分に3cm、他の周囲に1cmの縫い代、親指部分に5㎜の縫い代を付ける。
7ー4、5、6、の型紙を表と裏で使い、左右対称で布を切る。
8ー親指部分の上半分を縫い合わせ、指の形にし、付け根部分を本体に縫い合わせる。
9ー人差し指と中指の間を4の布で、なるべく少ない縫い代で縫い合わせる。中指と薬指の間、薬指と小指の間も同様に縫い合わせる。その際指先は丸く縫う。
10ー指先に余った縫い代の、角の部分を切り落とす。
10ー手首部分の縫い代を多目に取り、小指の付け根に向かって自然なラインになるよう、縦のラインを縫い合わせ、余った縫い代を切り落とす。
11ー手袋を裏返し、手首部分を1cm折り返し、更に2cm折り返して縫い、端処理とする。

途中で試着をし、必要があれば微調整すると良いと思います。





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