この物語は架空の話です。
登場人物は実在しますが、
あくまで推測です。
だから、楽しく読んで下さい。
もし、異論があれば、
すぐにやめます。
カープ関係者の皆様…
架空ですから
誤解のないように してくださいね。
2009年のカープは、打線に苦しんだ。
過去に打撃コーチとして、実績のある内田も
打開策を見いだせなかった。
栗原も4番の重圧に苦しんだ。
オールスターあけに、復調の気配を見せたが
前後を打つ打者に安定感がないため、すべて栗原頼みであった。
指揮官は、相変わらず外人選手を重宝し続けた。
そんな中…フロントは次の手を打ち始めた。
来期の監督候補である。
従来は野村謙二郎に踏襲させるつもりであったが、
本人の予想以上に固い意志に、断念した経緯がある。
オーナーは自身で、野村に下交渉をした。
感触は昨年と同様である。
「困ったの~…ワシの人脈では野村以外にいないのじゃが…」
そこでフロントのA氏が、思い口を開いた…
「キ…キ…キヌ・・・・」
オーナーは、たまりかねて言った…
「キヌシタ…いや…木下か…」
思わずA氏は…「ハイ・・・・」と、心にないことを言ってしまった。
本当は…衣笠と言いたかったが、やはり、A氏個人の保身も考えると
口が裂けても言えなかった。
オーナーは、山本浩二大好き人間である。
カープには、山本浩二派と衣笠派とあることは、某OBから
聞かされていた。そのことをうっかり忘れていた。
そこで、同席していたB氏が口を開いた…
「内部昇格で、山崎はどうでしょうか…」
オーナーはしばらく沈黙した。
(山崎か…困った時の山崎じゃが…イマイチよの…)
と内心思い、口を開いた…
「それも一理じゃが、何かパ~と華が咲くのは…おらんかの…」
そこでふたたび、A氏が口を開いた…
「ヨッ・・・・ヨッ…ヨシ・・・」
オーナーが制した。
「吉田(元阪神監督)さんは、もう年じゃ…それにワシは知らん…」
A氏は2度目の地雷を踏みかけた。
やはり、高橋慶彦の名前は禁句である。
しかし、彼のロッテでの功績は見事であった。
西岡の成長は、高橋の貢献度が大きい。
その他、大リーグから帰ってきた井口も高橋の指導に
敬服していると、某スポーツ紙の記者から聞かされていた。
しかし…オーナーとは天敵である。
ナゼ…このオーナーは自分の都合しか考えないかと
腹も立ったが、本当にこのオーナーでは、本気のチーム作りは
出来ないのではと、内心不安にもなった。
高橋は、本気で広島に帰りたがっている。
本人もマスコミに、そのことを公言している。
もし、高橋がカープの一員になったら、すごい野球が再現されるだろう。
コーチボックスで、選手を躍動させる高橋に、ファンは魅了されるだろう。
選手も最高のパフォーマンスを演出するであろう。
そうすれば、観客動員も増加する。
やはり野球は、グッズに頼ってはいけない。
最高のパフォーマンスに限る。
ファンは強く、魅了する野球を楽しみにしている。
そんなことをA氏は考えていたが、オーナーに進言できる立場ではない。
フッと…オーナーを見ると、何やらインターネットのサイトで
検索を始めている。
すると…オーナーが…
「カープファンでも理論的に考えとるんがおるんじゃの~」
と、言いだした…
怪訝な顔をするA氏とB氏に、オーナーは続けた。
「こうなったら、公募じゃ…監督を公募しよう…」
A氏もB氏も…
(ついにここまで来てしまったか…)と、驚きを通り越し
辞表が頭をよぎった……つづく