東京都、コロナ警戒レベル引き下げへ 感染者が減少傾向
荻原千明、長野佑介
新型コロナウイルスの4段階による感染状況の警戒レベルについて、東京都は、最も深刻な「感染が拡大している」との現在の評価から、深刻度が2番目の「感染の再拡大に警戒が必要」に引き下げる方針を固めた。都関係者への取材でわかった。新規の感染者数が減少傾向にある現状などを考慮したとみられる。
10日に開かれる専門家らを交えたモニタリング会議で正式に決める。23区内の酒類を提供する飲食店と全カラオケ店の営業時間を午後10時までに短縮する要請についても、都は、今月16日以降は延長しない方向で調整を進めている。都は10日の会議などを踏まえて23区内の営業短縮要請を解除するか最終判断する方針。
都内の感染者数は、8月1日に過去最多の472人、同7日も462人に上ったが、その後は減少傾向に転じ、9月9日時点での週平均の1日あたりの感染者は148・6人となった。小池百合子知事は9日、報道陣に、感染状況について「傾向とすれば減少にある」との見解を示していた。(荻原千明、長野佑介)
東京都のコロナ警戒、最高レベルから一段階引き下げ
2020年9月10日 13:13 JST ブルームバーグ
東京都は10日、専門家らによる新型コロナウイルスのモニタリング会議を開き、感染状況の警戒レベルを、4段階のうち最も深刻な「感染が拡大していると思われる」から「感染の再拡大に警戒が必要であると思われる」に一段階引き下げた。
都は感染状況に警戒レベルに関して、7月15日に最も深刻な段階に引き上げ、約2カ月間、維持してきた。
東京23区内の酒類を提供する飲食店とカラオケ店を対象にした午後10時までの営業時間短縮要請については、期間を延長せず、予定通り15日に解除する方向で最終調整していると共同通信などが報じている。
東京都、新たに276人が感染
重症者は1人減の23人
東京都は10日、新型コロナウイルスの感染者が新たに276人報告されたと明らかにした。重症者は前日から1人減の23人。累計は2万2444人となった。
都内の感染者数は7月から再拡大。8月上旬に300~400人台が目立ち、中旬以降から減少傾向となっている。
GoToトラベルに東京追加へ 10月1日の旅行から
政府は10日、観光支援策「Go To トラベル」の対象に、東京都民の旅行と都内への旅行を加える方針を固めた。11日の新型コロナウイルス感染症対策分科会に諮り、理解を得られれば、10月1日の旅行から対象とする考えだ。
政府関係者らが明らかにした。コロナ禍に苦しむ観光業界にとっては需要喚起がはかられることになるが、一方で、都道府県境をまたぐ移動が活発になるため、観光地での感染防止や医療態勢の面での不安も抱える。
政府は、都内の新規感染者数が6月中ごろから再び増え、国内で突出していたことや、小池百合子都知事が都民に対し、不要不急の都外への移動の自粛を呼びかけていたことなどを踏まえ、施策開始時から当面、都民の旅行などを支援対象から外していた。
政府の分科会がその後、東京都を中心に広まった初夏の感染流行は7月27~29日をピークに緩やかに減少を続けていると評価。減少傾向は今も変わっていないと政府はみており、移動自粛に対する都の考えなどを踏まえたうえで、分科会に東京追加を諮ることを関係者と調整していた。
東京追加の時期は当初、9月19日からの4連休に間に合わせるよう検討していたが、準備期間などを考えて10月からとする。旅行業界への聞き取り調査などで、4連休後の旅行需要の落ち込みに懸念の声があり、下支えする必要があると判断した。
「Go To トラベル」は、コロナ禍で甚大な打撃を受けた業界を支援する政府の消費喚起策の目玉の一つ。7月22日に始まった。割引商品の販売が始まった7月27日から9月3日までに、少なくとものべ781万人が宿泊利用した、と政府は発表している。(中田絢子、相原亮)
東京都の小池百合子知事は10日の新型コロナウイルス感染症対策本部会議で、23区内の酒類を提供する飲食店やカラオケ店を対象に15日までの期限で出していた午後10時までの営業時間短縮要請を延長せず、解除すると明らかにした。