山梨のワインのブログ

山梨の酒屋の4代目が、ワインを中心に、山梨の酒を、愛を込めて書き溜めます。

一升瓶ワイン

2009-05-07 19:01:32 | ワイン四方山話
一升(1.8ℓ)瓶に入っているワインをご存じでしょうか。

山梨の方なら、見たことがあるでしょう。県外の方なら、「え?、ワインが一升瓶に入っているの」と驚かれるかもしれません。
 
 一升瓶ワインは山梨の特産です。他県にはほとんどありません。長野、山形、岡山で少しだけ生産していますが、全国の一升瓶ワインの山梨の占有率は90%を超えているでしょう。

 それでは、山梨のワイナリー80社がすべて一升瓶ワインを造っているかといううと、そうではありません。
すべてを調べたのではありませんが、一升瓶ワインを生産しているワイナリーは7割です。山梨のワイナリーでも3割のワイナリーは一升瓶ワインを造っていません。
 
 しかし、山梨のワインは一升瓶から始まったのです。明治の初め、殖産興業政策の一つとして山梨のワイン産業が興りました。
その時はすべて一升瓶でした。
 
 その当時もワインの大消費地は東京。
山梨の一升瓶ワインは東京でたくさん飲まれていたのですが、海外から750mlのワインが輸入されてくると、山梨のワインも4合瓶(720ml)サイズのワインが主流になってきます。それは戦後のことです。
 
 今では、720mlサイズのワインが圧倒的で、一升瓶ワインの生産量は年々少なくなってきています。
一升瓶ワインは東京を中心にした首都圏では受けいられない、一升瓶ワインを買っても一度に飲み切れない、おしゃれではない、など一升瓶ワインが衰退する理由はたくさんあります。
 
 それでも私は主張したいです、「一升瓶ワインは山梨の文化」と。
一升瓶というと日本酒のイメージが強いですが、山梨ではワインです。
山梨は全国で唯一、日本酒のメーカー数よりワインのメーカー数の多い(ワインメーカーは4倍以上です)のだから、当然一升瓶に入っているお酒はワインです。

 一升瓶ワインを囲み、皆でワインをどんどん飲む文化、ワイン特産の山梨だからです。他県では真似できない、全国に誇れる文化です。

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