今日も雪は溶けてくれない。
食料品を買いたい。
ふと、いつの日か冬山登山したいと
購入していたアイゼンを
思い出した。
まだ、一度も使う機会がなかったが、
この大雪で試してみても
いいんじゃないかな。
恐る恐る凍結道路を歩いてみる。
あらま、イケるじゃん。
リュックを背負ってスーパーに向かう。
カチカチに凍った道も滑ることなく
歩ける。
ただ、通りに出るとスノータイヤを
装着した車も走っており、道の雪は
半分びちゃびちゃに溶けて、コンクリート
にアイゼンが当たりちょっと危険。
なるべく雪が有るところを歩き
スーパー内は、用意した草履で
買い物をする。
いつも買う299円の小振りな
みかんより更に更に小振りなみかんが
499円。客の足元みてるんじゃないのと
思ったけど、大雪で立ち往生した
トラックの映像が目に浮かび、
恭しく頭を垂れて購入する。
しかし、儲けはあの苦労している
トラック運転手さんの元には
届かないだろうね。
帰りも雪道がある田舎道を
歩く。チラホラ小雪が舞っていて
ロマンチック。
ふと、雪に何かが埋もれていた。
あ、財布。
ウーン、この辺交番無いじゃん。
どうしよう。
家に帰って考えよう。
と持ち帰った。
中には一万円弱のお金と免許証。
ネコババするには少額すぎる。
閻魔様に叱られるなら、1万円では
なくせめて10万円以上で叱られたい。
で、警察に電話した。
財布を拾ったけど交番には雪で
届けられそうもないと伝えると、
礼金を貰えなくなるけれど、
警察が取りに行きますとのこと。
礼金は拒否でいいけれど、パトカーで
家まで来られると、近所の
おしゃべり雀達の標的になりそうなので
ことわる。
仕方ない。目立つ場所でパトカーと
待ち合わせをする。
また、アイゼンを装着しその場所へ
向かい警察官に点検してもらって
財布を渡す。
雪国の方々の苦労に
比べると微々たることで
申し訳ないけれど
何だか疲れた。
余計な物は拾わないように。
雪の日は殊にご注意を。
罪一つ拾えというや雪野かな
