じじい日記

日々の雑感と戯言を綴っております

Novieのこと

2018-11-21 11:52:37 | 日記的雑談
自分はMovieのことはほとんど何も知らない。
知っていることといえば、4歳になる息子がいて、父親は韓国人。
今も少しは送金があるらしいが、深い仲では無い、と自分では言っている。
生まれはビサヤ地方のマスバテ、で、海辺にせり出した家に住んでいるらしい。
父親しかいなくて、その父は10年前にダイナマイト漁で片腕を失ったことなどを聞いた。

韓国人との経緯は聞けば多分嫌な思いをするので深くは聞いていない。
しかし、彼女の生活環境を推測すると、たぶん、スクオッターなのだと思う。

スクオッターは国の土地に勝手に掘っ建て小屋を建てて住み着いてしまった違法な住人である。

そして、ずいぶん昔から禁止になってフィリピンの大部分の田舎からも消えたはずのダイナマイト漁を10年前にやっていたと言うのは、恐らく警察もいないほどの僻地である可能性が高い。

そう言う環境で育つた娘はどこか荒んでいる。
街に出で来て環境が変わっても、その匂いというのか、表情や仕草にその影は付いて回る。

サマール島の田舎、マスバテ州のさらに田舎から出で来た娘の何となく潮くさい雰囲気が気に入って、自分はNovieに興味を持った。


と、一応のエピローグと思しきものを入れて、さて、本題に突入であります。

昨日、午後3時に出勤するのでその時刻に来いと言われたので行ってた訳であります。

午後3時・・・微妙な時刻であります。

私は既に4泊分の宿代を支払ってあるホテルを出て次のホテルへ移動するべくトライク(バイクに側車を付けたもの)に乗って引っ越しをした訳であります。

チェックインできるのは午後2時から・・・まっ、フィリピンタイムですから前後30分はOKと踏んで一時半前にホテルに着いた訳です。
で、何の問題もなくさっさとチェックインしまして遅い昼飯を食べにフィールズ通りに歩いて出た訳であります・・・その距離、推定で1035メートルは熱帯のこの地では歩くのに微妙であります。
が、まっ、健康のためなら死んでも良いタイプの私は足腰のために歩くことにして、一昨日ハンバーガーが美味かった店に足を運びトーストサンドなるものを食したのであります。

へっ? 前置きが長いですか? Novieとの組んず解れつを早く書け、ですか?
まっ、徐々に行きますので・・・。

で、頃合いを見計らってバーに向かって歩いた訳です。

で、ほぼ3時ごろ、律儀な日本人はお約束の時刻に少しも違わず到着・・・しかし、Novieの姿は無いのであります。

テーブルに着くと、何を飲む、と問われ、サンミゲールライトと答え、Novieは、と同僚に尋ねた訳です。

ワラ Novie, ラカウ と・・・。

私がビサヤ語を話せるというのを知っていたウェイトレスがそう答えたのでありますが、所在は分からず、来るのか来ないのかも分からずでありました。

ふぅ~・・・やられたかな、と思いつつ、まっ、フィリピンタイムだな、とビールを舐めて待つことにした訳であります。

およそ30分後、Novieは現れました。
昨日までの長い髪を短くして、少し金色系に染めていました。

自分は少し驚くとともに、ガッカリしました・・・長い黒髪が好きなのにぃ~、と。

で、Novieがこの髪どぉ~ぉと尋ねるので、とても似合っている、と心にも無い言葉を吐いた訳です。
いや、ここで正直に言ってご機嫌を損ねるのは得策では無い訳でして・・・でも、俺は何度かその長い髪が似合っている、と褒めたはずなのに、と残念感が漂ったのであります。

Novie イノム カ? (なんか飲む?)と声をかけましたが、どーも昨夜のテンションとは大違いで少し沈んでいるのであります。

で、ラムコークなんぞを注文したので一口飲んでみると、やっぱしアルコールは入っていなくただのコーラだった訳です。

酒が入らないとテンションが上がらないタイプなのは先刻承知・・・軽く飲んで欲しいんだけどなぁ~と、こっちの思惑を全部はぐらかす勢いのNovieでありました。

Novieはこの手の仕事をして長いのでありましょう。
今は踊り子をやめてウェイトレス・・・まっ、早い話が雑用係であります。
なので客慣れは相当しているわけで、日本人のジジイなど掌でコロコロなのだろうと思うのであります。

が、こっちだって伊達にフィリピン長いわけでも無く、Novieが海岸で砂遊びをしていた頃からバーで呑んでいるわけですから、これからが勝負であります。

さて、サンミゲールライトの小瓶を一本空ける頃、午後四時過ぎに「Novie アット ナ」(そろそろ行こうよ)と水を向けると「アサ タ」(どこへ)と言うではありませんか。

昨夜SMショッピングモールに行きたいと言ったのはお前じゃ無いかと言いたいのを我慢してSM、と言ったのであります。

まっ、その後はさしたる話も無く、彼女が着替えて・・・と、言っても少し草臥れたTシャツから着替えただけなんでありますが。

で、トライクに乗ってSMに行きました。
私は過去の経験からそれなりの覚悟はしていたんであります。
まず、無事では帰れず、それなりに財布の痛手は被るだろうと。

で、彼女に引きずられるままにあちこちと見て回ったんですが一向にこれ買ってとねだらないんであります。
いや、フィリピーナはこんなはずでは無いんだが、と、困惑しつつ、なんか買えば、とこっちから勧めてしまった次第であります。

ああ、ここまでを計算しているとしたら何て強かなんだろう、と少し怖くなってきたんでありますが、私とても日本男児・・・撤退は無いのであります。

で、いくつかのショップを見ては、良さげなものを身に当ててみるんですけれども、どれも気に入らない様子で買わないんであります。
こりゃぁ、相当難しい女かもしれない、とこっちが身構えちまう始末であります。

しかし、とあるショップで自分が99ペソのビーサン・・・プールの仕事で履くのに良さげと思って買うと、そこでピンクの帽子を選んだのであります・・・それは390ペソ、日本円で800円でありました。

で、その後自分の土産を買いにギフトコーナーに行ったわけです。
そこにはクリスマスシーズンに突入しているフィリピンらしく、子供用のギフトとてんこ盛りでありました。

私はNovieに ウンサ グスト イモン バタ クリスマスギフトと問うたのですが(あなたの子供のクリスマスギフトは何が良いですか)無言で微笑むだけでありました。

そこには、立ち入って欲しく無いという意志を感じたのでありますが、こんなフィリピーナは初めてであります。
男がこんなことを言ったらここを先途とばかりにあれもこれもと買い漁るはずなのに・・・金に困っていないということか。

そー・・・昨夜、酔っ払ったNovieは、私はボンバイなのと言いつつウェイトレスの上着のポケットから千ペソ札の混じった札を取り出して見せたのでありました。
ボンバイとは、フィリピンに蔓延っているインド人系の金貸しでありまして、その存在は容赦ない取り立てで悪名を挙げているのであります。

まっ、冗談だろうと聞き流していましたが、なんだか怪しい雰囲気ばかりが続くわけでして、百戦錬磨を自認し、嘗てとあるフィリピンの街で、一番すけべな日本人と称された自分の自信が揺らぐのでありました。

店を出るなりタグを引き千切ってピンクの帽子を冠ったNovieは少し機嫌を良くしたのか、突然腕を組んできたのでありました。

自分の荷物を持っていない左の腕に軽く手を添えていたんですけれども、やがてその腕は絡みつくようになり、自然とNovieの、あまり大きく無い胸に当たるのでありました。

Novieが見たいTシャツが有ると言うので行ってみたんですけれども、やはり気に入ったものがないようで買わず仕舞いでありました。

ずいぶん歩き回って少し疲れたのでなんか飲むか、食べようか、と言うと、コリアンレストランに行きたいと言いました・・・ああ、前の男との暮らしでコリアンフードに馴染んだんだな、と、微かなジェラシーを感じつつ、Novieが行きたいならどこでも良いと行ってコリアンレストランに入ったのでありました。

いや、ここでは違った驚きが勃発でありました。
買い物ではかなり控えめだった彼女が次から次とオーダーするのであります。
自分は先ほどトーストサンドを食べていたので腹は減っていなかったわけです。
なのでこんなに頼んで食べきれるのか、無駄に頼んで食べ残す様を描いたのであります。

はじめ、しゃぶしゃぶを頼もうとしていたので、それってコリアンフードじゃ無くてジャパニーズだぞと言うと驚いた表情で、んじゃぁ豚の焼肉にする、と切り替えたのであります。
でできた豚肉は冷凍の三枚肉でして、自分は食べる前に想像してしまい、箸がでませんでした。

そして、Novieは韓国の平たい箸を器用に使ってキムチを食べたのであります。
ここでも私は I feel jealousy でありました。

そっかぁ~日本人の俺と一緒にいてもそこまで韓国色を出すのか、と、少し憤りさえ感じましたが、まだここは自分の形勢が不利なのでぐっと心を抑え沈めたのでありました。

斯くなる上は物量作戦で日本色に染め上げたいところではありますが、敵が投下した弾薬は計り知れないわけで、我が軍は未だ斥候が迷っている始末・・・戦さの本番はこれからなのであります。

で、私は食べたくもないトーフチゲを頼みましたが、これが意外と本格的な味ですし、トーフも昔のフィリピンの似て非なるそれとは違って本物なので、思わず知らず全部食ってしまったのでありました。

いや、ここでやっとNovieがビールを飲んでくれたわけであります。

Novieは割とすぐに酔っ払うんであります。
そして、酔うとはしゃぐし、話も弾むんであります。
まっ、たった一本のサンミゲールライトではその効き目も薄いんですけれども、腹も膨れたからか、彼女の顔に少し笑みが見えたのでありました。

彼女は韓国海苔巻きとお代わりしたキムチと豚の焼肉をさらりと平らげ、ブソック カーヨと言って席を立ちました。

お勘定は心配したほどでは無く1100ペソ、2300円ほどでありました。

さて、パオリ ナ カ? (帰ろうか)と問うと、アットナ(行こう)と言うのでトライクを拾ったわけであります。

で、私が黙っているとホテルのある地区を告げたわけです。
まっ、彼女のバーはトライクの戻り道に当たるのでそこで降りると言うのかと思っていましたが、トライクはホテルの前まで来てしまったのであります。

あいやぁ~・・・これは、この展開は望んではいたかもしれないが、予定外なわけであります。

まっ、しかし、私とても男の端くれ・・・もとい、元は男の端くれ、そう言うことなら応じないわけにはいかないと、褌の紐を締めたのでありました。

で、ホテルのロビーに入った時でありました。
Novieが私の腕にしがみつくようにして着いてくるのであります。
これ、自分は嘗て何度か経験しているシュチエーションでして、彼女が予想外のホテルの雰囲気に緊張している証しなのであります。

大昔のことでありましたが、当時セブでも最高杞憂のホテルに泊まっていた時にガールフレンドを食事に誘ったわけです。
が、どこへ行っても何をしても生意気だった娘が錦地ようして手に汗を握って、ホテルでは借りてきた猫になったことを思い出したのであります。

しかし、そこまで大袈裟なホテルではないのでNovieはエレベーターの中で二人になると緊張が解けたのか、また無口な無愛想に戻ったのでありました。

部屋に入った二人は所在無く、Novieはテレビのリモコンをやたら忙しく切り替え、私は買ってきた土産のチョコレートの袋を開き弄んでいたのでありました。

やがて私は意を決してNovieが足を投げ出してテレビを見ているベッドの傍に寝転び、一緒にテレビを見たのでありましたが、この歳になってそー言うことは期待しても栓無き事、ただ意味もなくクロコダイルがハンターに仕留められる画面を眺めるしかなかったのであります。

Novieはと言うと、食べ過ぎで膨らんだ腹を無意識にさすりながらテレビに目を向け無言でありました。

この状況は堪らんなぁ~と思って、最上階のプールバーで一杯やらないか、と誘ったのであります。

するとNovieは、カーポイ ナ コ(疲れた)と言い、シャワーを浴びで少し休んで良いかと問うのでありました。

私に異存はないのでありますが、バスルームはスケスケのガラス張り・・・それは、何を意味するのか、また、その後の展開はやはりそっちの方向にしか転がらないのではないか、と、思わざるを得ないのでありました。

私は嘗て、フィリピンとある街で、街一番のすけべな日本人という称号を戴いていたんではありますが、しかし、もーこの歳であります。
分別盛りと言うには遅すぎる年齢・・・それが年端もいかない娘と一緒にホテルの一室で、しかも彼女はシャワーを浴びると言うではありませんか。
ワット キャン アイ ドゥ・・・でありますが、どこかに邪まな期待に胸を時めかせ、微かではありますが股間にも反応が無いと言えば嘘になるのでありました。

さて、バスルームのスケスケなんですが、上の方にはブラインドが折りたたまれてあるわけです・・・と、言うことは・・・彼女は何と言うことも無く電動のブラインドを下ろして目隠しをしてしまったのであります・・・少しではありましたが邪まな期待をしていた私は、大きくガッカリしたのは言うまでも無いのであります。

で、バスタオルを巻いて出てきた彼女はさっさとベッドに潜り込んで目を閉じでしまったのであります。

そして、イカウ マリゴ ナラン(シャワー浴びたら)と彼女が言うので自分も汗を流しに風呂場に行った次第であります。

そして、髭を剃り、頭も洗い、バスルームから出ると、Novieは既に服を着てベッドに寝ていたのであります。

そっかぁ~・・・そう言うことだよな、やっぱし。

やるなぁ~・・・その手で来たのか、と、私は嘗てこの手の状況を数多経験していましたが、風呂に入っている好きに身支度を整えられたのは初めてでありました。

どっちかと言えば風呂に入るのは、戦さが始まるサインでもあったわけでして、この度はNovieが一枚上手であったと褒め称えるしか無い訳であります。

敗軍の将となってしまった感の強い状況で私は・・・イカウ トログ カ(寝ちゃうの?)と、問いつつ、せめて、最上階の雰囲気の良いバーで一杯付き合ってくれることを期待した訳であります。

するとNovieは驚く返事をしてきた訳です・・・アコ ゴトム ナ(私、お腹が空いた)でありました。

お前ねぇ、さっきあんだけ腹を膨らませていたのにもー腹減ったの?と、驚きよりも呆れてしまったのが偽らざる心境でありました。

それは、戦闘状態に入るか否かの緊張を瓦解させるのに十分な威力を持った言葉でありまして、フィリピーナに腹が減ったと言われてはどーしようも無いのであります。

腹の減ったフィリピーナほど恐ろしく、手のつけられないものはこの世にそれほど多くは無いのであります。

私は、OK、カオン ナラン(OK食べよう)と言いつつ、大いなる未練とともに短パンとティーシャツを着たのでありました。

プロローグ・・・。

最上階のプールサイドのレストランは二人きりでありました。

そこでビールを頼み、フレンチフライとチキンウィングをツマミに静かな夜を楽しんだのでありました。

冒頭で書いた彼女の家の環境や生い立ちなどはこの時に聞いたものでありました。

で、夜風が冷たくなりプールサイドにいるのが辛くなった頃、彼女が部屋に戻ろうと誘った訳です。

ああ、バッグをとって帰るんだな、と思った自分は・・・パオリ ナ カ?と言って勘定を済ませエレベーターに乗った訳です。

すると、彼女が背伸びをして軽くキスをし、サラマット・・・ダグハン サラマット と言ったのであります。

ありがとう、とてもありがとう・・・と、ビサヤ語で言ったのであります。

そして、部屋に戻るとしっかりと抱きつき、アコ ほにゃららららぁ~と言うのでありました。

それ、先に言ってヨォ~・・・そんな心配してたから無口だったノォ~、と言うことで、彼女は本日から旗日だったので心配していたんですトォ。

で、ネクストタイム ナラン・・・と言いつつ、カヌサ カ バリック?(いつ戻ってくる?)と、言い、バレンタイ ナランと言うのでありました。

ここで私はすっかり自分を取り戻し、そんな先のことはわからないよ、と言いたかったんですが、無責任にもプロミス ほにゃららら~なら飛んでくるよ、と、言ってしまった訳です。

と、言うことで、私とNovieは危うくも可笑しな関係のまま、その夜の幕をとしだのでありました。

私は何故だかもう一度熱いシャワーを浴びたくなり、そしてNovieが居なくなって間の抜けた部屋で一人、サンミゲール ピルスンを一本ルームサービスで届けてもらい飲んだのでありました。












コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 我が軍は玉砕せり | トップ | 寒いので避難してきました。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記的雑談」カテゴリの最新記事