原告団総会 油断せず万全の態勢で攻め切ろう！

　　　

昨日（５月１４日）は志賀原発を廃炉に！訴訟の２０１６年度の総会を志賀町文化ホールで開催。
珠洲から加賀まで県内各地から、そして富山からも含め、多くの原告・サポーターが志賀町に集まった。

志賀原発直下の断層について「活断層の可能性否定できず」という評価書がまとめられ、先月２７日に原子力規制委員会に提出されたばかり。参加者の関心も、この評価書提出を受けての今後の志賀原発の行方、そして裁判の展望に集中する。

原告団長として私からは「本来ならばこれで志賀原発の廃炉は決まり。しかし、北陸電力はあきらめず規制委員会で結論を覆そうと必死である。北陸電力が期待するのは規制委員会の専門性ではない。再稼働路線を突き進む安倍政権下、原子力「推進」委員会と化した規制委員会の政治的判断である。廃炉の経営決断ができない北陸電力、専門的な議論が期待できない規制委員会に対して、私たちの訴訟の重要性は一段と高まっている。今後、評価書を証拠として提出し、早期の結審、判決を求めていく。優勢であることは間違いないが、勝負事は詰めが一番大事であり、また難しいもの。何より油断が大敵。組織を強化し、運動の前進あるのみ。さらに１審だけでなく高裁、最高裁へと続くたたかいを展望し、たたかい抜く決意と組織、財政基盤の強化が何より大切。そして、立地町である志賀町を中心に、これ以上引き延ばすなという世論形成も重要」とし、具体的取り組みを盛り込んだ議案の審議をお願いする。

　　　

総会に先立ち、昨日の午前中は志賀町内で街宣行動。
副団長で志賀町出身の盛本芳久県議、同じく副団長で福島から金沢に避難している浅田正文さん、そして堂下健一事務局長とともに、活断層問題や訴訟の状況、そして総会の記念講演への参加を呼びかける。
参加者が一様に驚いたのは、かつてないほどの好意的雰囲気だったこと。
訴訟への支援や記念講演の案内を記載したビラを同時に配布したが、ほとんどの人が快く受け取ってくれる。拒否されたのはほんの数人。
さらに午後の記念講演を紹介すると、「ぜひ行きます」「友だちにも声かけます」といった反応も。
以前はビラを受け取ってもすぐに離れていく人が大半だったが、今回は話を聞いてくれる人も多い。
車から手を振ってくれる人も増えた。

「活断層の可能性否定できず」で専門家の意見が一致し、その評価書が提出されたことが何といっても大きい。
直下の活断層が動いたらどうなるか。
それがまさに連日報道されている熊本地震である。
揺れの大きさもさることながら、水田などに現れた地表のズレ。
もし志賀原発直下の活断層が動いたら・・・と多くの志賀町民の皆さん、まさに「明日は志賀原発、明日は我が身」の思いで新聞やテレビを見ていたのではないだろうか。
そしてその先にあるのがフクシマである。
５年が経過し今なお１０万人近い人が避難生活を強いられ、原発からは放射能が放出され続けている。

　　　

総会に引き続き、福島原発告訴団副団長で前いわき市議の佐藤和良さんを招いての記念講演。

　　　

国民の多くは以前、野田総理が発した「収束宣言」で、福島の事故はそれなりに収束したと受け止めているのはないだろうか。
しかし法的に意味を持つ「原子力緊急事態宣言」は今だ解除されていない。
そんな中、政府は避難者の汚染区域への帰還を促し、来春には避難者の住宅無償供与は打ち切られる。
避難者には子ども連れの女性が多いが、まさに貧困か、被ばくか、この理不尽な２者択一を迫るものだ。
長年福島県内の脱原発の運動の先頭に立って奮闘してきた佐藤さんだけに、怒りの舌鋒は鋭い。

　　　
　　　　　　　　（北陸中日新聞　５月１５日）

記念講演終了後は街に出てデモ行進。
志賀原発の再稼働反対、廃炉を訴える。