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「森のようちえん」という言葉は聞いたことがあったが、いま欧米では幼児期の外遊びを重視する動きが広がり、国内でも長野や岐阜、鳥取、広島などは県をあげて森と自然を活用した保育・幼児教育が推進されているとのこと。
そんな中、全国各地から自治体関係者が集まっての勉強会があるからと知人に誘われ参加することに。
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主催は国土緑化推進機構。
この勉強会の開催は東京、関西に続き今回が3回目とのことだが、北は青森から南は鹿児島まで約150人が参加。
当初は定員80人で募集していたが、応募が相次ぎ120人に、そして150人に増やしたことからも関心の高さがうかがえる。
参加者は保育の現場で働く保育士さんや自治体の子育て支援関係の担当者に加え森林・里山保全関係の担当者、日々イノシシ対策に奔走しいる職員もいるなど、一見異色の組み合わせ。そしてそこに自治体議員も加わる。
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勉強会は13人からの報告や事例紹介でみっちり4時間半。
自然を活用した保育・幼児教育の意義や可能性、制度的な課題、林業行政から見た森林環境教育、そして保育・幼児教育からの実践報告、林業関係部署からの実践報告、さらに「森のようちえん」が子育て世代の移住・定住促進につながるという実践報告も。
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都道府県では長野、鳥取、広島が独自の認定(認証)制度を設けて、拡大に努めている。
「里山里海だ、農業遺産だ、ふるさと学習だ」と言ってるわりに石川県はその地域資源を保育・幼児教育の場に活かす取り組みは遅れている。
林業行政の担当者が自然を活用した幼児教育を熱く語る姿は結構新鮮。
一方、「森のようちえん」に対して誤解があることも事実。保護者や保育園関係者から批判を招くこともあり、広島県は知事のリーダーシップで3年がかりでようやく取り組みがスタートしたとのこと。
珠洲でもやれることはたくさんありそうだ。
いくつもの壁を越えての「森のようちえん」だが、いままた幼児教育の無償化制度の導入で、かたくなに無認可保育園を対象外とする政府の方針が「森のようちえん」の存続を脅かしているという。
こうした中、森と自然を活用した保育・幼児教育推進自治体ネットワークの設立が予定されてる。
自治体からの知恵と力が問われている。
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ところでこの勉強会の会場は岐阜県美濃市にある森林文化アカデミーという施設。
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森と木に関するスペシャリストを養成することを目的とした岐阜県立の専修学校だが、教授陣も、教育内容も、建物もかなりユニーク。
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学長は、サンデーモーニングのコメンテーターでおなじみの涌井さんだった。
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