北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

杞憂とは言ってられない原発への隕石直撃

2013-02-19 | 脱原発
 天が落ちてくることを心配する杞憂とまでは言わないが、原発を隕石が直撃する確率は原発一基あたり10億年に1回の確率で、ヤンキースタジアムに隕石が落下するのを心配するようなものだと原子炉安全性研究、いわゆるラスムッセン報告は指摘していた。

 原子力規制委員会が制定中の原発の安全新基準は福島第一原発事故を踏まえ、地震・津波などの自然災害といった外部の脅威に対応する措置を一応強化することとなっている。テロリストが航空機をハイジャックして原発に衝突することも想定するという。
 それでも隕石落下については想定しなかった。
 
 現在係争中の志賀原発差止訴訟でも、確率的手法を前提とした安全性に対する考え方を批判し、原発事故がもたらす被害の甚大さを鑑みれば絶対的安全性が求められるとして、地震津波に関しては「既往最大」規模を想定すること、工学的要因や人災については最悪の事態を想定すべきと主張しているが、隕石については触れていない。

 隕石直撃も含めて安全対策を考えろ!と言っていた方がいたかどうか私は把握していないが、さすがにそこまで言うと嫌がらせ、為にする議論だとひんしゅくを買うかもしれないなぁとなんとなく感じてきたのも事実である。

 そんななんとなくの気分は15日のロシアウラル地方への隕石落下で吹き飛ばされた感がある。

 原子力規制庁の関係者は、「隕石が原発に落下した場合、深刻な事故として、テロ活動と同様に取り扱う。しかし隕石の大きさ、落下の地点は予測が困難であり、計画中の安全措置により対応できるかは未知数だ」と語っているそうだ。

 要するに予測できないから想定しないということのようだが、ここ数日、世界中にこんなに隕石が落ちている、日本にもこれだけ落ちていると報道が繰り返されている。

 恐竜を絶滅させた直径10キロの隕石とまでいかなくても、今回の隕石クラスでも原子炉を直撃すればダメージはさけられないだろう。

 あらゆる事態を考え出せばきりがない、そんな開き直りもかつての原子力行政に携わった人の間にはあるようであるが、大地からのリスク、宇宙からのリスクに常にさらされている人類だからこそ、甚大な被害へと拡大させる原発はやめるしかない。

 それよりも真剣に悩むべき課題は放射性廃棄物の保管場所である。安定した地層がない日本では地中深くの埋設ではなく、管理可能な地上しかないと思ってきたが、そんなわけにもいかないようである。




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