11月2日から4日まで第3回となる瀬戸内国際芸術祭2016を視察。
来年9月3日から10月22日まで、50日間の会期で珠洲市内で開催される奥能登国際芸術祭に向けての課題を学ぶことが目的である。
数回に分けて視察のトピックを紹介したい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
瀬戸内国際芸術祭2016(以下瀬戸芸)は瀬戸内海の12の島と宇野港、高松港を会場としている。
珠洲から視察に訪れている人も多いが、会場である島間の移動に加え、瀬戸内までの往復に時間がかかるので2の島をまわればいいところではないか。
私は前日金沢で会議が入っていたのでそのまま金沢で泊り、翌早朝5時半金沢駅発のサンダーバードで出発し、豊島、女木島、男木島を回る欲張りプラン。
岡山から瀬戸大橋線で茶屋町駅。ここで宇野線に乗り換えて、直島や豊島、小豆島へのフェリーが出る宇野港へ向かう。
茶屋町駅で待っているのは2両編成のローカル線。
乗客は意外と少ないなと思っていると出発少し前に高松からのマリンライナーが到着。
どっと大勢の観光客が乗り込んでくる。
車両の中を見回すと、日本人かどうか微妙だが、服装や髪型、持ち物から判断して大半がアジア系の外国人。欧米からの人も含めると実に8~9割が外国人である。
この驚きが今回の視察のキーワードの一つになっていく。
その後、訪れた先々、インフォメーションセンターのスタッフや港やバス停でのボランティアガイドさん、巡回バスの運転手さん、売店のおばさん、民宿のお母さんらとの会話の糸口は「外国の方、すっごく多いですねぇ」で始める。
正確な調査はできないだろうが、豊島、女木島、男木島、どこでも皆さんの返事に大差はない。
「6割くらいがアジア系の外国人。特に台湾が一番多いかな」
「ここの港に到着する観光客は、台湾などアジアを中心に多い時には9割が外国人」
「台湾、韓国、香港、中国からの人が半分以上」
なぜこんなに大勢の外国人?と最初は不思議だったが、バスの運転手さんが教えてくれた。
「みんな高松空港から入ってくるんだ。台湾便ができたのが大きいな」
台湾からはチャイナエアラインが台湾桃園国際空港との間で2013年3月21日から定期便の就航を開始。
香港は2016年7月6日からLCCの香港エクスプレス航空が週3便の定期便を就航させて、9月からは週4便に増便。
2013年8月21日からは成田空港とも2往復でつながっている。
この他、韓国とも中国ともつながっている。
(高松空港のHPより)
次々と訪れる世界各国からの来場者全員に的確に対応するのは至難の業。
会場によっては英語に堪能な若いボランティアや中国からの留学生などもいてそれぞれ言語には対応している。
豊島美術館では作品会場に入場する前に英語と日本語で注意点を説明してくれて、さらにこんなペーパーも用意されている。
が、多くの会場では受付のボランティアさん(高松市内からくる退職者世代の方が結構多い)がボディランゲージや香川弁の英語で奮闘している。
外国人が増えたことによる受け入れ態勢を考え出すとキリがないのでやめて置き、その裏返しの疑問点を一つ。
2010年の第1回の報告書を見ると来場者94万人中、外国人は「台湾、アメリカ、オーストラリア、フランスなどが多い」とされるが1.1%とのこと。
2013年の第2回は来場者107万人中、外国人は2.6%。
※外国人の%は香川県のアンケートによる。
※来場者数についてはあらためて書きたい。
アーティストだけでなく来場者も含め、文字通りの国際芸術祭で結構なことかもしれないが、これでは数字を追う限り、3回目を迎えた瀬戸芸は、全体の入り込みがたとえ3割、4割増えても日本人の来場者が激減?
いや、そもそも1.1%や1.2%という数字はアンケートの対象をどのように抽出したかわからない(外国人向けのアンケート用紙を準備、あるいはそれぞれの外国語を話せる調査員を確保してなければ、そもそも大半の外国人は調査の対象外かも)ので、今回の報告書がまとまるまで「激減」は保留にしておく。
さて、奥能登芸術祭は韓国とのエージェントとも交渉し、韓国からの来場者はある程度見込めるようだが、やはりその前に大切なのは日本人。各地で様々な芸術祭が乱立し、飽和状態。アートファンもしっかり行き先を選別する時代に入っていることは間違いない。
奥能登芸術祭は能登の魅力に加え第1回という珍しさも含め、注目を集める可能性はあるとは思うが、甘い話ではないことだけは肝に銘じておかなければならない。
来年9月3日から10月22日まで、50日間の会期で珠洲市内で開催される奥能登国際芸術祭に向けての課題を学ぶことが目的である。
数回に分けて視察のトピックを紹介したい。
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瀬戸内国際芸術祭2016(以下瀬戸芸)は瀬戸内海の12の島と宇野港、高松港を会場としている。
珠洲から視察に訪れている人も多いが、会場である島間の移動に加え、瀬戸内までの往復に時間がかかるので2の島をまわればいいところではないか。
私は前日金沢で会議が入っていたのでそのまま金沢で泊り、翌早朝5時半金沢駅発のサンダーバードで出発し、豊島、女木島、男木島を回る欲張りプラン。
岡山から瀬戸大橋線で茶屋町駅。ここで宇野線に乗り換えて、直島や豊島、小豆島へのフェリーが出る宇野港へ向かう。
茶屋町駅で待っているのは2両編成のローカル線。
乗客は意外と少ないなと思っていると出発少し前に高松からのマリンライナーが到着。
どっと大勢の観光客が乗り込んでくる。
車両の中を見回すと、日本人かどうか微妙だが、服装や髪型、持ち物から判断して大半がアジア系の外国人。欧米からの人も含めると実に8~9割が外国人である。
この驚きが今回の視察のキーワードの一つになっていく。
その後、訪れた先々、インフォメーションセンターのスタッフや港やバス停でのボランティアガイドさん、巡回バスの運転手さん、売店のおばさん、民宿のお母さんらとの会話の糸口は「外国の方、すっごく多いですねぇ」で始める。
正確な調査はできないだろうが、豊島、女木島、男木島、どこでも皆さんの返事に大差はない。
「6割くらいがアジア系の外国人。特に台湾が一番多いかな」
「ここの港に到着する観光客は、台湾などアジアを中心に多い時には9割が外国人」
「台湾、韓国、香港、中国からの人が半分以上」
なぜこんなに大勢の外国人?と最初は不思議だったが、バスの運転手さんが教えてくれた。
「みんな高松空港から入ってくるんだ。台湾便ができたのが大きいな」
台湾からはチャイナエアラインが台湾桃園国際空港との間で2013年3月21日から定期便の就航を開始。
香港は2016年7月6日からLCCの香港エクスプレス航空が週3便の定期便を就航させて、9月からは週4便に増便。
2013年8月21日からは成田空港とも2往復でつながっている。
この他、韓国とも中国ともつながっている。
(高松空港のHPより)
次々と訪れる世界各国からの来場者全員に的確に対応するのは至難の業。
会場によっては英語に堪能な若いボランティアや中国からの留学生などもいてそれぞれ言語には対応している。
豊島美術館では作品会場に入場する前に英語と日本語で注意点を説明してくれて、さらにこんなペーパーも用意されている。
が、多くの会場では受付のボランティアさん(高松市内からくる退職者世代の方が結構多い)がボディランゲージや香川弁の英語で奮闘している。
外国人が増えたことによる受け入れ態勢を考え出すとキリがないのでやめて置き、その裏返しの疑問点を一つ。
2010年の第1回の報告書を見ると来場者94万人中、外国人は「台湾、アメリカ、オーストラリア、フランスなどが多い」とされるが1.1%とのこと。
2013年の第2回は来場者107万人中、外国人は2.6%。
※外国人の%は香川県のアンケートによる。
※来場者数についてはあらためて書きたい。
アーティストだけでなく来場者も含め、文字通りの国際芸術祭で結構なことかもしれないが、これでは数字を追う限り、3回目を迎えた瀬戸芸は、全体の入り込みがたとえ3割、4割増えても日本人の来場者が激減?
いや、そもそも1.1%や1.2%という数字はアンケートの対象をどのように抽出したかわからない(外国人向けのアンケート用紙を準備、あるいはそれぞれの外国語を話せる調査員を確保してなければ、そもそも大半の外国人は調査の対象外かも)ので、今回の報告書がまとまるまで「激減」は保留にしておく。
さて、奥能登芸術祭は韓国とのエージェントとも交渉し、韓国からの来場者はある程度見込めるようだが、やはりその前に大切なのは日本人。各地で様々な芸術祭が乱立し、飽和状態。アートファンもしっかり行き先を選別する時代に入っていることは間違いない。
奥能登芸術祭は能登の魅力に加え第1回という珍しさも含め、注目を集める可能性はあるとは思うが、甘い話ではないことだけは肝に銘じておかなければならない。
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