北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

特定秘密保護法案を見て ~ これじゃあ何回逮捕されたことか ~

2013-11-08 | ニュースコメント
 特定秘密保護法案が昨日から衆議院で審議入りとなった。
 読売、産経は秘密保全の必要性を掲げ賛成の立場。
 日経は?か。
 朝日、毎日、東京(北陸中日)の各紙は明確に廃案を求めている。報道の自由に直結する知る権利の侵害にとどまらず市民社会の自由が失われることに対するかつてない危機感を示している。全く同感である。
 
 私の具体例を紹介したい。

 以前勤めていた石川県平和運動センターでは、志賀原発への新燃料の搬入、あるいは使用済み核燃料の搬出に対し抗議行動を展開していた。

 新燃料は、志賀原発でいうと茨城県東海村や神奈川県横須賀市の核燃料工場で製造され、トラックに積み込まれて輸送される。工場を出発したトラックは首都高速を走り、関越自動車道、北陸自動車道を通り、森本ICから月浦-白尾道路、さらに能登里山海道を通り西山インターで降り、志賀原発の裏ゲートから搬入される。
 この間、放射線を放ちながら一般車と一緒に走り、SAでは一般車と並んで停車する。これだけでもとんでもない話だが、加えて万が一事故があったらどうするのか。通過自治体の消防が対応することになっているが、情報も入らず防護服や線量計の準備など防災体制も欠陥だらけである。

 新燃料搬入を阻止して原発の稼働を止めたいという思いは当然あるが、それは無理でもせめてこんな無謀な輸送はやめろと抗議するのは当然だと思うし、その権利は保証されなければならない。

 ところが、反原発運動に関わってきた人ならご存じのとおり、この輸送の日程、ルートは公表されていない。
 以前から正式には公表されていなかったのだが、2005年に「核物質防護対策の強化等を目的として核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」という長ったらしい法律が改訂され、核物質防護に関する守秘義務に係る規定が設けられてからはなおさら日時の把握が難しくなった。
 テロリストに核物質が奪われないようにと「核物質防護」を掲げ秘密にするという。一見もっともらしいが、核ジャックする方から見たら、こっそり秘密裏に運んでいる車両を襲うのと、情報が公開され万人が監視する車両を襲うのとではどちらがやりやすいか。答えは簡単だろう。なんでも秘密にすればいいというものではない。

 いずれにしてもあの手、この手で情報を探り、日程を絞り込み、最終的にこの日だ、ということでデモ申請をおこない、抗議行動を展開してきた。毎年のようにおこなってきた。1.2号機があるので時には年に2回も行った。使用済み燃料の海上輸送も入ることもあった。

 まさに特定秘密保護法案にいうところの「テロリズム防止」の特定秘密に(おそらく該当するであろう情報=それは秘密なのでわからない)アクセスしてきたのである。法案ではアクセスしようと働きかけても逮捕、アクセスしようと組織内で相談しても共謀で逮捕となるようである。

 さてさて、この法律があったら私はいったい何回逮捕されたことか。
 
 そしてこれからは核燃料輸送の抗議行動など怖くて話題にもできなくなる。

~~~~~~~~ 追加 ~~~~~~~~~

朝日新聞(2013.11.9)に下記記事があったので追加します。



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