北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

裁判勝訴で引導を渡すしかないか あがき続ける北電

2015-07-17 | 志賀原発


志賀原発の敷地内断層の活動性について評価する原子力規制委員会の第7回の有識者会合が開かれた(会議映像はこちら)。
前回5月13日の会合では「活動性を否定できず」で一致しており、今回は各委員の見解を調整し、一つの評価書案にまとめる作業である。



今回、事務局がまとめた評価書案は想定内。
やや慎重な書きぶりが気になったが、各委員から結論が端的に伝わるような、あるいは結論を強調するような表現や構成にするよう要望が相次ぐ。
今後、今日の意見を盛り込んだ評価書案がまとめられ、他の専門家によるピュアレビュー(検証会合)を経て正式な評価書として原子力委員会に報告され、規制委が最終判断をすることになる。

規制委は発足当初は、政権や原子力ムラからの独立性が最大の看板だったが、今では安倍政権によるアンダーコントロール状態である。
そういう意味で、決して楽観論だけをふり巻くわけにはいかないが、4人の専門家の認識が一致し、かつ規制委委員のひとりである石渡委員が座長を務める会合の結論を覆すことは常識的には難しいだろう。

本来ならばここで北電は自ら廃炉への決断を下し、脱原発電力会社として日本のリーディングカンパニーになってほしいところだが・・・
今日、北電が発表したコメントを見てもその気はなさそう。

そこで問題は今後の展開である。
昨年の8月、北陸電力は2号機の再稼働に向け、新規制基準の適合性審査を原子力規制委員会に提出している。
当然、この審査では敷地内断層の評価書が重要な知見として扱われることになる。
原子炉建屋の下を通る1号機は申請を出しても不合格。

一方、2号機は・・・



タービン建屋の下をS-2、6が通る。
わたしたちから見れば2号機もアウト!
だが、現行の基準ではストレートにアウト!とはいかない。
タービン建屋はあってもOK!(???だが)
しかし、同じくS-2、6の上を原子炉補機冷却系の配管が横切っている。
海底の取水口から2号機原子炉建屋につながっている配管である。
これは重要構造物だからそのままでは再稼働はできない。

S-2、6を避けて、海水を2号機タービン建屋まで引き込むことが合格への条件となる。
技術的な問題、コストの問題、そして工期もバカにならないだろう。

北電はS-2、6は活断層ではないとして、評価書の妥当性を徹底的に争ってくる可能性もある。
今日のコメントを見てもこちらの可能性の方が強そうだ。
最後は規制委員会の不合格という判断に対して行政訴訟を起こし、活動性の有無を争ってくる可能性すら残されている。

しかし、ここまで考えると、私たちがいまおこなっている差止訴訟の結論の方が早いのでは、とも思えてくる。
廃炉への決断を下せない北電に対して、私たちが裁判勝訴で引導を渡すのである。
これがもっとも現実的なシナリオかもしれない。


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