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首都大学東京で憲法を教えている木村草太という准教授がいる。
最近、憲法関係のテーマではよくマスコミにも登場しているそうだがあまり知らなかった。
たまたま北陸中日新聞が連載した安保法制懇報告書・憲法学者の赤ペンチェック(5月27、28日)に登場し、さらに朝日新聞(5月27日)のウェブロンザでも紹介されていた(上記記事)ので読んでみると一刀両断、切り裂く角度がお見事!という印象。
そんな鮮烈な記憶が残る中、たまたま本屋さんで見つけたのがこの本。
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私は「人は見た目が9割」を結構信じる方で、「憲法論議を正しく楽しむための一冊」と帯に書いてあるが、単なる売らんがためのキャッチコピーで、絶対に小難しい本だと確信していた。そうは思いつつも一刀両断の実力をもっと読んでみたいと、ついつい買ってしまったのだが、これが実におもしろい。
象徴天皇制などわかったつもりの用語、あるいは国民主権と三権分立の関係といった憲法の基本的なテーマなどを実におもしろい、わかりやすい例を用いながら解きほぐしていく。
9条改憲論については戦争違法化の歴史から整理していく。
冒頭のはしがきでこの本のテーマは「憲法について考え、議論するのは、とても楽しい」ということを伝えることと書いているが、まさにその通り。
憲法解釈の変更や改憲への暴風が吹き荒れる中、お薦めの一冊である。
「テレビが伝えない憲法の話」
著者:木村草太
PHP新書
760円(税別)
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