野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

奥武蔵の低山を歩く

2013-04-28 | 登山

 

 4月下旬、芦ヶ久保駅を起点に奥武蔵の山を歩いてきた。

行程概略; 8時半芦ヶ久保駅→10時二子山雄岳→ 10時40分焼山→武川岳11時50分→12時半天狗岩(ここで昼食)→14時10分名郷バス停

 

 駅を下り芦ヶ久保の道の駅を右に見て、その先電車の下のトンネルを抜けるとすぐに山道が始まった。

 

 

 新緑が目に染みる

 

 キケマン、ヤマエンゴサク、ヤマネコノメソウ、ハシリドコロ

 

 ヒトリシズカが群生していた

 

 

 

 山歩きをしている人にはほとんど出会わないが、道標はしっかりしていて道に迷うことはない

 

 昨夜の寒波で降った雪が消えずに残っている。寒そうなスミレ

 

 軽アイゼンが必要なほどの急坂を何とか登りきって、二子山の雄岳に到着。涙が出るほど風が冷たく強い。

 

 武甲山と右奥には両神山がうっすらと見える

 

 

 時折ミツバツツジが目を和ませてくれる

 

 振り返ると二子山

 

 

 スミレも多い、フモトスミレとアケボノスミレ

 

 

 武甲山を背にしたアセビが特有の匂いをまき散らしている

 

 見晴らしの良い焼山(850m)まで登ってきた。

 

 期待していたカタクリはこれからなのか、それとももう終わったのか葉っぱしかみえない。

 

だんだんと雪が多くなってきた

 

 雪の上に落ちた花たち

 

 やっと一輪だけカタクリに出会えた

 

 新緑に萌え始めた山と雪の光景はなかなかお目にかかれない、不思議な景色だ。

 

蔦岩山を越えたあたりからは一面の雪景色

 

 

 やっと武川岳頂上。ここには10数名の人でにぎわっていた。

 

 20分ほど下った所で山伏峠との分岐、右の天狗岩の方へと折れる。

 

天狗岩で昼食をした後は、杉林の中の急坂をひたすら下って行った。30分ほどで林道に出た後は、バスの時間調整もかねてゆっくり植物観察をしながら下った。

 ツクバネウツギ

 

 

 

 キランソウ、キイチゴの仲間、 ホウチャクソウ、 ウツギの仲間

 

 見上げるとアケビの花も咲いていた

 

 日向の草に寝転んでいたら、目の先にフデリンドウを見つけ嬉しかった。

 

 13時のバスには間に合わなかったので、14時のバスに乗って飯能まで帰った。

 今日もいい一日だった。感謝。

 

 

 

 

 

 

 


 福島県郡山市五百淵公園の桜

2013-04-25 | 散歩

   郡山市の郊外にある五百淵公園ではちょうど桜祭りが行われていた。  灌漑用の溜池なのだが随分広い。

 

 

 

 

人は少なく祭りの賑やかさはないが、桜はそんなことに構わず一層艶やかである。

 

 

 

 

 昭和天皇のご成婚を記念して植えられた桜というから、90年になる老桜だ。

 

 

干潟にはもうじき渡りで帰っていくツグミが水鳥のまねをしていた

 

 

 この公園周辺は野鳥の楽園となっていて、池のほとりには野鳥公園や野鳥の森学習館がある。

 

 

 

 

 駐車場も設けられていて南側に7台、学習館には5台停められる。

 

野鳥の森の中の小川は花筏で覆われていた

 

 風もなく、初夏を思わせる気分のいい一日だった。

 

ただ原発事故の影響はないわけではない。街の至る所には線量を示す表示がされていた。この公園でも何か所かに白いボックスが置かれていた。上の赤い部分が線量の数値を示す液晶部分で0.425μシーベルト/時とあった。

 

 

原発をやめられない人間の愚かさと放射能に痛めつけられてなお花を咲かす桜の美しさ……そしてそれを愛でる人々。10万年という想像を絶する長い年月にわたってまき散らされる放射能。うーんいろんなことを考えさせられた一日だった。

 

 この辺で。

 


花見山

2013-04-22 | 探鳥

 所用で福島へ泊まった早朝、空き時間を見計らって花見山へ寄ってきた。以前にも4月中旬に何度か訪れたことがあるのだが、今年は花の咲く時期が早く、咲いている花木は随分と違っていた。

昨年は花木畑の養生ということで開園されなかった。今年はその影響もあって以前にもまして賑わっているようだ。人ごみの嫌いな私は例によってヒットアンドアウェイ方式を取ることにした。早朝といってもバスは6時50分頃出るのでそれに乗って、シャトルバスの第一便が到着する9時半ごろには撤退するという算段。

 路線バスなので少し手前で降りてから歩いていく。正面に見える白っぽい小山が花見山。

 

 前来た時と違って周囲の山にも随分花木が増えて、桃源郷は拡大しつつあるようだ。

 

 

 鯉のぼり

 

 茶店の人は開店前の準備で大忙しだった

 

 

 梅や早咲きの桜は終わっているので、以前来た時よりちょっと花の量は少ないようだ。手前と奥の黄色はレンギョウ、左は桃だがまだ咲いたばかり。

 

 こちらは菜の花の黄色

 

 とりあえず山の上まで登ってみる。福島市街の向こうに遠く望めるのは安達太良連峰

 

モクレンと桜が同時に見られるのは東北ならではといったところ。

 

 何とも繊細な紅枝垂れ桜

 

 淡い黄色はヒュウガミズキ

 

 梅が散ったかわりに咲き始めた桃が色を添えている

 

 この日は雲一つない好天気だった。

 

 真ん中の赤はカエデの赤色、手前のピンクの花は赤色のほんのり入ったユキヤナギ

 

 再び麓まで下りた。来た時から一時間半近くたっているので、光線が変わってまた違う景色のように見える。本当は一日いるといろいろ変化を楽しめるのだろうが……。

 

 逆光の側の斜面はまた、独特な色合いを見せてくれている

 

 

  白、赤、黄の饗宴だ

 

 

 

 思わず10時近くまで粘ってしまった。喧騒とともにたくさんの人がバスを降りてやってきた。そろそろ退散のころあいだ。

 

 心ゆくまでとは言い難いが、ずいぶん楽しませてもらった。花見山のボランティアの人たちありがとう。

今日はこの辺で。

 

 


棒の峰から高水山へ

2013-04-19 | 登山

 

 野の花を求めて奥多摩の低山を歩いてきた。

 川井駅からバスに乗って大丹波川をさかのぼり清東橋へ。平日とはいえ客はずっと一人、やがては廃止されるのではと心配になる。

バス停からは少し歩いて、標識の案内に従って右折、小沢を渡る。

 

 ワサビ田に沿って登っていく。

 

 素朴なワサビの花

 

 マムシグサの仲間もお出迎え

 

 この辺は水も豊富で、日当たりも良いので野の花が多い

左上から右上左下の順でハナネコノメ、ツルネコノメ、コチャルメルソウ、既に実をつけたヤマネコノメソウ

 

 同じ順でヤマエンゴサク、ニリンソウ、トウゴクサバノオ、ハコベの仲間

 

 マルバスミレ、カテンソウ、エイザンスミレの紅白、白い方はヒゴスミレかもしれない

 

 ヒトリシズカ

 

 しばらくワサビ田が続く。小さな滝が見えてくると、そこから先はヒノキとスギの林の中を急登していく。

 

 ジグザグの道をひたすら標高を稼いでいく。伐採の音が聞こえてきた。やがて周りが急に明るくなったところで頂上直下にたどり着いた。

 

 棒ノ峰969m、最近の地図では棒ノ折山の表記が先だ。

 

 ここから奥武蔵方面の眺めは非常に気持ちがよい

 

 今日は早起きしてきたのでまだ10時前。頂上には先客が一人いるだけ、軽く挨拶し少し離れたところで思い思いに眺めを味わう。

 

 

 蕾をほころばせ始めたクロモジの木

 

 頂上の解放感を暫く味わった後は岩茸石山方面に下山。頂上からの下山路は植生回復のため脇道が設けられていた。ゴンジリ峠を通過。

周りはまだ新緑前の早春の景色が続く

 

起伏が何度も続く。崖を見下ろしたらアカヤシオが崖にへばりつくように咲いていた。

 

更に少し行った先ではイワウチワも発見。これも登山路脇の崖に生えていた。木で身体を支えながら撮っていたら、走り登山者(最近ではトレイルランナーというらしい、ここのところ急激に増えてきた)が見向きもせず通り過ぎて行った。楽しみは人それぞれなのだなぁとつくづく思う。

 

 ピンク色のきれいな美顔のイワウチワ

 

 名坂峠を過ぎ、岩茸石山への登りで以前は気が付かなかったカタクリを発見した。植栽されたものより色が濃く感じられる。

 

 フモトスミレかな

 

 沢山の人が休んでいた岩茸石山頂上

 

 ヒナスミレ

 

 ヤマザクラ

 

  高水山を過ぎ、常福院が近くなった辺りでミヤマシキミの群落にであった

 

 日当たりのよいところにはセンボンヤリ

 

 コミヤマカタバミの群生も多い

 

 

 常福院

 

 オオカミの狛犬

 

 

 常福院からは一気にスギ、ヒノキの針葉樹林帯を駆け下りていく。途中にはナガバノスミレサイシンとコミヤカタバミの花が多かった。

 

キイチゴの仲間では珍しく上向きに咲くニガイチゴ

 

 これはヒゴスミレでいいのだろうか、本とルーペを持参して調べないと私にはわからない

 

まもなく林道に出てここからは軍畑の駅まで30分ほどでついた。

 

 今日はこの辺で。

 

 

 

 

 

 

 


奥武蔵のアカヤシオ

2013-04-15 | 野の花

 節季も清明となり、周りはすっかり春めいてきた。4月初旬奥武蔵の低山(標高800m~1000m)を歩いてきた。前回、前々回と同じくまた同じ理由で地名は伏せたいと思う。ただ写真の風景でどこか分かる人はいるのではと思う。

静かなヒノキ林を登っていく。時折、小沢を横切るとミソサザイの澄んだ囀りが聞こえてくる、

 

 日のさす場所ではアセビがまだ咲き残っている。

 

 林床にはフモトスミレがちらほら

 

 細長い葉のスミレはナガバノスミレサイシン

 

ピンクの可愛いヒナスミレもお出迎えだ

 

標高800mを超えるとまだまだ辺りは冬景色、ミツバツツジもやっと咲き始めたばかり

 

 

 

登山路の下を縫うように林道が走っている。バイクが一台けたたましい音を立てて通り過ぎて行った。

 

 やっとアカヤシオの多く見られる一帯までやってきた

 

 

 いつもはもう少し時期が遅くなって(4月20日前後)からくるのだが、今年はちょうど良かったようだ。白色からピンク色までグラデーションを見せる花弁がまるで初々しい赤子のほっぺたのようだ。

 

 

 

 アカヤシオはツツジ科ツツジ属の花だが、ヤシオの名のつくツツジはアカヤシオとシロヤシオ、ムラサキヤシオの三つ。それぞれ赤城ツツジ、五葉ツツジ、深山ツツジの名でも呼ばれる。

 

 

 少しガスがかってきた山の崖に咲くアカヤシオ

 

 松の緑ともよく合う

 

 

 暫く持ってきたおにぎりを食べながらアカヤシオを堪能、此処は登山者が少ない山なので本当にゆっくりできる。

 

 少し離れた崖の斜面にはイワウチワが、同じピンク色の花弁で咲いている。上だけでなく、もっと下も見てよと誘っているようだ。

 

 

まだ蕾の花も多い

 

 

 

 アカヤシオとイワウチワの競演を楽しんでからはぐるっと尾根歩きをして下山した。途中出会ったハイカーは5組8人。カケスとヒガラにも出会えた。

標高が500mを下るとミツバツツジも花弁を開き、虫を呼び始めていた。

 

 もうすぐこダム湖の周囲の森にも、キビタキやオオルリなどの夏鳥がやってきて、美しい囀りを聞かせてくれることだろう。

 

 この辺で。